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ネアンデルタール人は海に素潜りし、道具になる完璧な貝を探していた(米研究)

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(著) (編集)

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Spanishalex/iStock
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 約40万年前に出現し、2万数千年前に絶滅したとみられるネアンデルタール人だが、最近の研究によりその秘密が徐々に明らかになりつつある。これまで考えられているよりずっと高度なスキルを持っていたようだ。

 その立ち姿は私たちとそれほど変わらず、直立して歩いたことも分かっている。それどころか、ヨーロッパではしばしば海に潜ったりもしていたという。

 イタリアにあるネアンデルタール人の遺跡で発見された171点の貝殻を分析したところ、海底で手に入れた貝を道具として利用していたらしいことわかった。それは現生人類(ホモ・サピエンス)がこの地に到着し、漁業を始めるずっと以前のことである。

洞窟で発見された7万年以上前の貝殻製の道具

 貝殻が発見されたのは「Grotta dei Moscerini」という洞窟だ。ここが初めて調査されたのは1949年のことで、発見された遺物は7万年以上前――すなわち現生人類がまだヨーロッパ全土に定着していない時期のものだった。

 残念ながらこの洞窟に入ることはもはやできない。しかし、これまで発見された171点の貝殻からは、ネアンデルタール人がこれまで考えられていた以上に有能であったことが明らかになっている。

 貝殻は道具として利用されていたばかりか、その4分の1までが海底から採取されたものであるらしいのだ。

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Villa et al PLOS ONE 2019

海底から採取された生きた二枚貝

 どれも地中海で見られるヨーロッパワスレ(学名 Callista chione)という二枚貝で、研究グループは、縁の形状・光沢・付着したフジツボなどの特徴から、海岸で採取されたすでに死んだ状態だったものと、海底から生きたまま採取されたものとを区別してみた。

 たとえば、「海で生きていた貝殻には光沢がある」のに対して、嵐や海流で浜に打ち上げられたものは、「日光や砂のためにくすんで、光沢がない」と米コロラド大学の考古学者パオラ・ヴィラ氏は説明する。

 また薄く、鋭い貝殻の多くは叩いた痕跡であるという。つまり、その中身を食べていたかどうかははっきりしないにしても、ネアンデルタール人がそれを道具として利用していたらしいことが窺えるのだ。

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Villa et al PLOS ONE 2019

ネアンデルタール人は泳ぎ、釣りをしていた?

 今回の発見を含め、ネアンデルタール人が貝を求めてただ水の中に入ったわけではないことを示す科学的知見はますます増えている。同様の遺跡や解剖学的な研究からは、彼らが日頃から2~4メートルほどの浅瀬で素潜りをしていたらしいことが示唆されている。

 たとえば昨年発表された研究は、ネアンデルタール人の外耳道に極端な骨増殖の跡が発見されたと伝えている。これは少なくともヒトにおいては、冷水にさらされたときにしばしば見られる現象だ。

 またフランスでは彼らが淡水で釣りをしていたらしい科学的証拠すら発見されている。

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denisgo/iStock

なぜわざわざ海に潜ったのか?

 潮干狩りと比べると、海底に埋もれた貝を採取するには時間もエネルギーもかかる。ネアンデルタール人があえてそのようなことをした理由として、研究グループは、海底の貝は浜に打ち上げられたものよりも厚みがある点を指摘する。

 そうした特徴は、道具として利用するには都合がいいものだ。ゆえにネアンデルタール人が求めていたのは、ただの二枚貝ではなかったのだと推測できる。

 また今回の研究では、洞窟の遺物の中からおそらく道具を磨くために利用したと思われる軽石まで初めて発見された。これは付近の火山からナポリ湾まで流れ着いたものであるようだ。

 こうした手がかりを勘案すると、ネアンデルタール人の中には水産資源を手に入れるために海に潜っていたらしいと推測できるのだという。

 この研究は『PNAS』(1月15日付)に掲載された。

References:sciencealert / theguardianなど/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. ホモとネアンが混血してたというNHKの番組でネアンの少女が貝殻を首から提げていたのはこの異物からだったのか。
    「ネアンは当時から装飾品を身に付けていたんだな」と思ったけど、こうした裏づけがしっかりあったとはねー。

