この画像を大きなサイズで見るオーストラリア東部からニュージーランドへと広がる海の底で、地球の第8番目の大陸であるジーランディアが正式に確認されたのは2017年のことだ。そのビッグニュースはカラパイアでも紹介した。
もともとこのあたりには断片的な陸片が沈んでいると考えられていたが、ニュージーランド、ニューカレドニア、およびオーストラリアの11人の地質学者のチームの調査で、大陸と見なされるすべての条件がそろっていることが確認されたのである。
このほど、海底での掘削調査から、このユニークな大陸を作り上げた力が明らかになったそうだ。それは2枚の海洋プレートの激しい作用であるという。
ジーランディアはまずオーストラリアと南極から切り離され、それから後の環太平洋火山帯を形成した力によって削られて現在の姿になったのだという。
他の大陸とは異なる特徴を持つジーランディア
ジーランディアはとてもユニークな地形を持つ大陸だ。
他の大陸の場合、表面の半分以上は低地と浅瀬で構成されており、それにくわえて細長い山脈と深海の急峻な大陸斜面がある。
それとは対照的に、ジーランディアのほとんどは水深1キロ以上の海底に沈んでおり、9割が大陸斜面に分類される。ゆえに科学的調査も困難をきわめる。
この画像を大きなサイズで見る恐竜がいた時代にゴンドワナ超大陸から分離
オーストラリア、ニュージーランド 、ニューカレドニアの3地域に広がる、現在の「ジーランディア」と呼ばれるようになった海域で初めて掘削調査が行われたのは1972年のことだ。
この調査からは、ジーランディアの地殻はプレートの力によって薄く引き伸ばされ、まだ恐竜が生きていた8500万年前に、かつて存在したゴンドワナ超大陸から引き裂かれた(このとき形成された深い海がタスマン海)らしいことが判明した。
この事実はジーランディアの地形が形成されたプロセスに関する部分的な答えなのだが、1990年代と2000年代にニュージーランド、オーストラリア、フランスが主権を確立するために実施した調査からは、さらに別の要因も指摘されている。
ユニークな地形は環太平洋火山帯によって作られた?
今回、『Geology』(2月6日付)に掲載された研究では、国際深海科学掘削計画(IODP)の一環として2017年に太平洋南西で行われた調査結果が報告されている。
この9週間の調査の狙いは、ジーランディアが他の大陸と大きく異なっている理由を解明することだった。その仮説は、ジーランディアの形成には、環太平洋火山帯の形成が大きく関与しているのではないか? というものだ。
仮説を検証するために、国際的研究グループは、沖や浅い海域を含む海底6ヶ所で最大864メートルまで掘削し、堆積物コアを収集、これを分析した。
その結果、3ヶ所からは化石が発見され、5000万~3500万年前、ジーランディアの北部は今よりずっと浅く、おそらく陸地もあっただろうことが判明したという。
だがその当時、別の2ヶ所はより深く沈み込み、やがて大陸全体までがさらに1キロほど沈み、現在の深さに到達したようだ。
Expedition 371 Exploring Zealandia Trailer 2020
プレートの沈み込みが作り出したリング・オブ・ファイア
インド亜大陸の大きさに匹敵するジーランディア北部のこのような劇的な変化は、太平洋西部に広がる地層の座屈褶曲と海底火山の形成と同時に進行している。
「環太平洋火山帯」や「リング・オブ・ファイア」と呼ばれるその地域は、太平洋の周囲をぐるりと囲む火山帯で、世界の火山の8割近くが集中している場所だ。
ここの激しい地質活動は、プレート境界の「沈み込み」――つまり、あるプレートが別のプレートに接触し、その下に潜り込んだことで発生する地中深くの混乱を反映したものだ。
この画像を大きなサイズで見る調査船のルートと6ヶ所の掘採地点
image credit:IODP
沈み込み断裂と沈み込みの再始動
環太平洋火山帯が形成されたのは5000万年ほど前のことだが、そのプロセスは謎に包まれている。
だが、これについて今回の研究グループは、「沈み込み断裂事象(subduction rupture event)」が関連すると推測している。
これはゆっくりとした大規模地震に似たプロセスで、これが当時、太平洋西部全体に広がったというのだ。そして、それによって何百万年も眠っていた古い沈み込み断層が蘇り、再び動き始めた。
この「沈み込みの再始動(subduction resurrection)」は新しい概念だが、これまで観測されてきたいくつもの地質学的現象を説明する手助けになるかもしれないという。
この画像を大きなサイズで見る地球全体に波及したジーランディアの形成プロセス
今回ジーランディアから採取された科学的証拠は、同大陸の地形を劇的に変化させた可能性がある現象の存在を示している。
はたしてそれが動植物や地域の気候に与えた影響はどのようなものだったのか? さらには、そのコンピューターモデルを構築して、地下の活動を解明することができるのか?
謎はまだまだ尽きないが、少なくともこのプロセスが地球上に存在するほとんどのプレートの進行方向や速度を変えたことは分かっている。
ジーランディアの誕生や形成は、地球全体に大きな影響を与えた現象だったのである。
References:sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2020/02/12)本文を一部訂正して再送します。














まあニュージーランドがもっとでかいってのはかなり昔から知られていたけど
石油や鉱物の有無によっては、今後いっそう調査が進むだろうね
中世の地理学者たちが確証もなく信じていた「陸海の均衡を保つため南方には未知の広大な大陸がある」という考えはジーランディアを含めるとあながち間違っていなかったのかもしれない
「大陸」の定義はグリーンランド(217万平方km)より大きい陸地、「島」の定義はオーストラリア(860万平方km)より小さい陸地。
「ならば、もしその中間サイズの陸地が見つかったら、それは大陸なのか島なのか?」というネタを地理の先生が語ってたけど、今回350万平方kmのジーランディアが見つかったことで、ネタでは済まない問題に発展しそう。
※3
冥王星が準惑星になった議論みたいだなー
これがムー大陸の正体だったんですね()
※4
海底火山で島が出来たり消えたりするのにはマグマだまりの残量と活動の沈静化によって地下が空洞化して広い範囲を海に引きずり込む場合もある。
それよりスケールが大きくなるとプレートテクニクスも絡んでいるのかも知れない
と言うのが今回のお話かなぁ
つまりルルイエの形成経緯がわかったと
むぅ…
レムリアもこのあたりだっけ?
ぶっちゃけ大陸棚や海山は元々陸だった可能性があると俺は常々思ってるからあまり驚かんなぁ…
※10
マジレスすると大陸棚は氷河期のころ陸地だった部分、一部の海山はもともと陸地だったが水面下に没した山。
「buckling of rock layers」
buckleを留め金と訳したため、意味が分かりにくくなってますね。
「地層の座屈褶曲」のほうがよろしいかと思います。
「ニュー」ジーランドって名付けてる時点でジーランドの存在自体は分かってた訳だよね。
※13
ニュージーランドのジーランドはオランダの州の名前から。(英語で言うとSea Land)
東インド会社の総督が名付けた。
※15
ニューカレドニアとかニューヨークは「元」を知ってましたが、ニュージーランドだけは「元」が判らんかったのですよ。いや、勉強になります。
なんか高齢化してそうだな
爺ランド