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クロコンドルがアメリカの住宅街を占拠、フン害に悩む住民が手を出せない理由

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(著)

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アメリカのクロコンドル Image by Istock / phototrip
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 アメリカの住宅街に、クロコンドルの群れが居着いて住民を困らせている。

 動物の死骸を食べて掃除する生態系で重要な役割を果たしている鳥だが、車や屋根に落とす大量のフンは悪臭を放ち、酸性のため、時間がたつと表面を傷めていく。

 クロコンドルは近年アメリカで生息域を北へ広げ、数を増やしている。

 だがどんなに迷惑でも、住民が手出しすることはできない。100年以上前の法律が、クロコンドルをしっかり守っているからだ。

アメリカの住宅地に押し寄せるクロコンドルの群れ

 アメリカの住宅街で、クロコンドルの群れが人々を悩ませている。

 被害がとくに集中しているのが、ノースカロライナ州の小さな町ヒルズボローだ。

 ノースカロライナ州はアメリカ東部の大西洋に面した州で、日本から見ると首都ワシントンよりやや南に位置する。

 住民からは、車や屋根、歩道や玄関前にフンがたまって困るという苦情が相次いでいる。

 落とされたフンは強い悪臭を放ち、こびりついたまま時間がたつと、強い酸性のため、塗装や屋根材を溶かしてしまう。 

 クロコンドル(Coragyps atratus)は全長60cmほどの黒い大型の鳥で、もともとアメリカ南部から南アメリカにかけて暮らしている。

 動物の死骸を食べて片づけるスカベンジャー(自然界の掃除屋)として知られ、本来は生態系に欠かせない役目を担う鳥だが、住宅街では厄介者になっている。

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Image by Istock / edurivero

気候変動と獲物の得やすさから生息域が広がる

 クロコンドルがアメリカの住宅街に現れるようになったのは、気候変動による温暖化で冬が暖かくなったことや餌の得やすさだ。

 さらに人のそばでも平気で暮らせる性質によって、南部を中心にしていた生息域が北へ広がったからだ。

 米ジョージア大学の野生生物研究機関によると、生息域が人の生活圏と重なるにつれて、物損や家畜への被害といったトラブルの報告も増えているという。

 人が餌を与えることも、群れを呼び寄せる大きな要因になる。

 ウィリアム・アンド・メアリー大学で保全生物学センター長を務めるブライアン・ワッツ氏は、餌付けをすると数百羽もの群れが集まり、しかもその場所への強い執着が生まれて、引き離すのがとても難しくなると指摘する。

 ゴミ処理場や公共のゴミ集積所、ボート乗り場など、餌が簡単に見つかる場所にもよく集まるという。

お気に入りの場所に居つくため物損被害も

 クロコンドルはいったん気に入った場所に居着くと、長い時間そこでだらだらと過ごすようになる、とワッツ氏は説明する。

 滞在が長引くほどフンはたまり、被害も広がっていく。

 さらにクロコンドルは車のワイパーや装飾部品、屋根の素材などを、においや手ざわりに引かれてかじってしまうとワッツ氏は語る。

 ペットや家畜に対して攻撃的にふるまうこともあるため、飼い主は常に警戒が必要となる。

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Image by Istock

100年前の法律で手出しができない状態に

 どんなに迷惑をかけられても、住民はクロコンドルを勝手に捕獲したり駆除することはできない。

 クロコンドルは、1918年に定められた渡り鳥保護条約法という連邦法で今も守られているからだ。

 この法律は約1,100種の渡り鳥を保護の対象とし、許可なく殺したり捕らえたりすることを禁じている。

 駆除するには米魚類野生生物局が発行する許可が必要で、無許可で殺すと最高15,000ドル(約230万円)の罰金が科されることもある。

 この状況をめぐってはネット上でも意見が割れている。

 クロコンドルを自然界の掃除屋なので、世界をより汚い場所にしないために役立っていると擁護する声が上がる一方、餌をやっていなくても勝手に居つくため、一方的に被害を受けていると訴える声もある。

 南部サウスカロライナ州に住む人は、自宅裏の松林にたくさんのクロコンドルが住みついているが、誰も餌をやってなどいないと語っている。

 今のところ、法律の範囲でできるのは、住み着いた場所から追い払う努力を続けることだけだ。

 大きな音を出したり驚かすと、食べたものを勢いよく吐き戻し、体を軽くしてすばやく飛び立つが、またすぐに戻ってきてしまう。

 クロコンドルの死骸に似せた偽物の模型を翼を広げた形で、群れの集まる木や屋根の高い場所に逆さ吊りにすると効果があると言われている。

 仲間が死んでさらされた場所を、クロコンドルは危険な場所と考えて寄りつかなくなる習性を利用したものだ。

 ただし特効薬とまでは言えず、当局が対応するまで住民は耐えるしかなさそうだ。

References: Vulture takeover sparks outrage as droppings coat homes, cars and sidewalks / Vultures Are Turning American Neighborhoods Into Their Personal Toilets

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この記事へのコメント 9件

コメントを書く

  1. カラスやムクドリなんかだと鷹匠に依頼して定期的に追い払うということをやるらしいけど、コンドルの群れだと効果が無いのかな。
    ちなみにカラスのたまり場になっていた近所のビルはある時からハヤブサ夫婦が住み着いてカラスが近づけなくなっている。

    • +8
    1. カラスやムクドリはタカのご飯でしかないので、狩られないように本気で逃げる
      コンドルはタカのご飯ではないので効果は無いと思われ

      • 評価
  2. 渡り鳥保護条約法か…現代の生類憐みの令(渡り鳥限定版)やんけ!

    • +4
    1. 集まって
      よろこんどる。

      • 評価
  3. 渡り鳥保護条約法ってのは19世紀に何十億羽といたリョコウバトを大乱獲で絶滅させた反省からできたのかな
    その法律に困らされるとは因果な話だ

    • +7

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