
歴史学者のルイーズ・フォックスクロフトによると、"現在のダイエットという言葉の由来は、"生き方"を意味するギリシャ語diatiaがもとになっているそうだ。特に19世紀の人々はこぞって流行のダイエット法に取り組んでいたという。ここでは、19世紀から20世紀に流行した、最も奇妙で不健康な5つのダイエット法を見ていくことにしよう。
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1.噛んで吐き出すダイエット

フレッチャーは食べ物ごとにきっちりと咀嚼回数を定めた。例えばエシャロット一個に対して噛む回数は700回必要だという。このダイエット法は爆発的人気となり、支持者の中にはヘンリー・ジェームスやカフカといった有名人もいた。ディナーパーティーで食事をする人は皆、咀嚼する時間を測るようになったとまで言われている。
また、このダイエット法を行うことで排便が2週間に1度で済むという。しかも排泄物のニオイはほとんど無く、まるで温かいビスケットのように感じるという。フレッチャーはその素晴らしい効果を説明するため、彼自身の便を持ち歩いていたそうだ。
2.サナダムシ ダイエット

この方法を行うには、カプセルに詰め込まれたカギナシサナダ(無鉤条虫)を飲み込む。するとこの虫が腸内で成虫になり、食べ物の栄養を吸収するという理屈だ。自分の目標体重に達した場合には、駆虫薬を飲んでその虫を体外に排出する。
この方法はあらゆる意味で危険が伴う。サナダムシが長さ9mまで成長する可能性があるだけでなく、下痢や嘔吐、頭痛や眼病、髄膜炎、てんかん、認知症といった、様々な病を引き起こす。
3.ヒ素が入ったやせ薬

この時期販売されていたやせ薬には、少量ではあるがヒ素が入っていた。より多く体重を落としたい人は、指定された用量を守らずに大量に薬を飲む。それによりヒ素中毒の危険に身をさらすこととなった。
しかもこれらのやせ薬には、ヒ素が含有物として明記されていなかった。購入する方も効果のみを重視し、成分には無頓着で、何を飲んでいるのかわからないが、とにかく痩せるから飲んでいるという人が多くいた。当時は、毒物に対する規制が緩く簡単に購入できた。その為にお金儲けをもくろむ詐欺師たちが、ダイエットの専門家を偽り、危険な薬物を混ぜてやせ薬を作って販売していた。それに騙され大勢の人々が危険なやせ薬を購入していったのだ。
4.酢

現代同様、人々は有名人の外見や言動に心動かされる。細身で色白のイケメン、バイロンが提唱した新たなるダイエット方法は瞬く間に話題となり一般の人々に広まった。もし彼が現在生きていたらダイエットのカリスマ評論家になっただろう。
バイロン男爵:身長174僉体重は1806年に88kgだったが、1811年には57kg以下となった。極端に太ることを恐れており、彼の強迫観念的なダイエットは健康を損なう結果になった。

バイロンの文化的な影響力は非常に広く、若者が狂信的に彼のダイエット法を実践することを心配する声が多く上がった。バイロンのようなスレンダーな体と青白い肌を手に入れるため、ロマン派の男女は自分達の食事を自発的に酢と米のみに制限した。
当時、"近頃の若い女性達は、揃いも揃って成長期を半ば飢餓状態で過ごす。"と言う批評家もいた。「スリムこそ美」という風潮はこの頃から定着していった。この流れで人々は自分の身体の大きさを気にするようにもなり、ヴィクトリア女王は太ることをとても恐れていたという。
5.ゴム

