
だが危険なのは自動車だけではない。自宅の庭や家の中を歩いているときだって、かなりの速度で硬いものに衝突する可能性があるのだ。この場合、ぶつかる相手は壁ではなく、地面や床だ。そう、転んだときのことである。
そこで、この「エアバッグ」の出番なのである。これを装着しておけば、転んだことを感知して自動的に膨らみ、股関節の骨を守ってくれるのだ。
特に高齢者は転びやすく、転んだ際には骨折しやすいのでこのエアバッグがあれば最適だろう。
Hip'Air the first wearable airbag hip protector by Helite
股関節骨折防止用エアバッグ
この高齢者用エアバッグは、フランスの会社 "Helite" の、「ヒップエア(Hip'Air)」という新製品である。2018年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で発表された。使い方は極めて簡単で、朝起きたら腰に巻くだけだ。装着した人が転倒すると、センサーがそれを感知し、エアバッグを膨らませる。
感知にかかる時間は0.2秒、エアバッグが膨らむのにかかる時間は0.08秒。転倒してから地面に衝突するまでにかかる時間が約0.4秒なので、腰をガードするのに十分間に合うのだ。

image credit: YouTube
内蔵のバッテリーは一度充電すれば約15日間持つ。就寝中など、装着していないときには自動的にスリープモードに入る。また、充電が必要になればビープ音が鳴り、警告ランプが点灯する。また、一度膨らんだバッグは畳んでしまい、ガスを充填すれば何度でも再使用できると、経済的でもあるのだ。
内蔵のガスボンベ

image credit: Hip'Air
股関節骨折の恐ろしさ
Helite社によると、フランスでは毎年6万5千人が股関節を骨折している。その90%は転倒によるものだ。そしてまた、2050年までには世界中で500万の股関節骨折が起こると予想されている。骨折した人のうち、半数は歩けなくなるのである。高齢者の場合、動けない間にどんどん弱っていくこともある。55歳以上の場合、股関節を骨折したひとの23%が1年以内に亡くなるそうだ。

image credit: Hip'Air
エアバッグを装着して安心な暮らし
「ヒップエア」を装着していれば、転倒の際に受ける衝撃は、何も使っていない場合の10%で済む。転んでも骨折の心配がないので、安心して生活を送れるのだ。毎朝このベルトを腰に巻くという習慣をつけるだけで、ゴルフに行ったり、クッキーを焼いたり、あるいは孫にお小遣いを送ったりといった趣味を続けられるのである。

