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悪名高き2種の害虫がハイブリッド化。メガ害虫となり力を強めていることが判明(オーストラリア研究)※昆虫出演中

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  オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の科学者は、世界で最も悪名高き2種の害虫が交雑し、その力を強めていることを確認した。

 オオタバコガとアメリカタバコガが自然交雑して誕生したメガ害虫は、農作物に更なる被害をもたらすのではと懸念されている。

オオタバコガとアメリカタバコガのハイブリッドがブラジルで誕生

 オオタバコガはアフリカ、アジア、ヨーロッパに広く分布し、トウモロコシ、綿、トマト、大豆など、100種類以上もの作物に被害を与える。日本にも以前から分布しており、近年その被害が増加しており、各地で難防除害虫として問題となっている。

 その被害額と駆除の費用を合わせると年間数千億円もの額にも上る。移動能力が高い上に、これまで使用されてきたあらゆる殺虫剤に対して耐性を身につけてきた。

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 もう一方のアメリカタバコガは南北アメリカ大陸の固有種で、薬剤への耐性や宿主の範囲は比較的限定的だ。

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 しかし両種が交雑して登場した新しい雑種は、地理的な制限がなくなることから強く懸念されている。

 CSIROの研究者が『Proceedings of the National Academy of Science』で発表した論文では、ブラジルで2種の交雑が起きたという証拠を紹介している。

脅威を増すメガ害虫

 「このような雑種は別の国に侵入しない限りは、まったく気づかれない可能性があります」と研究のディレクターを務めたポール・デ・バロー博士は話す。

 「オーストラリアの科学的機関として、国を守る方法を常に研究しています。ゲノムシーケンシングといった技術が、天秤を私たちに有利なよう傾ける手助けとなるでしょう」

 オーストラリア国内では、殺虫剤を組み合わせて使うことでこうした害虫をきちんと制御できているものの、世界的に持続可能な長期的管理を研究することは重要な課題だ。

 研究対象となった幼虫のグループでは、どの個体もが雑種であった。これは雑種はどれも同じではなく、1つの個体群内に複数種の雑種がいることを示唆している。

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image credit:CSIRO

 オーストラリアでも一般的に見られるオオタバコガによる作物の被害は大きくなっており、アメリカタバコガよりも強い殺虫剤に対する耐性を発達させてきた。

 ブラジルで発見されたの種のうち51パーセントはアメリカタバコガだったが、それらにはオオタバコガから獲得された耐性遺伝子が含まれていた。

 論文の主筆者であるクレイグ・アンダーソン博士は、こうした研究は南北アメリカの農業に幅広い含意を持つと考えている。

 「南アメリカの影響にくわえて、最近の推定では米国の農業生産高の65パーセントがその影響を受けるリスクに晒されているとされています。このことは研究の優先順位が、食卓の食べ物や洋服など、アメリカの人々に直接影響の出る分野に変わる可能性を秘めています」

References:csiro / iflscience/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 42件

コメントを書く

  1. ネオニコ系の農薬効かないからなぁタバコガは

    • +6
    1. ※2
      脱皮阻害剤やね。
      フェニックスもええかも。

      • +4
  2. 昆虫の種は生殖器の形状で判別するって聞いた気がする。てことは、交雑できたこいつらは、住んでるとこが違っただけでほぼほぼ同種だったってことになるん?
    それとも、生殖器の形違う≠交雑できない、ってことなんだろうか
    雑種同士が交配できるのかどうかも気になります

    なんだか進化の過程を見ているようで面白いけど、農作物がからむと面白がってばかりもいられないのが辛いところですねえ

    • +6
    1. ※3
      少なくともオオタバコガとアメリカオオタバコガは食性や生息地が違う程度で見た目もよく似ている近縁種だそうだ。2015年の時点で実験室内では交雑することが確認されていたようだ。しかし今になってブラジルという野外でも交雑が確認された。もしこの雑種がアメリカに渡ればアメリカオオタバコガに、オオタバコガ由来の多岐にわたる殺虫剤抵抗性が導入されてアメリカの農業がまじやばいかもしれないという話らしい。

