この画像を大きなサイズで見るロンドン中心地の地下鉄チャリング・クロス駅。
ここでヘアカットをしているのはジョシュ・コンブスだ。去年の終わりからロンドン中を歩き回り、ホームレスの人たちの髪を切っている。それを手伝い撮影しているのは友人のマット・スプラックレン。この二人はこの世界が利他的な人であふれればきっと何かが変わるはず。まずは自分たちから行動を起こそう、そしてそれを続けていこうと、日々の活動をインスタグラムに公開し、更にハッシュタグ「#DoSomethingForNothing(無償で人の役に立とう)」で投稿している。
髪を切りながら、ホームレスたちと様々な会話をする。
そこには様々なドラマが展開されていた。
元アフガン兵士夫婦、ジョンとステファニーの場合
細長い電灯に1980年代のレトロ感漂う汚れたタイル、そして延々と続く通勤通学者の列。35歳になるジョンはこの場所を「荒涼した輝くトンネル」と呼んでいる。
そんな彼は妊娠6ヵ月の妻ステファニー(28歳)と羽毛布団をシェアしている。妻とはアフガニスタンに従軍している時に出会った。退役後、二人は仕事を探そうとしたがうまくいかなかった。二人とも両親を亡くし、生活していくのに十分なお金を稼ぐことができずにホームレスになったという。
この画像を大きなサイズで見るジョンの骨折した腕、耳の後ろの縫合がアフガンでの兵士時代の苦労を物語っている。黒いマントに身を包み床に座り、二人の子供の話をしてくれた。彼には7歳と10歳の子供がいるそうだ。でも二人ともスコットランドにいて一度も会ったことがないという。ステファニーが身重にもかかわらず、シェルターに入るのはためらった。
彼らはロンドンにいる940人の中の2人である。940という数字は野宿をして暮らしている人たちで、今年は対前年比で27%にまで増えている。それでもこの数字は控えめだと考えられている。
グレーター・ロンドン・オーソリティー(大ロンドン庁)によると、2014年4月から2015年3月までの間に7581人が最低でも一度は野宿を体験しているという。そして、その数は増え続け、避難者たちは場所探しに困っている。
苦境にいてもジョンは笑顔を抑えることができなかった。ヘアカットが終わると、ジョシュは鏡を取り出し新しい髪型を見せてくれる。ジョンはは見違えるようになっていた。まったくの別人というわけではないが(相変わらず苦境にいるので)、ジョシュのおかげで心が満ち足りたという。
ジョシュのヘアカットを待っていたのは彼だけではない。このトンネルは髭を剃ってほしい人や、髪を整えてほしい人、変身したい人たちで溢れた。
幼馴染、フィルとリーのケース
メードストーン出身のフィルとリーは交代で髪を切ってもらった。彼らは8歳の頃から友達同士で、地元のスーパーに野宿していた。しかし、今年初めにロンドンに移らなければいけなくなった、とフィルは言う。「ある出来事が起こって僕らはそこを去らなければいけなかったんです。さもないと、もっと大変なことになっていました。今となっては過去ですが」
彼らの話は苦難にあふれていた。フィルはロンドンが好きだが、ホームレスの人に優しい地元のほうが好きだったという。真の友人と呼べる人物は片手で数えられるほどしかいないが、ポジティブに生きようと心がけており、9月までには塗装工、装飾者としてのスキルを活かすことを決意している。
それでも落ち込むこともある。一番ひどかったのは寝袋を盗まれたときだ。「盗んだ奴が誰であろうと、射殺されるべきだ」と彼は憤りを隠せない。半年の間で彼が落ち込んだ唯一の時だった。「寝袋を盗まれて、とても寒くてつらかったんです」
二人ともジョシュに髪を切ってもらった後、鏡を見た顔に喜びが表れた。とてもうれしいらしく、笑いながらジョークをとばしあった。「列に並んでいる女性方、私たちは来週クラブに行きますよ」
フィルのヘアカット、ビフォア・アフター
この画像を大きなサイズで見るリーのヘアカット、ビフォア・アフター
この画像を大きなサイズで見るオランダから来たザックの場合
地下鉄の駅では、ジョシュのヒゲソリのバッテリーが尽きかけていた。それでも、まだサービスを待っている人の列は長い。
パーカーを着たザックと呼ばれる男性はずっしりとした重い髭をたずさえていた。ホームレスになって2ヵ月のアムステルダムから来たという男性も車洗いをしてかろうじて生き延びているという。彼も頭を剃ってもらった。
この画像を大きなサイズで見る「イギリス俳優のジェイソン・ステイサムみたいだ」と彼は鏡に映った自分を見て叫んだ。
アイルランド人女性の場合
「家族連れが私の前を通ると、父親は幼い娘の手をしっかりと握るんです」とアイルランド人の女性がヘアカットを待ちながら話してくれた。
彼女はただマクドナルドに行って髪を濡らし、新しい髪形にしてもらうのを楽しみに待っている。週末が自分の誕生日なんだそうだ。
