
そんな彼らであっても、あらゆる発明品で成功を収めたわけではない。ここでは有名な発明家によるマイナーな発明品を紹介しよう。
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1. スキューバスーツ――レオナルド・ダ・ヴィンチ

当時ヴェネツィアはオスマン帝国海軍から攻撃を受け、弱体化していた。そこでダ・ヴィンチは水中からオスマン帝国の船をこっそりと攻撃するためのスキューバスーツを考案。
それは革製で、マスクやゴーグルのほか、おしっこをする袋まで備え付けられていた。スーツには2本のチューブが繋がれ、水上や小さな酸素タンクから呼吸ができる仕組みだった。
だが、恐ろしい外見のためか、ヴェネツィア海軍は採用を拒否。現代的なスキューバダイビングの登場は20世紀半ばを待たねばならなかった。
2. アルモニカ――ベンジャミン・フランクリン

1761年、フランクリンは王立協会のメンバーがワイングラスの縁を指でなぞって奏でる不思議な音を聴いた。
これにヒントを得て、棒に37個のガラスボウルを横並びに配列し、その棒をホイールとフットペダルに接続した。ペダルを踏むとボウルが回転し、そこを濡れた指で触れれば音が発生するという仕組みだ。
1762年、マリアンヌ・デイビーズが弾き方を学び、世界に披露。好評を博し、ベートーベンやモーツァルトすらアルモニカ用の曲を作曲した。5,000台が作成されたが、音量が小さかったため、1800年代に消えて行った(ついでに楽器の音で精神に異常をきたすという噂もあった)。
3. 金属探知機――グラハム・ベル

1881年7月、ガーフィールド米大統領は狙撃され死にかけていた。医師はどこに弾丸があるのか見つけることができずにいた。そこでベルは大統領の命を救う装置の発明に取り掛かった。電池、コンデンサー、ハンドル、クリック音を聞く電話の受話器で構成されたこの機械を、ベルは誘導平衡装置(induction balance device)と呼んでいた。
生憎、この装置で弾丸を発見することはできなかった。設計が正しくなかったか、弾丸の位置が深すぎたか、ベッドの金属マットレスが干渉してしまったか、理由は定かではない。ガーフィールド大統領は1881年9月19日に逝去した。
4. 炭酸水を作る錠剤――ヘディ・ラマー

1942年8月に特許を取得するが、アメリカ軍がこれを使うことはなかった。数十年経ってから、世界は彼女の特許がWi-Fi・GPS・Bluetoothといった現代の無線技術の前身であることに気がついた。これ以外にもラマーは炭酸水を作る錠剤を発明している。
実際に発泡する水を作ることはできたが、味は良くなかったようで、アルカセルツァー(頭痛薬)の味に似ていたという。
5. おしゃべり人形――トーマス・エジソン

エジソンは蓄音機を利用すれば、ずっと複雑な単語やフレーズを作り出せると考えていたが、当時の技術的限界のために一種類の音声しか録音できなかった。それは女性の声で『きらきら星』や『ジャックとジル』といった童謡の歌詞を話す。
残念なことに、高価すぎたことに加え、壊れやすく、しかも音質も良くなかったために非常に不気味で、子供や親の間で人気を博すことはなかった。
6. 捕鯨砲――クラレンス・バーズアイ

アルミとゴムでできており、反動なく射出できる優れものだった。バーズアイはこれで多くのナガスクジラを捕獲したが、仕事というよりも趣味のようなものだったようだ――少なくとも公式にはそう伝えられている。捕鯨に反対する向きからは、この発明ゆえに非難されることもある。
7. 木製の水泳用フィン――ベンジャミン・フランクリン

木の板に穴を開け、親指が馴染み、握りやすいように加工。これで泳ぎの速度は上がったが、余計な負荷がかかり疲れることが判明する。もちろんフランクリンはその改良に取り組んだ。彼は生涯に渡り水泳に貢献し、1968年に国際水泳殿堂入りを果たした。
8. シェイプアップシューズ――ジョイ・マンガーノ

”パフォーマンスプラットフォーム”というスニーカーは、ゴム底のかかとの部分にゲットフィットテクノロジーを採用しており、履くだけでハムストリング・大腿四頭筋・ふくらはぎの引き締め効果を得ることができる。
2010年に発売されたシェイプアップシューズは、通勤しながら筋肉を鍛えられるという一石二鳥の効果を謳う。スニーカーとしては悪くない。
9. 真空パック――トーマス・エジソン

主な用途は肉ではなく、果物だった。エジソンは1881年10月、果物や野菜をガラス容器に入れ、ポンプで空気を抜き、熱で密封するという保存法の特許を取得した。そのアイデアを示した奇妙な装置の図案が残されている。
10. 大豆車――ヘンリー・フォード

ガソリンの代わりとなる代替燃料を手にするため、フォードはカーヴァーが研究していたピーナッツなどの作物の性質を調査。1937年、カーヴァーがフォードを訪ね、作物を使った共同実験を行った。
農産化学に対するフォードの関心が結実したものが大豆車である。これは大豆を調合したもの(おそらく他に麻、亜麻、小麦などが使われているが、製法は失われている)からプラスチックを作り、それを基に製造された軽量車両である。ミシガンのサマーフェスティバルで公開したが、人気は出なかった。
11. 初期のロボット――レオナルド・ダ・ヴィンチ

