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飛び方を知らないペリカンが大空を飛ぶ日。孤児のペリカンと人間の愛情物語

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(著)

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  タンザニア、タンガニーカ湖のほとりにある野生動物キャンプ、グレイストークマハレの真っ新な白いビーチでランチを楽しんでいた1人の男性は、珍しい光景を目撃した。突然、モモイロペリカンが水の中から現れ、彼らの方へよたよた歩み寄ってきたのだ。

 その姿はかなり大きく見えたが、よくよく調べてみるとわずか3ヶ月の雛であり、怪我をしていることが判明。 ロッジのスタッフは、雛を連れ帰って、手当てをすることにした。

 数週間後、すっかり具合が良くなったペリカンだが、一向にキャンプから離れようとしなかった。「ビッグバード」と名付けられたそのペリカンは、飛び方を知らないか、忘れてしまったかのようであった。

GoPro: Pelican Learns To Fly

  そこで、スタッフはビッグバードに飛び方を教えることにした。スタッフが手を懸命に羽ばたかせながら、ビーチを走り回る姿を見せつける日々が始まった。

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 それから数週間後、ビッグバードはついにコツを掴んだようだ。スタッフを真似て翼をばたつかせると、ついに体を宙に浮かせることができたのだ。そして優雅に翼を広げ上空へと飛んでいった。

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 その記念すべき瞬間は、ビッグバードに取り付けたGoProカメラでバッチリ撮影された。ペリカンの専属フライト訓練係によれば、飛び方はまだぎこちなく、特に着陸が下手っぴなため、今後の訓練を必要としているという。

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 今後野生で生きていくためには、空を飛ぶ方法だけでなく、自分で生活する術も身につけなければならない。モモイロペリカンには潜って魚を捕る習性がないことを考えると、これには少々手こずるかもしれない。仲間と協力しながら獲物を狭い場所に追い込んで大きな嘴で掬い上げるやり方は、ビッグバード向きではない。彼は一人ぼっちで魚を捕まえなければならないからだ。

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 すっかり人間との生活になじんでしまったビッグバードは、現在スタッフらにおいしいごはんをもらいながら生活をしている。

 確かなことは分からないが、ビッグバードは嵐雲に飲み込まれて群れからはぐれたのだとスタッフは考えている。グレイストークマハレから150km離れたカタヴィ国立公園にいるモモイロペリカンの群れが彼の故郷である可能性は高い。彼がいつの日か仲間の許に帰れることを願わずにはいられない。

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  翼幅が225~360cmにもなる雄のモモイロペリカンは、地球上で最大の鳥の1種だ。アジア、南東ヨーロッパ、アフリカの固有種で、暖かく浅い熱帯の水域に生息する。主に大型の魚を餌としているが、自分の雛の餌とするために、他の鳥の雛を盗む姿が目撃されたこともある。

via:dogonews・written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

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  1. 日本にもカッタ君て人気者のモモイロペリカンがいたね。
    どんな形であれ、ビッグバード君が幸せになることを願う。

    • +4
    1. ※1
      カンタ君の場合、地元の漁師さんから魚ガメてなんとかしのいでいたよ。
      ペリカンて結構したたかな鳥みたいね。

      • +1
    2. ※1
      カッタくんの地元出身です。
      カッタくんが幼稚園に通い始めるちょっと前、私が通っていた高校にもやって来ました。
      体育の授業中に高校の敷地内をすたたたたーと走り抜けて行くカッタくんと、
      それを追いかける作業着姿の男性の姿を見ました。(多分担当飼育員の方)
      授業が終わる頃、敷地の外を見ると、男性に抱えられてしょぼんと大人しくしているカッタくんの姿が見えました。
      カッタくんのいる常盤公園からは直線距離でも結構あるのに、飛んで来たんでしょうね。