この画像を大きなサイズで見る彼女もまた好ましくない状況にいた。急いでロンドンから出なければいけないからだ。彼女はパートナーとケンカし彼は今病院にいるという。「とても怖かった。早くロンドンから逃げ出さないと自分の身が危ない」と彼女は語る。
心の交流をするジョシュの移動美容室
ジョシュが持ち歩いているのは小さなセットアップだけだ。クシやハサミを何本かと電気ひげ剃りを2つの小さなバッグに入れている。でも彼が作り出したのは大きな舞台だった。午後になるにつれ、大きな人だかりができ、温厚で気さくな会話が荒れ果てた通路に響き渡っていた。
この画像を大きなサイズで見る咳き込む音に囲まれ、拡声装置を使った絶え間ない呼びかけが聞こえてくる。「ロンドンの地下鉄に素晴らしいサービスがありますよ」そこに互いに新しいヘアスタイルについてコメントしあっている人々の声も混ざっている。
ジョシュに髪を切ってもらった人たちは全員元気づけられている。しかし、ヘアカットには身だしなみを整える以上の効果がある。誰かと交流する、誰かに気にかけてもらえる。それが大切なのだ。
ジョシュは常にリラックスした感じでホームレスの人たちの話を聞き、彼らに敬意を払っている。そんなジョシュの態度はホームレスの人たちを安心させる。
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この画像を大きなサイズで見る応援してくれる人、しない人
警察が通り過ぎていく。「切った髪はきちんと掃除されるのか?」と質問しただけだった。親切な通行人の中には、親切に段ボールで髪の毛の掃除をしてくれる人もいた。
しかし、中には思いがけない言葉を投げかける人もいる。
買い物袋を両手にぶら下げた婦人が立ち止まり何をしているのか聞いてきた。より多くの人に利他的になって欲しいという「無料キャンペーン」の一環でホームレス人たちの髪を無料で切っていると答えたところ。。。
その婦人はこう言い放って去っていった。「無料で人のためにできることを教えてあげるわ。ここのゴミ(ホームレス)を一掃することよ」ホームレスになりたくてなった人はここにはいない。だが他人を思いやるには自らの心に余裕が必要だなのだ。
誰も予想していなかった言葉だった。だがほとんどの人はジョシュとマットの行為を応援してくれるという。手伝おうか?と手を差し伸べられることもあるそうだ。
この画像を大きなサイズで見るホームレスたちに広がる闇
地下鉄内の治安は良くない。周囲の雰囲気は終止なごやかだが、何気ない冗談がケンカに発展するなど、緊迫する一面もある。ある男性は2リットルのお酒のボトルを振り回したり、他のものはドラッグを吸ったりしている。
合成大麻の大替品は他の向精神薬と一緒に5月に違法になっている、しかし入手することはたやすく、中毒になりやすい。
「ヘロインよりひどいですよ。手軽にお店で買うことができるのですから」とある人は語る。「朝、吸わないと気持ち悪くなる。これに手をだしたのは、人生で最悪の決断でした」
離脱症状は最悪で、気軽に購入できる値段も問題を後押ししている。1グラムを870円程度で買うことができる。この金額なら気軽に買えてしまう。「今朝、ソーホーを歩いていた時お店で買ってきました。これは自分を破滅させ崩壊へと導くんです」そう分かっていてもやめられないそうだ。
ジョシュらの活動はinstagramで日々公開されている。
この画像を大きなサイズで見るなど/ written melondeau / edited by parumo
















私の夢は起業して世界を平和にすることだ。
彼らには会社で労力を使って頂きたい所。
時間はかかる。
だが彼らには絶対約束したい。
私は皆を幸せにすると。
若い奴らがタバコ片手にホームレス
文化が違うというかロックだねえ…
※2
たばこじゃなくてヘロインなんや・・・
真のカリスマ美容師
寝袋をとられたホームレスの、すぐに射殺されるべきだって発言、
そんくらいだな、ちょっと考えさせられたのは
グルーミングって、活きるために必要なことなんだね。
ヘアカットやシェイビングだけでなく、床屋さんや美容室と同じに、話を聞いてくれるのが少なからぬ効果があると思う。
「これは海外(イギリス)の話」だと思ってる方が大半でしょうが、日本はイギリスの30年後を追いかけてるって分析もあり、実際今までその通りに変化してきた実績がある。つまり「明日は我が身」って事。決して「他山の石」と考えず、「自分が住んでいる世界の問題」として捉えられるかどうかが、この世界を変える「唯一の原動力」だと私は思います。人間は一人で生きているわけではない。その事に気付ける人が人間(人の間(あいだ)を知る者)です。
社会の内側に属していても人との繋がりを感じなければ心はどんどん荒んでいくよね
※7
俺は自分でカットする、理由は話すのが嫌だから。見透かしてるような気がする。
カットしてる間に言いたいことなんて何もない!
