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毒のクセは強いが、人類の治療にも役立ってしまうかもしれない10の生物(爬虫類・クモ出演中)

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photo by Pixabay
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 人間目線で見るといったいなぜそんな派手な色してんの?めだってしゃあないだろう。と思うかもしれない。だがそれは「オレに近づくと痛い目にあうぜ」的な警告を意味している場合が多い。

 しかし研究熱心な専門家の中には、その警告をあえて無視して、猛毒を人間の役に立てようとするチャレンジャーもいる。

 ここでは恐るべき猛毒を有しながらも治療の役に立つ生物を見ていくことにしよう。毒にも薬にもなるとはまさにこのことなのかもしれない。

10. ヤドクガエル

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 名前の通り、このヤドクガエルは毒を有している。種によっては皮膚から絶えず毒素を分泌しており、触ることも危険である。

 実はヤドクガエルの毒は自分で作り出すのではなく、アリやムカデといった餌から手に入れている。そうやって手に入れた毒は鮮やかな皮膚から分泌され、捕食者から身を守るために再利用される。

 ヤドクガエルの仲間エピペドロバテス・トリコロル(Epipedrobates tricolor)は非オピオイド系鎮痛剤を作る上で役に立つ。

 その毒から作られるエピバチジンは依存性がないという特徴がある。しかし、これは低用量でさえ実験ラットに対して毒性を示したために開発は中止されてしまった。

 また別のヤドクガエルの仲間は食用抑制剤、筋肉弛緩剤、強心剤の開発に有望視されている。こうしたカエルたちがいつの日か薬箱の中に登場するようになるかもしれない。

9. イソギンチャク

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 映画『ファインディング・ニモ』では、イソギンチャクはマーリンやニモから家と呼ばれていた。カクレクマノミは免疫があって効かないが、その捕食者には効く毒を持っているからだ。カクレクマノミと共生関係にあるイソギンチャクは10種しかないが、いずれも毒を有している。

 現在、臨床試験のステージ2の段階にあるダラザチド(dalazatide)は、このイソギンチャクの毒から作り出したものだ。血液細胞を選択的に阻害するために、乾癬や多発性硬化症といった自己免疫疾患の治療効果が見込まれている。

 クローン病の化学療法など、これまで自己免疫疾患の治療は免疫系全体を抑制する必要があった。そのために治療を受ける患者は二次感染する恐れがあった。

 免疫が機能していない場合、単なる風邪のようなちょっとした病気であっても命取りになる。しかしダラザチドは病気の原因となる細胞のみを標的にするため、免疫の一部のみ抑制するだけでいいという点で画期的だ。

8. アメリカドクトカゲ

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 ドクトカゲといっても人間の命を奪うほどではない。噛み付いて唾液の毒を注入すれば、激しい痛みと出血を引き起こさせ、獲物を逃げられなくさせることができる。

 しかし人間にとっては害よりも益の方が大きい。毒に含まれるエキセンディン-4という成分は2型糖尿病の全く新しい薬の基礎となるからだ。

 それはアメリカドクトカゲが持つ、年に5~10回程度しか食事をしないという特殊な代謝と生存メカニズムによるものだ。

 エキセンディン-4は、人体においてインシュリン生産量の調整を助けるヒトタンパク質GLP-1と非常に似ている。毒から作られるバイエッタは患者のブドウ糖を健康なレベルに維持する薬剤だ。また減量や食欲の抑制という効果も期待できる。バイエッタは自己投与注射としてFDAの認可を受け、処方される。

7. ソバージュネコメガエル

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 ソバージュネコメガエルは皮膚から多くのタンパク質を分泌する。それは例えば皮膚の乾燥を防ぐオイルなどだが、幻覚作用があり、頻脈や嘔吐を引き起こす毒も含まれる。

 毒の組成は複雑であるが、その中のデルモルフィンはモルヒネよりも40倍も強力でありながら、依存性は低いという特性を持つ。

 鎮痛作用のほか、血管の成長を抑制するという効果もある。これは癌の治療に非常に有望な代物だ。癌性の腫瘍はある程度の大きさまで成長すると、栄養と酸素を得るために血管を必要とする。したがって血管の成長を止めて、癌に栄養が供給されなくなれば、それを飢え死にさせることができるかもしれないのだ。

