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アメリカでは過去15年間で、約400件の「無駄な医療行為」が行われていたことが判明

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(著) (編集)

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Bru-nO/pixabay
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 本来、医療行為とはそれを行うに値する科学的根拠(エビデンス)を伴ってなされるものだ。しかし、近年日本やアメリカなどの先進国では、この科学的根拠を伴わない「無駄な医療」が問題になっている。

 日本では、「セカンドオピニオン」という言葉をよく耳にすることだろう。これは、医師の治療方針に納得できなければ、別の医療機関で話を聞くことができるというものだが、アメリカではこれに似た「Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー:賢い選択)」というキャンペーンが行われている。つまりは、効果のない、または高額な「無駄な医療」を失くそうという取り組みだ。

 今回、現代医療において何が有効的で何がそうでないかという調査目的で研究を行った研究者らは、過去15年間にわたる医療行為の中で、約400件の無駄な医療行為を発見したことを発表した。

3000以上の論文を調査した中から396件の医学的逆転を発見

 病院側の利益や時に患者の要求と称して、本来は不必要とされる検査や手術を行ったり、あまり効き目のない薬を処方したりして、高額な医療費支出をもたらし、更に患者の体に負担をかけるという事実は、無駄な医療行為そのものである。

 今回研究チームは、無効果もしくは時代遅れの医療処置や機器および診察の包括的なリストを作成するために、3つの有名な医学誌から過去15年にわたる3000以上の論文を調べた。

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vjohns1580/pixabay

 すると、最初に公表された結果が不正確で、効果のないものであることを示す396件の医学的逆転があることがわかったのである。

無駄な医療行為は全体の20%を占める

 医学的逆転とは、価値の低い医療行為を意味する。ある種の偏りを最小限に抑える無作為化比較試験(以下RCT)の報告では、医学的逆転は結果として効き目がなく、また標準治療よりもより高い費用がかかっており、利益をあまりもたらしていないことが判明している。

 今回の研究では、この医学的逆転の92%がアメリカや日本など先進国で起こっており、中国やインドおよびその他の中低所得国では2%のみだということもわかった。

 また、医学的逆転の最も代表的な分野は、心血管疾患の治療でおよそ20%を占め、続いて公衆衛生(12%)、救急医療(11%)となった。

 医療行為の監査は、不必要な医療介入のコストを削減し、人の健康を守るためには不可欠だ。しかし、こうした医学的逆転を特定することは非常に困難である。

 というのも、例えば患者がその医師の治療方針を信頼している場合や医師が自身の医療行為を信頼している場合、様々な病への医療行為が無効であったとしても、患者と医師を説得し、科学的根拠を並べることはなかなか容易ではないからだ。

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sasint/pixabay

効果的ではない過剰医療が患者負担の医療費を高額に

 効果のない医療行為は、無駄にコストを上げることで患者に高額な医療費負担をかけるだけでなく、患者を危険に晒す可能性がある。

 特にアメリカでは医療費高騰が問題になっているが、その理由の大部分には過剰な治療や効果のない医療行為が占めていると言われている。

 今回の研究で、「効果的ではないにも関わらずコストが非常に高い」とされる例として挙げられたのは、50歳以上から推奨されるマンモグラフィ(乳房X線撮影装置)の40歳以上からの使用、認知行動療法、手術後の血栓を防ぐための圧迫ストッキング使用、減量のためのウエアラブル技術、ICU(集中治療室)におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の蔓延を減らすための防護ガウンおよび手袋の使用などだ。

