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超高輝度超新星の奇妙な点滅、マグネター誕生の証拠だった

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 宇宙で最も明るい爆発の1つ「超高輝度超新星」を長く輝かせるエネルギー源が、誕生直後の強磁場中性子星「マグネター」である可能性が初めて観測から裏付けられた。

 カリフォルニア大学サンタバーバラ校などの国際研究チームは、約10億光年先の超新星「SN 2024afav」の光を長期観測した。

 その結果、光が周期的に明るくなったり暗くなったりする特異な明滅パターンを検出した。

 研究チームの解析によると、この明滅は爆発の中心で誕生したマグネターが周囲の時空を引きずり、降着円盤を揺らすことで生じたと考えられる。

この研究成果は『Nature』誌(2026年3月11日付)に掲載された。

参考文献:

通常の10倍以上も明るい「超高輝度超新星」の謎

 宇宙では、太陽の数十倍という巨大な質量を持つ星が寿命を終える際に「超新星」という大爆発を起こす。

 その中でも、一般的な爆発の10倍から100倍という桁違いの明るさを持ち、数ヶ月以上も輝き続ける極めて稀な現象を「超高輝度超新星」と呼ぶ。

 なぜこれほど異常に明るいのか、天文学界では20年以上にわたり議論が続いてきた。

 その解決の糸口となったのが、2010年にカリフォルニア大学バークレー校のダン・ケーセン教授らが発表した「マグネター・エンジン理論(Magnetar-powered model)」である。 

 マグネターは、巨大な恒星が寿命を終えて超新星爆発を起こした後に残る中性子星の一種で、その磁場の強さは地球の数兆倍から1000兆倍にも達する。

 マグネター・エンジン理論は、「誕生したばかりのマグネターが持つ猛烈な自転エネルギーが、強大な磁場を介して、爆発で飛び散った周囲のガスに注入される」というものだ。

 このプロセスにより、爆発の残骸が内側から強力に加熱され続け、通常の超新星を遥かに凌ぐ輝きが生まれるというのである。

 しかし、加熱源であるマグネターは爆発で吹き飛ばされた厚いガスの層の奥深くに隠れているため、その誕生現場を直接確認することは不可能とされてきた。

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回転するマグネターは時空そのものを歪め、周囲の物質円盤を揺らし明るい閃光を生み出すとするマグネター・エンジン理論 Image credit:Joseph Farah and Curtis McCully of LCO

超新星「SN 2024afav」に現れた奇妙な光の変動

 2024年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョセフ・ファラー氏らを中心とする国際研究チームは、10億光年先の超新星「SN 2024afav」を観測した。

 爆発から約50日後、明るさが減衰していく過程で、光が一定のリズムで明るくなったり暗くなったりする「明滅」を4回確認した。

 この明滅の間隔(周期)が次第に短くなる現象を解析した結果、それは爆発の中心で「誕生したばかりのマグネター」が猛烈な速度で回転し、周囲の時空を歪ませている証拠であることが判明した。

 これを物理学では「チャープ(Chirp)」と呼ぶ。この規則正しく変化する信号は、単なるガスの衝突などでは説明がつかない、極めて特殊な物理現象を示唆していた。

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nature video

マグネター誕生を示す初の直接的証拠:時空の歪み

 研究チームが、アインシュタイン氏の「一般相対性理論」に基づき解析した結果、このチャープ信号こそが、爆発の渦中でマグネターが誕生したことを示す初の直接的証拠であることが判明した。

 その論理的根拠は以下の通りである。

  • マグネターの高速自転: 中心のマグネターは、直径わずか16kmほどでありながら、1秒間に240回(4.2ミリ秒に1回転)という猛烈な速度で自転している。
  • 時空の歪みによる揺れ: これほど高密度で回転が速い物体は、周囲の「時間と空間(時空)」を渦のように引きずり回す。これにより、マグネターの周囲を回る降着円盤の軸が、コマの首振りのようにグラグラと揺れ動く「レンズ・シリング歳差運動」が発生する。
  • ストロボ現象の発生: 揺れ動く降着円盤が、中心部からの光を定期的に遮ったり反射したりすることで、地球からは光が激しく明滅しているように見えたのである。

 解析された磁場の強さと自転周期は、まさにマグネター特有の数値であった。

 これにより、爆発のさなかにマグネターが産声を上げ、周囲の時空を歪ませながら物質を支配し始めたプロセスが、初めて観測データとして裏付けられた。

マグネター・エンジン理論、仮説から実証へ

 これまでは、爆発から数十年が経過した後にマグネターが確認されることはあっても、爆発の最中にその誕生を証明することは困難であった。

 しかし今回の研究により、マグネター・エンジン理論が実証された形となる。

 超高輝度超新星の内部でマグネターが誕生するという長年の仮説は、10億光年先から届いたこの奇妙な光の変動によって、初めて観測的に裏付けられたのである。

References: Sciencedaily

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この記事へのコメント 6件

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  1. 240回転毎秒かー 早いな。 計算したら250cc4気筒エンジンのレッドゾーン手前ぐらいの
    回転なんだなーw

    • 評価
    1. 赤道付近で光速の4%くらいのスピードかな。超速い。やばいという感想しか出てこない。

      • +4
  2. 超新星爆発の残滓の中性子星がこんなに高速で回転するのは何故なのだろう

    • 評価
    1. 元々の星が持ってた角運動量が保存されたまま小さくなったことで超加速した、多分。フィギュアスケートで手を縮めるとスピンが速くなるのと同じ。

      • +1
  3. 回転すrる磁石で加熱することができるんだよね
    円盤に磁石を埋め込んだものをモーターで回転させると
    円盤と並行に置かれた金属板が加熱される仕組み
    これは、誘導加熱の一種なんだけど一般的ではなくて
    IH調理器ではコイルを使い磁力を高周波で変化させているよ

    • +1
  4. 「スーパー・ルミナス スーパー・ノヴァ!」
    唱えた直後に頭がハゲしく輝き出す最上級の呪文やん

    • 評価

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