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なぜこんなところに!?北極圏にいるはずのセイウチがアイルランド沖で発見され、専門家ら混乱

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(著) (編集)

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image credit:JennieOSullivan/Twitter
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 北極圏に生息しているセイウチが、アイルランド沖で目撃された。これは非常に珍しいことである。この事実を巡って、専門家からは様々な説が飛び交った。

 ある海洋生物学者は「氷山で昼寝中に漂流されてしまったのでは」と推測し、別の専門家は、このセイウチはまだ若く、餌を求めて長距離移動をした可能性が高いと述べている。

 いずれにしても、専門家らは興味を抱きながらも、このセイウチがいずれ本来の生息地に戻れることを願っている。『Live Science』などが伝えた。

北極圏のセイウチがアイルランド沖で発見

 3月14日、アイルランド・ケリー州ヴァレンティア島を散歩していた地元の親子が、海から岩に上がった巨大な海洋生物を目撃した。

 一見大きなアシカに見えたそれは、牙があることがわかり、セイウチであることが判明。サイズは2メートルほどあるとされ、まるで雄牛のような大きさだったという。

 アイルランド沖では珍しいセイウチを、娘と一緒に発見したアラン・フーリハンさんは、後の取材でこのように語っている。

海から巨大なサイズのセイウチが岩へ上がり、ポーズを取っているようにヒレを動かしたのです。その姿はまるでショーを見ているようで、素晴らしいものでした。

 それにしても、このセイウチはいったいどこから来たのか。複数の専門家が様々な説を述べている。

北極圏の氷山で昼寝中、漂流した?

 通常、セイウチは成長すると牙が1メートルほどの長さにまでなるが、発見されたセイウチは牙の長さが30センチほどで、まだ若い年齢だと推測された。

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 水族館『ディングル・オーシャンワールド』の海洋生物学者ケビン・フラナリーさんは、次のように独自の説を述べている。

セイウチは、長距離移動ができる生物とはいえ、これほどの南下は珍しく、恐らく北極圏の氷山の上で眠っているうちに流されて、アイルランド沖まで来てしまったのではないでしょうか。

長旅のため、きっと疲弊してとても空腹だったことでしょう。

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 一方、世界自然保護基金(WWF)のシニアアドバイザーで野生生物専門家のトム・アーンボムさんは、異なる見解を持っている。

このセイウチは、餌を求めて生息地からアイルランド沖へ来た可能性が高いです。若い野生生物は、繁殖のために新しい土地を見つけようとして長距離移動をすることもあります。

北大西洋には、約2万頭のセイウチが生息していますが、世界的な気候変動や航路による脅威の高まりに直面しているのは事実です。実際に、こうした問題がアラスカやロシア北東部に近い太平洋で、何千もの海洋哺乳類の命を奪いました。

しかし、大西洋ではセイウチは変化する気候にまだうまく対処できている生物です。なぜなら彼らは小さな群れで固まり、餌場が海岸に近いからです。

 アーンボムさんによると、セイウチはムール貝やアサリ、ホタテ貝などを主食としており、それらは深さ100~200メートルの浅瀬にあるという。

 餌を求めて浅瀬にやって来るセイウチは、時に1日数千個の軟体動物を食べることもあるそうだ。

 アイルランド沖は、セイウチの大好物となる軟体動物が豊富であり、発見されたセイウチはもうしばらくは沖合に留まる可能性もあるとみられている。

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いずれば生息地の北大西洋へ戻ることを願って

 専門家らがこのセイウチを観察したところ、健康状態は良さそうで、よく肥えているため、餌に不足して死ぬことなくアイルランドの沖合で生き延びていける可能性が高いようだ。

 しかし、やはりセイウチは群れに暮らす生物だ。そのため、専門家たちはいずれこのセイウチが、本来の生息地へ戻れることを願っている。

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 ちなみに、アイルランドの沖合で今回のようにセイウチが見られることは滅多になく、最初に目撃された1897年以降は、1980年代まで目撃情報は一切なく、今日までアイルランド沖で目撃されたセイウチは20頭未満ということだ。

 なお、地元の住民たちにはこのセイウチを怖がらせたり、自身を危険に晒したりしないように距離を置くようにと注意喚起が促されている。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. アイスランド、北極のすぐ隣でしょ。
    と思ったらアイルランドだったのねぇ。
    ひっかけ問題みたいなー。

    • +7
  2. 逆に「アイルランドには普段いるものじゃないんだ?!」と思ってしまった
    ヨーロッパは思ったより緯度高いイメージあるから、それぐらいならいるかなと

    • +4
  3. どこの世界にもウッカリさんっているもんだよね
    肥えててなにより(*^^*)

    >本来の生息地へ戻れることを願っている

    海流とか気温とかしらないけど
    流氷で来たのに、ボッチでも体力があれば戻れそうなのかな?

    • +3
  4. 海では100mは浅瀬扱いなのか… すごいなぁ

    • +3
    1. ※5 さらに200mでも浅瀬なんだね~

      女の子もキバはあって、長さに差はない。
      ただし男女の大きさの差は、並べば一目瞭然。
      これ系の哺乳類では最推し。
      飼育下では懐っこくって遊び好き、そして芸達者。

      • 評価
  5. 好物たくさんある場所なのは良かったな
    繁殖相手は元の場所じゃないと見付からないだろうが御飯に困らないなら今度は仲間連れて戻って来る可能性も有るかもな
    こう言うハプニングが案外種族繁栄の大きな一歩だったりして

    • +6
  6. 一人ぼっちで寂しそう・・・

    大型船の船首部分が積み荷がなくて船首部分が海面から出ていてお昼寝している
    アザラシか何かがお昼寝してたよね・・・このパターンもありえるよね

    • 評価
  7. 昔の妖怪の目撃情報もおそらくこういう
    迷い〇〇が正体なんだろうね。

    • +1
  8. お昼寝説の人の水族館ってめっちゃ小さいかわいい水族館なんだよ。セイウチが見つかった島の北側のディングル湾ていうところにあるんだけど、その町最近観光の目玉だったイルカがいなくなっちゃって困ってたの。生物学的にどうかはわからないけど、観光的にはセイウチが住み着いてくれたらうれしいかもね。

    • +4
  9. 確か1984年の三重県尾鷲沖で射殺されていたはず。
    詳しい事情は知らないが、国立科学博物館の海棲哺乳類ストランディングデータベースによると、北緯 34° 01′とあるからアルジェリア、モロッコ、レバノン辺りになるみたいだな。

    • +1
  10. セイウチ「あ~よう寝た……お?何や?ここ何処や!?
    あれ?ワイの群れの仲間おれへんやんけ!!
    おーい!!みんな何処行ったんやーー!!!」

    • +3
  11. セイウチって北極熊みたいに北極にしかいなかったんだね
    一人ぼっちじゃ寂しいだろうからまた北極に帰って仲間と出会えたらいいなぁ
    その前に是非南極のペンギンたちの見物もして行って欲しい!

    • 評価

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