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小型人工衛星を利用してプラズマ爆弾を起爆。米空軍の無線通信改善計画が明らかに

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(著)

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 アメリカ空軍は、小型の人工衛星を利用して上層大気でプラズマ爆弾を起爆し、長距離間の無線通信を改善しようと計画している。

 電波が利用されるようになった黎明期以来、長距離間の無線通信において、昼間は信号を受信しにくいのに、夜になるとはっきり聞こえるようになることが知られてきた。

 これはイオン圏という、地上60キロメートル上空から始まる電荷を帯びた粒子の層の変化に起因する。地球は湾曲しているために、増幅器を使用しない限り、地上から放たれた電波は70キロメートル以上は届かない。ところが、イオン圏と地上の間でジグザグに反射することで、電波の届く距離は伸びる。夜間に電波が届きやすいのは、夜の方がイオン圏濃く、反射しやすいためだ。

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 こうした試みは実は初めてのことではない。例えば、アラスカにある高周波活性オーロラ調査プログラム、通称HAARPは地上のアンテナから電波を飛ばしてイオン圏を刺激し、電波を反射するプラズマを作り出す。

 今回の米空軍の試みはそれよりもずっと効率的なものだ。キューブサットなどの小型人工衛星で、イオン化ガスをイオン圏に直接噴霧する。

課題はプラズマ生成器の開発とプラズマ制御

 現在の課題は2つ。キューブサットに装備可能なプラズマ生成器の開発と、噴出したプラズマの消散を制御する方法だ。米空軍は3つのチームと契約し、それぞれ異なるアプローチを模索する。その中でもっとも優れていた手法を採用し、第二フェイズでの真空チャンバーや宇宙の試験飛行を通したプラズマ生成器の試験が行われる予定だ。

 ペンシルバニア州にあるゼネラル・サイエンス社はドレクセル大学と提携し、化学反応を利用して沸点以上に金属片を加熱する手法を研究している。こうして気化した金属が大気中の酸素と反応し、プラズマを生み出す。

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 他方、メリーランド州のエニグ・アソシエーツ社が手を組むのはメリーランド大学だ。こちらでは、金属片を急速に加熱するために、小型の爆弾爆発させ、その爆風を電気エネルギーに変換する。爆発の形状を変化させることで、様々な形状のプラズマ雲を作り出せるという利点がある。

 とはいえ、この試みが本当に成功するかどうかは未知数である。「プロジェクトは本当にごく初期で、プラズマ研究からイオン層改変につなげる研究の境界にあります」とリサーチサポートインストロメンツ社のジョン・クライン氏。彼によると、最大の難関は、小型人工衛星にプラズマを発生させるだけの出力を持たせることだという。容易には乗り越えられないチャレンジなのだそうだ。

via:newscientistdailymailなど/ written & edited by hiroching

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この記事へのコメント 23件

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  1. これ本当か?
    そんな長距離通信なら通信衛星の方が良くない?
    と言うか、電離層で反射するのってHFまででしょ?
    アメリカ軍って長距離通信に今でもそんな長い波長使ってるの?

    • +3
    1. ※3
      対潜水艦はどは超長波を使っていたりしますね。
      原潜相手なんかじゃないかなぁ

      • +1
  2. これ短波帯しか意味無いんじゃね。
    短波見たいな長波長じゃデジタル変調にしてもデータ量知れてるだろうし…
    GPS衛星位通信衛星を配置してUHF/SHF帯で衛星間でネットワーク組むとかした方が良さそうな気がするけど
    技術的にどの当たりを狙ってんだろ

    • 評価
  3. 極長波は水中からでも発信できるから、戦略潜水艦では非常用手段とはいえ未だに必須の波長域だよ。
    以前アメリカの原潜が追ってきた中国原潜にひっかけてやったワイヤ網は、この通信用アンテナ(使い捨て)だったよね。
    そもそもHAARPは北極海域に展開する戦略原潜のための施設だもん。
    その運用が停止してしまったなら、代替手段は欲しいでしょ。

    • 評価
  4. 上層大気でプラズマを利用すると、通信距離が伸びるって?
    でも、他の事に弊害は出ないのかね?(何だか心配だ)
    当初の目的とは、違った結果が出てしまう事例は過去にも有った
    ちゃんと検証などを行ってから、実用化させて欲しいと思う

    • +1
  5. 下からの電波を反射するってことは、
    上からの電波も反射するんじゃないのかしら。
    こんなの使われたら、衛星からの通信に影響が出るでしょ。

    • +2
  6. 最近の小型人工衛星って数億円で作れちゃうちょーコスパなんですってね

    • 評価
  7. 実は敵人工衛星に対するプラズマ照射(電磁場)兵器だったりして。

    • +1
  8. 要するに人工的にスポラディックE層のような物を作るという事かな。
    E層が発生すると0.5wのCB無線でも1000㎞くらい飛んだりするし、オーストラリアと交信出来た例もある。
    強力なやつだとVHFも反射するから自由にコントロールできるなら使い道は有るかも。

    • +1
  9. でもこれコストと割りにあうのかな?
    合わない気がする・・・・・

    • 評価
  10. せんせー これからスマホがもっと増えて、そこらじゅう電波がいっぱいになったら
    動けなくなるほど、空間に電波が溢れたりするんですか??
    あと、私から見て変な人は、なんで電磁波や放射線といった目に見えないものを
    やたらと怖がるんですか??

    • 評価
    1. ※18
      Eスポ発生時にVHFのテレビ放送が飛びすぎて混信を起こした事も有るから全く無関係でもないかなぁと思って。
      あとラジオダクトって大気現象でしょ?
      人工衛星を使って起こすような物なの?

      • +2
      1. ※16
        ラジオダクトを人工的に発生させようとしているのですよ。
        EスポはVHFにはほとんど影響がなく、HFまでしか反射できません。
        そして、航空/船舶が音声通信目的で使う一般的な周波数帯はVHFです。
        (航空特殊無線技士 無線工学より)

        • -1
  11. このプラズマがVHF以上も反射するっていうなら意味はありそうだけど、そもそもそこにプラズマを作る衛星があるのなら、そいつをリピータにしてやった方が早い気がする。
    アマチュア無線の免許とったのかなり前だから、電離F層が何を反射するのかとか見事に忘れちゃってるわ…。

    • 評価
  12. 小学生の時、夏休みの自由研究で、Eスポの発生と天候の関係を毎日調べたけど、何の関連性も浮かび上がらず、最後のまとめにすごく困ったことを思い出した。
    実際、天気と関係あるのかなあ?
    当時のハムの間では、「これから雨が降る時だ」「いや、夜にかけて気温が大きく下がった時だ」とか、いろいろな説が語られていたんだけど。

    • +1
  13. どうしてこうも目先のことだけしか考えない地球規模の実験を平気でやろうとするのか
    過去にも様々な核実験をやってその影響はとても多くあるはずなのに表にはほとんど出てこない
    現代史としても何のためのどんな実験を行ったか具体的には教わったりしない
    地球規模で影響が出るような大規模な実験行為が何回もあったにも関わらず、学校でもそれを教えない異常さが恐ろしい

    • +1
  14. すごいなイナバ物置。100人乗っても大丈夫どころか。人工衛星にすらなれるなんて!

    • 評価
  15. 昔、米国でやってたんですがね。
    ”ウェストフォード計画”と言ったか、髪の毛ぐらいの銅線を
    多数人工衛星軌道でバラまいて、人工的な電離層にするって実験をさ。

    • 評価

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