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寒い日に携帯のバッテリーが急激に消費されるのはなぜなのか?その対処法とは?

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(著)

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 暖冬と言われていても寒い日はやっぱり寒い。パルモの住む栃木県宇都宮市では普通に冬の朝は氷点下を下回る日もある。

 激寒で困ることがある。スマホのバッテリーの減りが早いというのだ。そこまでの寒さを経験していないとわからないかもしれないが、使用していないにもかかわらずぐんぐんとバッテリーが減っていくのだそうだ。

 一体何が起きているのだろう?

 もちろんバッテリーが消費しているわけではない。

 それゆえに解決方法があるという。

リチウムイオンバッテリー内の化学反応が遅くなるから

 その理由は、バッテリーの機能が化学反応に依存しており、氷点下になるとそうした反応がゆっくりになる、あるいは停止してしまうからだ。

 ほぼあらゆる携帯電話に内蔵され、現代生活には欠かせない充電式のリチウムイオンバッテリーは、個々のリチウムイオンが溶液の中を一方のプラス極から反対のマイナス極へ流れる際に電流を放出している。

 バッテリーが切れた状態とは、そうしたイオンのすべてがマイナス極にある多孔質グラファイトに取り込まれてしまっている状態だ。

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低温で化学反応が遅くなる理由は不明

 バッテリー内部の化学反応が遅くなる正確な仕組みについては不明だ。『Journal of The Electrochemical Society』に掲載された2011年の論文には、「低温化でリチウムイオンバッテリーの性能が低下するにいたる具体的なメカニズムは依然として不明」とある。

 しかし極端な低温があらゆるバッテリーの反応を遅くするのはおおむね確かなことである。

バッテリーの挙動を充電切れと認識して電源がオフになる

 寒い日、しっかり100%充電しておいたスマホを使おうと使おうと思ってポケットから取り出すと、バッテリーの残量表示は赤く点灯、1%となっていて、一瞬の間をおいて電源が切れるという事例が報告されている。

 寒さでバッテリーの残量が1パーセントを示した時、イオン全部が突如としてマイナス極に集まったわけではない。

 低温によって、常温でバッテリーイオンが見せるようなゆっくりとした放電が阻害される。しかし極端な低温ではバッテリー内部の化学反応がゆっくりになるか止まってしまうので、放電される電流は携帯が作動するには不十分なほど少なくなる。

 スマホはこれをバッテリーがほとんど切れているサインと認識し、しばらく後に自動的に電源をオフにしたわけである。

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スマホをあたためればバッテリーが回復

 ローレンス・バークレー国立研究所の化学者スティーブン・J・ハリスによれば、あまりにも寒すぎる環境においてリチウムイオンの充電プロセスは上手くいかないという。

 通常の環境なら、電流をバッテリーに加えるとイオンがプラス極の多孔質グラファイトへと運ばれる。ところがバッテリーが凍っていると、イオンはグラファイトに入らず、溶液やグラファイト表面を覆うプレートから逃げてしまう。このためにバッテリーの性能や寿命は著しく低下する。

 そういう時はスマホをある程度温めればよい。化学反応が起きる温度にまで戻し、電源ボタンを押せば、バッテリー残量は通常通り表示されるという。

 イオンはどこにも行っていない。

 ただ寒くて動けなくなっていただけなのだ。

 これはスマホに限らずリチウムイオン電池を使っている製品によく起こりがちだよね。寒い日に車の中に置いておいた電化製品が作動しないということは何度か体験しているし、実際に温めれば作動することも知ってはいたのだけれど、暖かいところに住む人が寒いところに旅行に行った場合に、「何事?」と思うかもしれないから、覚えておくと良いかもしれない。

 ちなみに昔シカゴに住んでいた時に、あまりの寒さに車のバッテリー液が凍ったことがあったんだけど、あれにはびっくりしたな。氷点下20度以下だったけどな。

References: lithiumbatteryresearch / Why Does Cold Weather Drain Your Phone Battery?