そこにはゴム製の下着やコルセットも含まれていた。それは人々がゴムで太い体を抑えつけることに加え、ゴムの蒸れによる"発汗"で減量するのを望んでいたからだ。ゴム製の下着やコルセットは男女問わず着用された。しかし通気性の悪さから、長時間汗などの水分に晒されることで弱くなり、感染症にかかりやすくなるなど、皮膚にとっては快適ではなかった。
この時代、あらゆる種類の道具や治療が減量のための方法として宣伝されていた。その後、第一次世界大戦によりゴムが軍需物資とされ、一般に出回らなくなって、やっとこの流行に歯止めが掛かることになったという。
※この記事は海外サイトの原文に基づいて意訳・抄訳したもので、日本での解釈と異なる場合もあります。via:bbc.・原文翻訳:R
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コメント
1. 匿名処理班
寄生虫とかひ素とか…体ぶっ壊してまで痩せたくないよ
楽して痩せたい、と思ってる奴らは何なんだ。身体動かせ身体を
2. 匿名処理班
最早、自傷行為だな
3. 匿名処理班
まともに痩せたいなら手段はちゃんと選ぼうね…
4. 匿名処理班
ホラティウスさん、いくらなんでも自分の便を持ち歩いちゃ人に迷惑でしょ
5. 匿名処理班
食わなきゃ痩せる。
粗食にしてカロリー考えたら一月で8kg減った。
そろそろ止まるから運動が必要になる。
今まで無駄にカロリー摂取しすぎだったんだわ。
6. 匿名処理班
運動しろ
7. 匿名処理班
食事を見直せば、必要体重になる。
適度に運動し筋肉等を付ければ、体重うんぬんではなく健康になる。
サナダムシ・ヒ素なんて摂取して見た目を整えるなんて、「楽をして体重を落とす」という自堕落で甘い考え方。
そうすると、近い将来≪命≫そのものを失う事になるのに・・・。
本末転倒だと脳みそ使って考えればわかる事では?栄養を効果的に使えよぉぉぉ!!
8. 匿名処理班
グッドイヤーってタイヤ作ってるグッドイヤー?
9. 匿名処理班
朝バナナダイエット、ダイエットココア、あるある納豆
うちのオカンはいつもダイエット中
10. 匿名処理班
昔、妹が左手箸ダイエットと言うのをやってた。
食事のとき箸を持つ手を利き手と逆にするとうまく食べれなくなって痩せるんだと。
たしかに最初は痩せたらしいんだが、二か月めくらいで妹は左手でも箸を自由自在に操れるようになりリバウンド(なのか?)した。
そのおかげで妹は現在でも両手で字が書けたり、いろいろ重宝してるらしいので試してみるといいかも。
11. 匿名処理班
人気モデルでよくテレビに出てる人、知り合いの知り合いwだけど
本当にものを食わないらしいね。
飲みに行ってもビール一口と枝豆2つとか。食べてもトイレ行って吐いてるらしいってさ。
一緒にいて楽しくないと思うんだけど。
12. 匿名処理班
よく食べ、よく寝て、よく動く
これだけで健康な体型は維持できるよ。
ただし運動は毎日1時間とかそういう一時的なものじゃなくて、車は使わない、階段を使う、みたいな生活の中にあるものを使って運動すると痩せるどころか、ある程度の筋力もつくよ
13. 匿名処理班
「楽して痩せたい」って口に出すこと自体浅ましくて恥ずかしいことだと思うが、なんの恥ずかしげもなくペロっと言ういい大人はけっこう多い。
14. 匿名処理班
いわゆるサナダムシは無鉤条虫とは別種で人間には普通に寄生する生物だから
飲んでも大した害はないどころかアレルギーとかの対策になるはずなんだが…
ただ日本産のはたいして痩せないうえに腹壊すと流れちゃうから不安定だな
15. 匿名処理班
そんな苦労しなくても簡単にダイエットできる方法があるのになw
「食事の量を減らす」たったコレだけ。
16. 匿名処理班
楽して痩せようとするのはいつの時代も同じだなw
17. 匿名処理班
昔の先生の知り合いの医者がサナダムシ研究してた人で
その人はサナダムシ入りカプセル(体内で生活環が終わるタイプ)を飲んで
花粉症を直して正常体型にもどったそうな。
先生もやりたいって頼んだらしいんだが、先生は栄養士だったので断られたから
残念そうに言ってたけどな。
18. 匿名処理班
○○だけダイエットとか○○抜きダイエットみたいにいかに楽に痩せれるかにこだわっている人が多いけど、結局一周回って運動することが一番の方法だって気づいたよ。
19. 匿名処理班
運動かあ、それがいいのはわかってるけど手間が掛かるんだよなあ、社畜やってると運動する暇が無いよな
食事は粗食にするとてきめんに頭が働かなくなるのがわかるし