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ポルターガイスト現象とは?1940年代にイギリスで起きた不可解な超常現象からその謎を探る

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(著) (編集)

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 ポルターガイスト現象とは、特定の場所において、物理的原因がまったくないのに、突然椅子が倒れたり、物が移動していたりといった騒がしい状態が生じる超常現象のことだ。

 その真実性についての確証は十分ではないが、仮にポルターガイスト現象が発生したとして、何によってそれが引き起こされたのか?が問題となってくる。

 これには2つの仮説がある。

 独立した霊的存在の仕業とみなす説と、家で暮らす人(主に子供が多い)が密かに抱く感情によって作り出された現象と考える説だ。

 ポルターガイスト現象を信じるものはこの2つの説のどちらかの派閥に分かれており、議論に決着がつくことはないだろう。

 しかし、ハリー・プライスという有名な心霊現象研究家はかつて、「幽霊」や「悪魔」が、ほとんど理解されていないが驚異的である、無意識の力の証明であることを示唆する事件について記している。

 ここではオリーブ・ウィルキンズという女性の部屋で起きたポルターガイスト現象から、その謎をひも解いていこう。

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オリーブ・ウィルキンズの結婚

 この事件の舞台となったのは、スコットランド、サザランドで暮らしていたウィルキンズという医師の家庭だ。

 1940年、ウィルキンズの19歳の娘、オリーブが若い空軍大尉と婚約した。

 だが両親はそれほど喜ばなかった。婚約相手に不満があったわけではないが、娘は結婚するには若すぎると感じたのだ。

 しかも折悪く戦時中のことであり、突然未亡人になってしまう可能性も低くはなかった。

 だが結局、娘の恋路は実り、1941年秋に2人は結婚した。

 娘夫婦はウィルキンズの実家の近くに家を借り、オリーブは秘書として働き始めた。

 新郎の仕事中、オリーブは実家にいることが多かった。

 実家にあるオリーブの部屋は結婚前と同じ状態で、私物がたくさん置きっ放しになっていたため、両親は娘が家を出たようにはあまり感じられなかったはずだ。

ポルターガイスト現象の始まり

 1942年2月26日、ウィルキンズ夫人は自宅の中にあるオリーブの部屋からブローチを拝借して外出した。帰宅後、それを返すために娘の部屋に入って仰天した。

 ベッドカバーが念入りに裏返しになっていたのだ。夫人はその日、ベッドには触れていないし、家には誰もいなかった。

 さらに3日後、台所にいたウィルキンズ夫人は、玄関のドアが開く音を耳にした。続いて、夫の足音と娘のハイヒールのコツコツという音がはっきりと聞こえてきた。

 ところが、部屋に入ってきたのは夫だけだった。

 「オリーブはどこ?」と彼女。

 「さあ」と夫。彼は一人で帰宅し、足音など聞かなかったという。

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更なる超常現象がウィルキンス家を襲う

 さらに4日後、ウィルキンズ夫人は、オリーブのベッドがまるで誰かが寝ていたかのように乱れていることに気がついた。

 しかも、オリーブの本棚にあったはずの本が運ばれて、窓枠のところに開いたまま置かれていた。

 1週間後、ウィルキンズ夫人は再び玄関が開く音と、誰かが入ってくる足音を耳にした。だがこのときの足音は1人だけだ。

 足音は階段を登り、オリーブの部屋に入っていった。それからトイレに入って、しばらく間をおいて、トイレを流す音が聞こえてきた。そして静かになった。

 ウィルキンズ夫人は上の階にいってみたが、誰もいなかった。

 夫が帰宅したので、夫人はさきほどの不思議な話をしてみた。「オリーブが帰ってきてたのかもしれない」そう思った夫は、オリーブの家に足を運び、娘に訊いてみた。だがその日、実家には帰っていないという。

