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人間まだ捨てたもんじゃない。パンデミックで困っている人々を匿名で助けた3人の男性による3つのケース

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(著) (編集)

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Positive_Images/pixabay
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 新型コロナウイルスによるパンデミックとなった今、世界中の労働者たちが厳しい状況にいる。

 レストランなどの店や職場が封鎖されたことで仕事を失ってしまった人や、仕事が急に止まってしまった人たちの生活保障がままならない事態に陥っている。

 買占めに走る人が多くスーパーの棚が空っぽになる一方で、職を失ったばかりに家族に食べ物を買い与えるお金もないという人が増加しているのだ。

 そんな辛い状況の中、アメリカ、イギリス、オーストラリアで困っている人に尽力した3人の男性がいる。どの男性も当初はその身元を明かさなかった。

イギリスでは匿名の男性がパブに寄付し、住民らに食事を配達

 現在、コロナウイルスの蔓延を遅らせるために国がロックダウン(封鎖)中となっているイギリスでは、不必要な外出を固く禁じられているため、人々は外の社会との繋がりを断ち切られてしまっている。

 オックスフォードシャー州デンチュワースにあるパブ『The Fox Inn』も、現在は閉鎖中だが、3月27日に匿名の男性がこのパブの人気メニューであるフィッシュアンドチップスをテイクアウトする手配をし、171人が住む村の住民の玄関先へと無料で届けた。

 男性は、注目を浴びるのを避けてパブには匿名のままでいることを依頼し、今後12週間週に1度もしくは2度の割合で、地元のパブが細々とでも生き残っていけるよう、住民宅に配達するテイクアウトの食事代をまとめて支払った。

 男性は、「村の住民にとって、パブがどれほど大切かということをみんなにも知ってもらいたい」と話していたようで、依頼を受けたThe Fox Innの経営者スティーブン・デイヴィッドさんは次のように語っている。

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彼の親切には感謝しかありません。今後、状況に応じて配達回数や期間は変わる可能性がありますが、最少人数のボランティアが使い捨て用の手袋とマスクを着用して、村の全ての住民宅へ週に1度、パブの食事を届ける予定です。

今のところ、メニューはフィッシュアンドチップスのみですが、今後カレーやローストディナーなども追加していきたいと思っています。もちろん、厨房での調理にも細心の注意を払っています。

オーストラリアで失業中の労働者たちに男性が寄付

 オーストラリアのメルボルンにある政府機関『Centrelink』オフィスの外では、パンデミックの影響を受けて失業した多くの労働者たちが、失業手当の相談をするために日々列を作って並んでいる。

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image credit:wikipedia

 ある日、それを見た男性は、「家族のためにパンを得る手段がない人たちを見るのは心が痛む」と、並んでいる失業者たち100人に現金100豪ドル(約6620円)ずつ、合計1万豪ドル(約662000円)を手渡した。

ギリシャからオーストラリアへ移住し、ビジネスを成功させたというこの男性は、このように話している。

私は、6歳の頃からオーストラリアに住んでいますが、この国はずっと私によくしてくれました。コロナウイルスのパンデミックに苦しむ労働者たちに、どうか国の裕福な人たちは寄付をお願いします。困っている人たちに救いの手を差し伸べてあげてください。

 後に彼の名はピーター・ダーモスさん(62歳)であることがわかった。彼は当初ジョンという仮名を使ってメディア取材に応じていたが、自分のように誰かを助ける人がもっと増えてほしいという思いから、後に実名を公表することに同意したという。

フロリダ州のレストラン従業員ら、常連客に多額のチップをもらう

 アメリカのフロリダ州バンダービルトビーチロードにある『Skillets』は、イタリアのナポリを拠点に8つの店舗を持つレストランだ。

 この店の常連客である1人の男性は、マネジャーに1万ドル(約108万円)の現金をチップとして手渡し、従業員らを驚かせた。

 その男性は、天気がいい日にはノートブックパソコンを持って来店し、パティオで食事をするのが好きで、週末には家族を連れてブランチによく来ていた。

 スタッフの誰もがその男性の顔を覚えていたが、名前までは知らなかった。多額のチップをくれたその男性が誰なのかスタッフらが探そうとしていた翌日、知事により州全体のレストラン閉鎖を命じられてしまったので、現在もこの男性の身元はわからずじまいだ。

 レストラン経営者ロス・エドランドさんはこのように話す。

彼のチップは、そのために従業員らにとってとてもありがたいお金となりました。20人のスタッフで500ドル(約54000円)ずつ分けました。

9つの店舗のうちの1つはベネチアにありましたが、コロナウイルスの影響で開業から5か月で閉店となりました。全ての店を合わせると200人ほどのスタッフの90%が解雇になりました。

アメリカでは、多くの人が朝からマクドナルドのドライブスルーに車で並んで朝食をとるのが一般的のようですが、経験のためにフロリダ州で店を出してみると、多くの人が来てくれるようになりました。

今回、常連のお客様に多額のチップまで頂きはとても感謝しています。面白いもので、通ってくださるお客様とはよく話もしますし、外見や好みのメニュー、好きな席を十分把握しているのですが、名前となるとわからないものなのです。