関連記事:地震予知にシックスセンス、モルヒネ効果にメガ粘着力。ハイスペック仕様のスペシャルな10のカエル

6. チリアン・ローズ・タランチュラ

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 遺伝疾患の筋ジストロフィーにかかると筋肉が衰え、患者はやがて動けなくなってしまう。今のところ治療法はなく、できるのはすべて対症療法でしかない。

 しかしタランチュラのおかげでそう遠くない未来に治療が可能になるかもしれない。自分たちのマスコットとしてチリアン・ローズ・タランチュラを飼っていた研究者が有望な発見をしたからだ。

 その毒に含まれるGsMTx4というタンパク質は筋肉細胞への経路を断ち切ることで、筋肉の破壊を食い止めることができる。筋ジストロフィーのマウスを使った実験では、このタンパク質により筋力を増すことすらできた。しかも毒性は一切なかった。

 遺伝療法ではないという点で、いくぶん革新的であろう。タンパク質は原因ではなく、症状を治するのだ。したがって治癒を目指すよりは、患者のクオリティ・オブ・ライフを高め、症状との戦いを助ける効果が見込まれる。

5. オブトサソリ

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 暗闇の中で紫外線を当てるとサソリは光る。ある仲間はその光で別の領域を照らす――癌治療である。

 オブトサソリの毒に含まれるクロロトキシンは癌細胞にのみに結合するというユニークな特性がある。これを利用することで、サソリの体と同じく、癌細胞を光らせ視認しやすくできるのだ。

 人間の目では紫外線を見ることができないため、外科医はスクリーン上で光る腫瘍を確認することになる。それでも現在広く利用されている2DのMRI画像より視認しやすい。

 この”腫瘍染色”法は一部ですでに実施され、成果を上げている。このまま実験が続けられれば、いつの日か人体がサソリのように光る日が来るかもしれない。

4. フグ

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image credit:Chris 73/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0

 痛みは厄介なものだ。2016年、アメリカでは鎮痛剤に38兆円相当が費やされたが、そのほとんどが依存性が高いオピオイド系だ。癌の疼痛は腫瘍が敏感な神経を圧迫して発生するために、特に厄介だ。腫瘍が取り除かれない限りは、慢性的な痛みが持続する。

 フグの毒はテトロドキシンという神経毒で、神経に作用して麻痺させる効果がある。神経組織は痛みを引き起こすが、低用量のテトロドキシンを用いることで、組織を傷つけることなくそこから伝わる痛みの信号を阻害することができる。

 しかもテトロドキシンに依存性はない。残りの一生を薬に頼りながら生きなければならないという心配はいらないのである。

 現在、アメリアではテクチンという名称で治験の最終段階であるステージ3が実施されている。

3. ハララカ

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 アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)は高血圧の治療に用いられる。高血圧は心臓や動脈を傷つけ、やがて死に至らせる症状だ。

 ACE阻害薬が登場する以前、高血圧の治療は少々変わっており、熱を出す薬を注射するというやり方だった。これによって間接的に血圧を下げるのだ。

 ところでハララカの毒は獲物の血圧を急激に低下させ、失神させるというものだ。その作用を持つ化学物質こそが、ACE阻害薬なのである。

 少量でも血管を拡張し、血圧を下げることができる。カプトリルという名で高血圧に苦しむ患者に処方されている。

2. イモガイ

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 海洋生物の3分の1にはきつい一発がある。吠えるだけよりもずっとタチの悪いやつだ。イモガイの場合は、皮下注射のような一刺しで獲物に毒を注入し、麻痺させる。あとは貪り食うだけだ。

 その毒は強力で人間すら殺すことができる。しかし、ジコノチドというその毒から単離されたタンパク質は、モルヒネの100倍という鎮痛作用を有している。ここから開発された鎮痛薬はプリアルトという名称ですでに流通している。

関連記事:陸海空のあらゆる生物の中で最強の毒を持つとされる海の殺し屋、アンボイナガイの捕食シーンが凄すぎた

1. フォニュートリア・ドクシボグモ

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 足も入れれば13センチもあるフォニュートリア・ドクシボグモは危険が迫ると、まるで戦いを求めるかのように後ろ足で立つ。おそろしいのはその毒の副作用で、オスならば4時間の勃起を引き起こさせた末に死に至らしめる。

