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銀河系中心の超大質量ブラックホールの方向がリアルタイムで表示される無料アプリが登場

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(著) (編集)

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 その容赦ない超重力で、あらゆるものを吸い込んでしまうブラックホールは畏怖の存在でありながらも心惹かれてしまう人も多いだろう。だが空を見上げても肉眼で確認できないのがもどかしい。そんな人の神アプリが登場したようだ。

 App Storeでリリースされた無料のアプリをダウンロードすることで、地球が銀河のどの位置にあろうとも、いつでも天の川の中心とそこまでの距離を指示してくれる。

 天の川銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在する「いて座A*」がある。目には見えなくても、矢印の指示した方向に、確かにそれはあるのだ。

銀河の中心にあるブラックホールの方角がわかるアプリ

 宇宙時代を生きる私たちには銀河の羅針盤が必要だ。App Storeでリリースされた無料のiPhone用アプリ「Galactic Compass(ギャラクティック・コンパス)」は、どこにいても天の川銀河の中心を緑色の矢印で示してくれる。

 さらにそこに至るまでの距離も示されている。こんなアプリが欲しかったパルモの場合には、さっそくダウンロードしてみたよ。

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私がダウンロードしたアプリの画面

使い方は簡単

 ギャラクティック・コンパスの使い方は簡単。まずはApp Storeで無料のアプリをダウンロードだ。

Galactic Compass on the App Store

 あとはアプリを起動して、iPhoneを水平にすればいい。

 すると普通のコンパスが常に北を示すように、画面に表示された大きな緑色の矢印が銀河の中心にあるいて座A*のブラックホールの方向を示してくれる。

銀河の中心いて座A*に鎮座する超大質量ブラックホール

 銀河の中心は、「いて座A*」と呼ばれる超大質量ブラックホールが鎮座するきわめてミステリアスな領域だ。

 このブラックホールの周囲にあるガスの塊は、76分ごとに強力な放射線を地球に照射しているという。

 2万6000光年の彼方にあるブラックホールの位置を知ったところで、日常生活の役には立たないかもしれないが、心の栄養にはなる。

 アプリを開くだけで、普段は意識することのないブラックホールの存在を身近に感じることができるし、多少嫌なことがあっても、ブラックホールに全部吸い取ってもらえる気分にもなれる。

 さらに表示されている距離が徐々に近づいてきたら、ブラックホールが地球に迫ってきている可能性もあるわけで、いち早くそれを察知できたりできなかったりするかもしれない。

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イベントホライズンテレスコープによって直接観測されたいて座A* / image credit:EHT Collaboration / WIKI commons

単純な仕組みに見えるが開発は大変

 ギャラクティック・コンパスの開発者マット・ウェッブ氏の物語は、そんな宇宙のロマンを感じさせるものだ。

 そもそも彼は宇宙を愛する天文ファンだったようで、開発に関して次のように語っている。

10年ほど前、銀河の中心を指す方法を独学で学びました

星がよく見えるアパートに住んでいたので、星を特定するために拡張現実アプリを使っていました。それで、だんだんと空の見方を覚えたんです

 ウェッブ氏は当初、銀河の中心の位置を見つけるために天文学用のアプリを使用していたそうだが、やがて自分でそれを探す方法を学んだのだという。

 自転して傾く地球にいる自分を想像し、黄道を空を横切る線としてとらえる。また銀河の中心は、黄道線上にあるいて座を移動する点としてとらえる。

 そのうえで1年間の地球の公転軌道を視覚化し、宇宙空間における自分の方位を定めると、中心がある正しい方向を指し示すことができるのだという。

 この方法を学んだ後は、日々練習を繰り返し、拡張現実アプリと比較しながら精度を上げていった。

AIの助けを借りてついにリリース

 2021年、ウェッブ氏はこれをアプリにして、誰もが銀河の中心を感じられるようにしてはどうかと思い立った。

 だが問題はウェッブ氏がそれまでアプリなんて作ったことがなかったことだ。

 「エンジニアとしてはそこそこだし、アマチュアのデザイナーではあるけれど、ネイティブアプリのことは全然わかりません」

 そこで頼ったのがAIだった。ChatGPTをアプリ作りのパートナーにして、アイデアを具現化しようとしたのだ。

 シンプルなアプリのインターフェースを作り、銀河の中心を特定する複雑な計算(なにしろ各ユーザーからの銀河中心の方位角と高度を計算する必要があるのだ)を組み込み、1つ1つ課題をクリアしていった。

 それでもChatGPTによるコーディングには限界がある。

ChatGPTはとても賢いですが、人間のような実体がないので、3D計算を行うのが苦手です

クォータニオン(四元数)を詳しく学び、3D回転を組み合わせる必要がありましたが、それでも完璧ではありません(ウェッブ氏)

 そんなわけで現時点でのギャラクティック・コンパスは、スマホを水平に寝かせておかねば使えない。真っ直ぐ立てると計算が成り立たなくなるのだ。だが、この点は将来的に修正する予定だという。

 ちなみにアメリカではこのアプリは人気を呼び、米国App Storeの旅行カテゴリで87位だったそうだ。

 天体系アプリは私も色々入れてるけどすぐにこれ入れちゃったよ。ただの矢印の方向を見るだけで、宇宙が丸ごと感じられる気分だよ。妄想無限大。

References:New app always points to the supermassive black hole at the center of our galaxy | Ars Technica / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. この矢印の指す方向にラピュ・・・ブラックホールがあるのだよ。

    • +3
  2. ちょうどブラックホール探してたから助かる

    • +2
  3. これがあればいつブラックホールが迫ってきても
    逃げるべき方角が瞬時に分かるので便利ですね
    \(^o^)/

    • +2
  4. これでブラックホール難民を救うことが出来るね・・・

    • +2
  5. >地球が銀河のどの位置にあろうとも、いつでも天の川の中心とそこまでの距離を指示してくれる。

    銀河内における地球の位置って
    言うほどコロコロとは変わらないよね。
    太陽の公転周期が約2億5000万年とされてるし。

    地球の公転程度の移動距離は
    銀河スケールからしたら誤差の内だろうから
    いつ見ても距離は変わらなさそう。

    • -1
    1. >>7
      地球の位置なんてしょっちゅう動いちゃうでしょ
      銀河の渦巻きは神様が定期的に手でぐるぐるかき混ぜてるからなんだよ

      • 評価
    2. >>7
      地球の位置は太陽の周りをグルグルしているので常に遷移しているし
      その上に住む人間くんは地軸を軸にグルグル回る地球の上に立っているので
      やっぱりコロコロ動いているよ

      • 評価
      1. >>11
        そのレベルの移動は誤差レベルでは、って話。
        銀河中心までの距離は2万6000~2万8000光年程とされてるけど
        地球の公転軌道径(約3憶km)レベルの精度では求められてないから。

        • +1
      2. >>11
        3万光年(約28京km)から見たら実際誤差レベルでしょ。
        地球の公転による変動なんて最大でも3億kmほど。
        0.0000001%ちょっとしか変わらん

        • 評価
  6. 今まで遭遇した中で最もシンプルなUIのアプリ

    • +1
  7. イスラム教徒が使うメッカの方向を指し示す腕時計的な

    • +3

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