この状況が落ち着いて、また開店できるようなら、今後も全てのお客様のために最善を尽くしたいと思っています。

労働者にとっては非常に苦しい時なので、政府にはちゃんと労働者への保障ができるよう取り組んでもらいたいと願うばかりです。

 エドランドさんによると、別の客からも現金150ドル(約16200円)が入った封筒を手渡されたそうだ。

 その封筒には、「もし閉鎖することになったらこの封筒を開けて」と記されてあったという。エドランドさんは感謝しながら、そのお金を従業員たちに分けたと話している。

 ここに挙げた3人は、特別に大富豪と言うわけではない。困っている人に対し、彼らにできる範囲内のことをしたようだ。

 困難な状況の中にあると人間の悪い部分が目立ってしまうものだが、そんな中でも他者に対し思いやりを忘れない人だって少なからずいる。

 恐怖と不安は視野を狭くする。どうしても自分のことばかり考えてしまいがちだが、そんな時こそ、困っている人、助けを求めている人に目を向け、自分ができる何かを探すことで、自分自身が救われることになるのかもしれない。

 ずっと塞ぎがちな友人に一瞬でも笑顔にしてあげることができたら、それだって十分素晴らしいことなんだと思う。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 19件

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  1. 差別的なことを臆面もなく口にしたり、コロナに感染した人を寄ってたかってバッシングしたり、有名人の訃報を自分の承認欲求を満たすために利用したり、まさにこういう危機の時は人間の嫌な面が出るものだなとうんざりしていたので、こういう優しい人のニュースを聞くと救われる思いがする。

    • +18
    1. ※2
      バッシングっていうか、感染した経緯によるね
      でも自分もこういうふうに助ける事はしてみたいとは思っている

      • -5
  2. こういうのやりたいなぁ。
    大好きな飲食店の入っているショッピングモールがずっと閉鎖中で、再開した時にあの店が閉店してたらどうしよう…ってちょっとビクビクしてる。
    何人かでお金出し合って援助できたらいいのにって思う。

    • +4
  3. 人間は感情の生き物だと言うが、最後まで理性的である事も人間らしさだと思う。

    • +4
  4. 優しい世界
    この苦難を乗り越えて笑顔で再開できるといいね

    • +8
  5. 情けない話だけど自分の旦那もコロナでお休みが増えてしまって収入が3割減ってしまったんだ
    所長がポケットマネーで従業員全員に5000円の商品券くれたよ
    所長だって雇われ所長で本社役員みたいに収入よくないんだけどね

    • +15
    1. >>9
      大丈夫ですよ、そんな所長のためならあなたたち頑張っちゃうでしょ?
      全部収まったら倍返ししてあげましょう。

      • +5
  6. >労働者にとっては非常に苦しい時なので、政府にはちゃんと労働者への保障ができるよう取り組んでもらいたいと願うばかりです。

    一人約13万円ほどの現金の給付があるアメリカ人ですら、こんな風に思う。
    翻って日本では?
    お魚券?お肉券?お寿司券なんて話も出てたね。
    1ヶ月以上前にマスクの増産がどうとか言ってたけど、今だにコンビニや薬局の棚は空っぽだね。
    来年のオリンピックの時期だけは早々決定して、それに向けて100億円もの予算を捻出するするんだとか。
    誘致に絡んだ疑惑も全然クリアになっていないけれどね。

    自粛要請はするのに、保障は全く言及しない行政。
    何のために「国」があって、私たちは税金納めてるのか。

    今は世界的危機なんだ。
    だから「ちゃんとしてくれ」って私たちは納税者であり、有権者であり、さらに社会、「国」の構成員の一人として言ってかなきゃいけない。
    よその先進国でできている現金給付を始めとした保障を、どうして日本はできていないのか。やろうとしないのか。
    怒っていい。怒らないとダメだ。
    政治家や、一部の金持ちをさらに肥え太らせるために、私たちは働いて安くない税金納めてるのか?違うよね。
    もっと怒って、声上げてくべきだ。

    • +15
  7. 日本だと鬼殺隊の方や覆面レスラーの方を名乗る人物からマスクや消毒液の寄付が相次いでいる様だな

    • 評価
  8. 私も何かしたい!→お金はあげられないから、せめてお客様に気持ちよく買い物して
    もえらおう→人員不足と無茶な要求ばかりで今日も実践できず。→落ち込む→上記の
    ような記事を読む→最初にもどる。以下ループ。
    どういう心構えで生きればいいかもうわからない。

    • +4
    1. >>13
      すごくわかる。でも直接的な感染とかはないとは言え貴方だって被害者の一人なんだからそう言う時は自分を赦してあげる

      • +4
    2. >>13
      生き残ればええんやで!
      普段買わない美味しいお取り寄せグルメ注文して地方を応援してみたり、楽しくおこもりする方法は沢山あるからお互い頑張ろうや

      • +5
  9. 要は欧米の文化と”ノブレス・オブリージュ”と言う意識があるという話だろ。
    アジア圏にはほとんどないし、欧米でもあくまで文化であって、ノブレス・オブリージュを”貴族の義務”と訳すけど、そのまま直訳すると”高貴さは強制する”ということになるからな。

    • -2
  10. 暗くなるニュース多いからありがたい

    • 評価
  11. 金持ちをねたんで叩く奴が多い中で
    お金持ってる人はこう言う事が出来るんだなあ

    • +1
  12. 心が卑しいのだろう自分は「良い話だがちょっと少ない。。」と思ってしまったスミマセン

    • 評価

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