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インドネシアで発見された世界最古の動物の壁画。4万5千年以上前に描かれたイノシシ

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(著) (編集)

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世界最古の動物壁画 image by:Griffith University
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 インドネシア中部にあるスラウェシ島には、体重40-85kgのスラウェシ・ヒゲイノシシ(Sus celebensis)というイノシシの仲間が暮らしている。大昔の人間にとって大切な存在であったらしく、古い洞窟からは人類の祖先がその姿を描いた壁画が発見されている。

 『Science Advances』(1月13日付)に掲載された研究によると、そうした壁画の中には4万5500年以上前のものがあることが判明したそうだ。動物を描いたものとして、そして何かを具体的に描いた具象画としておそらく世界最古であるとのことだ。

様々な壁画が発見されているスラウェシ島の洞窟

 1950年代より、スラウェシ島の洞窟では数多くの壁画が発見されてきた。最近まで、こうした壁画は4000年前に中国南部からやってきた新石器時代の農耕民の手によるものだと考えられてきた。

 しかしオーストラリア、ウーロンゴン大学などの研究グループがここ最近行った年代分析の結果によるならば、どうやらそれは正しくないようだ。

 たとえば2014年に報告された、人間の手を描いた壁画の表面に形成された鉱物の分析結果は、それが4万年以上前のものであることを明らかにしている。

Cave art in the tropics 2014年に報告された手形の壁画

 さらに2019年、半人半獣の人物がスラウェシ・ヒゲイノシシやアノア(スイギュウの仲間)を狩る様子を描いた壁画の年代が特定された。

 分析が示した年代は4万4900年以上前で、超自然的な存在を描いた世界最古の絵画である可能性があるという。

半人半獣が動物を狩る壁画 Earliest hunting scene in prehistoric art

世界最古の動物の壁画、4万5500年前の3頭のイノシシ

 この研究グループからの最新の発表は、南スラウェシ島の州都マカッサルにほど近い渓谷で2017年から行われている調査の結果だ。

 地元の人たちすら知らなかった壁画が発見されたのは、その谷にある石灰岩でできた「Leang Tedongnge洞窟」においてだ。赤い鉱物の色素で、何らかのやりとりをしているらしきスラウェシ・ヒゲイノシシが少なくとも3頭描かれていたという。

Oldest Cave Art Found in Sulawesi

 壁画の表面に堆積していたカルサイト(方解石)をウラン・トリウム法で分析したところ、4万5500年前までさかのぼれたとのこと。

 つまり、壁画は少なくともそれと同じくらいは古いということになり、世界最古の動物の壁画である可能性が高いという。

 研究グループによれば、これは何かの一場面を描いたものであるらしい。このようなやり方は今日の絵画では物語を伝える主要な方法だが、初期の壁画としては非常に珍しいとのことだ。

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image by:Griffith University

人類はいつアートを発明したのか?

 この発見は、私たち人類がいつ、どこで壁画を描き始めたのかを知るヒントになるという意味で、スラウェシ島近辺の世界的な重要性を示しているという。

 スラウェシ島は、アジア本土とオーストラリア大陸とに挟まれた「ワラセア」という生物地理学的な領域に属している。

 現代人の祖先は6万5000年以上前に舟でワラセアを横断し、オーストラリアに到達したと考えられているが、この地域の調査はあまり進んでいない。

 今回発見された壁画は祖先が海を渡ろうとしていた時代よりもずっと新しい。このことを考えると、スラウェシ島をはじめとする地域では、今後もっと古い壁画が発見されるだろうと期待できるそうだ。

References:We found the oldest known cave painting of animals in a secret Indonesian valley/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 12件

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  1. 一瞬謎の世界地図かと思って当時から世界地図あったのか!?ってビックリした

    • +2
  2. 左上の広げた手の浮き出し。
    南米にもオーストラリアにもみられる、古代世界共通の何かのサイン。
    一体何を伝えたいのか。

    当時の人がこのサインに込めた気持ちを無性に知りたくなります。

    • +7
    1. ※4
      見てて思うんだけど
      これは子供の成長の記録ぽいよね
      描いたというより明らかに手形、日本でもそういう習慣はあるよね

      それを踏まえると、イノシシの絵も芸術として描いたのではなく
      武勇伝を説明するのに使う参考資料と考えるといいと思う
      それはもう何度も何度も同じ自慢話を聞かされるんだよw 
      「この傷跡はよう・・・」ってヤツなんだよ
      それを繰り返しすぎて盛りすぎると動物がライカンスロープにいつのまにかなっちゃうという

      • 評価
  3. 紙と鉛筆があれば誰でも絵を描けるが壁に絵を描くのは簡単ではないから地面のような柔らかいところに描こうと思わないのかな?と不思議。

    • 評価
    1. >>7
      地面に描かれたものはナスカの地上絵以外ほぼ消えてしまった
      この壁画が描かれる前にも地面にお絵かきしてる人が沢山いたと思う

      • +2
  4. 現代人「キャラ描けば出る」
    古代人「動物描けば獲れる」

    こういうことだな

    • +2
  5. あの有名なアルタミラ洞窟壁画(スペイン)が
    18500年前、ラスコー洞窟(フランス)が
    20000年前だからかなり古い!

    • +1

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