メインコンテンツにスキップ

深海の底のさらにその下の空洞に生息する生物を発見。地球外生命の手がかりに

記事の本文にスキップ

11件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

東太平洋海嶺の海底に付着したチューブワームの画像この画像を大きなサイズで見る
© CC BY-NC-SA Schmidt Ocean Institute
Advertisement

 暗闇に包まれた深海の底を調べたところ、これまで誰も知らなかった空洞が存在することが明らかになった。驚いたことに、そんな過酷な環境下にもたくさんの生物が繁栄していたそうだ。

 水深2500mの海底は、光がまったく届かないだけでなく、凄まじい水圧と低温という、人間にとっては過酷すぎる環境だ。

 だが今回の発見は、深海の熱水噴出孔を中心とする生態系が想像以上にずっと複雑であることを示しているという。

 この発見は地球外生命体が存在する期待感を高めてくれる。オラわくわくしてきたぞ。

深海底の下には未知の空間が隠されていた

 海面から2515m下に横たわる東太平洋海嶺の熱水噴出孔フィールドは、人間にとって行くだけでも難しいところだ。

 だがそこは火山活動が活発で、海底の孔から熱水やミネラルが染み出し、それによる化学合成を基盤にして深海の生態系が織りなされている。

 そもそも行くだけでも難しいのだから、そこを調べることはもっと難しい。だからそうした熱水噴出孔の生態系についてまだまだわからないことが多い。

 それでも近年の遠隔操作技術の進歩によって、「漸深層(ぜんしんそう)」と呼ばれる水深1000~4000mの領域の調査が進みつつある。

 今回、オーストリアのウィーン大学の海洋生物学者モニカ・ブライト氏らのチームは、シュミット海洋研究所の調査船「Falkor(Too)号」から無人潜水ビークル「SuB-astian」を操作して、東太平洋海嶺の熱水噴出孔を調査した。

 研究チームが一番驚いたのは、海底の岩をめくった下から現れた未知の空洞だ。

 それは海底の10cmほど下にある空間で、海底の火山活動によって25度に温められた水で満たされていた。

 そしてその中に、ゴカイ類・ムール貝・チューブワーム(ハオリムシ)など、10種類以上の生物が生息していたのである。

この画像を大きなサイズで見る
海底をめくると現れた地下の空洞に生息するチューブワーム、海洋生物学者も仰天の発見だ © CC BY-NC-SA Schmidt Ocean Institute

深海底と地下の空洞はつながっている可能性

 そうした生物の中には、海底の表面や溶岩の亀裂で見つかったものもいる。このことから、海底の表面は、その下の空洞とつながりがあるらしいと推測できる。

 ブライト氏によると、地下の隙間に生きている大型チューブワームがいたという。この事実は、「噴出孔の幼生がその下から定着するという仮説の裏付け」であるという。

条件次第で、一部は地下に定着し、一部は熱水噴出孔の流れに乗って地下から押し流され、表面に定着するのかもしれません(ブライト氏)

 空洞の中には、環境が海底表面の熱水噴出孔周辺とよく似たものもあり、地下の生物群集はかなりの広範囲に生息しているだろうと想像できる。

 だとするなら、火山が噴火したあとで熱水噴出孔に定着する生物たちは、こうした海底下の群集からやってくるとも考えられるという。

この画像を大きなサイズで見る
深海の熱水噴出孔付近の海底とその下の空洞 © CC BY-NC-SA Schmidt Ocean Institute

 だが、地下の隙間がどれほど一般的で、どれほどの範囲まで広がっているのか、今の時点で確かなことはわからない。

 そのため深海の採掘などから、海底の生き物を守るには、それらについてもっとよく調べることが大切になるという。

 ブライト氏らは今後、海底をさらに深く掘るか、それともより広範囲を調査するか、どちらの方向で調査を進めるべきか検討しているところであるそうだ。

 また今回の発見は、地球外生命体の探索に役立つかもしれない。

 もし生物が過酷な環境下にある海底の堆積物を快適なすみかにできるなら、深宇宙における生命の可能性が広がることになる。

 この研究は『Nature Communications』(2024年10月15日付)に掲載された。

References: Ecology: Animal life discovered below the seafloor / Surprise Discovery Reveals Animal Life Thriving Under The Seafloor : ScienceAlert

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. 3番目の画像、テレビが捨ててあるのかと思っちゃった

    • +13
  2. 科学者も新発見にビックリしたかもしれないけど、掘り出されたチューブワームはもっとびっくりしただろう

    • +15
  3. チューブワームは本当にどこにでも居るな・・・

    • +5
  4. 熱水噴出孔ならそりゃそうだろう、と簡単に言ってみる

    • -1
  5. 地下数千メートルには地上よりはるかに多くの生命がいるともいわれてるし、太陽光に依存しない生物が他の天体の地下にいても全然不思議ではない

    • +3
  6. 現在は内陸国となっているオーストリアの大学に海洋生物学者が居るのが、ちょっと違和感がある。

    • -6
  7. まあ、まだまだ色々出るだろう
    深海には暗黒酸素や液体二酸化炭素があるのがわかった
    なら深海環境はもっとバリエーションがあり、それに応じた生物群がいる(生態系がある)だろう
    昔は潮だまりから生物が発生したとか言われたけど、それが深海、地底、火山湖、と諸説出てきた
    そこに一石投じるモノが見つかる可能性も
    あるいは某予言の通り、深海に宇宙人がいるかもよ

    • +5
    1. 「日本に恐竜学者がいる」てジョークにしてた人が昔いたよ

      • +1
  8. ジェイソン・ステイサム呼んでおかなくて大丈夫?

    • -1
  9. 『ブレーメン5』佐々木淳子著のSF漫画で、地下の大空洞に築かれた、光でできた文明を発見する話を思い出した
    主人公達が宇宙船で近付くと都市ごと逃げてしまう
    途中で都市が逃げてるのではなく、宇宙船によって破滅しているのが分かって…という内容だった気がする

    そういう事にならないよう、慎重に進めてくれてるっぽいのが素敵

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

水中生物

水中生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。