
ここではかつて、ジャーナリズム部門で受賞した印象的な10の報道写真とその背景にあるストーリーを見ていくことにしよう。
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10.ベトコンを引きずるアメリカ軍 (邦題「泥まみれの死」)
沢田教一/1966年8月19日

9.孤独な2人
ポール・ヴァシス/1962年

8.ジョニー・ブライトのハプニング
ドン・アルタグ、ジョン・ロビンソン /1951

審判が数度の暴力的タックル(最終的にジョニーは顎を折られた)を、ゲームのほんの一場面にすぎないと解釈する方針をとったが、これらの写真はそれが間違っていることを証明した。その連続した6枚の写真には相手チームの選手が故意に彼を痛めつけている様子が写っていた。その動機は明らかで、うんざりするほど不愉快なものだったが、実に悪質なのはライバル校だったオクラホマのA&M大学からの反応が無かったことだ。そして6枚の写真がこの事件への全国的な注目を集めたにもかかわらず、問題になった選手は決して罰を受けることも無かった。
7.凄惨なハリウッド・ドラマ
アンソニー・ロバーツ/1973年

しかしその男は"知るか!"と叫び返し、途方に暮れたロバーツが見守る中、彼女を殴り続けた。ついにこの騒ぎに警備員が到着し、暴行を止めるよう命じたものの、男は"殺される!助けて!"と悲鳴を上げて叫ぶ彼女を組み伏せ、放そうとはしなかった。そのため車のルーフ越しに拳銃で狙いを定めた警備員は、男の頭に発砲して撃ち殺した。ロバーツの最後の写真は、その引き金が引かれる直前の様子を捉えてたものだ。
6.孤立したユダヤ人女性
オデッド・バリルティ/2006年2月1日

それに怒ったある一人の女性が立ち上がり、暴動鎮圧用の装備に身を包んだ警官に反抗した。写真では警官達が彼女の背後にある住居を取り壊すため、彼女を排除しようとしている。この後結局彼女は逆方向に押しのけられ、通過する彼らに踏みつぶされそうになった。バリルティの話では、この女性はさらにその警官隊を追いかけ、ヘブライ語で悪態をつきつつ、彼らの中の数人としばらく取っ組み合いをしたという。
5.ジェームス・メレディス銃撃事件
ジャック・ソーネル/1966年6月6日

写真のメレディスは、もがき苦しみつつ道に横たわっている。そして"私を助ける人は誰もいないのか?"と叫んだ。手を差し伸べた者は誰も居なかったが、写真家のソーネルは救急車が向かっているので安静にするようメレディスに叫んだ。メレディスが病院に運ばれた後、銃弾は抽出されて2日後には回復し、ジャクソン市まで行進し終えた。ノーベルは有罪を申告し、もっと大型で殺傷力のある散弾銃を使用しなかったことを悔やみつつ、監獄で刑期を過ごした。
4.サイゴンでの処刑
エディー・アダムス/1968年

この写真を見ても分からないのは、ロアンがその罪人を処刑している理由だ。撃たれた男は地元のベトコン士官、グェン・ヴァン・レムだといわれている。レムは、サイゴンの地元警察官を皆殺ししようと企む殺し屋集団を統括していた。彼は、走行中の車から、もしくはすれ違いさまに大勢の警官が射殺される事件の首謀者だった。そして万が一警官殺しが実行できない場合、レムは代わりに彼らの家族を標的にして殺害した。
そしてついにレムが捕まえられてロアンの前に運ばれた時、ロアンは静かに銃を抜き、レムのこめかみを撃ち、即座に銃殺した。この時点で、アダムスは自分が何を撮影することになるのか全く想像ができなかった。しかしその後これは主戦論派のアメリカ人全員の感情をつき崩す写真だ、と主張した。
3.デトロイトの労働争議
ミルトン・ブルックス/1941年

