この画像を大きなサイズで見る悪夢の中には、とても怖い魔物のような存在が襲ってくるというパターンがある。
だがこの魔物は、突然脅威的な存在として夢の中に登場するわけではない。
数夜にわたって脅威が段階的にエスカレートするパターンをたどることが多いという。
米ボストン大学のパトリック・マクナマラ博士らの研究チームが被験者を2週間にわたって追跡したところ、魔物は最初は無害なキャラクターとして夢に登場していたが、夜を重ねるごとに恐ろしい存在へと変貌していくことがわかった。
夢を見る人は無力感を覚え、周囲の環境も不気味に変容していくという。
この研究成果は学術誌『Dreaming』に掲載された。
参考文献:
- Demonic attacks in dreams follow a chilling multi-night pattern
悪夢に潜む「魔物」の正体
睡眠中に邪悪な存在の気配を感じたり、得体の知れない何かに襲われたりするという体験は、世界中で広く報告されてきた現象だ。
しかしこれまで、こうした魔物の存在が夢の物語の中でどのように振る舞い、どう変容していくかという具体的な仕組みはほとんど解明されていなかった。
米ナショナル大学心理学教授でボストン大学医学部神経学准教授のパトリック・マクナマラ博士は、長年にわたる悪夢研究の中でひとつの傾向に気づいた。
悪夢の内容を調べると、夢の中で邪悪なものや超自然的な存在と遭遇したと感じた参加者は、そうでない場合よりも明らかに強い苦痛を報告していたのだ。
研究チームはこうした存在を、超自然的な邪悪さをまとい、夢を見る人を傷つけようとする悪意を持つ「悪魔的存在」と定義した。
日本でいえば悪霊や化け物、怨霊なども含む広い概念で、ここでは「魔物」と呼ぶ。
特定の夢の内容がより大きな苦痛と結びついているなら、その内容を治療の糸口にできる可能性がある。
そう考えたマクナマラ博士は、ジョン・バルチ氏、シャネル・リード氏とともに本格的な調査に乗り出した。
この画像を大きなサイズで見る2週間にわたる夢の調査から見えてきたもの
研究チームは地域から平均年齢44歳の成人124名を募集し、2週間にわたる夢の追跡調査を行った。
参加者は自宅で通常どおり睡眠をとりながら、毎朝起床後にスマートフォンやパソコンでその夜の夢を記録した。
夢の内容は「奇妙」対「なじみ深い」といった形容詞を使った尺度で評価され、夜中に目が覚めたかどうかも記録された。
さらに61名は専用の睡眠トラッキングヘッドバンドを毎晩着用した。
このヘッドバンドは浅い睡眠・深い睡眠・レム睡眠(REM sleep)など、睡眠の段階と周期を計測する装置だ。
レム睡眠とは眼球が素早く動き、夢を見やすい睡眠段階のことで、脳は活発に働いているが体は弛緩している状態を指す。
ヘッドバンドを使うことで、参加者の脳波や睡眠パターンを主観的な報告だけに頼らず客観的に記録できた。
2週間で集まった夢の報告は合計1,599件にのぼった。
専門的な訓練を受けた研究助手が各報告を精査し、恐怖を表す言葉や即座の脅威を含むシナリオ、痛みの描写などを基準として、186件の悪夢と112件の不穏な夢を特定した。
さらにその中から魔物が登場する報告を絞り込んだところ、明確に魔物が登場する16件と、魔物とまでは言えないが不気味な超自然的存在が登場する報告群が見つかった。
これらはいずれも8名の参加者によるもので、全体の約6.4%にあたる。
この画像を大きなサイズで見る魔物は数日前から「予告」し、夢の中で脅威を増す
16件の魔物が登場する夢のうち5件は、複数夜にわたって連続した夢のシリーズの一部だった。
魔物は悪夢ではない普通の夢の中に、さほど脅威のない存在としてひっそりと現れ、夜を重ねるごとに姿を変えながら少しずつ近づき、脅威を増していくのだ。
ある参加者の体験がその典型だ。
最初の夜、丘をふわりと浮かびながら上っていく黒髪の若い女性が夢に現れた。女性は悪意ある笑みを浮かべていたが、直接的な脅威はなかった。
その後数夜にわたり、女性は姿を変えて再登場した。
ある夜は鋭い雰囲気の職場の女性として、別の夜には夢を見ている人自身の娘として現れた。
夜が進むにつれて夢の舞台そのものが変容し、参加者が「次元のシフト」と呼ぶ不気味な変化が起きた。
脅威を持つ存在は夜ごとに物理的に近づいてきた。
そして最後の夜、ついに本格的な魔物の攻撃が起こった。青白く遠くにいるように見えたその霊は、最初の夢に登場した浮かぶ女性と明らかに同一の存在だった。
この画像を大きなサイズで見る別の参加者は、悪夢に至るまで自分自身のアイデンティティが段階的に崩れていく体験をした。
最初の夢では鏡の中に、19世紀に召使いとして働く老いた自分の姿を見た。
続く夢では空飛ぶ花に変身しながらも、超自然的な悪役に仕える召使いとして存在し続けた。
そして最後の夜、魔物と結婚した自分が暗く不気味な家の中で永遠の奴隷状態へと洗脳されていく悪夢へと行き着いた。
無力感と揺れ動くアイデンティティが、魔物との遭遇への道を着実に開いていたのだ。
この画像を大きなサイズで見る魔物が悪夢に登場する数日前に、通常の夢の中で漠然と脅威的なキャラクターとして予告のように現れるという事実に、マクナマラ博士は強い興味を覚えたという。
今後の研究でこの発見を深掘りしていく意向だ。
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References: The “demonic” in dreams and nightmares.
















