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旧東ドイツの軍人として緊張感溢れる体験ができる、バンカー(地下壕)ホテル”Rennsteighoehe”

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(著) (編集)

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 ドイツ中部に位置するテューリンゲン州の森に掘られた冷戦時代のバンカー(地下壕)は、訪問者に忘れがたい体験をさせてくれる。そこに宿泊を希望する人は、誰もが旧共産国の東ドイツの軍人として厳しい一夜を過ごすことができるのだ。

 ホテルにありがちなバーや、ジャグジー、ホテルマンの暖かいおもてなしを期待しちゃいけない。宿泊客は「荷物を持ってモミの林の間を行進し地下壕を探せ!」と少佐の軍服を着た男性から怒鳴り声で命令されると同時に、軍服の上下とベルト、帽子、そしてガスマスクが手渡される。

 ワルドホテルが経営するバンカーホテル、”Rennsteighoehe”で行われる、この16時間の”リアルな体験”パッケージはそこに訪れる宿泊客の望んでるものを提供してくれる。

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東ドイツ(旧ドイツ民主共和国の軍隊。略称はNVA)軍の兵士の服を身に付けたカップル。2013年10月12日、ドイツ中部のチューリンゲン州イルメナウ市の東にほど近い、Rennsteighoehe内にある”バンカーミュージアム”にて。
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電話交換室。
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化学兵器に備えた防護服
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東ドイツ陸軍少佐の軍服に身を包み、バンカーミュージアムに到着した宿泊客に話をするトーマス・クルーガー

 この地下壕は1970年に建てられ、何千人もの市民を敵性分子とみなして拘留した恐ろしいシュタージ(東ドイツの秘密警察組織)に使用されていた。その入り口は一軒の簡素な小屋とその外に止めた戦車で隠されている。

 バンカーは、攻撃を受けた際に優秀な軍人が司令部として使用できるように、そして現地の人々の大半が一掃された後も生き延びるために建てられた。中にはカラシニコフ・アサルトライフル、手榴弾、除染シャワー、そして酸素ボンベなどがディスプレイしてあり、リアルさを強調している。

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この博物館にはトラバント(東ドイツ産の乗用車)もあった
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様々な缶詰の写真。上段左端から全粒パン、学校の給食用のトマトソース、豚肉が入ったシチューの缶詰。下段左端には東ドイツ軍(NVA)の文字が付いた缶詰など色々な缶が見受けられる。
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バンカーミュージアムで一夜を過ごすため、その”リアリティ・イベント”に参加している女性。軍服を身につけて食事の支度をする。
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ガスマスクを着用するホップマン一家の人々。これも”リアリティ・イベント”の一環だ。

 ホテルの従業員であるマヌエル・エーベルトは、”需要はかなりあります。ちょっとした体験学習のようなもので、訪れた人々が歴史を見たり聞いたりして体感することに興味があるようです。”と話す。

 客達が各自の簡易ベッドを用意した後、男性は歩哨兵のように見張りに立ちながらバーベキューの準備を行い、女性はジャガイモの皮を剥いて刻み、食事の準備をする。ちなみにバーベキューでこんがり焼くのは地元でおなじみのスパイシーなソーセージだ。

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そして日が暮れると宿泊する”兵士”達は、軍隊風な命令が下される”おもてなし”に従いながらビールやウォッカ、そしてドイツ東部産のスパークリングワイン、Rotkaeppchen(赤ずきん)を味わいながら楽しいひと時を過ごす。

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この博物館に宿泊しに来た65歳のハンス-ジョージ・ティエードは、彼が旧ドイツ民主共和国(DDR)時代に身につけた本物の認識票を見せてくれた。
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バンカーミュージアムのダイニングルーム。
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バンカーミュージアムの一室で一夜を過ごす、”リアリティ・イベント”の参加者達。
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科学兵器として製造された毒ガス、サリンの汚染物質を管理するためのガラス管もあった。
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参加者に向かって話す東ドイツの陸軍少佐に扮したトーマス・クルーガー。

 宿泊客の年齢層は18歳から75歳と幅広く、ほとんど全ての世代が訪れる。その大半は友人や家族からプレゼントされて泊りに来るというパターンだが、彼らは”この施設は楽しいだけでなく、目からウロコが落ちるような体験ができる”と言っている。

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 2人の息子達と共にこのバンカーを訪れた66歳のハンス-ジョージ・ティエードは、”色々と考えさせられた”と感想を述べ、かつて自分は共産主義体制下で暮らし、1972年から翌年にかけて東ドイツ軍に徴兵されたと語った。そして以下のようなつぶやきを漏らしていた。

 ”この施設は感慨深いね。昔東でこういったものが建てられてたのを見たことがあるんだよ。ほんの一握りの人達を14日以上生かすために一体どれほどの金をかけたんだろうか?ここはいかに人々が操作されていたか、を痛感させる場所だ。”

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References: Bbc.co.uk / Theweek

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この記事へのコメント 15件

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  1. 旧ソ連系もいいけど、ドイツならもっと世界的に人気で魅力的な組織があるじゃないか

    • +3
  2. 宿泊できるミュージアムって他にもあるのかな

    • 評価
  3. NVAが
    北ベトナム軍(North Vietnamese Army)の略だと思ってて
    東ドイツ軍(Nationale Volksarmee)もNVAになるとは知らんかった・・・

    • +1
  4. 参加してみたいけどドイツ語出来ないと厳しそうだな

    • 評価
  5. 東ドイツというと「ナチが赤子に思える」と恐れられた秘密警察(シュタージ)の悪逆非道が思い出されるます。映画『善き人のためのソナタ』を見てみて欲しいですね。今も苦しんでいる人が大勢います。

    • +2
  6. ソーセージとスパークリングワインかぁ
    参加してぇ

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  7. “No one lives forever”か”Wolfenstein 3D”の世界に入り込んだかと思った

    • +1
  8. 昨日ドイツから帰ってきたばかりなのに! エアフルトにも泊まったのに! ちっくしょー!

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  9. 「世界的に人気で魅力的な組織」って、もしかして法律で一切の表現が禁止されている「あの組織」の事を言ってるのかな?

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  10. ちょっと説明不足だったので追加訂正。
    一切の表現が禁止されているのはもちろん公共の場所などに於いての事をいいます。

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  11. 200年後ぐらいにならナチホテルもできるかもな

    • 評価
  12. *10
    また来なよ。いしょにソーセージとワインで一杯やろう。

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  13. 水族館で宿泊体験できるのは日本でもニュースで見たことあるけど
    この博物館いいなあ
    しかもドイツ軍施設かあ
    貴重な体験ができる上に料理もうまそうだ

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