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アメリカには刑務所内に受刑者たちが運営する動物保護施設がある「ペン・パルズ動物保護施設」

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(著)

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 有刺鉄線の高いフェンスで囲まれた米ルイジアナ州北部のとある刑務所内には、とてもユニークな犬と猫の保護施設がある。この施設を運営しているのは、動物好きの刑務所職員と受刑者たちだ。

 ペン・パルズ動物保護施設では、受刑者が年中無休で動物たちの世話をしている。その内容は、糞の後片付けから犬の訓練、さらにはルイジアナ州立大学からやってくる獣医による健康診断や手術のアシスタントまで多岐に渡る。

Prison Inmates Caring for Shelter Pets

 「自分に起きたことで最高の出来事じゃないかな。ここでやるべきことを見つけたって感じかな」。と語るのは、ワイリー・バンスコーター(22歳)だ。彼は大の動物好きだったが、薬物に溺れ、17歳のとき強盗で有罪判決を受けた。

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 ディクソン更生施設内にあるペン・パルズは、2005年に大きな被害をもたらした台風、「ハリケーン・カトリーナ」上陸後、しばらくしてから開設された。

 当時、動物保護団体ヒューメイン・ソサイエティでは、家を失った数百匹の動物を保護する場所の確保が喫緊の課題であった。そこで目をつけたのが、広大な敷地に、使用されていない納屋を持っていたディクソン更生施設である。そこには、動物好きの職員と受刑者がいた。

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 その後、ヒューメイン・ソサイエティの職員が受刑者の献身的な態度に感銘を受けたことから、同団体から7000万円ほどの資金が刑務所に提供され、恒久的な保護施設を作る運びとなった。このときの作業の一切合財は受刑者の手によるもので、2010年8月に無事オープンした。

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 ペン・パルズは、ルイジアナ州イーストフェリシアナ群全域を対象とする唯一の保護施設であり、およそ80匹の犬と10数匹の猫を保護している。医療設備や屋外アジリティコースも備え、過去4年半の間に犬625匹、猫451匹に終の住処を提供してきた。

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 受刑者は週7日間、一日中世話に追われており、ときには刑務所を離れて里親斡旋の手伝いをすることもある。受刑者と動物たちの間に育まれた絆はまさに革新的で、オレゴン大学の大学院生カルマリータ・アウフデルハイデはこれについて研究することにした。

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 「動物たちが施設にやってくるとき、彼らはとても怯えています。どこにいるのかも分からない見知らぬ環境で、刑務所に入れられたようなものです。受刑者も同じ気持ちを味わっているから、動物たちに共感して、愛情や理解を示すのでしょう。彼らは動物を抱いたり、撫でたりと、きちんと面倒を見て、よい生活を送らせようとします。自分が動物に与えているものと同じチャンスが欲しいのだと思います。」

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 ルイジアナ州立大学の獣医や学生たちは、受刑者向けの動物飼育講座を開いており、バンスコーターのように動物看護師の学位を取得しようとする者もいる。彼はワクチン接種、寄生虫や皮膚状態の検査のほか、基本的な医療行為を手がけるまでになった。元受刑者のマット・エルドリッジさんは、アニマルプラネットの番組『ピットブルズ&パロリーズ』のスタッフになっている。

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 「動物との触れ合いが始まると、受刑者は『そうか、必要なのは共感だったんだ』と悟ります。まあ、性犯罪者や動物を虐待した人間は雇いませんがね。そこでは問題になるので」。と刑務所職員のジョン・スミス。

 受刑者に多様な訓練を与えることに対して違を唱える者もいるそうだが、「受刑者はいずれ出所し、社会に戻ります。私たちは税金を使う人間ではなく、納税者を育てているのですよ」。とスミスは説明する。

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 身長180cm、体重90kg以上の大男バンスコーターが何より好きな時間は、チワワとテリアの小さな雑種犬と遊ぶ瞬間だそうだ。2018年に出所を予定する彼は、動物看護師として仕事を続けたいと希望しており、将来的には獣医になれたらと考えている。

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via:viralnova・原文翻訳:hiroching
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この記事へのコメント 43件

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  1. 犬撫でてるときは何処にいても幸せを感じられるから

    • +4
  2. >受刑者に多様な訓練を与えることに対して違を唱える者もいるそうだが、「受刑者はいずれ出所し、社会に戻ります。私たちは税金を使う人間ではなく、納税者を育てているのですよ」。とスミスは説明する。
    きわめて現実的な観点で運営されてるのがいいね