なんで見ず知らずの人に、心の内をさらけ出す必要がある?
話すなら関連してる相手や、知ってる友人に話す。聞き出そうとしてるなら迷惑なんだよな。
ホームレスが喜んでいるのは、さっぱりしたから!グルーミングじゃないと思う
人の気持ちを理解しないどころか皮肉や罵倒をする人間ってのはいるね
それはホームレス相手だけじゃないんだ
でも周囲のことは良いよね、ホームレスの人たちは髪カット出来てラッキーだし嬉しかっただろうな
カッコイイね
注力する部分が違うような気もするけど
身なりが整えば仕事も探し易くなるだろうしね。
少なくとも、美容院に行くだけの金を手に入れてたが、
ホームレスの身なりじゃ入れてくれない→仕事もその
せいで断られる→ホームレスから抜け出せないって事
が減るかもしれない。
身だしなみってホント大切なんだなぁ
自分にも他人にも
身だしなみ一つで前向きになれるもの。
偉い
※14
生きていくために働いてお金を稼がなきゃいけないのに、その仕事を得るために、まずお金が必要になる(身なりとかそこに行くまでの交通費(交通手段)とか)。
その悪循環から抜け出すための手助けにもなるし、どんな内容の話であれ聞いてもらえる事は心の整理にもなるしね。
誰かを物理的に助けたり世話するってのは本当にありがたく、すばらしい。
困ってる時に手を差し伸べられないってのは絶望しかないからね。
このホームレスの人たちには、1日でも早く路上生活から抜け出してほしいね。
>マクドナルドに行って髪を濡らし
本筋とは関係ないこど納得がいった
近所のファストフード店のトイレの洗面台が行水でもつかったのかと思うほど
床までビショビショになってる事があって不思議に思ってたけど
手や顔だけじゃなく髪まで洗う人がいるならそりゃああもなるわ
身ぎれいになれば気分も前向きになるものだし、職探しをしたい人にとっては本当ありがたいだろうね
すばらしい活動だと思う、同じことはできなくてもその精神を見習いたい
日本じゃこうはいかんな。すぐに売名行為だとか、「法的に問題はないの!?」とかいって騒ぎ立てるやつしかいない。
※21
すごくよくわかる
特別、人と話すの苦手じゃないんだが、美容院で美容師と話すのはなぜか苦手
※21
そういう人は珍しくない。話しかけられたくないからひたすら雑誌読んでるとかね。美容師もそういう客がいることは心得てるからオーラ出してれば察してくれる人も多いよ。
でもこのケースはけっしてさっぱりしたからってだけではないと思う。
彼らは普段人とすら見做されてないから、こうやってちゃんと向き合って話を聞いてくれる相手の存在は何よりの支えになるんじゃないかな。別に無理に聞き出してるわけじゃなさそうだし。
スキンシップで心を開かせる手法に近い気がする。
※21
むりくり話しかけてくる美容師は三流だよ、マジで。
でもだからって君の私怨をここでぶつけるのは違うと思う。チラ裏しなさいよ。
素晴らしい話だと思う
ただ感染症やノミなどをどう処理されてるかは気になるところ
変な意味ではなく、自分達がこういう活動を真似して日本でもしていく場合に備えて聞きたい。知ってる方は教えて欲しい
髪をきる前に消毒はされてるのだろうけどね
手の小さな傷から感染する病気や、服の小さな綻びに潜むノミなどに対してどう対応されてるのか気になりました
日本ではそもそも軽犯罪法で乞 食行為が禁止されているのもあって、
物乞いはできないし、そういう昔ながらのホームレスはすごく減ったと思う。
自分が小さい頃はもっと多かった。今の若い子は見たこともないのでは?