 医学的逆転を減らす1つの方法としては、研究に基づいた事実を結論付けているRCTから、その医療行為が有効であると証明されることだという。

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NDE/pixabay

患者もChoosing Wisely(賢い選択)を求める意識を持つことが大切

 今回の研究発表を行った研究者らは、この発表が患者をより効果的かつ経済的にケアするための医療に役立ち、無駄な医療行為を防止するきっかけになることを望んでいる。

 患者の負担になり過ぎず、医師との相談のうえ、納得のいく医療行為を受けることは何より望ましい。しかし、全ての医療状況を把握することは当然ながら困難だ。

 とはいえ、もし受けた治療法が有効と思えず、心の安らぎにさえもならない場合は、高額な医療費や健康へのリスクを減らすためにも、やはり「Choosing Wisely(賢い選択)」の意識を持ち、第2、第3の意見を求めた方が賢明といえよう。

References:News Medical Life Sciencesなど / written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 47件

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  1. 日本の年寄りの「とりあえず湿布」も該当するんかな。
    あいつら病院を社交場扱いしてるし。

    • +9
    1. ※1
      全然違うよ
      米国は保険が利かないから、べらぼうに高い
      一方日本は、健康保険と介護保険も出る!!!!
      病気してもしなくても支払う額は一緒なんだから
      医者に行かないと損するんだよ
      薬局で風邪薬買うなんて馬鹿な行為さ
      でも、暇な老人が幸せなのはもう終焉さ
       老人でもが国税を食いつくすのも近い

      もう、一番おいしい今、健康保険や介護保険を打ち切らないと
      俺らの将来は何もないよ

      • -2
      1. ※24
        あいつら国が負担してる分は若人に跳ね返ってくる現実を理解してないよな…
        納めるもん納めたんだから貰うもん貰わんと損!ぐらいにしか思ってやしねえ

        • 評価
        1. ※27
          むしろ今の若者は甘ったれてるからもっと苦労するべきって思ってるよ

          • 評価
          1. ※37※39
            若者批判ではなく昔より実際特別扱いというか
            腫れ物に触るようなイメージはある
            てか昔の子供には人権がなかったっけかw
            それが結果的に本人のためになるのか悪い結果になるのかは
            成長してみないと分からないことだね

            • +2
  2. えっ
    マンモグラフィ(若年)意味ないの!?
    圧迫ストッキング意味ないの…!?
    未だに普通にやらされるじゃない
    どういうことなの

    • +5
    1. ※2
      日本も40歳以上に推奨だよ

      若い人は乳腺が発達してて、マンモグラフィを受けたとしても真っ白になって判別が付かなく、間違えて癌診断される事があり、衰える40代以上に2年に一回程度を推奨すると日本はしている。
      癌判断されると、体に負担が掛かる検査を追加でしないといけないのでそれの回避の為。
      あとX線だから細胞分裂が活発な若い人に不必要な放射線被ばくを与えないため。

      40代以下の人はどうすれば?
      国立がんセンターの先生は、自覚症状がある人とか、家族に乳がんが多い人とかは相談とか診察、検査等を推奨してるが、乳がんは発症率が低いので定期的検診はしなくても良いと。

      以上、ググった結果

      • +13
      1. ※9
        ただその話になったのはここ最近だけどな。
        マンモグラフィーが出はじめた時は年齢制限もないし、猫も杓子もしまくっていたし、健康診断で普通にしていた。
        ただ10年弱使ってみて効果のあるなしが分かり始めて、乳腺の密度差で誤診が出るのが分かった。

        • +7
        1. >>13
          治験をしても多くのデータを集めてみないと当てはまらない人とか分からないものなんだよね

          • 評価
      2. ※9
        でも、この記事によれば
        日本のその「40歳以上」っていうのは無駄なんだよね?

        推奨されるのは50歳以上からで、
        40代のうちのマンモの定期検診は
        費用対効果に合わない項目として挙がっているから。

        • +1
    1. >>3
      400件は論文から見つけた数。
      つまり実際はずっと多い。

      • +6
  3. 過去15年間で400件ならかなり少なくない?