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オリーブの妊娠中、超常現象はクライマックスを迎える

 それから数週間のうちに、2つの重要な出来事があった。オリーブが妊娠し、彼女の夫が海外に単身赴任になったのだ。

 オリーブのお腹の子供が成長する間、実家の超常現象はずっと続いた。

 実家のオリーブの部屋にあるベッドは常に異変が。ベッドカバーがしわくちゃになっていたり、きちんと畳まれていたり、あるいは剥ぎ取られたりしていた。

 オリーブの洋服タンスが開けっ放しになって、仕舞われていた中の物がベッドの上に置かれているということもよくあった。

 聞き間違えるはずのないオリーブの足音がして、階段を登り、自室に入っていくという現象に、もはやウィルキンズ夫人は慣れっこになってしまった。

 夫人が音を調べようとしたときだけ、その足音は決まってぴたっと止んだ。

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出産とポルターガイストの終焉

 ある日、ウィルキンズ夫人が帰宅すると、普段はダイニングの暖炉の上に置かれているオリーブの写真がテーブルの上にあった。

 夫人は何かよくない前触れだろうかと不安になり、すぐに娘の職場へ連絡した。すると突然陣痛が始まったために、病院に運ばれたと告げられた。

 幸いにも、オリーブは無事健康な女の子の赤ちゃんを出産した。

 不思議なことに、イーニッドと名付けられたその子の誕生と同時に、ウィルキンズ家で起きていた超常現象もピタリと止んでしまった。

 ポルターガイストだろうが何であれ、とにかくそれが二度と起きることはなかった。

ポルターガイスト現象とオリーブの結婚との関係性は?

 一連の超常現象とオリーブの結婚・妊娠には明らかに関連性がある。だが、それはどのように解釈するべきだろうか?

 娘を案じ、家に帰ってきてほしいと願うウィルキンズ夫人の潜在意識が、「オリーブの幻」を作り出したのだろうか?

 あるいはオリーブ自身が作り出した現象とも考えられる。

 夫の不在と初めての妊娠というストレスで、彼女は密かに独身時代に戻りたいと願っていたのかもしれない。

 ウィルキンズ家の一件は、ポルターガイストの不可解さを伝えるとともに、単純にひとくくりにできるような現象でもないことを示す格好の事例である。

References:Strange Company: “Where is Olive?” An Unusual Poltergeist Account/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

コメントを書く

  1. わかったよ!わかったからJCの幽霊連れてきてよ!
    幽霊ならいいだろっ!なっ!

    • -11
  2. 嘘松にも国民性があって、イギリス人はホラー嘘松が好き、あるいは得意なんじゃないのか、と。

    • -9
  3. ポルターガイスト現象には2つの仮説がある。

     独立した霊的存在の仕業とみなす説と、家で暮らすペット(主に猫が多い)が密かに歩き回る事によって作り出された現象と考える説だ。

    • +5
  4. 実際、オカルトな現象だとしたら生きてる人の念の方がパワーがありそうだと思う

    • +1
  5. 一連の現象が本当に娘のオリーブが引き起こしたものだとする。

    そうであれば、出産後も育児の片手間に家事を済ませるなど造作も無い事。
    むしろ彼女は、出産後も自身にウマく過度のストレスを加える方法を探るべきだった。
    解明さえされれば、戦地に赴くかもしれない旦那に向かってくる銃弾の方向すら捻じ曲げられる可能性だってあるのだから。

    • -6
  6. 地球には1940年から比べると倍近い70億の人間がいて、そのうちの結構な数が常にスマホとかの動画撮影装置を持ち歩き、インターネットで全世界にアピールきる現代に、ポルターガイスト現象を撮影した動画がほとんどアップロードされていない。
    一定の割合で起きる自然現象なら、少なくとも1940年当時の倍は報告されてないとおかしい。むしろネット等メディアの発達具合から考えるともっとずっと多くなければならない。
    スマホやインターネットには、ポルターガイスト現象を抑制する効果があるのかもしれない。

