なぜ人は録音した自分の声に違和感を持つのだろうか？その克服法（米研究）

　録音された自分の声を再生して聞いたとき、なんとなく違和感を感じたことはないだろうか？こんな声？自分が感じている声とは違っていることに戸惑いを覚える。

　だが安心して欲しい。それは君だけではなく、皆が感じていることなのだ。 　「沢山の人間が感じている事ですよ」 そう語るのは米イリノイ大学のスピーチ&ヒアリングサイエンス学部の助教授アーロン・ジョンソン氏だ。

　「私は今まで、ボーカル・トレーニングをしている人で、自分の声が好きだと言う人に出会った事がありません」

　つまりはプロの歌手でさえ最初は自らの声を嫌っているという事だ。だが、その嫌悪感は克服することができるという。

声はどのように発せられるのか

　あなたが喋ったり歌ったりする時、あなたの2つの声帯がパタパタと動く。声帯はノド（喉頭）の中に左右2つある。この動きがバイブレーションを引き起こし、声道を通り、喉を通って出ていく。発せられる音の違いは声道の長さや形、舌の位置、唇の形など、多数の要素によって左右される。

　あなたが聞こえる自分の声は、頭にある細胞組織や骨を貫通した後に耳へと届く。ジョンソン氏によると、これは凄まじいベース音をかけた車が近くを通った時に起こる地響きに近い物なのだそうだ。あなたが聞こえる声は、あなたの身体の中で声が響き渡っているから聞こえる物なのだ。つまり、あなたは自分の声を聞いているのではなく「感じている」といった方が良いだろう。

録音した声が、どうして自分の聞こえている声と違うのか

　自分の声を録音したことがある人ならわかるかも知れないが、何故録音した自分の声を聴くと変な気持ちになるのだろう？

　実はあなたの脳と頭蓋骨に秘密があるのだ。

　例えば、あなたが手を光源にかざすと、自分の手が赤く見えるだろう。これは赤という色は長い波長を持っているためであり、短い波長を持っている青や紫といった色は手の中にある細胞組織を貫通してくる事が出来ないからだ。

　さて例えばここであなたの声が光だったとする。低周波の声は長距離の移動が可能で、高周波の声はあなたの耳に届く前に細胞組織によって遮られてしまう。これにより、録音した自分の声と、何時も聞いている自分の声に少しのズレが生じるのだ。

録音された自分の声を愛するには？

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自分の声を愛す事は可能だ。ジョンソン氏のアドバイスはこうだ

1． 脳のバイアスを無くそう

　あなたが自分の声を録音して聞いた時、戸惑いを覚えるだろう。でも取りあえず何回も聞いてみると良い。次第になれてくる。

　これは心理学的には「単純接触効果」と呼ぶもので、自分が慣れ親しんだものに安心感を持ち、愛情を抱くようになる。録音しなくても、両手を平らにし、耳元を覆ってみるといい。これでより自分の実際の声に近いものを体験できる筈だ。

2． リアルタイムの自分の声を聴いてみよう

　ヘッドフォンとマイクをパソコンに接続し、意図的に話してみよう。こうやって話しかける事で、リアルタイムで自分の声を聴く事が出来る。ミュージシャンなどはこうやってボーカル・トレーニングの際、自分のピッチを確認しているのだ。

3． 自分の声を美しくするには？

　今の声に生まれてしまったら、一生そのまま」というのは大きな間違いだ。トレーニングすることで、誰もが自分の声をより健康的で、美しく出来るという。もしあなたが本気で自分の声を生かしたいのであれば、ボイス・クリニックがあなたを手伝ってくれるだろう。トレーニングをすれば、どんな声でも理想の声に変えてくれる。

via:buzzfeed・原文翻訳：riki7119

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