メインコンテンツにスキップ

ダ・ヴィンチの530年前の発明品「空気スクリュー」は本当に空を飛ぶことが実証される

記事の本文にスキップ

58件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Austin Prete/University of Maryland
Advertisement

 人類史上最高の天才の1人と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチは、傑出した芸術作品のみならず、多才で、数々の発明品のスケッチも残している。

 そうした発明品の中に、「空気スクリュー(aerial screw )」がある。1480年代後半に描かれたもので、1480年代後半に描かれたもので、らせん状のローターを持つ、ヘリコプターのようなものだ。

 しかし、実際に具現化させたところで、空を飛ばないだろうと言われてきた。だが、やはりダ・ヴィンチは本物の天才だったようだ。

 彼が描いた空気スクリューを、最新の素材と技術で再現したところ、きちんと飛ぶことが実証されたのだ。その姿は現代のドローンそっくりで、静音性に優れているという。

ダ・ヴィンチの発明品をモデルにしたドローン

 ダ・ヴィンチの残した「空気スクリュー(aerial screw )」のスケッチ元に、メリーランド大学航空宇宙工学科の大学院生オースティン・プレテ氏らは、「クリムゾン・スピン(Crimson Spin)」を開発した。

 設計が始まった2019年当時、このヘリコプターが本当に飛ぶとは誰も思っていなかったそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
ダ・ヴィンチが描いたヘリコプター「空気スクリュー(aerial screw)」 / image credit:public domain/wikimedia

 しかしシミュレーションと3Dプリンターで作られた試作品からイケそうであることがわかり、開発に熱が入るようになったのだという。

 クリムゾン・スピンの開発は、ダ・ヴィンチが望めなかった現代科学の恩恵に浴している。

 たとえば、木材や革といったルネサンス時代でも手に入った素材は、航空機に使うには重たすぎる。またコンパクトなエネルギー源も当時はなかった。

 一方、クリムゾン・スピンには、アルミやプラスチックのような軽量素材が使われ、モーターやバッテリー、コンピューターによる制御システムが搭載されている。

 機体を設計するにあたっては、流体力学シミュレーションで最適な形状を検討することだってできた。

この画像を大きなサイズで見る

 さらに現代のクアッドコプター技術もまた役立っている。クリムゾン・スピンはダ・ヴィンチのスケッチとは違い、4基のローターで空を飛ぶ。

 だが、もしもスケッチ通りのシングルローター式の機体を作っていたら、ずっと複雑な構造になっていただろうという。

この画像を大きなサイズで見る
ダ・ヴィンチが描いたヘリコプター「空気スクリュー(aerial screw)」 / image credit:public domain/wikimedia

 シングルローターのヘリコプターは、複雑なギアや制御機構でローターの傾きを調整しなければならないからだ。

 クアッドコプターの場合、ローターの回転速度を微妙に変化させることで、機体を制御できる。重量の増加やそれに伴う安定性の問題などはあるものの、シングルローターよりも構造をシンプルにできる。

 クリムゾン・スピンは、アメリカ、カリフォルニア州サンノゼで開催されたデザインコンテスト「Transformative Vertical Flight 2022」で発表された。

ダ・ヴィンチやはり天才だった?普通のヘリコプターよりも静か

 プレテ氏によると、クリムゾン・スピンは奇妙な空力で空を飛ぶのだという。

 たとえば超音速旅客機コンコルドのようなデルタ翼機は、翼の先端を過ぎたところで捻れた空気の渦を作り出す。そして、この渦が気圧の低い部分を生み出すために揚力が増加する。

 シミュレーションの結果、クリムゾン・スピンのらせん翼の外側のふちにも似たような渦が生まれることがわかっている。これがらせん状に下がっていくことで、機体に上向きの推進力が加わる。

 これによるメリットもある。ローターから吹き下ろされる風(ダウンウォッシュ)が従来のヘリコプターよりも小さいのだ。つまり埃などが舞い上がりにくく、おそらく音も静かであるということだ。

 なお今回のクリムゾン・スピンはあくまで無人機だが、プレテ氏によると、うまく大型化すれば、人間を載せられるようにもなるそうだ。

 人間が乗れて、静粛性は現代のヘリコプターよりも優れている。さすがはダ・ヴィンチ、530年も前に、優れた航空機のアイデアを思いついていたのだ。

written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 58件

コメントを書く

  1. 動力が不明なだけでデザイン的には飛ぶとか聞いてたぞ。
    まあ本体が回ることを気にしなければだけど…螺子が木に食い込むさまを元にしたとも…

    あとスクリューは最初は螺子型で倒木を巻き込んで折れたところ、急にスピードが上がったことから、今の形になったとか。

    いずれにせよスクリュー発明の300年前にコレを描いたのだから、やはり未来人?