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この記事へのコメント 49件

コメントを書く

  1. この問題は同じタイプの大きな電池を積んだ
    電気自動車の問題にもつながる。

    • +13
  2. そうか、バッテリーが凍っているとってことは氷点下くらいの温度からなのかな。この状況になったことないけど内ポケットとかに入れてるからそれもよかったのかもしれない。

    • +2
  3. 昨日バッテリー買いかえちゃった
    あたためてあげれば良かったんだね

    • +4
  4. ベランダならまだ分かるが
    屋内でも勝手に電源落ちて再起動っていうのをしょっちゅう繰り返してたけどなあ
    会社のロッカーとか、自宅の玄関とか
    氷点下にはならんだろ、特に日中で職場の更衣室で

    • 評価
  5. あ~僕も富良野で夜間撮影
    やっていたときには困ったね。
    ぽけっとにカイロと電池を一緒にいれて
    使用するときだけカメラにセットする、なんて面倒なこと
    やってたよw
    その時はー25度くらいいってたかな?

    • +6
    1. ※5
      熱を持つとノイズの原因になったりするし
      面倒くさいね

      • +1
  6. アメリカ人に「 ホッカイロ 」を教えてあげたい、こちらも化学反応だし。

    • -2
  7. リチウムイオン電池って暑くても寒くても良くないらしいね
    人間が快適に感じる15~25度がバッテリーにもいいらしい

    • +8
  8. 電力がなくなった乾電池を温めると復活するっていうのはここから来ているのかなあ?怖くてやったことないけど。

    • +2
  9. カメラのリチウムイオンバッテリーを長期保管する際はジップロックに乾燥剤入れて冷凍庫に放り込んでるけど、意味あるかなぁ?なんとなくでやってるんだけど・・・

    • 評価
  10. もしかすると全固体バッテリー(トヨタが一所懸命研究してるヤツ)なら、凍っている=固体とそう変わらないから、低温にも強いかも?

    ボタン電池とかも、新品なのに氷点下だとバッテリ切れとかの警告出まくりっすよ。低温に強いバッテリがでるといいなぁ。

    • +6
  11. バッテリーとネコの意外な共通点を知った。
    寒いと動かず、あたためると動きだす。

    • +12
  12. リチウム・イオン系二次電池は、旧来のニッカド電池よりも
    低温時の特性が悪い様子。
    電池だけ分離して温めて置ければ、少しはマシになるんだけどね。
    一部のカメラは、電池だけ分離して
    体温で温める、なんて事が出来たんだが、まぁ
    昔の話だ。

    • 評価
  13. えっ!?宇都宮にすんでいるのかパルモさん!

    • +4
  14. 経験則で分かってても、科学的には不明なのか、これ。

    その昔、スキー場で写真撮ろうとしたらカメラが動かなくて、懐で温めてたなぁ。
    温めて外に出すと、レンズが曇るまでがお約束。

    • +6
    1. ※16
      温めて外に出しても曇らないんじゃない?冷えたものを温かいところに持ち込むと結露すると思うけど……

      ま、それはともかく光学系で結露した日にはエラいことになりますよね

      • 評価
  15. 普通の電池も、そんな感じがするけど

    • +5
  16. かなり電池が磨耗した携帯を使っているけど
    最近は朝になると電池切れを起こしてて寿命かと思ってたけどこんな記事もあるのね

    • +1
  17. シカゴに住んでいたことを再三アピールするバルモさん
    本当はロシアじゃないの?

    • -2
  18. EV普及は無理がある、だから水素との併用が次世代かもね?
    ガソリンの効率上げても同じだし(発電方法が火力使う為)

    • -1
  19. 経験的に知ってたけど、詳しいメカニズムはわかってないのね。

    • +3
  20. 人肌で温めるには腋か股間が一番温かい

    • +3
  21. 僕の新型プリウスにもリチウム電池が採用されている
    冬場は燃費がリッター30から25 kに 落ちる

    • 評価
  22. ミニ四駆やってた子どもたちなら経験的に知ってるんじゃなかろうか
    寒い日は予め電池を温めておくってのをやってた記憶がある

    • +4
  23. イオンの移動=液の中でだから固体ににちかくなれば動かなくなる
    ジュースを凍らせて溶かし始めると水分と凍り難い成分で別れるから近いのかもね?