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ヨーロッパでは今春、北米では今秋から、それぞれ販売されるそうだ。サイズは4種類あるが体重制限はない。もちろん高齢者専用というわけでもないので、しょっちゅう転んで痛い思いをする人は自分用に購入したっていいのである。
Hip 'Air inflation - Slow motion
via: Hip'Air / TECHNABOB / GEEKOLOGIE など / translated by K.Y.K. / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
買っても面倒臭がってつけない人が多いだろうな
2. 匿名処理班
田中のタイキック用エアバック思い出すw
3. 匿名処理班
腰のエアバックの反動で頭を強打するんだな
4. 匿名処理班
日本での商品名は「江頭泣かせ」かな。
5. 匿名処理班
認知症の人だと、自ら壊すか外すかして無効化してくる説
6. 匿名処理班
”タイ人キックボクサーから身を守ってくれる素敵な商品♪”
”パンツ型タイキックサポーター「まもるくん」”
7. 匿名処理班
東京周辺では、雪の日だけでも付けたい人は多い気がする。
近所の人もアバラにひびが入って、痛みで生活するのが
たいへんそうである。
8. 匿名処理班
いいアイディアだと思うけどなあ。
うちのばあちゃんも転んで人工股関節になった。
火葬したあと、箸で持てないくらい人工骨頭が重たかった。
ばあちゃん、あんな重たいのをつけて十年以上も暮らしてたんだ、と思うと、涙が出てきた。
もちろん歩けるようにしてくれた人工股関節にはとても感謝している。よく頑張ってばあちゃんの脚として長年仕事してくれたと思う。
でも、予防も大事だと思うんだ。予期せぬ事故は、誰の身にも起こるものだから。
9. 匿名処理班
足の小指用を作ったら箪笥の角で悲しむ人が減ると思うんだ
10. 匿名処理班
これを母に…と思うけど、あの人、おばあちゃんみたいに見えるモノが嫌いだから付けないだろうなぁ。(←70オーバーなのに)
11. 匿名処理班
足が悪いばあちゃんにあげたいな
12. 匿名処理班
何もないところでよく転ぶ中年の自分用に良さそう。
13. 匿名処理班
その前に、頭と膝と肘をどうにかせんと・・・
14. 匿名処理班
誤作動が多そうだね
15. 匿名処理班
問題は骨折を防げるかどうかだな
日本は骨粗鬆症の治療がまだまだ不十分だから、結局骨折してしまう人も多いと思う
16. 匿名処理班
※13
背中もだ!
17. 匿名処理班
エアバックじゃなくてももう少し小さくしてスカートみたいにつけてても良い気が
18. 匿名処理班
痩せるのが先やろ
19. 匿名処理班
股関節だけを守っても、ほかが骨折したり、強打すれば意味がない
できれば全身を守るエアバッグを開発してくれ
20. 匿名処理班
立体機動装置にしか見えん
21. 匿名処理班
病院のベッドから落ちて骨折することもあるから病院側は取り入れるべきだと思う。
22. 匿名処理班
昔バイク用のやつを見たな
23. 匿名処理班
脳や内臓が比較的元気な高齢者でも足が不自由になったら一気に全てが弱る人は多いからね。趣旨を理解し自発的に装着できる人だけでもケガを減らせるなら良いものではないだろうか
24. 匿名処理班
動画のコケ方だとおそらく膝を割って手首も折る
25. 匿名処理班
○シックスの靴のゲル・クッション(高いとこから卵落としてもベタッとくっ付いて卵割れないとかいうやつ。要は、ショック吸収力が凄いってことなんだろうけど…ワシ、靴ボロくなったとき、分解したらゲルの部分、意外と薄かったよ)これなら、頭部がバウンドする恐れがなくて、最適なんじゃない?もともとスポーツメーカーだから、サッカーのゴールキーパー用の骨盤保護パッドなんかも扱ってそうだし…(ちな、日本だと芝の校庭少ないから、子供用のキーパーサポーターの腰骨部分にもパッドが入っている)。高齢者用にタイツみたいに簡単に履けるようにして、更に目立たないよう薄くしたらニーズあるんじゃないか?(特に介護の現場なんかでもさぁ)。商業主義的な言い方でちょっと嫌だけど…こういうニーズは、世界中であると思うし、ジャパ○ットたか○とかで、今、年寄り用の靴、宣伝してるから、ソレと絡めてコマーシャル打てば、需要が伸びて効率よく宣伝できるし、需要が伸びれば、すぐに安く提供できるようになるんじゃないかな?元々織物のノウハウもあるんだし、アイデア次第でしょ?どうでしょう?皆さん!(スーパージョッキーのラッシャー風に…)
26.
27. 匿名処理班
スポーツ用に改良したらフィギュアスケート選手のジャンプの練習とかに使えたりしないかな
何度も氷に勢いよく叩きつけられるの、ほんと痛そうだから…
28. 匿名処理班
老人は自らを老人と認めたがらない傾向が強い。
商品を単体で売っても「年寄り扱いするな!」と言われ
装着して貰えないケースも出ると思う。
背筋矯正+ウエスト引き締め効果をプラスしては?
更に「冷え性にも抜群の保温効果」と3点セットで。
29. 匿名処理班
頭の悪いコメントばっかだな
だれも「これで完璧に事故を防げます!」なんて言ってないのに
30. 匿名処理班
※29
いや大切なことだよ
是非ともヒザヒジアタマ用もエアバッグを用意したいよね