米ミネソタ州バーンズヴィルにある酒屋「レッド・ライオン・リカーズ」1978年からずっと商売を続けている。防弾ガラスで強盗に備えているが、この事態には対応不可能だったようだ。店内に設置された監視カメラがとらえた映像には、商品棚から煙が発生し、大きな炎となって燃え上がる瞬間がうつしだされていた。人の気配のない店内でなぜ?
この棚にはウォッカのボトルが並べられていた。ボトルに貼ってあった紙のラベルが溶け、ついには炎が激しくなって、ビンが音をたてて破裂し、中身が噴出し始めた。ウォッカの棚は火に包まれ、炎が3メートル以上も吹き上がった。
発火のからくりはこうだ。窓から差し込んできた太陽光が、ウォッカのビンに当たり、それが拡大鏡の役目を果たしてしまった。ウォッカのビンは無色透明で、中身のウォッカも透明である。拡大鏡の役割を果たすには十分である。
これだけならまだ小規模な火災で済んだはずだが、なお悪いことに、最初は小さかった炎を天井のファンがあおった。偶然が重なった珍しい出来事だったが、店の被害は相当なものだ。それなのに店の店主は、「こりゃすごいもの見せてもらっちゃったよ。大興奮だね。」と嬉々として語ったそうだ。
バーンズヴィルの消防士たちもこんな事例は見たことがなかったそうで、新作のテレビゲームのトレーラー映像を見るかのように、食い入るように監視カメラの映像を見ていたという。そしてその感想は、「とてもカッコよかった!」だったそうだ。
ウォッカが突然引火した現象は、ペットボトルに水を入れ、日の光の下に置いたこの実験と同じ結果となったことがわかる。
ごく単純に説明できることでも、時に極端に複雑な結果を招くことがある。このウォッカ放火事件は、実はとても単純なことなのに、とても起こりそうもないように思えるいい例だ。森羅万象というものは、私たちと許諾契約書を結んでいるわけではなく、こちらの常識などお構いなしなのだ。
シャーロック・ホームズも言っている。
不可能を取り除いたら、それがどんなに奇妙なことであっても、最後に残ったものが真実となる
と。一見、ありえないようなおかしなことでも、ちゃんと調査すれば普通に説明がつくこともあるのがわかる。
次のビデオは、「シンクロニシティのUFO」とタイトリングされたUFOだが、実際は、流れ星の動きとシンクロした虫をとらえたものである。流れ星の軌道と、虫がふらふらと飛ぶ道筋がぴったりオーバーラップしているのがとらえられる偶然はめったにないことだろう。しかし、この特殊なケースは、ビデオが厳密に物事をとらえ、流れ星の軌道は独立した別の記録として、何が起こったかをはっきり示している証拠でもある。ウォッカの放火のケースのように、決定的な証拠がなければ、ほとんど信じられないだろう。
私たちがいつも忘れてしまうことは、そもそもごく普通のことは、あまりにも普通すぎて、異常な状況においても起こりえるものだということだ。
via:forgetomori
原文翻訳:konohazuku
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コメント
1. 匿名処理班
日本だと昔ながらの金魚鉢がレンズになって…ってな事があったと聞く。
2. 匿名処理班
じっくり読むことができました。
いい記事ですね!
3. 匿名処理班
すごく興味深い
ウオッカの記事もだけど「シンクロニシティのUFO」は目からウロコ
現実的な事に目を向けるのは大事だなと思った
4. なす
猫避けのペットボトルでぼや騒ぎっての昔よくあったね
5. K
収れん火災だね。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8E%E3%82%8C%E3%82%93%E7%81%AB%E7%81%BD
普段はレンズ状になっていなくても、ビニールハウスに雨が溜まるようなことでレンズができてしまうことがあるそうです。
凹面鏡にも要注意で、ビルのミラーガラスなんて事故が起こるまで想像もつかないものがあります。
冬や夕方の太陽が低いときに室内に日が差し込んで発生することが多いからカーテンを忘れずに。
6. 匿名処理班
なんというファイヤー・セール