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スピーカーから流れる我が子の声!迷子のラッコが母親と劇的な再会

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(著)

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Image by Istock 
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 アメリカ、カリフォルニア州で、母親とはぐれたラッコの赤ちゃんが冷たい浜辺に1匹で取り残された。

 通報を受けた救助隊は赤ちゃんを無事保護したが、一刻も早く母親を見つけ出さなければ、幼い命が奪われてしまう危険性がある。

 そこで彼らは、赤ちゃんの鳴き声を録音し、海に向かってスピーカーで再生しながら母ラッコを探しはじめた。

 海に響いたわが子の声を聞きつけ、波の間から母親の姿が現れた。こうして絶滅危惧種であるカリフォルニアラッコの親子は無事再会を果たすことができた。

母親とはぐれて海辺にいた赤ちゃんラッコを保護

 アメリカのカリフォルニア州サンルイスオビスポ郡にある港町「モロ・ベイ」は、太平洋の豊かな海水が流れ込む入り江で、ラッコやアザラシ、クジラといった多様な海洋生物たちが暮らす場所だ。

 この浜辺で1匹のラッコの赤ちゃんが発見された。まだ生後2週間ほどで、本来であれば母親のお腹の上に乗って過ごしている時期だ。

 幸運なことに、通りがかりの親切な人物が砂浜にいる赤ちゃんを見つけ、すぐに海洋哺乳類センターに通報した。これを受け、海洋生物の専門家からなる救助チームが直ちに現場へ向かった。

 モロ・ベイ港湾警備隊の協力を得て、救助チームは赤ちゃんラッコを安全に保護し、輸送用のケージへと収容した。チームは、保護管理のためこの子を「キャタピラー」と名付けた。

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The Marine Mammal Center // USFWS permit MA101713-1

母親なしでは生きるのが難しいラッコの赤ちゃん

 この地域に生息するカリフォルニアラッコ(ミナミラッコ、Enhydra lutris nereis)は、北方のラッコに比べて体がひと回り小さく、非常に母子の絆が強いことで知られている。

 母親は自身の体重の25%にも相当する食事を毎日摂りながら、片時も離れず子供の世話をする。

 海洋哺乳類センターの運営コーディネーターであるシェイラ・ジンク氏によると、カリフォルニアラッコの子は生後約9か月の長い間、母親と過ごし、貝の割り方や生き残るためのあらゆる技術を学ぶという。

 母親は赤ちゃんを胸の上に抱きかかえ、毛づくろいや授乳をしながら、寝ることもある

 生きるために必要な体温と栄養のすべてを母親に委ねているのだ。母親がいなくなってしまうと、赤ちゃんは生き延びることが難しい。

 人間の手で育てることも不可能ではないが、野生で生きていく力を身につけるには、実の母親の元へ帰すのがもっとも適切だ。

録音した声をスピーカーで流し母親を呼び出す作戦 

 さあ、本番はここからだ。広大な海の中からたった1匹の母親を一刻も早く見つけ出さなければならない。

 そこでチームは一計を案じた。キャタピラーの鳴き声を録音し、それを頼りに母親を探すことにしたのだ。

 彼らはボートに乗り込み、Bluetoothスピーカーから録音した「赤ちゃんの泣き声」を大音量で流しながら、湾内を移動した。

 母親が近くにいれば、我が子の声に反応するはずだと考えたからだ。 

わが子の声を聞きつけた母親がやってきた!

 ボートが湾内を進み、スピーカーから必死な鳴き声が響き渡る。救助チームのメンバーたちは、海面に変化がないか目を凝らして探し続けた。

 その時だった。波の間に小さな茶色の点が浮かび上がった。チームが目を凝らすと、そこにいたのは間違いなくラッコの成獣であり、音のする方へ向かって泳いできていた。

 心配した母親が、風に乗って聞こえてきた我が子の声を聞きつけ、迎えに現れたのだ。

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The Marine Mammal Center // USFWS permit MA101713-1

 チームのメンバーは慎重にキャタピラーを海へ戻した。すると母親は迷うことなく近づき、我が子を優しく抱き寄せた。

 救助チームが見守る中、母親はわが子を確認すると、安心した様子で一緒に泳ぎ去っていった。

 広大な海で離れ離れになった親子が、再び巡り会えた瞬間だった。

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絶滅危惧種の未来をつなぐ再会

 海洋哺乳類センターのスタッフたちは、この救出劇がハッピーエンドを迎えたことに喜んでいる。

 今回の再会は種全体の保存にとっても大きな意味を持つ。

 カリフォルニアラッコは、かつて毛皮目的の乱獲により絶滅寸前まで追い込まれた過去を持つ。

 現在は保護活動により数は回復しつつあるが、依然として絶滅危惧種に指定されている。生息域も限定されているため、1つの命が失われることが個体群全体に与える影響は大きい。

 ジンク氏は今回の成功について、1つの小さな命を母親の元へ戻せたことが、カリフォルニアラッコの個体群と周辺の生態系の明るい未来につながると語る。

 ラッコはウニなどの草食動物を捕食することで、海藻の森を守る重要な役割を果たしている。

 もともと人の手によって絶滅に追い込まれたラッコだが、今度は人の連携によって命をつなぐことができた。

 カリフォルニアの海で、昔のようにたくさんのラッコたちが泳いでいる姿を見ることができる日も、そう遠くないかもしれない。

References: Rescuers Play Stranded Baby's Cries Over Speaker — And Gasp When An Otter Appears

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この記事へのコメント 12件

コメントを書く

  1. ラッコが841のイメージしかないからそいつかと思った

    • -8
  2. 赤ちゃん 浮かんだ(モコモコ)
    大きいラッコ 小さいラッコ 
    抱っこして回収 完了
    バックバック スーイスイ バイバイ
    またねー👏

    • +8
  3. デパートとかでよくあった光景大自然版。
    今は子供減りましたからデパートとかでもあまりないのですかね。

    • +6
  4. ラッコ増えてくれー
    絶滅危惧種とか胸が痛い

    • +21
  5. ラッコの赤ちゃんを見つけて「海洋哺乳類センターに連絡しよう」ってなった通りすがりの人も只者ではないと思った。

    • +35
  6. 心が暖かくなれました
    ありがとうラッコさん ありがとうセンターのスタッフさん

    • +13
  7. 海にそっと戻された子ラッコが、抵抗するでもなくス~と水面漂っているの可愛い。ママがしっかり抱っこして連れて行ってくれてよかったよかった。

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