    • +24
    1. ※1
      飛ばないなんてとらえられ方はしてなかったよね。
      単に動力や、特にスタビライズが必要だったよって話。
      それをこれはドローンの4つの対称性を利用することで解決。

      プロペラの話も、そもそも船にはこういうアルキメディアン型が先に使われてたんだからダヴィンチのも理にはかなってると理解はされてたはず。
      でもプロペラ型の方が揚力も利用する分効率がいいと発見されて主流になっただけ。
      ダウンウォッシュが小さいのだって単にそれだけ効率が悪いからなので燃費とのトレードオフだし。

      でも静音性とか作ってみて改めて分かることもあるのでとりあえずこうやって作ってみたことには拍手。

      • +3
  2. 横風の影響大丈夫なんかな
    このまま人間が乗れるサイズとなると素材の問題も出てきそう

    • +6
  3. E.R.バローズの冒険物に出てきそうというか寺田氏の筆によるレッサーデーモン(BUSIN)というか、邪悪さ滲む色と光沢がとても素敵、回転音もお似合い
    音楽無し動画がメディア紹介先でしか見つけられなかったけれど公式にも置いて欲しいな
    A New Spin on a Classic da Vinci Design(eng.umd.edu)

    • +2
  4. 自分でも無茶言ってるとは思うけど、やっぱりシングルローターじゃないとダヴィンチの空気スクリューとは言えないと思うの

    • +28
    1. ※5
      マジレスすると反転ローターか何か別の装置つけないと無理だね。

      • +6
  5. 静穏性をアピールしながら、なぜBGMを付けるんだ。。

    • +81
  6. 今ある全ての素材の特性を知ったら
    ダビンチならもっと凄いの考えるかも。
    洗面台がビチョビチョになってしまう
    人類の最大の課題も解決してくれるはず。

    • +3
  7. レオナルド・ダ・ヴィンチの天才にケチつけるつもりは一切ありませんが、
    現代の「最新の素材」と「動力」につきると思う。

    • +16
      1. ※13
        理論じゃなくてデザインだけでしょ

        • 評価
  8. プロペラより周りへの影響は少なそうだね
    でも静かなのは良いけどEV車と同じく静か過ぎると怖いから一寸は音出でて欲しいかな

    • +1
  9. そりゃ4つ付けたら飛ぶでしょうよ(呆れ)
    これ出羽守と同じでダヴィンチ凄い!をやりたいだけじゃん

    • -22
    1. >>12
      あの構造上どうやてっても飛ぶわけないだろって決めつけて誰も実験はしていなかったのですが、字が読めないのでしょうか?

      • +3
  10. ローターが複数あるから綺麗に飛べるんであって、スケッチ通りじゃ本体もぐるぐる回っちゃうよね。

    • +9
  11. ダ・ヴィンチが生きていたとしてもこれで、ほらな?とドヤれるだろうか

    • -1
  12. 「ダヴィンチの設計を再現したら本当に飛んだ」というより
    「現代の技術と空力学をもってこのデザインでも飛べるように作った」という印象が強い

    オーパーツで有名な黄金ジェットも本当は魚なのに
    「巨大化させたら本当に飛べた」なんてやってたのもあったよね

    • +39
  13. どんくらい静かなのか期待して再生したのに

    • +6
  14. ジェットとフライ・バイ・ワイヤの技術を使えばどんな破天荒なシルエットの飛行機でも飛ばすことは出来るのに似てる…

    • +6
    1. >>19
      F15については、ネゲヴ空中衝突事故にあるように片翼が無くなっても十分に帰還可能であるほど生存性が高い機体もある

      • +1
    2. ※19
      ロッキードの”スカンクワークス”の人曰く、
      「フライバイワイヤが有れば、自由の女神でも宙返りさせる事が出来る」
      とか。

      • +2
      1. ※34
        じゅうぶんな推力さえあれば、どんなマニューバもできると!

        昔読んだ本のどれかに、 F15 はネコでも離陸させられるとかありました。巨大な推進力を生むエンジン二個に極めてオーソドックスな後退翼の巨大な主翼を付けたら翼面荷重が小さくて最強のドッグファイターができたとか。離陸の時に油断すると速度超過で降着装置たる前輪の脚が折れるとありました。やっぱり大出力は正義ですね。

        • +2
  15. スケッチを元にしたんだから
    オリジナルそっくりにして浮くかどうか試して欲しかったな
    あと静粛性を謳うなら音楽なんて無用だろう

    • +8
  16. 確かに飛んでいるね
    まちがいなくレオナルドダビンチ氏のデザインと同じものが飛んでいるね
    ちゃんと飛ぶんだね

    • -1
  17. レオナルドの発明と言えるのは摺動式火打石(ライターの発火原理)だけで、彼の手稿に残されている発明品は同時代の工学者から書き写したもの。
    つまり彼はどうしようもない盗作者と言ってよい。このように持ち上げられるのは大変に不当である。