    • 評価
  24. 北海道以外でこれに共感してる人はおそらく電池残量バグに直面してる人だと思う。
    使い切る前に充電してると60%の位置を0%と誤認してしまう奴ね

    • 評価
  25. 寒い日のノートパソコンなかなか充電できないのは、既に満充電だからか
    そのうち、バッテリーが接続されてないとかバッテリー異常表示になったりする

    • 評価
  26. そういや最近結構電池の消費が早いなと思ったけど寒いからなのか
    それとも未だにiPhone5C使ってるからかわかんないな

    • 評価
  27. スマホなら体温で(時間はかかるが)温めてやれば済む
    必要電力も小さいから、面倒、とか不便で済む

    しかしEVはそうはいかない
    現にリーフもテスラの各車も、東北やニューヨーク程度の冬ですら
    極端に電費が悪くなるケースが報告されている
    北海道やアラスカ等で使おうとしたら、不便どころか最悪命に関わる

    他にも電力の供給元問題や廃バッテリーなど問題が山積みだが
    マスコミはこれら無視してよくEVの時代などと嘯けるものだ
    「誰に言わされてる」んだろうね

    • +3
  28. こういう時充電器差したら復活するから無理やりそれで復活させてたけどまずかったかな

    • 評価
  29. 低温時に蓄電池を温める用の電熱線に送る電気を
    蓄電池に貯めといたらデッドロックだな

    • 評価
  30. コンデンサの類でも低温時には容量が一時的に小さくなるのもあるね。
    その中でも液体の電解コンデンサは低温で容量が小さくなったり、劣化が進んでたけど
    いわゆる固体電解コンデンサはそのあたりの問題も解消されてるとか。
    研究中の全固体電池に期待だなぁ。

    • 評価
  31. 爆走兄弟レツアンドゴーで烈がレース前に電池を暖めているシーンがあったような

    • 評価
  32. 寿命もあったけど、寒さと数週間車に乗らなかったせいで、バッテリーがお亡くなりになったでござる…
    iPhoneとかも充電されてない時あるし、寒さにあいつら弱すぎ

    • +1
  33. 自分の場合は寒過ぎると有機ELの反応が悪くなり、画面が真っ黒になり、温まるまで普通に標示されなくなりますが、
    これも液晶トラブルでは無くバッテリーの低温化による供給電圧の低下による物だそうです。

    • 評価
  34. 「その原因はいまだに不明」って所が、驚愕の事実ですな。

    • +3
  35. ひょっとして、モバイルバッテリーをホッカイロであたたたたためて(ケンシロウ)充電しながらスマホなり使えば、解決じゃないかな?

    • 評価
  36. 良い子は真似しちゃダメだけど
    鉛バッテリーを鍋に入れて湯煎すると100%を超えて充電できる。

    • 評価
  37. そういや昔、伊藤家の食卓かなんかのTV番組で使わない電池は冷蔵庫に入れとくと長持ちするって言ってたような覚えがあるけど、あれも化学反応を抑制させて長持ちさせてるのかな?
    まあそれで言ってる電池ってのはリチウムイオンバッテリじゃなくて乾電池なんだけど(マンガンとアルカリのどっちだったかは忘れた)。

    • +1
  38. 極寒緊急事態発令のNYでポケモンゴーやってたらみるみるうちにバッテリーがなくなって、仕方がないから懐に入れて温めながら獲った

    • +1
  39. リュックの外ポケットに入れて風の強い中初詣行って電源つかなくなって壊れたのかと焦った事があったけど、家に帰って室温で曇るくらい冷えてて勝手に電源ついたからバッテリーは寒さに弱いと学んだわ。
    ついでに永く使ってバッテリーの消耗激しいと室温でも電源落ちやすくなる。中の何が足りないのやと思ってたけどこの記事読んだら、リチウムが減るのか?と新たな疑問が出てもうた😱
    膝裏に挟んで正座で回復しやすい😄

    • 評価
  40. リモコンも室温が10℃いかやと作動しにくくなる。冷蔵庫で保存状態と同じなんやろな😥

    • 評価
  41. BYDのクソバスを寒冷地事業者が導入したけど
    冬期運行不能が必ずやってくるわけね

    あの国のレベルだから低品質なのは想定内

    また
    夏期においては自然発火も想定する必要があるわけだ()

    • -1
  42. 確かに携帯のバッテリーだけでなく乾電池も残量が減りますよ!😱

    • 評価

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