    • +8
    1. >>1
      確かアフリカ人以外は少なからず遺伝子を持ってるって聞いた事あるな

      • -1
  2. 実際に見つかった貝は、想像通りの厚みのある貝だったんだろうか

    • 評価
  3. 原始人の暮らしの復元っていうと、洞窟の中で焚き火をしている様子がすぐに出てくるんだけど、
    実際に遭難した時に洞窟内で焚き火をすると一酸化炭素中毒、二酸化炭素中毒、酸欠で死ぬからやっちゃいけないんだよ。

    • +3
  4. 子供の頃に持ってた図鑑では棍棒を使うことを覚えたオランウータンみたいな書き方だったな

    • +4
  5. ネアンデルタール人ではなく
    ラッコ獣人かもしれん

    • 評価
  6. 進化したニンゲンよりほかの動物の方が運動神経いいから、
    この人たちもモリとか作って魚突きしてたかも?

    • +2
  7. 現生人類における石器時代に相当する様な
    貝器時代とでも呼べる時代が
    ネアンデルタール人には存在していたのだろうか?
    現生人類の中にもネアンデルタール人の遺伝子が
    少し混ざっているらしい(混血している)ので、
    ネアンデルタール人が優秀だったと聞くと、
    どこか誇らしい気持ちにもなる

    • 評価
  8. 40万年前から2万年前まで38万年もネアンデってた訳だけど
    それを考えると西暦以後の2000年そこそこでの文明の発達が
    異常なスピードで進んでて怖さまで感じる

    • +4
    1. ※9
      過去数度に渡る文明の絶頂と崩壊を経験した結果、極端な原始社会への回帰を選択。
      現在、地下に逃れた一部指導層は生存闘争の原則を思い出し激しく反省中。
      そして現生人類を創り出した神々とやらを憎悪しつつ再度の君臨を夢見ている。

      とかだったら、まあ納得はできる。

      • 評価
      1. ※17
        南極の地底人に関してはスノーデンも言及してたよね笑

        • 評価
  9. ネアンデルタール人の一部が
    クジラやアザラシのように海生になったのが
    人魚の祖先

    • -1
  10. 生きていく上で、まず最初に貝を利用するのはホモサピエンスでもネアンデルタール人でも縄文人でも現代のサバイバリストでも同じ。

    その上で、貝殻をどのように利用したのかとか収穫量はどのくらいかとか、いろいろ当時の生活を推測できる指標になる。貝殻は痕跡として残るしね。

    今回は、ネアンデルタール人って割と賢くない?って話なんだけど、これくらいは予想されてたんじゃないかなあ。
    あ、証明ってことで大事な研究ではあるよ。

    • +6
  11. 人類は厳選作業から逃れられない運命なのか

    • 評価
  12. 完璧な貝がジワジワくる
    ☆パーフェクトシェル☆

    • +1
  13. この貝は装飾品の貝とは違うようだ。貝殻は初期のナイフとして利用されていたようだが、黒曜石と違って海から入手できるので利便性が高そうだ。磨くための軽石もあったということは、ひょっとすると砥石として利用したのかもしれないなぁ。

    • +3
  14. 四つ足の動物を獲るより、貝を取ったほうが楽だものね。
    海に入ることで直立歩行が促されたという説があったな、
    類人猿ぐらいの段階で海で餌を取る習慣があったのかもしれない。

    • +3
  15. ネアンデルタール人は確かに現代人よりは身体能力が勝っていたのだろうとは思うが、
    けっして楽々と潜っていたわけではないだろう。
    海の犠牲になった者も多く居たはずだ。

    • +2
  16. 子供の頃に読んだ図鑑(約40年前)にはネアンデルタール人が落とし穴に落ちたマンモスを槍や石で殺す様子を描かれていて、かなり野蛮に描かれていた。
    一方、現世人類の祖先であるクロマニヨン人は洞窟の壁に動物の絵を描いている様子が描かれていて絵を描いているクロマニヨン人のお兄さんも白人のイケメンでカッコよく描かれていた。

    この図鑑を覚えている人はいないだろうか?

    あの頃から比べたらネアンデルタール人もだいぶ良い印象を持たれはじめたなぁと思う。

    • 評価
    1. >>24
      ネアンデルタールが白い肌で
      ホモサピエンスが黒い肌で
      それぞれ絵が枯れる様になってきた

      • 評価

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