    • +31
  4. 認知行動療法も手袋の使用も?
    ちょっと詳しく知りたくなってきた。

    • +5
    1. >>5
      「ICU(集中治療室)におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の蔓延を減らすための防護ガウンおよび手袋の使用」だから、このケース以外における手袋の使用効果は否定されてない。

      • +3
  5. コレステロールに卵がいけないっての覆ったはずなのに
    控えてって最近も病院から言われたことあったな

    • +1
    1. >>6
      健康な人の場合、多くの人はコレステロールの摂取量は血中コレステロール値にそれほど影響されない。
      一方、コレステロール摂取量が多くなると血中コレステロール値が上がり、高コレステロール血症になりやすい体質の人もいる。

      栄養摂取基準からコレステロール摂取量の上限は削除されたが、これはあくまで健康な人の目安。
      高コレステロール血症の人は、健康な人と比べてコレステロール摂取量の影響を受けやすい体質の人が多いので、卵を控えたほうがいい。

      • +4
      1. >>35
        卵は黄身と白身と一緒に食べれば問題ないよ
        卵でコレステロールが高くなるのは黄身とばかり食べる人だよ
        卵の白身が嫌いな人に高血圧も多いし

        • 評価
  6. お医者さんも色々いるからね。製薬会社と繋がっていたり、開業医はかなり怖い。ビジネス色が強いと言うか。患者に気づかれないようにして欲しいような気もするけど。怖いのは約20年間、ずっと同じ薬を処方されている、肝・腎障害でているんだけど、それを何とかするために、また薬が増えた。田舎故に他に医療機関が無いので選択肢もなく。薬で寿命を縮めていそう。。服薬しないと通常の生活すら厳しいし。ただ、あまり知名度は無いと不評のヘルプマークは有り難い。興味のある方々は聴いてくるし、知ってる方はヘルプしてくれる。日本のこういうとこは素晴らしいと思う。

    • +4
  7. 歯医者だけど対応が酷すぎて辛い。
    「神経を抜いて○○を被せる」とだけ言って、細かい事とか治療期間はほぼ言わずに治療を始めて、
    1本の歯に対して2週間に1回、計8回くらい通ってる。(もう終わるらしいが・・・)
    聞かなかった自分も悪いけど、さすがにそこまで時間かかるならスケジュールが大丈夫か確認しない・・・?

    予約制でも必ず30~60分くらい待たされるし、回数が多いのは本当に困る。

    歯の内側をガリガリ削るとか、ドリルみたいなのでかなり奥の方まで削るとか、そんなことされると思ってなかったから本当に怖かったよ。
    しかも途中で失敗したのか痛かったし。

    一番腹が立つのが、初診の時に「(自分が言った部分以外では)他に虫歯は無い」と言ったこと。(実際は3本あった)

    • +4
    1. >>10
      それは一度、歯医者を変えられた方がいいかと…
      歯は失ったら復活できないものだし、怖いですね

      • +7
  8. 日本は患者が過剰医療を求めるから面倒なんだよね
    必要ない薬を出してくれと騒ぎ、必要ない検査を要求する
    医者や看護師の方々はそれで過剰だと責められるんだから気の毒だよ

    • +5
    1. ※11
      逆だよ確かにそういう患者が昔いて出してた医者もいたことあるけど
      そんなのは一部で殆どの患者は医者の指示に従う、出すのは医者側
      儲けるためにただの風邪なのに検査しまくったりって病院あるくらい
      必要ないと判断して薬断ったらじゃあ何しにきたんだって恫喝されたことあるし
      お薬手帳とか必要ないのに半強制で渡されて金取られたりってとこもあったし
      結局どんな病院かによるね病院の方針に医者も従うしかないわけだし

      • +2
  9. こうやって医療不信を煽られて不安になった人がホメオパシーだの水素水の類の似非科学に傾倒するんだよ

    • +4
  10. 日本で星の数ほど行われている本人の意思すら無視した延命措置は無駄な医療行為なのでは?

