メインコンテンツにスキップ

生きたまま棺に閉じ込められる中国の臨終体験セラピー

記事の本文にスキップ

16件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 死んだわけでもないのに、生きながらにして棺桶に横たわり蓋をされる。お化け屋敷の従業員や、吸血鬼マニアの人以外には、あまり縁のない話なのだが、中国では心の病や重度のストレスを治療するために棺に入り、疑似的に死んだ状態を作り出す臨終体験セラピーが人気だそうだ。

 瀋陽市で行われているその特別な心理療法を見てみることにしよう。

 瀋陽イブニングニュースの報道によると、心理学者の協力を得て擬似的な死による”再生”を体験している患者は、これまでに1,000人を突破したという。このユニークなサイコセラピークリニックの専門医 タン・ユーロンは、「死のシミュレーションは心理的な問題に悩まされている人々の助けになる。」と語る。人々は5平米の”臨終体験室”で遺言を書き、室内に設けてある棺に入り、白い布で覆われる。”臨終”体験をよりリアルにするため、”故人”には室内で演奏される葬送曲をまで聞こえてくる。5分間の”安らかな時間”の後、赤ん坊の鳴き声がその静寂を破り、陽気な歌が流れる中で専門医が棺を開ける。どうやらこの再生は人々が新しい人生観を得るようにしてくれるらしい。

この画像を大きなサイズで見る

 「過去35年間、私は自分が追い求めたもの、例えばお金や高い地位などは生きていくうえで重要なものだと思っていました。ところがこの特殊なセラピーの後、自分に必要なのは大邸宅じゃなく、ごく普通の家庭だと知ったのです。」と、35歳でマネージャーのファンは語る。

 彼は過去に自殺を4度も試みたが、家族や同僚によって食い止められた。彼は現在、この治療の後に降格を申し出て、恵まれない人々に役立つために色々なチャリティーに関わるようになった。「このセラピーは心理学の理論を取り入れたものですが、単なる心理療法の一部ではなく、万人に効果のあるものではない。患者がこの治療法を選ぶのではなく、臨終体験治療が患者を選ぶのだ。」と、タンは語ったそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
via: Oddity Central

 ということで、いろいろな治療法を試しても心の病が治らない人の場合には、臨終体験ってやつを経験してみるのもわるくないのかもしれない。ただし効果があるかないかは、天界の判断にゆだねるってことになるのかな?

 ちなみに、棺に入り、死を疑似体験するというこの臨終体験セラピーは、中国だけでなくウクライナにも存在する。こちらは心療医師ではなく、棺の製造業者が行っているものなのだが、自分の好きな棺桶を選んで、その中で15分間横たわれるというサービスだ。もっともこっちは、ふたを開ける、閉めるが自分で選べるそうなので、閉所恐怖症の人でも体験することができる。

 棺に入るとその後、火葬場に転送され焼かれていくというのが一般的な日本の葬式システムのような国の場合だと、変な邪念が入って心の平穏を保てなくなる気もしそうだが、人生のリセットボタンは棺の中にあると考えている海外の人は多いみたいだね。

References: Odditycentral

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. 発想はすごくいいね。人間の精神を刺激してリフレッシュするのね。

    • +3
  2. 臨死体験というより死ぬための準備を体験できるといったほうが適切だと思います

    • +2
  3. ※急募!嫁が棺桶に入った後に生き返らないよう心臓に杭を打ってくれる方

    • +1
  4. 棺に入ってそのまんま寝ちゃって、目が覚めたらちゃんと現実。不思議な気持ちなるだろなあ。

    • +2
  5. 心理療法って、真剣にやれば効果があるんだろうけど、
    傍から見るとふざけてるのか、施療者も少々おかしくなってるのか、
    どっちなのかと思ってしまうものが多いな。
    何はともあれ、閉所愛好症(閉所恐怖症の逆)の俺としては、
    このベッドが欲しいw

    • +1
  6. 自分で棺桶入るのなんかアレだからベッドに寝てる状態から棺桶に入れて欲しいな

    • +1
  7. ハメられて本当に埋葬される事例が一件は出る悪寒

    • 評価
  8. 死ぬことってコレとはちょっと(いや、かなり)違うと思うんだけど。でも
    死の恐怖や痛みや苦しみをエイヤッとシミュレーションするわけにもいかないし
    心の病に苦しむ人に立ち直りのきっかけになるといいね。

    • +1
  9. 臨死体験するのを授業だかなんだかに取り入れて話題になったのは
    中国が最初じゃないよね、つまりパクリ

    • 評価
  10. 昔、足場から落ちて呼吸が止まった事あったよ。
    臨死体験どころか打ち身で1ヶ月、腕が曲がらず
    ヒーヒー言ってたよ。

    • -5
  11. 間違って火葬場に運ばれて蓋が開かなくなったらと思うと怖すぎる

    • +1
  12. 「いつか自分も死ぬ」当たり前だけど、若い頃・働いてると自覚がない。
    「だから、精一杯生きよう」「悔いを残さないように」
    「弱い人を助けよう」「誰かの役に立とう」等々、人生と真剣に向き合うきっかけになる。
    「他人を傷つけてまでも、奪いたいものがあるのだろうか?」
    「皆の喜びがなくては、自分の幸せはない」
    「そもそも、幸せ・望み・喜びとは何だろう。」
    私たちにとって大切なのは、時々立ち止まって、振り返ってみることです。
    死の直前になって、医師会から1億円の献金をもらって喜んでいた橋龍を、羨ましく思えないなら
    自分の幸せや満足は、身近なところにあって手の届くものだとわかるはず。
    自分の死ぬ時を自覚すれば、1杯のお茶を飲むことも、すごく大切に思えるはずです。

    • +2
  13. 自己催眠と言うか、まあ一種の思い込みが強い人になら効果あるのかもね。
    しかし、そういう人が心を病んでしまったのは思い込みが強い性格だったから・・と言えなくも無いんだよな。

    • -1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。