    • +36
  3. ペットがくれる幸せは、人を穏やかにするよね。自分が必要とされるている、自分には価値がある、そう思わせてくれる。
    日本でも導入すべき。

    • +13
  4. 前科者って聞くとどうせ更生してないんだろ~って目で見てしまうけど
    ここで動物たちの世話してきたって人なら信用できる気がする
    我ながら単純だぜ

    • +34
  5. 動物の目の輝きはごまかせん
    彼らを見ればシアワセにすごせてるか本当にわかる

    • +12
  6. 受刑者がスリラー踊るやつとか見た時も思ったけど、ちゃんと何かやりたい事や楽しい事を(非合法的、反社会的な行為以外で)見付けてる時って、罪を犯して服役してる人とは思えないごく普通の表情をしてるように見える。人として当たり前の幸せを享受してる平穏な表情というか。
    犯罪に走らなければ普通の人だったんだよなぁと心底思うし、ごく普通のつもりの自分ももしどこかで一歩間違えれば塀の中に行かなきゃならないんだって実感する。
    なんかごちゃごちゃしちゃったけど、きちんと自分の罪や今までの人生を見つめて悔い改めて、なおかつこれからどう生きるべきかをしっかり考えた人が、出所しても「前科者」「犯罪者」とだけしか思ってもらえず冷遇される場面が少しでも減ればいいなと思います。
    もちろん悔いても罪は消えないし、悔いようが改めようが許されない罪もあれば許せない立場の人もいるだろうけど、出所しても平然と再犯する奴に比べれば遥かにマシ。

    • +27
  7. 受刑者に対するアニマルセラピーの有効性は実証されてるから
    今後どんどん増えてくだろうね
    日本でもあればいいのにね

    • +58
  8. 獣医師になる夢、心から頑張って欲しいと思う。

    • +53
  9. 犯罪者も人間って事だよね。一般人はこういうのをあまり見ないほうがいいかもね、人間だから。

    • +40
    1. ※14
      特に、被害者や遺族がみたら複雑な気分でしょうね。俺なら罪人に幸せはいらん一生涯不幸たれ・・と思いますわ。

      • 評価
  10. 昔アンビリバボーで似たような特集やったな。

    • +5
  11. いいね
    手に職をつけることが再犯防止にもなるんだろう

    • +1
  12. とてもいいことだと思う。
    動物にとっても受刑者にとっても。
    なにより命あるものの世話をするということは命の尊さがわかるということ。
    日本もこういう制度を取り組めば
    殺処分される犬や猫が減るのに…。

    • +3
    1. ※18
      未成年の囚人が犬の世話をして、自分が必要とされる実感を得たって番組のエピソードなら覚えているが、アンビリバボーだったのかな?
      確かに凶悪犯を除けば、社会復帰の為の更生プログラムは必要。
      中には全然反省していない囚人もいる様なので、ただ服役させたりするだけでは駄目。
      社会の方も受け入れるべき。
      1番良いのは、犯罪のない社会にする事。
      その為にはまず経済格差の是正や差別の撤廃。

      • +3
  13. 俺もここに入りたい
    でもそこまで悪いことする勇気なんてないからゴミのポイ捨てで入れてもらえませんかね

    • +17
  14. 昔ドッグシェルターで読書感想文書いたの思い出した
    殺処分される動物や受刑者のためにもいいことだとは思うが日本だと絶対無理だろうな

    • +25
  15. 勿論だと思うけど凶悪犯罪を犯した人には世話させないよね?
    そう言う人に動物を扱わせたら虐待しそうで少し怖いかな。
    日本で導入する事は良いけど、システムを導入する時に適正検査とかは必要だと思う。

    • +1
  16. 犬は幸せそうだけど
    部屋に便所ぐらいは設置してもいいかと

    • +4
  17. 「納税者を育てている」っていう姿勢がいいね。
    「不幸な犬を救おう!(´;ω;`)」でも「犯罪者を公正させよう!キリッ」でもなく、淡々と合理的に進められる人がいてこそ成功するんだと思う。