彼は他にも自動推進式カートや動く甲冑といった発明のスケッチも残している。ダ・ヴィンチがロボットの騎士を実際に作ることはなかったが、スケッチからは歯車・ホイール・ケーブルのシステムによって、自動で口を開く、腕を振る、立ち上がるといった動作が可能であったことが窺える。
学者の見解によると、このロボットの騎士は王やその賓客を楽しませるために考案されたらしい。
via:11 Lesser-Known Inventions by Famous Inventors/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
潜水服はダヴィンチより100年前のコンラート・ギーザーやフス戦争の写本に同じシステムのスケッチが残っていますね。
ダヴィンチが残したもの程詳細なスケッチではないですが
2. 匿名処理班
アルモニカはとある小説で悪魔の楽器という異名と共に題材にされていたな
あまりにも美音すぎて人知を超えたもの=悪魔の作った楽器として周知されてしまったらしい
調べたらYouTubeで聴けたので興味ある人は是非
3. 匿名処理班
今の医学ゃ技術にも優れていても現代の進化に合わず
わかってても使えず放置というものは数多くある
これら忘れ去れたものを次世代の人が、俺たちの使うものが実は
大昔にはとっくに開発されてたんだといって脅威に
感じる日もあるのかもしれない
4. 匿名処理班
ニューギニアかニュージーランドの部族に木と動物の皮で作ったフィンを使うのがいた気がする
西洋人の持ち込んだ道具を模倣したのかもしれないけど
5. 匿名処理班
中々面白い記事で楽しく読めました
6.
7. 匿名処理班
ダビンチのに関してだけど、潜水服もロボットも他のものも発明家のアイディアやロマンは大昔から変わってないものも多いんだね。でも当時は突飛なアイディアだっただろうし、メモ書きで終わるものあったけど、今の技術がそれを実現させてる。
現代において突飛なアイディアも夢も世代を超えて、僕ら人間は叶えてくんでしょうか。
8. 匿名処理班
ダ・ヴィンチがアイディア豊富すぎる人だっていうのはよく解った
9. 匿名処理班
>>遠近両用眼鏡の発明が有名なベンジャミン・フランクリン
これにびっくり!知らなかったわー
ジョイ・マンガーノのシェイプアップシューズは、どう考えて捻挫しやすいので意識して履く時以外は使用しないほうが良いと思うよ
10. 匿名処理班
ダ・ヴィンチが今の教育受けてアイディア出してくれれば、既存技術の組み合わせだけでもっと軽い宇宙服とか戦闘ロボットとか造りそうだわ。
もしくはエンジニアリングに興味持たなくて、意味の分からんモダンアートに傾倒するかのどっちかやな。
11. 匿名処理班
ヘディ・ラマーがバブを発明したのかww
12. 匿名処理班
潜水服は英語版ウィキペディアのStandard diving dressのページの前史の最初に、1405年にKonrad Kyeserは革製の服にガラスの2つのゴーグル付金属製ヘルメットからなる潜水服を説明したとあるね
ウィキペディアなんでどこまで信用していいかはわからんが
13. 匿名処理班
潜水服は色々な人が考えてみたものの、水深2メートルを越えると自力呼吸が水圧で困難になる、という壁にぶち当たったそうで。
後に加圧空気ポンプで空気圧を常に一定にする事で呼吸が可能になる、って判明したそうですが。
14. 匿名処理班
大豆由来プラスチックや樹脂は現在、携帯やノートPCに使われていたりしますよね。
まだまだ製造過程で割り増しの化石燃料が必要になり、販売価格を圧迫している様ですが。
15. 匿名処理班
何気にヘディ・ラマーが凄いなと思うわ。
無線の基礎も凄いが、炭酸の錠剤、誰か改良してくれないかなぁ
16. www
世界初の蒸気機関車による鉄道を実用化したスティーブンソンは、キュウリの実がまっすぐ育つようにガラス管をあてがう栽培方法も発明した。
これ豆なw
17. 匿名処理班
※13
ニンジャマンガなどでおなじみの、水遁の術(水面に管だけ出すアレ)も、実際やってみると同じ問題で不可能だということがわかったんだっけ。
18. 匿名処理班
ダ・ヴィンチの兵器は動力も原理もスルーしててアイデアを出してるだけ
アニメの空想科学兵器と大差ないやろ
19. 匿名処理班
ヘディ・ラマー
美しく、さらに類稀な発明家だったなんて、こんなチーターな人物が実在してたのか…
20. 匿名処理班
ヘンリー・フォードの著書「藁のハンドル」は経営書の古典ですが、タイトルの元は藁からセルロースを抽出してプラスチックのハンドルを作る話だったような…
21. 匿名処理班
妖怪でおなじみの河童の姿を見てみると、ウエットスーツを着た潜水士によく似ていると思う。
特に、背中の甲羅が酸素ボンベでクチバシがバルブの部分に対応しそうだし。
まあ、仮に昔の人が現在のウエットスーツにつながるような、潜水服を作っていたとしても、上で書かれているような水深2メートルの限界を考えると、あまり実用性はなかったと思うし。
しかし、ダビンチの潜水服を見てみると、「実用性」よりも、見た目のインパクトで敵に対する恐怖感を十分与えることができるのないかと思うけど。
なにしろ、このダビンチ版潜水服は「河童」どころか、悪魔に見えるから。
こういうものが、仮に2メートル以下の浅瀬から数十体出現したら、実用性があまりなくても十分敵に対して、視覚的な脅威を与えると思う。
22. 匿名処理班
※19
あーやだ
女が何かするとすぐ顔の話
23. 匿名処理班
※22
「〜で、しかもイケメン」って言葉もやめような。
24. 匿名処理班
厚底の靴なんか面白いのか!?前に流行ったな
25. 匿名処理班
ヘディラマーは炭酸水を作る錠剤じゃなくてコーラ
周波数ホッピングの発明者はニコラ=テスラです
おそらく彼女の魚雷は機能しない