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植物からの放電が大気の質を変えてしまっている可能性

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(著) (編集)

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 大空で稲妻が光ると、地上の植物がそれに呼応することがある。上空の雷雨で発生した電場に閉じ込められた植物が、葉の先端から小さく放電するのだ。

 この放電は「コロナ放電」と呼ばれ、人間の目にも青いかすかな火花として見えることがある。

 新たな研究によると、植物のコロナ放電がその周囲の大気の質を変えている可能性があるそうだ。ただし、その影響が私たちにとっていいことなのか、悪いことなのか、今のところはっきりしていない。

植物のコロナ放電が大気を変化させる

 『Journal of Geophysical Research』(2022年8月9日付)に掲載された研究では、実験で雷雨の電場(電荷の分布によりできる電気力の働く空間)を再現し、その時に植物が発する「コロナ放電」を分析している。

 コロナ放電は、一般に高圧力の気体中で一方の電極の近辺だけに高電界が集中するときにおこる部分放電のことだ。その外観が王冠(コロナ)に似ていることからこの名がつけられている。

 その結果、植物のコロナ放電は大量の「ラジカル」(不対電子をもち、他の化合物と反応しやすい化学物質)を発生させ、周囲の空気の質を大きく変化させることが判明したのだ。

 米ペンシルベニア州立大学のジェナ・ジェンキンス氏は、植物のコロナ放電がどの程度広まるのか不明としながらも、「雷雨で樹木に発生したコロナは周囲の大気にかなりの影響を与えている」と、プレスリリースで推測している。

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葉の先端に見える青白い光がコロナ放電だ / image credit:Penn State

地球の大気にどのような影響をもたらすのか?

 植物のコロナ放電からは、「ヒドロキシルと「ヒドロペルオキシル(HO2)」の2種のラジカルが作り出されている。どちらも中性で、化合物を酸化させたり、電子を奪ったりして、別の分子に変化させることが知られている。

 とりわけヒドロキシルは影響が大きく、大気にただようさまざまな汚染物質を酸化させている。だが、それが私たちにとっていいことなのか、それとも悪いことなのか、今のところはっきりしない。

 たとえば、メタンなどの温室効果ガスと反応すれば、これを大気から除去してくれるので、温暖化が抑制されるだろう。

 酸素と反応すれば、オゾンが発生する。これは人体には有毒だが、上空にあるオゾンは私たちを有害な紫外線から守るバリアを形成してくれる。

 また、ヒドロキシルは空気の質を悪くするエアロゾル粒子を作る可能性もある。

雷雨とコロナ放電の関係

 雷雨とコロナ放電によるヒドロキシル・ラジカルとの関係が指摘されたのは、今回が初めてではない。

 今回の研究の共著者であるウィリアム・ブルーン氏は、また別の論文で、雷は大気中のヒドロキシル・ラジカルの主要なきっかけであると指摘する。

 それによると、大気に含まれるヒドロキシル・ラジカルの6分の1が、雷雨と直接関係している可能性があるという。

 さらにまた別の追跡調査では、電柱や送電塔といった金属製の物体からもコロナ放電が発生しており、その量は植物コロナ放電よりも若干多いだろうことが明らかにされている。

 植物や電柱などが放出するコロナ放電からは、雷が直接作り出すよりもずっと少ないラジカルしか生じない。それでも全体で作られるラジカルは相当な量だ。

 ジェンキンス氏によると、世界の雷雨が頻発する地域には、すべて合わせて2兆本もの樹木があり、そこでは常時1800回の雷雨が発生しているのだという。

 落雷が起きやすい地域に膨大な木々があることを考えると、植物コロナは大気に予想外の影響を及ぼしている可能性がある。だが、これはまだあまり研究が進んでいないテーマだ。

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photo by Unsplash

植物のコロナ放電が地球の大気の鍵を握る

 研究グループは今後、植物のコロナ放電が大気に与える局地的な影響や、より広い地球規模での影響の解明を試みる予定であるそうだ。

 ジェンキンズ氏によると、「ヒドロキシル・ラジカルは、大気の最も重要な浄化剤」であるという。だから、それがどこでどれだけ作られているのか知れば、大気をさらに理解できるようになる。

 気候変動がさらに進むと、雷雨はより頻繁かつ強力になると予測されている。それゆえに、雷が大気の質に及ぼす影響を理解することは、とても大切なことなのだそうだ。

References:Electric discharges on leaves during thunderstorms may impact nearby air quality | Penn State University / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 12件

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  1. え?
    植物じゃなくたって落雷地点で起きてるわけでしょ。
    植物だと特に影響が大きいとかなら別だけど、記事にも特にそういうことは書いてない。

    • -4
  2. 1平米あたりの「ヒドロキシルと「ヒドロペルオキシル(HO2)」の発生量・・・A

    全世界の植物面積・・・B

    地球の全大気量・・・C

    地球への影響度・・・A×B/C

    簡単に影響度を計算することができるのに、なぜ計算しないのか?
    可能性アピールはしなくていいよ

    • -4
  3. うちの工場も、雷が近付いてくると、工業用水の水位計が誤動作して満水警報出まくりよ。
    あれ水位計の金属部分にちっさく落雷してるんだろうなー。

    • +6
  4. 今まで何万年と続いてきたことをニンゲンが意識する必要ある?
    それで人類が滅んでも自然の摂理でしょう

    • -6
  5. 可能性ってだけならいくらでも言えるわけで

    • -5
  6. 植物から放電現象って今まで想像すらしていなかったから興味深い。
    妄想だけれども電気ウナギの様に発電蓄電できる植物ができたらいろいろと楽しいのではないかなって。危険だけど。
    太陽光で光合成して二酸化炭素を酸素に変換しつつ発電できるとか夢の様な存在じゃないか。
    多分種類は電撃殺虫食虫植物かな。

    • +5
  7. 変電所とか天気が悪い日はバチバチ音がしてるし
    釣竿がバチバチするようなもんで
    木がどうのとかいう問題じゃなくないか

    • +3
  8. コロナウィルスめ・・・植物に感染したうえ電気タイプに変異したか・・・!

    と思ったら全然違った

    • +1
  9. 落雷による土壌への窒素固定やで。
    稲妻っちゅう言葉が出来た頃には落雷と植物の関係は発見されとるやで。

    • 評価
  10. 大昔から人知れず起こってた自然現象なら人類にとっても良い影響なのでは?

    • 評価

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