    • 評価
    1. >>8

      デジカメには心霊写真を抑制する効果があるしね

      • 評価
  7. 何にしても寝てる時やるなよって思う
    鬱陶し過ぎる

    • 評価
  8. 単純に家に帰ってきてたんじゃないか?
    大した怪奇現象でもないし。

    • 評価
  9. 姿の見えないエミリーサジェ?
    記憶錯誤、統合失調、妊娠中の解離性健忘などが影響したというのが普通の回答かな。

    オカルト系のほとんどは、でっち上げ、嘘、ハッタリ、話の誇張、勘違い。
    妖精や心霊を信じたドイル直後の時代だし、いくらか話が大げさになってるかもしれない。

    • -1
  10. 異変を見聞きしてるのはウィルキンズ夫人だけなのか?
    それなら単に思い過ごしなんじゃないのか。

    • 評価
  11. 面白いね。調べるとポルターガイストの動画も最近かなり多い。監視カメラや、配信とかしてる人が増えたから。中には本当のように思えるモノもあって、自分は怪しい物音以外は体験無いけど、こういうことは実際あるんじゃないかと思うようになった。しかもそれは死者の霊の仕業とは限らなくて、上の例のように生きてる人間の意識が働いている可能性がある。量子力学では意識が現実に影響する可能性もあると言われているし、確かめようとしたら消えてしまうのも、シュレーディンガーの猫のような理屈かも知れない。あるいは、平行世界なども関係してるかも。隣の世界では、嫁にいかなかった娘が生活してて、その影響が隣の世界に出てきているとかね。馬鹿馬鹿しいと思う人には、馬鹿馬鹿しいでしょうけど

    • +4
  12. 配偶者さんの名前はきっとポpいやなんでもないです。

    • 評価
  13. 心霊的な事象は実際に体験してみないと理解出来ない(信用できない)
    実際に体験すると尋常ではない事態だと感覚的に理解できる
    外的要因なのか脳が見せる現象なのかは解らないけど嘘松認定出来る人は体験した事が無いのだろうと思う

    • -1
  14. そんなハッキリした写真見せられると逆に萎えるなあ
    最近のCG動画よりはマシかなあ

    • -2
  15. ”生霊”って言葉があるよね。強い想念が物理的な現象を引き起こすことがあるんじゃないかね。女性の方が「念」は強そうだからな。

    • -1
  16. 嘘が増えたのって簡単に録画撮影できてネットにアップできるようになってからのような気がする
    体験話としては嘘は少なくて説明できないことをオカルト認定してる人が殆どのイメージ
    不思議な体験ならしたことあるけど話すと何故か幽霊とか信じてるの?とか言う人がいて変な目で見られるから言わないな

    • 評価
  17. ベッドカバーがきちんと畳まれていたってのはポルターガイストぽくないね。

    • 評価
  18. 母の話。わたしがまだよちよち歩きだったころ母がうとうとしていたらわたしが勝手に階段のぼって落ちてしまいそうになった時、大きな声で”あぶない!”という声と見たことない女性の顔が浮かんできたそうで母はその声ですぐ起きて落ちそうになった私を間一髪で抱き上げたそう。あとで父にその話をしてこういう髪型のこんな感じの女性でって話たら父がたぶんそれは自分が若いころに亡くなった母親じゃないかなって。アルバムの写真見たら母が見た女性は父の母親そのものだったそう。守ってくれてありがとう。

    • +6
    1. ※22
      すごいと思うよ
      気合入ってるなー

      • 評価
  19. 何で外国の超常現象はこうもアグレッシブなのか

    • +2
  20. 個人的にはポルターガイスト現象は単なる自然現象によるプラズマのものと一反木綿や河童のようなプラズマを放つ生命体もしくはプラズマ生命体によるものではないかと思う
    幽霊の特徴はプラズマと非常によく似てるし(金縛りとか発光とかオーブとか停電とか)
    ポルターガイスト現象を引き起こすハチンソン効果がプラズマだと言われているのもうなずく

    • 評価
  21. ポパイネタがあって安心した。
    現実的に考えるならオリーブさんの仕業なんだろうね。

    • 評価

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