メインコンテンツにスキップ

古代エジプト王「ラムセス3世」は暗殺された?長年の謎が科学で解明される

記事の本文にスキップ

13件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 古代エジプトで神とあがめられた「最後の偉大なファラオ(王)」、ラムセス3世は後継者争いのさなか、暗殺者に喉をかき切られて最期を迎えた。今月17日、科学者たちは、3000年前の王家殺人事件の謎を紐解く報告を発表した。

 現代の法医学技術を駆使した研究によって、ラムセス3世は狡猾な妻と野心家の息子が放った刺客、あるいは暗殺団の手にかかり殺された可能性が示唆された。

 ラムセス3世のミイラのCT画像によると、王の気管と主幹動脈は裂けており、傷は左右7センチにわたり、深さは脊椎にまでほぼ達していたことが分かった。またこの傷によって、首の前面部の軟組織は完全に傷んでいた。

ラムセス3世のミイラ CT画像

この画像を大きなサイズで見る
ラムセス3世のミイラ

 イタリアにあるボルツァーノ欧州アカデミー内の「ミイラとアイスマン研究所)」の古病理学者、アルバート・ジンク氏は「首にあるこの切り傷によりラムセス3世は殺されたという事実にほぼ疑いはない。傷は非常に深く極めて大きく、骨(脊椎)にまで達している。致命傷だったことは間違いない」と述べている。

この画像を大きなサイズで見る

 紀元前1188年~1155年までエジプトを支配したラムセス3世は、古代の書物の中で「偉大なる王」であり、当時の地中海世界で最も価値ある「見返り」だったエジプトを度重なる侵略から守った戦将だと記述されている。

 ラムセス3世は65歳前後で死亡したが、死因は明らかになっていない。ラムセス3世暗殺を共謀した者たちの裁判を記録した「トリノの法のパピルス」という古文書の中にわずかな手がかりがあるだけだ。記録されている4つの裁判にかけられた中には若い妃たちの1人、ティイとその息子ペンタウアー王子も含まれていた。

 喉をかき切られたのは死んでからだった可能性もあるが、古代エジプトのミイラ作成技術にはそうした方法はまったく記録されていないことから、その可能性は非常に少ないと研究チームは述べている。

 また「叫ぶミイラ」として知られるミイラは、ラムセス3世謀殺の後におそらく自殺を強要された息子、ペンタウアー王子である可能性もあるという。

 歴史を見れば、王位継承に横やりを入れようとした者たちの策略は失敗に終わった。王座は、ラムセス3世自らが選んだ息子のラムセス4世に引き継がれた。

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. 王子のミイラの表情が無残だなー。自然にこうなったのか意図的にそうしたのか

    • +4
  2. 以前から言われて無かったっけ?
    ようやく立証出来たよってこと?

    • +4
  3. 素晴らしい この記事を 教えてくれた
    カラパイアさん ありがとうございました。

    • +3
  4. 王子の亡骸はミイラ製造の下処理段階で意図的に悲壮感漂うポーズにされたと思う。
    父殺しの罪であの世に行けるかどうか分からない立場だしね。
    ま、一応反省してまっせ!っていうアピールが込められてるんじゃないかな。

    • +1
  5. 歴史全然知らないんだけど
    片方の息子は自殺を強要されて、別の息子は新王になったってこと?
    母親が違ったのか?

    • 評価
  6. 最初のミイラ画像が柳沢慎吾にしか見えんw

    • -1
  7. 皇子のミイラだとすると、恐らく意図的にこういうミイラにしたんだろうね
    ラムセス三世が暗殺されたとは知らんかったよ
    時代を考えると、あまり出来の良いミイラでなかった裏には、きっと色んないざこざがあったのだろうね

    • +2

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。