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アインシュタインがまた的中!ブラックホールの背後にある光を史上初観測

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22件のコメントを見る

(著)

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image by:Dan Wilkins
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 アインシュタインの相対性理論によって予測されていたことがまた1つ確認されたようだ。

 銀河の中心にある超大質量ブラックホールを観察していたスタンフォード大学の天体物理学者グループによって、常識的には見えるはずのないブラックホールの背後から届いた光が史上初めて観測されたのだ。

ブラックホールの背後にある光を初めて観測

 スタンフォード大学の天体物理学者ダン・ウィルキンズ氏らは、地球から8億光年離れた渦巻き銀河「I Zwicky 1」の中心にある、太陽の1000万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールを観察していた。

 すると一連の明るいX線フレアが観測されたのだ。だが、ここまでは意外なことではない。

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渦巻き銀河「I Zwicky 1」 / image credit:NASA, ESA, and A. Aloisi / WIKI commons

 意外だったのは、それに遅れてもっと小さな”色”の違うX線がやってくるという奇妙なパターンが観測されたことだった。

 分析の結果、遅れてやってきたX線は最初のX線と同じものであることが判明した。これこそがブラックホールの背後からやってきた光だ。

 その光のエコーの振る舞いは、ブラックホールの背後にある降着円盤から反射された光の振る舞いと一致するのだそうだ。

ウィルキンズ氏は声明でこう語っている。

数年かけて、こうしたエコーがどのように見えるのか理論的予測を行ってきました。理論としてはその様子を確認していましたので、実際に望遠鏡で観測したとき、すぐ関連があることに気がつきました

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ブラックホールの背後にある光を描いたインフォグラフィック / image credit:ESA

アインシュタインの予測は的中した

 ブラックホールに吸い込まれた光は二度と脱出することができない。だからブラックホールの後ろから光がやってくるはずはない。

 それなのに背後の光が観測できるのは、ブラックホールが空間を歪めるために、光や周辺の磁場が曲がってしまうからだ。

 このことは一般相対性理論によって予測されていたことだ。つまり1世紀前にアインシュタインが予言したことが、今になってようやく実際に観測されたということになる。

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image credit:NASA

ブラックホールの「コロナ」

 研究グループはもともとブラックホールの「コロナ」を観察していた。これは超大質量ブラックホールにガスが吸い込まれるときに生じる磁力を帯びたプラズマだ。

 ブラックホールに飲み込まれるガスは、数百万度もの超高温に熱せられる。すると原子から電子が分離して、磁力を帯びたプラズマが発生する。

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ブラックホールのコロナ / image credit:NASA

 それはブラックホールの回転に捕捉されて、高く吹き上がってアーチを描き、やがて崩壊する。その様子が太陽のコロナを彷彿とさせることから、同じ名で呼ばれている。

 コロナからは明るいX線が放出されており、これを観察することでブラックホールの事象の地平面のすぐ外の情報を知ることができるのだそうだ。

 この研究は『Nature』(7月28日付)に掲載された。

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. このての記事はほかではみえない
    貴重

    • +5
    1. ※5
      そうだよね
      このニュースにおける「新しいこと」って、天体の(地球から見て)背後の光が観測されたことじゃないと思う
      届いたものがブラックホールの降着円盤からのものであること
      重力レンズ効果についてその理論の正しさを裏付ける写真はすでにたくさんあるから

      • 評価
  2. なんなんだあの舌ペロおじさん…
    天才なんて表現すら生ぬるいわ

    • +6
  3. こんな超高圧超高温のもの吸い込み続けてうんともすんとも言わないブラックホールが今更怖くなる

    • +5
  4. 遥かな未来、遂に宇宙の造物主に会うとが出来た人物が、アインシュタインの最後の予想について尋ねたら「んっ、サイコロ?そんなもん投げた事ないよ」って答えてくれそう。

    • 評価
  5. アインシュタインとかいう知れば知るほど理解できない存在

    • +10
  6. ブラックホールを観測する時にはインターステラーとかで描写されてた形に近い形で観測できるというのが分かったということ?!

    • +7
    1. ※13
      そうみたいだね。インターステラーではΦみたいな形で描写されてたと思う。
      棒の部分が円盤を真横から見た部分で、円の部分は円盤の向こう側の裏と表の部分が見えている感じ。
      今回のは棒の部分で発生した光が円の部分を照らしているのを観測しましたって感じかな。
      普通じゃ円盤の向こう側を照らすなんてあり得ないけど、90度開いているように歪んでいるからこういうことも起こるってことかな。

      • +6
  7. ブラックホールに空間を歪める力があるようだ、と言われていたが、今回、ブラックホールの後ろにある前からは見えないはずの光を前からも観測できたので、空間を歪める力について事実そうだと分かった

    って理解でOK?

    • +3
  8. ブラックホールとかいう知れば知るほど意味不明な存在…なんだかよくわからん恐怖がある。というか存在自体がこんなのあるのか!?ってやつなのに存在してんだよなぁ…

    • 評価
  9. ブラックホールの周りでは空間が歪み、光が閉じ込められることが解ったでいいのか。

    うん、解らん。

    • 評価
  10. つまり明後日の方角に飛んでいくはずの光がブラックホールの近くでねじ曲げられてちょうど地球にぶつかるコースになったってこと?

    • +1
  11. 最近ブラックホールに特異点はなく事象の地平線も無いって説が出たんだっけ。
    ホーキング放射による蒸発が縮退と釣り合ってギリギリ事象の地平線の向こうに落ちないでいるとか。

    • 評価
  12. アインシュタインが投じた一石(Ein Stein)は大きいね。

    • 評価
  13. 生きているうちにブラックホールの謎が解明されて欲しい

    • +1
  14. つまりどういうこと?人間には分からないので教えて

    • 評価

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