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イギリス・ロンドン動物園の熱帯雨林コーナーに展示されているシダ植物が、世界初の自撮りに成功したとして、現在大きな注目を集めている。今回のトライアルで研究者らは、シダ植物から発生した廃棄エネルギーを使用して、20秒ごとの自撮りができたことを明らかにした。
日光の少ない地域に生息する植物が、低レベルのエネルギーを生産し、燃料電池を供給する能力は、遠隔地の熱帯雨林の特性をモニタリングできる可能性を示唆し、自然の脅威への重要な理解となるようだ。
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London Zoo teaching plant to take selfies
シダ植物が世界初の自撮りに成功
ロンドン動物学会(ZSL)は、ロンドン動物園の熱帯雨林展示コーナーにある“ピート”と名付けられたシダ植物が、燃料電池が利用できるエネルギーを作り出し、それを利用して20秒ごとに自撮りをすることができたことを発表した。研究者によると、1つの燃料電池で0.1ミリワットの電力を生成できるという。

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今年の初め、ZSLの科学者らは熱帯雨林コーナーに微生物燃料電池を設置し、ピートが自撮りできるようにした。

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微生物燃料は、土壌に由来している微生物の作用により化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。植物がエネルギーを取り組み、自撮りに至るまでは、下記の手順で行われている。
・日光の下で、植物は水とCO2から糖と酸素を生成する(光合成)。
↓
・これらの糖は葉には残らないが、茎や根を通して植物全体に運ばれる。
↓
・これらの糖の一部は、植物からの廃棄物として根から排出される。
↓
・土壌の生物は、これを更に分解し、エネルギーを放出する。
↓
・このエネルギーは、アノードとカソードを使用して捕捉され、電気二重層コンデンサ(スーパー・キャパシタ)を充電する。
↓
・電気二重層コンデンサが充電されると、電力が放電され、自撮り撮影ができる。

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この技術は自然への理解に非常に重要
ZSLの環境テクノロジー専門家アル・デイヴィス氏は次のように述べている。植物は、成長するにつれて自然にバイオ物質を堆積させます。このバイオ物質は、土壌中の天然細菌に栄養を与え、燃料電池が利用できるエネルギーを作り出します。デイヴィス氏は、特に重要なのは日光の少ない地域に生息する植物から、エネルギーを引き出す能力を確認することだと話している。
燃料電池を使用すると、監視プラットフォーム、センサー、カメラトラップなどの幅広い重要な保全ツールに植物自体から電力を供給できます。
A fern called Pete growing in our Rainforest Life exhibit has taken the world’s first plant-powered #selfie! It looks like Bandit's impressed! Find out how this could revolutionise field #conservation: https://t.co/pC8gTj5Ats #TuesdayMotivation pic.twitter.com/bVCUUAyvuj
— ZSL London Zoo (@zsllondonzoo) October 15, 2019
ほとんどの電力源には制限があります。ソーラーパネルは太陽光がなければ使いものにならず、その他の電池はバッテリーを交換する必要があります。この技術は、気温や湿度、植物の成長などの重要なデータ記録のために、遠隔地の熱帯雨林の場所とその特性をモニタリングできる可能性があることを示唆しており、気候変動や生息地の損失などの脅威を理解する上で非常に重要な課題となる。
しかし、植物は日陰で生き残り、日光を吸収する可能性を最大にするために、自然に位置を移動します。
つまり、植物のエネルギーの可能性はほとんど無限なのです。植物が、低レベルのエネルギーを生産して燃料電池を供給する能力は、自然界のモニタリングに大きな革命をもたらすでしょう。
自然界で植物を利用して、カメラトラップとセンサーに電力を供給することを最終目的としているZSLの研究者らは、既に2回目の試験を計画中ということだ。
References:designtaxi.comなど / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
>植物は日陰で生き残り、日光を吸収する可能性を最大にするために、自然に位置を移動します。
ほー…根を伸ばして?植物は研究され尽くして地味なように見えて、凄まじい可能性がまだまだあるな。植物がないと人類は生きていけないしな…
2. 匿名処理班
プランターが電池になると考えると色々できそう
3. 匿名処理班
その地中に放出されるはずのエネルギーを回収する事による影響って無いのかな?
4. 匿名処理班
発電所=煙を出す汚い建物、人工的で自然を破壊する、というイメージが消え去っていく可能性・・・
5. 匿名処理班
その土壌微生物が出すエネルギーを自然界が無駄にしていたとは思えない。
土壌の保温とか、何者かがその恩恵で生きていると思うけど、そのあたりのエコシステムもちゃんと研究してるのか? 監視機材が使っちゃって大丈夫?
6. 匿名処理班
電極に同一金属を用いているのだろうか、極性が有る様なので異種金属なのかな、だとすれば一次電池でしかなく電解質が供給されても電極が消耗して終わらないのかな?
7. 匿名処理班
自撮りにハマって押したんじゃないかこれ?
8. 匿名処理班
自撮りってw
シダ植物から発生するエネルギーでカメラの操作に成功って言ってくれw
9. 匿名処理班
植物が自らの意思で自撮りを・・・という話ではなかったのね😂
10. 匿名処理班
この実験で重要なのは、植物を利用して発電して、発電をした電気を貯めることができたということじゃないの?
11. 匿名処理班
風が吹けば桶屋が儲かる
12. 匿名処理班
※1
伸びながら日光を求めるという意味ではヒマワリが分かりやすいかも(伸びることで向きを調整している)
あとは体曲げたり伸ばした根からクローン作ったりかな
13. 匿名処理班
緑化推進を図りと
自然と共生関係を築く事が出来る
発電量大きさよりも
得られるものは多い
自然は
征服したり
保護したり
管理したりする対象ではなく
共に生き互いに活かす対象
しかしながら
ヒトは自身の欲求欲望を捨て去る事は出来ない
人間だから仕方ないね
14. 匿名処理班
最初の画像はシュガーバインであってシダ植物じゃないぞ
15. 匿名処理班
蔓か葉がポチッとカメラのボタンを押した訳じゃないのか。
16. 匿名処理班
※1
つまり、根が脚のようになって歩行する「トリフィド」の様な植物が誕生すると。
17. 匿名処理班
自分を燃やしたほうが速いだろ
18. 匿名処理班
なんというかものは言い様なタイトルだなぁ…
いや、技術自体は役に立つのだろうし
原文はちょっとしたジョークとして
そう表現しただけなんだろうけども…実験の本質は※10だよね