    • +10
    1. ※14
      それは今回の意味には当てはまらない。

      「無駄」と訳しているけれど、
      「無効」と解釈した方がもっと分かりやすいかも。

      やってもやらなくても、効果は発生しない処置を
      手間暇かけてわざわざやっている = 無駄
      というのが今回の記事での趣旨。

      老人の延命は、延命を目的とする治療を行えば
      延命という意図した結果を得られるので、
      今回の記事でいう「無駄」には当てはまらない。

      • +3
    2. ※14
      本人の意志は関係なくても家族の意志には関係ある場合もあるだろう そもそも何を待って無駄で何を持って無駄じゃないと言っているのか?

      • +1
      1. ※31
        本人の意思が一番重要だろう
        拷問でしかない治療で苦痛だけの毎日で身体も動かせないなんて31は望むか?
        家族が愛情を持ってれば絶対望まないし患者が老人の場合金目当てでやる人までいるし
        例えば胃瘻とか調べてみ物凄いから

        • +2
    3. ※14
      無駄どころではなく拷問で人権無視した行為で海外から叩かれてる
      悪質な病院だとなんの問題もなかった人を金目的で
      チューブだらけの寝たきりにしたりとかあるし

      • +4
  11. 最先端医療なんてほとんど人体実験みたいなところもあるし、まあそれで助かるなら儲けもんかと。
    ノウハウなんて試行錯誤の賜物ですしね。

    • 評価
  12. 歯医者は別だよな
    これ衛生的なのかと勘ぐりたくなる
    使い回しくさいマウスピース、歯科器具
    歯医者も患者から患者移動しても手袋変えないし
    下手したら煙草くせえ手いれられるしな

    • 評価
  13. たった400件。さすが先進国は違うな。

    • 評価
  14. 15年間で400件って少なすぎるだろと思ったけど
    発表された3000件の論文の内で400件もあるのな。
    現場レベルではもっとヤバイ。
    日本でもアメリカに負けず劣らず無駄な治療やってるだろうな。

    • +19
  15. まぁだろうね。アメリカの世紀末医療なら何も不思議じゃないかなw

    • +2
  16. 400件の治療法だからね
    適応されてる患者の数考えるとエグいよ
    それこそ瀉血の頃から大分変ったと思ったけどまだまだ発展途上なんだね

    • +12
  17. 日本だって負けてないよ
    あと よほどの難病 治療法の無い疾病 手遅れ 患者が言うこと聞かないとかは別にして 治せない医者は医者じゃないと思う

    • -2
  18. 医療は常に途上な日進月歩の世界であり、昨日の常識は今日の非常識ということも珍しくないのに一度取得した医師免許が死ぬまで有効なんだから怖いよね。実際『風邪ですね』しか言わない医者が五万といるし、それを見込んでセカンドオピニオンを勧めるのではなく医師の医療知識を一定水準以上に保つための取り組みをして欲しい。

    • +3
  19. 今時代は老人100歳だって
    こんな制度で
    老人が100歳まで生きられたら
    俺らの負担は堪ったもんじゃない

    • -1
  20. 認知行動療法、効果がないのか?
    効果に対して料金が高すぎるってだけ?

    • +2
  21. 一年間足の付け根が痛くて色々な病院たらい回しにされ、大学病院とかMRIとかレーザーとかとか本当に無駄な時間と金を払って結局骨折だった時の徒労感は半端なかった。骨折だったから良いけどもし重病だったろと思うとゾッとする。

    • +1
    1. >>44
      うちは症例が少ない病気だったからたらい回しにされたけど、症例が少ない病気になってしまったから致し方ないと思ったけど
      医療って完璧ではないよ

      • 評価
  22. 生理的に無理な医者じゃなけりゃどんな治療も受けるよ。
    だって医者が余計な治療してんのかセカンドオピニオンが正しいのかなんて分かんないもん。

    • -2
  23. 金を絞る取るために意思疎通もできない末期患者を延命させてる日本にくらべりゃ全然よ

    • 評価

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