 これに着目した研究者は、バイアグラが効かない勃起不全の患者向けにその毒を利用することにした。このクモが人命を救うことはないが、そのうち人間のクオリティ・オブ・ライフを改善するようになるかもしれない。

via:10 Killer Creatures That Are Actually Helping Heal/ written hiroching / edited by parumo

追記:(2022/06/8)画像を一部訂正して再送します。

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この記事へのコメント 29件

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  1. 資格試験で勉強してるときに、
    カエルの毒腺から採れる成分が
    強心剤の原料に成ることを知って
    驚いたことがある。正に毒と薬は紙一重。

    • +5
    1. ※1
      薬というのはそういう物
      だから逆に、病気じゃないのに薬を使うと病気になる

      • +4
    2. ※1
      期待している状態の変化を作用、うれしくないほうの状態の変化を副作用といいます。

      基本的にはどれも毒です。
      ちょっぴり使うと副作用を超えるメリットが作用にあると期待されるときにその毒を使うわけで、その時にはその毒を特別に薬と称します。

      • +2
  2. 今の時代でも生物から役に立つ成分がどんどん見つかっているわけで
    人間によって絶滅させられた動物がもしかしたら大きな貢献を出来たかもしれない。
    そう考えると残念だな

    • +13
  3. ガマの油を利用して治療薬作ってた昔の人って
    経験からいいものとか悪いものを伝授によって
    伝わってたのだろうな
    そう考えると生き物から治療薬考えた昔の人って
    すんげえ頭良かった

    • +13
  4. キモイ生物と呼ばれる彼らからしたら
    人間もキモイ見た目してるからね。
    彼らから助けられることはあっても
    人は彼らを助けることすらできない。

    • +1
  5. んな事言ったって毒持ってる奴が身近にいたら危険だろう
    ヒアリとかどうすんだよ

    • +2
  6. 9 帰宅したら手洗いと一緒にガラガラやってるぜ

    • +1
  7. 4.のフグ、画像で使われてるハリセンボンは毒持たないはずですが……

    • +2
  8. > フグの毒はテトロドキシン
    テトロドキシン→テトロドトキシン

    • +3
  9. ははぁ自然は可能性の宝庫なんだなぁ
    しかも人が手を加えた訳でもなく今日までの進化の過程で手に入れてるってのがこれまた凄い

    • +7
  10. 世界中の研究者頑張れと思うと同時に、そのあくなき探究心に脱帽。

    • +8
  11. カブトガニさんみたいな目にあうくらいならいっそ絶滅した方が良かった生物も多分いる

    • +6
  12. 正確に言うと、全ての薬は分量を間違えれば「只の毒」
    になるって事。だから毒と薬を分けて考える事なんて不可能だと思う

    ある物質が体に入って来る…ある分量までなら、良い結果が出る
    でも、ある分量を超えると…好ましくない結果が出る

    という事でしょ?しかも「まだ人間が気が付いていない薬効も多そう」
    という辺りが面白い所だと思う。(生物って奥が深いからね)
    そうそう簡単に全ては探求できないと思う

    • +10
  13. ヤドクガエルの毒は原住民が弓矢に塗って獲物をしとめるのに使ってるらしいな

    • +5
  14. 紹介された生き物の可愛さしか頭に入らんかった
    すまん

    • +3
  15. 最後のクモさんの毒、一体何のためにこんな効果が…?

    • +4
  16. サムネのカエルさんの怪しい美しさに見入ってしまう。きれいなバラにはトゲがある?(あとタランチュラのモフ・トラップ)

    • 評価
  17. 素朴な疑問だが…、
    1番の毒を、もし女の人に使ったらどうなるんだ?
    (まあ、あんまり良い結果にはならんだろうな)
    でも少し使えば、相手とラブラブ関係になれる気もする

    • 評価
    1. ※24
      多分、「気の毒」な結果が…。

      • 評価
  18. イルカンジクラゲってのがおってやな
    刺されると毒の作用で血圧が急上昇するんやが、男の場合強烈に『勃○』するらしい
    EDの研究でも注目されとるようです

    • 評価
  19. 最後の2種類がやばい
    それ以外はかわいい/きれい/かっこいい

    • 評価
  20. 範馬「赤ちゃん」勇次郎の最初の犠牲だったな南無

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  21. フグの仲間だがそいつはハリセンボンだよく調べてくれ

    • 評価

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