    • +7
    1. ※23
      記事の真ん中あたりに『性犯罪者や動物を虐待した人間は雇いませんがね。』ってあります

      • +4
  18. はからずも動物が心から懐くかどうかを見ることで
    受刑者が心から更生しようとしているか
    表面取り繕っているだけかのバロメーターにもなるものね
    人間関係にストレス感じて犯罪に走ったような受刑者でも
    牧場で家畜相手に人生やり直そうと思えるならそれはそれでいいことだ

    • 評価
  19. >まあ、性犯罪者や動物を虐待した人間は雇いませんがね。
    動物虐待の方は知らないが、性犯罪者ってのは罪悪感を持ってない人が多くて他の受刑者と比べてもなかなか厄介なものだと聞いてる。

    • +22
  20. 薬物中毒患者の更生施設でも、保護動物を世話するプログラムを行っているところがあるね。
    道を誤った人間が舵を取り直すには、「信頼されている」「必要とされている」という感覚が大切なのかも。
    動物たちなら、その人の過去に囚われず、容姿やなんかで偏見を持つこともなく、きちんと世話をして、偽りの無い愛情を注げば応えてくれるし。
    この人はいい人!と思ったら細かいこと気にせずまっすぐ信頼してくれるもんね!
    犬も猫もおっちゃんたちも、ガンバレ!

    • +13
  21. そうそう。罰とは言うけど、何のための刑務かというと「犯罪を犯したものを更正させ、社会的に復帰させるため」施設に入れてるんだよね。
    動物相手だろうと必要とされてる実感が得られるってのはとても重要だと思う。失いたくないもの(文化的生活=利益)を得た人間は、それを維持するため規律を守ろうとする傾向が強いものだから。

    • +12
  22. こういうので変われるって事はやはり愛や必要とされているという実感が無い事から精神が荒んでしまうのだろうか。
    動物も受刑者も救われる、とても良いプログラムだよね

    • +5
    1. ※31
      無茶ウマ…
      それにしても犬の表情がいい幸せになってほしいなあ

      • +4
  23. 彼らがもう一度、社会で道を誤ることなく
    生活していけますように。
    できれば、お世話してた子と一緒に
    戻れたら良いねえ。

    • +14
  24. この犯罪者たちも最初から動物のいる環境にいたらきっと犯罪なんて起こしてなかったと思う。
    逆に私だって動物を飼ってなかったら犯罪に手を染めていたかもしれない。
    結局は同じ人間って思う。
    動物の力は偉大だよ。

    • 評価
  25. ムショ内で犬猫の世話ができるなら
    でかい事起こして 終身刑になってもいいかな

    • +5
  26. 薬物に溺れるのは それ以外に楽しいとか生きている実感がないからで 動物と触れ合って 幸福ホルモンや脳内麻薬がドバドバでるようになると 薬物を必要としなくなるよ

    • +8
  27. >自分が動物に与えているものと同じチャンスが欲しいのだと思います。
    上から目線にも等しい物言いで申し訳ないのだけど、
    こうした受刑生活の中で「自分から与えること」をしっかり知って欲しい

    • +12
  28. 昨日、「刑務所で盲導犬を育てる」という本を発見して速攻買ったんだが、日本でも島根で受刑者が盲導犬候補の子犬を育てるという試みをしているそうだ。
    日本のお役所も頑張っているんだね。こういう取り組み、広がってほしい。

    • +4
  29. 殺処分場で死ぬかもしれない動物が、助かるなら、こういうプログラム、どんどん増えていってほしい。

    • -7
  30. 刑務所が学校か何かと勘違いしてないか?
    コイツらがハッピーな人生を送るために被害者は涙を流したのか?
    このやり方はとても合理的で簡単に更正できるかも知れないが、ペナルティ無くして罪を意識することができるか?
    コイツらが社会に出て人の醜さに触れた時に、自分の罪を棚にあげてこう言うだろう「ムショの動物たちはピュアで優しかった。それに比べて社会は腐ってる」ってね

    • -6
  31. 被害者がいる事件の犯罪者ばかりじゃないだろ。
    薬物なんかは加害者も被害者も自分自身だし。

    • +6
  32. 動物セラピー効果で一石二鳥いいね
    犬のトレーナーだけだと受刑者の全員が受けられるわけでは無いだろうけど他の動物の世話、飼育でも効果あるのかね?
    鳥豚牛などの畜産業に従事しての世話とか

    • +3
  33. まあ、性犯罪者や動物を虐待した人間は雇いませんがね。

    • +3

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