でも、形態が変わっただけで、貧困に苦しんで食うや食わずっていう人は
実はものすごく多いし、増えてる。自分もそうなりかけたので・・・
老人ホームで一番喜ばれるのは散髪サービスだとどこかで読んだ
認知症の人にも変化があるとも
身なりを整えるのってやっぱり人を変える力があるって思う
心が荒れると身だしなみどーでもよくなったりするけど、逆も然りなのね。
こういう人に合ってみないと手伝うかどうかはわからんけど、
ホームレスを蔑むことはないは。
ギャッツビーのヘアカットセットを配ってあげて!
退役軍人の話が一番悲惨に思える。
20代の元軍人なんて忍耐力もあって、妻も子供もいるとなると必死で働くと期待されて仕事なんてすぐ見つかりそうだ。そもそも日本なら軍が仕事先を斡旋してくれるはず。
ロンドンのホームレスが1000人未満というのは意外と少ないなと思った。
東京なら路上生活者だけでその1.5倍ぐらい、ネカフェ難民の若者や路上と簡易宿泊所を行き来してる人を含めたら1万人ぐらいは広義のホームレスがいるんじゃないだろうか。
野良犬だって拾われたらまず風呂とグルーミングだしな。
20代30代で身体障害やPTSDを持つ傷痍軍人になってしまうのは本当に気の毒というか。
数年の従軍期間じゃそんなに手厚い保障もないだろうしな。
アメリカなんかそういう人いっぱいるいんだろうけど。
※32
その30倍はいるかと。よく観察してみると気づくのですが、今まで気づかなかったその数の多さに驚くはずです。例えば平日の昼間、食事をするでもなく、買い物をするでもなく、何となくショッピングセンターや公園で佇み、何をしているのか分からない人が街中にたくさんいます。身なりは小綺麗にしていますが、髪が妙にベタついていたり、くたびれたサンダル履きだったり、着ている服や靴が20年以上前の流行遅れだったりと、よく観察すると「今」からズレてしまった人が大勢いる事に気づきます。彼らはホームレスではないものの、いわゆる生活困窮者たちです。ちなみに私は関東在住。街を観察した範囲は、神奈川・東京・千葉・埼玉・茨城の主な複数の街。日本の貧困は、かなり深刻な状況を迎えつつあると肌で感じます。
酷い言葉を言い捨てた女、最低だね
人生何があるかわからないんだから
怠けてホームレスになったわけじゃない人もいるからね
その女が同じ立場になったとき、同じ言葉を言えるのだろうか
すげーいい記事ですね
別に肯定も否定もしないであったことを書いてる
すごく好きです
※34
なんでそんな観察してんの?
カット後の瞳に、安堵の表情が表れているのが、心打たれるわ。
グーグルとかマイクロソフトが本気出せばアメリカのホームレス問題は解決できそう。
※36
でも同様にその女性に何があったのかを我々は知らないんだよ
もしかしたら聞いて納得するくらい嫌な目に遭った過去があるのかもしれない
こおゆう方を見ると、立派だなって思って
自分が一層情けなく見えて
だから自分もと思うんけど
結局いつも、思うだけでなかなか行動には出せていない
ただ金を与えて労働意欲を失わせるナマポのような支援は間違いだよね
だからといってその女が何でも言っていいかというと、そうではないからね
ビフォーアフターの写真を見てると、なぜかすごく切ない…
私も髪の毛の掃除のお手伝いをしたい
最初にやってたニューヨークの人もこの人も、誰でも出来ることじゃないし尊敬する。
凄くいい取り組みだよね、身だしなみって大事。
と同時に、誰かも指摘してたけど衛生面をどうしてるのかすごく気になる。
ロンドンに住んでる身としては、普段の街の人々の様子からしてそこまで深く考えてない(=髪を払う程度?)んじゃないかなという悪寒が。そうじゃない事を祈る。
私はこんな立派なことはできないけど、自分ができる範囲で誰かのお手伝いをしようと思う
今日は他人事でも明日は我が身