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人間から高額な所持品を奪い、価値に見合った餌をくれるまで返さない高度な知恵を持つバリ島の猿

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(著) (編集)

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人間から高価な品を奪って身代金を要求する猿 pixabay
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 猿の知能が高いことは周知の事実だが、このほどカナダとインドネシアの共同研究で、インドネシアのバリ島に住む野生のカニクイザルが、食べ物を手に入れるため人間と取引交渉するほどの能力を持っていることが発表された。

 研究では、カニクイザルは寺院を訪れる観光客が身に着けている高価な所持品をターゲットにして強奪し、それを「身代金」として、価値に見合った質もしくは量の食べ物と交換するまで所持品を返さない知恵を持っていることが判明したという。『The Guardian』などが伝えている。

人間と取引交渉する高い知恵を持つカニクイザル

 1月11日、カナダのレスブリッジ大学とインドネシアのウダヤナ大学が共同研究したカニクイザルについての論文が、英科学誌『The Royal Society』で発表された。

 研究チームが、インドネシアのバリ島ウルワツ寺院に住む野生のカニクイザルと、寺院への訪問者の相互作用を撮影するのに273日以上を費やした結果、カニクイザルが食べ物を人間から入手するために、高い知能を発揮していることが判明した。

 古代遺跡を徘徊しているカニクイザルは、無防備な観光客から所持品を奪い、「身代金」として相応の食べ物が提供されるまで、所持品を返さないという知恵を使い、利益を最大化させているという。

 カナダのレスブリッジ大学心理学准教授で、今回の研究の筆頭著者でもあるジャン・バプティスト・レカ博士は、このように述べている。

寺院スタッフは、観光客には全ての貴重品をジッパー付きのバッグに入れ、しっかりと持ち抱えておくようアドバイスしていますが、それに耳を貸さない観光客は決まって猿の被害に遭っています。

抜け目のない猿は、ヘアピンや空のカメラケースなど、人が盗られてもあまり気にしないような物ではなく、電子機器など食べ物と交換する可能性が最も高い所持品をターゲットにすることを好みます。

携帯電話や財布、眼鏡は猿が狙う高価な所持品の一部です。猿は、被害者にとって最も価値あるアイテムを判断する能力に長けていて、それらを奪うことでより良い質の、もしくはより多い量の報酬(食べ物)を要求するのです。

旅行者のスマホを奪い食べ物を要求するバリ島のサル

 研究によると、猿が人間に所持品を返すまでの最長待機時間は、観光客と寺院スタッフの17分の交渉を含めて25分にも及んだそうだ。

 また、価値の低いアイテムを盗んだ場合、猿はより少ない報酬を受けることになるが、逆に物々交換の頻度を成功させる可能性が高くなったことも明らかになったという。

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image credit:wikipedia.org

パンデミックで餌が減ったことも一因か

 この研究では、過去に実験室の別の猿で同様の行動を調べた時には観察されなかった行為、つまりは「前例のない経済的意思決定プロセス」が発見された。

このような行動は、猿が4歳になるまでに学習することが判明しています。価値ある物を人間から奪い、“取引き”を求めるのは猿の文化的知性の表現です。

社会的に学習されており、集団では少なくとも30年間は世代を超えて維持されてきた知恵と言えるでしょう。(レカ博士)

 ウルワツ寺院では、スタッフが猿と観光客の関係が悪化しないように仲介役を務めているが、野生の動物管理は決して容易ではなく、地域にとっては大きな問題となっている。

 インド全域では、猿が農作物を食べ散らかしたり、村人の家を襲撃したり、医療従事者からコロナ検査用の血液サンプルまで盗んだりするなど、頭の痛い事態が頻繁に発生しているという。

 しかしこれらは、パンデミックにより観光客が激減し、貰える餌が少なくなったことが原因ともいわれている。

 去年には、タイのロッブリー県で観光客が減ったことから空腹になっている猿の現状を知ってもらおうと、イギリス人ピアニストが寺院前でピアノ演奏をしたニュースが伝えられていた。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. スタッフによるアツイ17分の交渉内容が気になる

    • +13
    1. ※2
      ソースの内容だけど、所持品をとられた観光客が物々交換を理解していないと見ると、猿は観光客を寺院のスタッフの元まで誘導して「返して欲しければエサをあげないといけない」と説明させるそうだ
      この場合の交渉は、エサをやりたがらない観光客に対してスタッフが取り返すには他に手段がない、といった説得だったんじゃないかな

      • +8
  2. ケチャも猿がいなければ成り立たないものな
    コロナが収束したらウルワツで是非ケチャを、バリのツアーは結構安いし

    • +4
  3. 「交換」の概念があるってすごいな。
    それはつまり、モノを差異的な記号と認識することが
    できるということだから、知能的には簡単な言語活動が
    できる水準に達してると言っていいんじゃないだろうか。

    • +15
    1. >>4
      そのうち貝殻とか石ころとかで、自分達の間で使える通貨を発明しだすぞw

      • +3
  4. ワイやったらちょっと撫でさせてくれたらたっぷり報酬出しちゃうなぁw

    • +8
  5. 交渉の結果餌なしで取り返せたのか気になったんだけどどうなんだろ

    • 評価
  6. バリ島の空港前でわらわらしてる詐欺師と同じやな

    • +2
  7. そのうち現金を奪って店で買い物するやつが出現しそう。

    • +15
  8. ひょっとして
    これが人類進化における
    お金の誕生なのかしら
    食料危機等にみられる
    危機的な状況により
    それが顕在化してのちの
    金と言う通貨の
    誕生を促したとか

    • +3
  9. 概念理解系で驚いたのは猫カフェの猫が「財布」を理解していたことだったな
    保護猫カフェで、カフェスペース内の張り紙にチュールの販売あるのを見て、お財布を取り出したら猫が集まってきたんだよね
    驚くことに先に隣で布製のペンケースを取り出してスケッチしていた友人には反応していなかった
    ある程度色々な形状がある「財布」と「ペンケース」の違いを猫達は理解しているって、かなりの理解力だよな

    • +14
    1. ※12
      財布とペンケースは中身の音が違うので区別できると思います。
      同じように観光牧場のロバとポニーの餌やりで小銭の音を聞くとロバが足踏みしていなないていました。

      • +7
  10. 果物の中にカプサイシン入れた奴渡したら怒るんかな?

    • 評価
  11. 隣のロンボク島の猿供は、いまだに純朴なんだろうな(苦笑

    • +1
  12. 飢饉が起きると賊が増えて治安が悪くなるって、こういうことなんやなって……

    • +6
  13. 一昔前なら現地で妖怪伝説になっていたな

    • +2
  14. ここ、行った事があるけれど、ホテルの車で行って運転手さんが色々と注意してくれたので被害には会わなかったけれど、サングラスとかスカーフとか盗まれている人、結構見ました。

    • +6
  15. じゃあ逆に餌と交換してやるから金品を持ってこいという調教は可能なのか

    • +5
  16. ダミーでそれっぽいのを盗らせて立ち去る

    • 評価

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