      • +1
  2. ここまで人に慣れちゃうと群れの中に返すのが果たして幸せなことなのか少し疑問だけど、やっぱり自分と同じ姿の仲間と一緒に暮らす方が幸せと思うかもしれないし…
    むつかしいものよの。

    • +17
    1. 一瞬オーストラリア映画のStorm Boyかと思った。
      ※2
      野生のエルザという、人間のペットから完全に野生復帰した前例があるからなぁ。
      あと、最近?では、カナダで野生のシャチの孤児で超迷子になってた子が、一時的に人間に保護されてリハビリ受けたのち、野生へ戻される。完全に野生復帰に成功して、2年前についに親になった!!というニュースもある(A73 Springer、A104 Spiritでググってくれ)。

      • +6
  3. ペリカンが翔んだ ペリカンが翔んだ
    あなたは一人で 生きられるのね

    • +5
  4. 羽ばたいてほんの数秒であんな遠くに行けるのか… 

    • +8
  5. カメラは何でくっつけてるんだろう…
    勿論害は無いやつだよね?

    • 評価
    1. ※11
      28秒あたりを見る限り、口に巻きつけてる感じ?
      多少ペリカンは違和感あるかもしれないけど痛くはないと思う。

      • +1
  6. 鳥の雛はある程度育つと羽ばたく動きに注意をひかれるようになる。前にキジバトの雛を保護した時、産毛が抜けても全く羽ばたかなかったけれども、うちで飼っていたインコが飛ぶ姿を見て猛烈に羽ばたきを始めた。試しに手で影絵の鳩の形を作って羽ばたく仕草をしたら同じ反応を示した。鳥類におけるミラーニューロンの働きの一例かもしれない。
    ちなみに鳩に飛び方を教えたインコは人工給餌で藁籠を卒業したら誰にも教わらずに自発的に飛び始めた。

    • +10
  7. 日本にも鶴の雛に羽ばたきを教えるおじさんがいたな。
    永井真理子の歌では少年にされてたがw

    • 評価
  8. 群れで生活する動物だから人間にも慣れやすいんだろう
    とはいえ人間とは繁殖出来ないからな
    絶滅危惧種なんだから仲間の元に帰るのが一番かな

    • 評価
  9. 群れで生活する動物を雛から育ててしまったら無理して自然に帰さない方がいいと思う
    それに人間になれすぎてる固体は警戒心が無いので人間に近づき過ぎて危害を加えたり加えられたり・・・
    もしこの子が穏やかで人懐こい子だとしても近づかれた人が怖がれば駆除対象になってしまう・・・

    • +2
  10. 考えてみたら鳥って飛べること異常にスピードがすげえよな
    そりゃ揚力発生させなきゃいけないんだから当然っちゃ当然だけど
    離陸→トップスピード→着地して停止、の変化の素早いこと

    • 評価
  11. 以前ペルーに旅行した時、コンドルのひなを見た。なんでも密猟者につかまっていたのを保護したらしく、一ドル払って一緒に写真を撮ることができて、その一ドルは彼のエサ代に充てられると。・・・自力で飯代かせいどるのか~とちょっと暗澹たる気分になった。
    そのコンドル、自力では飛べなかった。コンドルは体がでかすぎて風上に向かって走って揚力を得ないと飛び立てず、本来ならば親や先輩に教えてもらう時期に捕まってしまったので、飛び方が分からないとのこと。現在人間の手で訓練中です、と拙い日本語で説明があった。
    もう10年以上前の話。彼が今、大空を羽ばたいていることを願わずにはいられない。

    • +2
  12. ペリカンってなんだか不思議な感じがするんだよなぁ
    凄く大きい鳥だし、胴体やクチバシも大きくて、見た目的に重量感があるのに、その大きさの翼で飛べるから不思議な感じがする

    • +1
  13. 鳥が飛んでる最中の顔初めてじっくり見たけど緊張?集中してる感じなのかな
    人間に例えると鳥が飛ぶのは車の運転みたいな感じなんだろうか

    • +2

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