メインコンテンツにスキップ

巨大な隕石の中からこれまで地球になかった未知なる2つの鉱物が発見される

記事の本文にスキップ

22件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 ソマリアに落下した 16.5 トンもの巨大隕石から、これまで地球上に存在しなかった、誰も見たことのない新種の鉱物が2種発見されたそうだ。

 これらの鉱物は、小惑星がどのように形成されるかについての重要な手がかりを保持している可能性があるという。

巨大隕石に含まれる未知なる2種の鉱物

 新しい鉱物が見つかったのは、2020年に発見された 16.5 トンの「エル・アリ隕石(El Ali)」からだ。

 ここから採取された70グラムの片を調べていた研究チームは、見たことのない特徴があることに気がついた。合成された鉱物と比較してみた結果、それが新種の鉱物であることが判明したという。

 新種の鉱物は、それぞれ「エラライト(elaliite)」と「エルキンスタントナイト(elkinstantonite)」と命名されている。

 新種が含まれていた隕石の名称と、アリゾナ州立大学の惑星学者で、NASAのサイキ計画の主任研究員でもあるリンディ・エルキンス=タントン氏にちなんだものだ。

 新種の鉱物とは、地質学的条件や岩石の化学的性質が、知られているものとは異なるということだ。それゆえに刺激的なのだと、アルバータ大学のクリス・ハード教授はプレスリリースで説明する。

この画像を大きなサイズで見る
ル・アリ隕石から採取された70グラムの断片。ここから新種の鉱物が2つ発見された/Image credit: University of Alberta Meteorite Collection

小惑星の形成プロセス解明の手がかりに

 エル・アリ隕石は、IAB鉄隕石複合体(ケイ酸塩の小さな塊が斑点状になった隕鉄でできた隕石)に分類される。

 研究チームは今後、この隕石の起源である小惑星がどのような状況で形成されたのか解明するために、さらに調査を進める予定であるとのこと。

 「この岩石が含まれていた小惑星の地質学的プロセスと地質学的な歴史をどのように解明するか、それが私の専門分野です」とハード教授は語る。

 研究チームは、この鉱物の材料科学への応用も視野に入れているというが、それもどこまでできるか定かではない。

 というのも、エル・アリ隕石は買い手を求めて中国に運び込まれたからだ。これを手にする人物が科学に理解のある人物であることを祈ろう。

References:New minerals discovered in massive meteorite may reveal clues to asteroid formation | Folio / New minerals discovered in massive meteorite may reveal clues to asteroid formation | Folio / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 22件

コメントを書く

    1. ※1
      隕石や化石は世界の富裕層が買い漁ってて、
      そのせいで研究が遅れてるって科学者が嘆いてるからなあ

      • +9
      1. >>12
        投資目的かあ
        絵画も持ってるだけで上がるから隕石もそんな感じで寝かせてるのか…研究に使われてほしいなあ

        • 評価
  1. 考えてみれば核融合もわけわからんよね
    宇宙が生まれてからの理論なのだろうか

    • 評価
  2. やっぱり宇宙には、地球人の知見なんかじゃ収まらないような未知の物質が、まだまだありそうだね。もっともっと見つかれー!

    • +7
  3. ソマリアって今、国の情勢はどうなってるのかな?
    内戦って収まったの?治安は?国民はちゃんと生活出来てるの?

    隕石を高値で売っぱらって国民に、特に子供に食事と綺麗な飲み水を与えてやってくれ。

    • +3
  4. オチが…いや。中国国内の科学者に渡れば、論文で知ることができるが…

    • +9
  5. 買い手を求めて中国に運び込まれた?あちゃ~、、、
    今後の情報は途切れちゃうかな。
    まぁ販売目的のフカシだった、という可能性も
    あるけど、未知の鉱物って分子構造の話だろうか?
    、、、、どうもうさんくさい(小声)w

    • +5
  6. 隕石が中国に渡ってガッカリしてる人いるけど、
    他の記事を読むと中国に行ったのは一部のサンプルで
    (大きなものではあるそうだが)
    この発表をしたアルバータ大学には別のサンプルがある模様。

    またサンプリングされたのは16.5tの隕石のごく一部で
    ほとんどはまだ現地にあるらしい。

    • +11
  7. これでアニメによくあるようにエネルギー関係の性能を劇的に向上させるとかの極めて有益な特性が発見されたとかになると大騒ぎなってたんだろうな~

    • +3
  8. いい加減にしてくれと
    どいつもこいつも目先の金金金でウンザリ

    • +4
  9. 今の周期表で宇宙にある全ての元素を現すことは不可能だと思う。たまたま地球にある元素をあつめたら「こんなん出来ました」程度で、まだまだ未知の物質が幾らでもあると、個人的には思っている。謎のダークマターなんてのもあるらしいし

    • +2
    1. ※18
      元素周期表はそういうものじゃない
      (現在の)元素周期表は発見された元素を並べている訳じゃなくて、原子内の電子と陽子の数を小さい順に並べて名前をつけてるものだから、
      「電子や陽子の数が小数の元素」になるみたいな今の物理理論を完全にぶち壊す現象が発見されでもしない限り、既存の周期表の途中に新規に追加されることはないよ(後ろには追加されうるというか、数年ごとにどんどん追加されているけど)
      「分子」なら当然未知の分子はいくらでもあるけどね

      • +1
  10. 新物質が金属物質であるなら是非刀鍛冶師に刀を打ってもらいたい。どうせなら12種の武具でも作って来たるべき魔王との最終決戦に備えて仙台市博物館に収めて置くべきだろう。12種の武具はそうだな、刀、盾(鏡)、勾玉、剣、槍、弓、長巻、金剛杵、宝棒、錫杖、ホルン、コンダラーあたりが良かろう。

    • -1
  11. 鉱物というのは未知の元素や物質ということではなく、地球や隕石などで知られているものとは違う成分や結晶構造ということ
    今回は隕鉄に含まれる珪酸塩鉱物なので、それが恒星の中でどのように育まれたのか、ひいては恒星の内部でどのように物質が作られるのか知る手掛かりになることが期待される

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。