      • +8
  3. オオスズメバチ「俺を雇ってくれ。かもーん!」

    • +2
    1. ※4
      あんたは有益な虫もジェノサイドするからダメよー。

      • +11
  4. モンサント「ずっと俺たちのビジネスチャーンス!」
    デュポン「輸出用農作物はケミカル消毒だーヒャッハー!」

    • +12
  5. 虫を識別するAIを作りそのAIを搭載した捕虫ロボットを作ってパトロールさせたらどうか。
    技術を上げて物理で殴れば良い。

    • -2
  6. 細菌ウィルスもそうだが駆除する為に化学化合物を使用して結果的に耐性持ちを生み出してしまうとは皮肉なもんだね。そのうちなんの薬も効かなくなってしまうよ

    人の力でなんとか出来るようにすべき所まできたんじゃないかねぇ。インフルエンザなんかも騒ぎ立ててるけど子供老人でなければ寝てれば治るのに薬に頼りすぎなんだよ

    • -12
    1. ※7
      インフルエンザを軽く考えとるようやけど、今の日本だけでもインフルが原因で毎年約1万人が死んどるんやで?

      • +3
  7. これが本当ならシャレにならない
    ここ数年うちもオオタバコガの被害に苦しんでいるし、
    特に転作大豆なんか大発生して周囲まで影響が大きい
    黄LEDなんて高過ぎて設備出来ないし…

    • +9
  8. 生き残れるのは変化出来るものって本当だな
    どんなに対策してもしつこく変化出来るんだろうな、彼らは

    • +4
  9. 今さらながらレイチェル・カーソンの『沈黙の春』だなあ

    • +7
  10. タバコガなんて名前なら大人しくタバコだけ食ってろよ!

    • +12
  11. 毛虫の姿だけ掲載されてるけど、成虫になったらどういう姿だろう?
    蝶や蛾は見た目が様々だが、二種の雑種は、元になった二種のちょうど中間の姿になるんだろうか?

    • +4
    1. ※19 ニュージーランドのウサさんは、今朝の日経で見たよー。
      過去持ち込まれて、農作物被害がすごいんだね。
      これまでのウイルスでは効かず、新しいのを輸入するそうだ。
      狩りや毒餌では間に合わないんだって。
      ウサ飼いさんには、フクザツなニュース。
      ※28 自分は叩かないよ!
      ※39 温室コナジラミとかも強いしなあ。。。 

      • 評価
  12. トウモロコシや大豆以外でタバコガが好む作物で
    おとりの作物育てるというのはどうかな?
    虫に食われて見栄えが悪くなっても飼料には使えるかも

    • 評価
  13. うちのトウモロコシとトマトがやばい(´・ω・`)

    • +1
  14. カイガラムシでは大成功してるから、本当は天敵の虫を導入できたら一番いいのだろうけど。大概が殺虫剤に弱いし…あ、でも遺伝子改編して殺虫剤に強い天敵は作れるんじゃないかな?駆除できなくなるけど。

    • 評価
  15. うちは発見次第思考停止でランネート散布。
    叩いてもいいよ。無農薬なんてほぼ不可能だもん。

    • +3
  16. 「オオタバコガ!アメリカタバコガ!ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

    「いや誰だよお前」

    • +1
  17. 見た目からやばいわこれ・・・こええ

    • 評価
  18. 殺虫剤対処は生命サイクルの早い生き物には割とリスク高いよね…

    • +1
  19. 殺さないとダメなんすかね?
    殺すから淘汰圧がかかるわけで
    嫌いなニオイとかつけとくんじゃダメなんでしょうか

    • -4
  20. このハイブリッドに繁殖能力はあるんだろうか?

    • 評価
  21. 最終的には、ドームなリハウスなり、インドアで育てるしかなくなるのかねぇ。

    • 評価
  22. 幼虫キッッッッモ
    吐きそうになりました

    • -1
  23. 3週間で約500倍にその数を増やすから、早期発見で徹底的に駆除する必要がある。
    天敵防除とかそんなのじゃ全く追いつかないよ。

    • 評価
    1. ※43
      じゃあ病気を流行らせれば…と思ったが、それこそ速攻で耐性持ちそうだしなぁ…。
      ならば変異の早い病気にすれば…とも思ったが、今度は人間がしっぺ返し食らう定番パターンが…。

      • 評価
  24. 資本主義で世界競争してくと防疫管理コストが皆払えず、害虫や作物病もどんどん広がる問題が有る。また、特定の貿易による防疫対象の存在の普遍化が一定見られると、その対象への防疫は資本主義での自由貿易競争を疎外する障壁とされ出来なくなるルールが有る。

    • 評価
  25. ナス科の毒で鍛えて来たから
    その辺のザコとは違うんだね
    そんな猛者が相手じゃ次はキノコ毒しかないね

    • 評価

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