    • -14
    1. >>24
      そうしてみるとやってる事はエジソンみたいなもんかな?
      レオナルドは金持ちや権力者とコネがあったから仕事のツテが得られて、ニッチで認知されてなかった技術を応用していったって事なんだろうか

      • -5
    2. ※24
      ダヴィンチが盗作していたなんて初耳だし、もし本当ならとっくに世界的な騒ぎになってもおかしく無いんだけど?
      それにダヴィンチに盗作されたというその工学者って一体誰のことを指しているんだ?
      もしそんな優れた人物が同時代または過去の時代に居たというなら、同じく前々から世界的に注目されていたはずだろ
      そう断言するからにはちゃんと証拠があるんだよな?ならそれを確実に提示してから言ってくれないか?
      もし※24が単なるホラ話だったとしても、この事はイタリア政府から抗議されたり国際問題にすら発展しかねないからな

      • 評価
      1. ※37
        その話って有名な事で、知らないのは日本人くらいだよ。ダ・ヴィンチの研究家ですら多くの物が他人の案である事を認めてるし、海外のテレビでは当たり前に取り上げられている。
        でも盗作ってわけじゃなくて、素晴らしい案を後世に残す為に有名な自分が清書しておけば何とかなるのではないか?と思っての事らしい。
        なんで日本のテレビでこの事をやらないのかずっと不思議に思ってた。

        • 評価
        1. ※45
          あちこちのサイトで調べてみたが、確かに一時期はダ・ヴィンチに盗作疑惑が挙がっていたのは事実だった。しかし盗作元とされるフランチェスコなる人物のノートは、実はダ・ヴィンチの草稿よりも後の時代になって描かれたものだと分かったそうだ。よって盗作疑惑自体は事実では無い。

          • +8
  18. 現代においてダヴィンチは坂本龍馬的なアレになったのか

    • +4
  19. これ屋内で稼働するドローンには良さそう
    ヘリウム風船と組み合わせりゃ部屋の中をフワフワ浮いて静かに移動するドローンの出来上がり
    移動式の監視カメラだとか子供やお年寄りの見守りとかに使えそう

    • +2
  20. 天才のアイデアは規格外だな

    これ当時は自転車漕いで浮かそうとしてたのかな

    • 評価
  21. まず形が全然違う
    もっと忠実にやってほしい

    • +4
  22. 飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで、飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで、
    回って回って回って回るううう~♪

    • -4
    1. >>35
      反転文字なうえに通常とが逆に書いてる

      • +1
  23. つまり素材や動力が追いついてなかっただけで、空力学的には正しい構造だったわけだ
    やっぱすごい

    • +4
  24. 「ダ・ヴィンチの発明品をモデルにしたドローン」を作って
    「ダ・ヴィンチの発明品を作ってみたら現代のドローンそっくりだった」って・・・

    • +3
  25. 既に言われてるけどなんで実音消して誰得BGM付けたんだこれ

    • +7
  26. そりゃあ現代のエンジニアリングを用いればどんな飛びそうもないものでも宙に浮かせることはできるよ。
    このスクリューだって、とてつもなく効率は悪いけどプロペラの一種なんだからさ。
    十分に軽量で見合った動力源があればそれは飛ばないわけがない。

    • +1
  27. けっきょく既存のプロペラの優秀性が再確認されただけやなって

    • +3
  28. 絵と全然違うし、動力も違うじゃんっていう。

    • +2
  29. オリジナルスケッチの1ローターだと
    ローターだけではなく機体が反力でブンブン逆回転して浮上せず
    頑張れば浮きかけるんだけど転倒してクラッシュ

    • 評価
  30. 海外の動画でクソうるさいBGMを付ける悪習はさっさと廃れて欲しい。

    • +6
  31. 詳しい話は忘れたが、ダ・ヴィンチ自身は本当に飛べるとは考えてなかったらしい。

    • 評価
  32. ダビンチは水流を(水にできる渦)を何年も研究してたんじゃなかったっけ?
    渦巻きとなんとなく似てるよね。

    • +2
  33. 現代人が中世ヨーロッパ的な異世界に転生して「これで空飛べるぜ(ただし素材と動力がこの世界では手に入らない)」的なノリで描き残したスケッチみたいな

    • 評価
  34. はやおさんがアニメに取り入れてくれたら素晴らしいデザインが生まれそう

    • +1
  35. 23秒付近、キャップみたいなものが落ちましたよ?

    • 評価
  36. 理論的には可能だけど現在の技術や素材では不可能ってヤツはいつの時代にもたくさんあるからなあ
    言うは易く行うは難しだよ(これを作った人を褒めてる)

    • +1
  37. 今の技術やったら子どもの落書きでも飛ぶ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。