
image credit:Brooke Lacey
ニュージーランドに住むある女子大学生は、コロナのパンデミック時に心を病んだ。自分で自分の命を奪おうと思ったほどに。現在。回復した女性は、同じ問題を抱えている人が増加していることを知ると、自分にできることはないか考え、あることを実行した。
それは、絶望している人、命を諦めようとしている人に思い留まってもらうよう、励ましの言葉を書いたステッカーを市内各所に貼り付けることだった。
最近になって、そのステッカーに勇気づけられた人が命を救われ、お礼のメッセージが届いた。
絶望している人を励ますために、市内各所にステッカー
ニュージーランドのウェリントンに住む大学生のブルック・レイシーさん(22歳)は、2020年のコロナのパンデミック時に、うつ病に苦しんだ。この時期、同じ問題に悩む人が急増していたことから、レイシーさんは励ましの言葉を書いて印刷したステッカーを600枚用意し、それらを市内の橋や大きな水域、電車など、人々が命を落とす危険性がある場所に貼り付けた。
自分の愛車にも、同じメッセージを書いたステッカーをバンパーに貼った。
たった今、この瞬間もあなたの人生を諦めないで!あなたが思っている以上にこの世界にあなたは必要な存在。気が付いて、そして思いとどまって!

image credit:Brooke Lacey
ステッカーを見て命を救われた人がメモを残す
今月初め、レイシーさんは大学敷地内に駐車していた自分の車のところへ戻って来た時、フロントガラスに1枚のメモが貼り付けられてあることに気付いた。レイシーさんは何か文句が書かれているのかと思ったが、よく見ると手書きでこのように綴られてあった。
あなたのメッセージに、今日私の命は救われました。レイシーさんは、そのメモが自分の車に貼り付けられたステッカーを指していると気付くのに時間がかかった。およそ2年前のことで、貼ったことなど忘れてしまっていたからだ。
命を絶つ計画して今日家を出たけれど、何かのサインを探していました。果たして自分が今からする行為が正しいのかどうかのサインを。
そしたら、駐車場であなたの車を見つけたんです。それで決心がつきました。思いとどまらせてくれてありがとう。
しかし、そのステッカーの励ましのメッセージを見た誰かが、生きるために思い留まってくれたという事実がそこに残されていた。
それを知ったレイシーさんはとても感動し、この1件を自身のTwitterでシェアした。A 22 year New Zealand student called Brooke Lacey, who'd suffered with depression created some bumper stickers to help others who might be going through a similar experience. Recently she found a heartfelt note under her windscreen wiper to thank her pic.twitter.com/kFfu9wtXnN
— Giles Paley-Phillips (@eliistender10) February 21, 2022
あまりにも大きな反響を呼んだために、その後レイシーさんはアカウントを削除したが、「このステッカーが誰かの役に立ったことを本当に嬉しく思う」と綴っていたようだ。

pixabay
Science.orgによると、絶望を抱えている人々にとって、「敬意と共感」を持って扱われることが大切な要素の1つだという。レイシーさんは、1つのシンプルで思慮深いメッセージをステッカーにしたことで、誰かの人生に生きる力を与えたのだ。
古いヘブライ語に「1人を救う者は全世界を救う(save one life, you save the world entire)」という言葉がある。
今日を生きる理由を探している人は、意外と近くにいるのかもしれない。
レイシーさんのステッカーは、お礼の言葉をもらうことで、そこに救われた命があったことが明らかとなったが、ちょっとした心配り、やさしい一言、何気ない抱擁、心からの笑顔が、誰かの救いになっている可能性だってある。
1人を救う人が増えれば、世界に救われる人がどんどん増えていく。明日の平和は1人1人によって紡がれていくのかもしれない。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
これは2つの意味で体験談なんだけど(当事者と第三者としての2つ)
本当にこういうちょっとした声かけだけで人って救われるんだよ。
そこにお金とか体とか即物的なモノなんて全く必要なくて、
孤独に苦しんでいる人、不安に苛まされている人がいたら、
とにかく「私はあなたの味方だよ」って声をかけてあげて。
3.
4.
5. 匿名処理班
レイシ―さんは自分の命を救ったことで別の命を救えたんだから まさに「この世界にあなたは必要な存在」。そしてこのメッセージをみて自分を救った誰かがメモを残して伝えたことでまた別の誰かを救う「この世界にあなたは必要な存在」になるかもしれない。
6. 匿名処理班
貼ったことなど忘れてしまっていたって…
自分が感動したメモの書き手がそんなこと言ってたらガッカリするわ
本人にとってはその程度のものなんだ
7. 匿名処理班
※6
よく人命救助した人が「当然のことをしたまでです」って言う事があるが
実際その人にとっては困ってる人がいるから助けるのはアタリマエな行為なんだよね
何も特別なことじゃないから二年も経てば忘れるもんは忘れるだろうよ
それでもこの記事のレイシーさんもステッカーを貼ってる当時は
かつての自分のように困ってる人を少しでも元気づけられたら良いなという気持でいたと思うから
がっかりする必要はないと思うけどねえ
8.