イギリス、コンウォールにあるローチ・ロック。ここは、中世に宮廷詩人たちが広く語り伝えた恋愛物語『トリスタンとイゾルデ』(のちにアーサー王物語に組み込まれる)にでてくる、不倫の恋が夫マルク王にばれたトリスタンとイゾルデが隠れたとされている場所だ。そして彼らだけではなかった。他にも、妻を寝取られた王よりも、恐ろしい敵からここへ逃げ延びてきた者がいるという。
ソース:Roche Rock – Where Tristan and Isolde Hid in Plain Sight
不気味な形をしたローチ・ロックは、セント・オーステルからほどない場所にあり、その頂上には、聖ミカエルを奉った奇怪なチャペルの遺跡が残っている。教会は1409年に建てられ、数世紀後に廃れた。ここには、ジャン・トレゲーグルの伝説にまつわる恐ろしい話が伝わる。
トレゲーグルは、16世紀の法律家で、邪悪な男だった。法的手段を悪用して、顧客から盗みをはたらいた罪で、地獄へ落とされた。彼の霊が現世に戻ってきて、自身が犯した罪のせいで処刑されそうになっている無実の男を救おうと、法廷で証言した。それでも、彼は天国に行けず、ひび割れた貝で近くの池の水をかき出す刑を宣告された。彼はこの苦役から逃げ出して、ローチ・ロックのこの教会にたどり着いた。
しかし、地獄の首なし犬に追いかけられて、ひどく噛みつかれ、やっとのことで岩をよじ登り、僧侶に助けられたが、哀れな彼の魂は、今度は海岸に送られ、そこで砂のロープを作る作業に従事させられた。今日でも彼はそこにいるのだという。
ローチ・ロックは高さ40メートル、トルマリンを含む花崗岩でできている。何百万年も昔、地殻が動いて花崗岩の中のホウ珪酸塩の温度が融点まで上昇し、他の溶けた岩と分離して表面に出てきた。それが外気でゆっくり冷やされて、こんな形の岩ができた。
最初にここを通った人間にとって、驚きの光景だったに違いない。ストーンヘンジの時代から、異教であれ、キリスト教であれ、何らかの宗教的な意味合いをもつ場所だったと考えられている。
教会は基岩と溶け込み、まるで岩から芽生え、成長したように見える。今も残る東側の壁は、教会が二階建てだったことを示している。西側の壁と他の部分はなくなってしまっていて、教会に登る階段は危険だと考えられ、鉄の梯子がかかっている。この場所には、宗教的な趣だけでなく、超自然的で不可思議な予感が感じられる。
Roche Rock - Cornwall
▼あわせて読みたい
宇宙人は地球と接触したのか?宇宙人の痕跡を感じさせる世界8ヶ所の海底の謎
上空から撮影したイギリスの風景が、何やら謎めいていて魅力的、「英国鳥瞰図」
コメント
1. 匿名処理班
首無し犬に噛み付かれたんですか?;
2. 匿名処理班
人、上ってんじゃん
3. 匿名処理班
8枚目にUFOおるわ〜
4. 匿名処理班
砂のロープは炎属性の奴をうまく使役すれば楽に作れると思う
一定の強度をパスしなきゃだめならわしゃ知らん
5. 匿名処理班
MASTERキートンの「喜びの壁」を思い出した
元ネタはここだったかもね。確かに不思議な感じがする
6. 匿名処理班
セットみたいだな
7. 匿名処理班
イギリスってほんとに地震おきないんだな
8. まんがずき
アニメ Fata/zero の槍使いの元ネタですか?
9. 匿名処理班
首無し犬?
首が無くて、どうやって噛みつくんだろう…?
トリスタンとイゾルデは子どもの頃、読んだがストーリー忘れたな
そっか、不倫だったのか
子ども向けの本だから書いてなかったのかもしれないが…
10. 匿名処理班
首がなくても、頭はあるだろ。
11. 匿名処理班
はっ…Σ(゚Д゚ノ)ノ
そうか…首がないだけで頭があるのかw
ありがとう10さん
12. 匿名処理班
この手の建物、建物より作った職人がすごいと思う。どうやって作ったんだろうってね。
13. 匿名処理班
トリスタンとイゾルデってきくと最近はあしゅら男爵しかうかばねぇww