この写真を撮影したミルトン・ブルックスは、すぐにカメラを隠して逃げた。ミルトンの話では、ストライキ集団はその後もその男を殴り続け、脇に押しのけて、ストライキを続けたという。
2.汚れた星条旗
スタンリー・フォーマン/1976年4月5日

1.命を繋いだキス
ロッコ・モラビト/1967年

幸いなことに彼の命綱は落下を食い止めた。そして感電した彼のすぐ下を登っていたトンプソンは、素早くそこにたどり着き、口移しの人工呼吸を始めた。トンプソンはその状況下でCPR(心肺蘇生法)を行うことはできなかったが、チャンピオンの脈の振れを感じるまで肺に息を吹き込み続け、意識を失った彼の命綱を外すと、彼を自分の肩に担ぐようにして一緒に降りた。トンプソンと他の作業者達は地上でCPRを行い、チャンピオンは救急救命士が着くまでになんとか蘇生し、最終的には完全に回復した。
via:10 Pulitzer Prize-Winning Photos And Their Stories
原文翻訳:R
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コメント
1. 匿名処理班
やっぱ色々とドラマあるんだなあ
崩れ落ちる兵士とかハゲワシと少女のエピソードとかは知ってたけど…
2. 空缶
義憤を感じたり、おぅやっちまえやっちまえと熱くなったり。
俺と価値観が正反対な奴も同様にそう思うんだろうかねw
3. 匿名処理班
ろくでもない状況の写真ばっかりかと思ったけど最後の写真で希望が見えたわ
4. 匿名処理班
ほっと出来たのは最後の一枚だけだね
5. 匿名処理班
自国の出来事なら説明は不要なんだろうね
6. 匿名処理班
天安門は取ってないの?
7. 匿名処理班
写真って怖いな。
絵だけの印象と、背景にある真実が乖離していることが多い。
写真が言わんとしてることを読み違えると大変なことになるね。
・・・最後の写真とかな。
8. 匿名処理班
浅沼稲次郎暗殺事件が好きだな
本当に決定的瞬間を切り取ったって感じがする
9. 匿名処理班
ベトナムの処刑の写真見たこと会ったけど極悪人やったんやね
10. 匿名処理班
どれも印象的。だけどやっぱりネガティブなのが多いのかな。
11. 匿名処理班
最後心配停止じゃなくて心肺停止では?
12. 匿名処理班
「ジョニー・ブライトのハプニング」が凄くもやもやした……
その試合の当事者たちはいま何を思っているのだろう
13. 匿名処理班
沢田氏の写真が無い
14. 匿名処理班
生々しく不快な現実を捉えた場面だから
人の心に残るんだろう
15. 匿名処理班
ラストの画像で‥(T_T)
16. 匿名処理班
人種差別絡みのが多いね
17.
サイゴンでの処刑は映像も残っていて、子供の頃に見た記憶がある。
射殺されたベトコンの頭から噴水のように血が吹き出していた。
学校では警察官が悪い奴だと教わったが、警察官は親友家族をこの男に殺されてたんだっけ。
18. 匿名処理班
すさまじい事情が多くて日本でノホホンと暮らしてる自分には何もいえない
19. 匿名処理班
ベトナムの処刑の写真だけど、動画もあったよね。写真と動画同時に撮ってたのか、動画のフィルム一コマを写真として発表したのか・・・?
20. 匿名処理班
撮った人間と対象、それだけではなく掲載したメディアにも多くの責任や賞賛があるようにも思う。
21. 匿名処理班
サイゴンのは、左に映ってるベトナム軍少佐を映さず、アメリカ軍が映ってるところとセットにしたり、左翼の印象操作捏造がいっぱい出てたな。
プロパガンダなんかバレたら一片の信用も無くなるのにそれでもひっかかる馬鹿を騙し続けて約7パーセントの左翼(馬鹿)が形成されるw
