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古代ヨーロッパ人は死者の骨に価値を見出し、掘り起こして家に飾ったり贈り物にした

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(著)

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Image by Istock Manon Rousselle
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 約3000年前の古代ヨーロッパにおいて、死者の骨は社会的な価値のあるものだった。

 アイルランドを中心とする国際研究チームが中央ヨーロッパの集落跡を調査したところ、当時の人々は墓から遺骨を掘り起こし、頭蓋骨を家に飾ったり、贈り物として利用していたことが明らかとなった。

 古代ヨーロッパ人は、祖先の骨を日常的に共有し、社会の結束を固めるために活用していたのだ。

 この研究成果は『Journal of Field Archaeology』(2026年3月24日付)に掲載された。

参考文献:

古代ヨーロッパ人にとって遺骨は社会的価値のあるものだった

 今から約3600年前から2700年前にかけての青銅器時代から鉄器時代初期、中央ヨーロッパのパンノニア平原では、遺骨を通じて死者との交流が行われていた。

 アイルランド国立大学コーク校をはじめとする国際研究チームが、現在のセルビアやルーマニア、ハンガリーにあたる、この地域の遺跡を調査した結果、当時の人々は一度埋葬した遺体を再び掘り起こし、その骨をさまざまな目的で再利用していたことが判明した。

 遺骨はコミュニティの絆を深めるための大切な道具や、信頼の証となる社会的通貨のように扱われていたのだ。 

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中央ヨーロッパのカルパティア山脈とパンノニア盆地の衛星地図 Image credit: contains modified Copernicus Sentinel data (2017), processed by Sinergise/ES C BY-SA 3.0 IGO

家族の頭蓋骨を加工して自宅に飾る習慣

 研究チームが敵の侵入を防ぐために周囲を深い溝や土手で囲んだ大規模な村の要塞集落の跡地を詳しく分析したところ、家の中から加工された人骨が次々と見つかった。

 その中には、遺骨から脳を取り出すために一度割った頭蓋骨を丁寧につなぎ合わせ、住居の中に飾っていたと思われるものが複数存在した。

 紐で吊るすための穴が開けられており、日常的に人目に触れる場所に置かれていたことがわかる。

 これらの遺骨には何度も手で触れられたことによる独特の摩耗や、外気にさらされて風化した跡が残っており、長い間、生者の生活空間に存在し続けていたことを物語っている。

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加工や摩耗の跡が残る遺骨 A・B: 吊るして飾るためか、中央にきれいな穴が開けられた頭蓋骨。C: 野外に置かれた際、動物に噛まれた痕跡が残るすねの骨。D: 長年人々に触れられ、表面がツルツルに摩耗した頭蓋骨の破片。E・F: 道具で削られたり、細かく割られたりした頭蓋骨の一部。 Image credit:L. Fibiger / Journal of Field Archaeology

遺骨はコミュニティ内を巡る贈り物の役割を果たした

 死者の骨は家の中に飾られるだけでなく、地域の人々の間でやり取りされることもあった。

 現在のクロアチアにあるクリサ遺跡の調査では、墓から取り出された骨が体の部位ごとに分類され、村の中で受け渡されていた形跡が見つかっている。

 研究チームによると、こうした人骨のやり取りは、地域社会のまとまりを維持するための重要な役割を担っていたという。

 祖先の骨を共有することは、お互いのアイデンティティを確認し合い、グループとしての連帯感を強めるための手段だっのだ。

 最終的にこれらの骨は、役割を終えると再び一箇所にまとめられ、新しい場所へ丁寧に埋め戻されていた。

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クリサ遺跡の集落を囲む溝の中で、バラバラの状態で発見された人骨 Image credit:L. Fibiger / Journal of Field Archaeology

祖先と共生することで社会の結束を深めていた

 今回の調査では、火葬や土葬、さらには屋外に遺体を置いて自然に骨にする空葬(エクスカネーション)など、多様な葬り方が確認された。

 しかし、どの方法においても共通していたのは、生者と死者の境界線が驚くほど近いことだった。

 集落を囲む溝の中から見つかった骨は、祖先がコミュニティを外敵から守る盾であることを象徴していたと考えられる。

 古代の人々にとって、死者の骨を身近に置き、それを共有することは、過去から続く家族や仲間とのつながりを未来へ繋いでいくための、ごく自然で誠実な生活の一部だったと考えられる。

References: Encountering the Unburied Dead: Developments in Mortuary Practice in the Landscape of the Late Bronze Age Megaforts of the Carpathian Basin

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. 戦後のアメリカ人も似たようなことをしていたよ

    • +8
    1. 戦中に日本兵の遺体から皮で傘をつくったり、骨を煮出して本国に送ってたアメリカ兵さん…
      戦意高揚ポスターで「日本兵の頭蓋骨を眺めている女性」を採用しちゃう国だけはある

      • +11
  2. エド・ゲインは先祖返りだったのか
    てかいわゆる人食い人種も骨を飾ってたし、現在でもWW2時の遺骨拾って持ち帰ったりする人いるからね

    • +6
  3. 祖霊崇拝的なものがヨーロッパにもあったんだな

    • +4
  4. 死と隣り合わせだったせいもあるかな
    祖先と暮らす感覚ってなんだかいいな

    • +4
  5. 今でもプラスチックの頭蓋骨の飾りものとかあるし、そんな感じやろ?

    • 評価
  6. 自分も部屋に骨を飾ってます!
    サメの顎の骨だけど、、

    • +3
  7. 教会が聖人の骸骨を飾ったりするのもキリスト教側にルーツがあるんじゃなく古代の伝統を引き継いでたりするのかな

    • +8
  8. 現代人も墓暴いてミイラ展示したりしてるし血は受け継がれているね

    • 評価
  9. 「死者」と言っても生きていた時には仲間だったわけだし、愛着を持つのも頷ける

    • +3
    1. 数十年前、初めて沖縄旅行した時、街中がそこいらじゅうお墓だらけで(墓地ではない。ポツンポツンとお墓がある。その辺のちょっとした段差に表札と小さな扉がついてたりする)、死者も街中にフツーに住んでる事にちょっと感心した。 さすがに最近は規制厳しくなったみたいだけどね。

      • +2
  10. その人が確かにいたっていう証でもあるしな。

    • +3

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