22. 匿名処理班
最後の最後に救われた思いだ
23. 匿名処理班
4で即時射殺された男はテト攻勢でサイゴン市内にゲリラ強襲かけたベトコンの将校だったようね
24. 匿名処理班
やっぱ写真っていいよね。
25. 匿名処理班
最後の一枚に凄く感動した
26. 匿名処理班
写真は真を写すと書くが、真実なんてもんは見る奴によっててんでバラバラだ。
有りのままを写し取る機械なのにかえって混乱と誤解を招く倒錯的な道具である
27. 匿名処理班
ところがどっこい
切り開かれた三和シャッターが旗の如くはためく時代でもある。
確かにそれすらも混乱の文化には違いないなのだが
はためいてしまったものは仕方がないじゃないか
それが負けることが許されないZ旗の宿命なのだから
28. 匿名処理班
いくら写真でも、深い真の事実は伝わらない。
人間は 目を奪われる動物。
思いやりで満たされる地球に成ります様に・・・・・
29. 匿名処理班
1番はあれや、男同士でチューしてんねやーwwwwwwwwwwwwww
30. 匿名処理班
もだえ苦しむのは見るのも体験するのも耐え難いものがあるな
充実した平和な日々が訪れますよーに
31. 匿名処理班
ベトコン処刑の写真はこれまで何回も見てきたけど、
正確な背景を知ったのは今回が初めてだ・・・
真実とは、教育とはなんだろう、って改めて考えさせられたわ
32. 匿名処理班
※35と感想がかぶるが
サイゴンでの処刑、今まで幾度となく見てきたけど警察のほうが悪い奴だと思ってたわ。
無知って恐ろしい……。
この警官の人生はこの写真のせいで破壊されたと記事には書いてあるが、きっと自分みたいに写真から受けた印象だけで批判したやつらが大勢いたんだろうなあ。
自分を正義だと信じ、悪を糾弾しているんだと信じて。
33. 匿名処理班
人が人を救おうとするの普通の事だけど・・・感極まるね。
サイゴンでの処刑、聞いてみないと解らないものなんだ・・・
34. 匿名処理班
3はUNIVERSAL STOMPのジャケットになってたな
35. 匿名処理班
7の警備員はよく当てたな
10の写真はARMYのYが左右反転してるので
アメリカ軍ではないという反論があったのを覚えている
36. 匿名処理班
グエン・ゴク・ロアン少将がかわいそうすぎる
ほんと愚民は勝手だ
37. 通りすがりの猫
ピュリッツァー賞の写真は幾つか見ましたが、アダムズのように「フライデー」的な内容のがありますね。
日本なら「豊田商事会社社長殺人事件」みたいなのを、リアルタイムで撮影した感じかな。
最近、事件や事故を目撃したら、通報よりスマホ撮りとゆうのを耳にしました。ピュリッツァー賞顔負けの写真を、シロウトが撮ることが増えるかもしれません。
38. 匿名処理班
グエン・ゴク・ロアンは写真を撮られたあと、戦闘で右足を失って、アメリカに亡命してピザ屋を始めたけど、写真の件で廃業を余儀なくされたらしいな…。
写真撮ったエディ・アダムスは本人と家族に謝罪したらしいが。
39. 匿名処理班
※11
それも本当かわからんよ、死人に口なしとはよく言ったものだ。
40. 匿名処理班
鳥と少女は?
とても悲しいけど一生忘れないられない写真
41. 匿名処理班
※36
この写真がきっかけの一つになって、それまで戦略的に押してたアメリカがベトナムから撤退→南ベトナム政府崩壊→ポルポト台頭→超大量虐殺
って流れになったんだよね(ザックリだけど)
この経験を踏まえて米軍はマスコミの戦場取材を管理するようになったし、
業界も一般人もメディアが人々に与える影響を論議してきた
今の日本のTVメディアなんかはなんも考えずに片一方を悪者にしたような印象の報道だらけだけどね…