メインコンテンツにスキップ

30年前、火星に生命体を発見していた?(NASA研究)

記事の本文にスキップ

42件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 NASAのデータを新たに分析したところ、30年以上前のロボット探査ミッションにおいて、火星に微生物が存在する痕跡が見つかっていた可能性が示唆された。

 1976年、NASAが火星に送り込んだ探査機バイキング1号・2号は、赤い惑星に生命が存在するのかを確かめるべく3つの実験装置を搭載していた。

 そのひとつである、標識放出(Labeled Release:LR)装置による実験にて、生命の存在を示唆したものの、他の2つの実験は、LR実験の結果を裏付けるものではなかったために、結局「いない」という結論にいたったのだそうだが、今回行われたデータを生物の痕跡と非生物の痕跡とに分類する数学的手法を用いて、バイキングが収集したLR実験のデータを解析した結果、LR実験は火星の土壌から微生物の痕跡を確かに発見していたとの結論に達したそうだ。

かつての実験では証拠は得られず

 LR実験では、火星の土壌を採取し、これに栄養素と放射性炭素原子を含んだ水が少量加えられた。土壌中に微生物が存在すれば、栄養素を代謝して放射性二酸化炭素またはメタンガスを放出するはずであり、それが探査機に積んだ放射線検出器によって計測されるというわけだ。

 同時に複数の対照実験も行われた。火星の土壌サンプルを数種類の温度まで熱したり、また別のサンプルを光のない環境に何カ月も置いたりといった実験だ。

 このような条件下では、光合成をする微生物、または光合成生物に依存する微生物は死滅するはずだ。これら対照実験用のサンプルにも、栄養素を溶かした水が添加された。

 この結果LR実験は生命の存在を示したが、対照実験は生命の存在を示さなかった。よって「火星に生命の存在の可能性がある」として当時多くの生物学者が歓喜した。

 ところが、残念なことに、バイキングが行った他の2つの実験は、LR実験の結果を裏付けるものではなかった。他の2つの実験は生命の存在を示さなかったため、NASAは生命存在の可能性は認められないと結論づけた。

火星の“モンスター”ダストデビル

この画像を大きなサイズで見る

火星のダストデビル(塵旋風、じんせんぷう)の最新画像。直径は70メートル程度だが、高さは2万メートルに達するという。

新たなLR実験で火星の土壌から微生物の痕跡

 今回の研究では、データを生物の痕跡と非生物の痕跡とに分類する数学的手法を用いて、探査機バイキングが収集したLR実験のデータを解析した。

その結果、ミラー氏のチームは、LR実験は火星の土壌から微生物の痕跡を確かに発見していたとの結論に達したのだ。

 「栄養素が土壌サンプルと混ざったとき、1分当たりの(放射性分子の)数値は1万カウントほどになり」、火星の自然なバックグラウンド放射線の数値である(毎分)50~60カウントから急増したと、今回の研究に参加した南カリフォルニア大学(USC)の神経生物学者ジョセフ・ミラー氏は述べている。

この画像を大きなサイズで見る
2009年、火星の大気から大量のメタンが検出された

 今回の研究でミラー氏はイタリア、シエナ大学の数学者ジョルジオ・ビアンチャルディ氏とともに、クラスター解析と呼ばれる手法を用いた。類似したデータ集合同士をグループ分けする解析手法だ。

「(バイキングが行った実験および対照実験の)全データをクラスター解析を用いて分類した。その結果、2つのクラスターが生じた。1つは生命の存在を示した2度の実験データからなるクラスター、もう1つは5度の対照実験データからなるクラスターだ」とミラー氏は述べている。

 結果の正当性を裏付けるため、研究チームは、地球の生物由来であることが確実な計測データ(ラットの体温計測データなど)、および非生物由来の純粋に物質的な計測データを用いて、これらをバイキングのデータと比較した。

「地球の生物由来のデータはすべて、生命の存在を示したバイキングの実験データと同じクラスターに分類され、非生物由来のデータはすべて、対照実験のデータと同じクラスターに分類された。きわめて明快な結果だ」とミラー氏は述べている。

更なる検証が必要

 ただし、この結果だけでは、火星に生命が存在する証拠にならないことは研究チームも認めるところだ。「生命の存在を示した実験と対照実験のデータには大きな違いがあることがわかったにすぎない」とミラー氏は述べている。

この画像を大きなサイズで見る

 それでも、今回の結果はミラー氏が以前に行った研究と整合する。先行研究では、バイキングのLR実験の結果から、火星の概日リズムの兆候が見出された。

 概日リズムは、微生物を含め、あらゆる既知の生物に内在する時計であり、歩行、睡眠、体温調節などの生物学的プロセスの制御に役立っている。 この時計は、地球上では24時間周期となっているが、火星では火星の1日の長さと同じ約24.7時間周期となるはずだ。

 先行研究においてミラー氏は、LR実験における放射線の計測数値が、火星の1日の長さと同じ周期で変動していることに気づいた。

「詳しく見てみると、(放射性ガスの計測数値が)日中には上がり、夜間には下がっているのがわかる。(中略)この変動周期は24.66時間で(火星の1日と)ほぼ同じだ」とミラー氏は述べている。「これは概日リズムと言ってよく、そして概日リズムは生命の存在を示す十分な兆候だとわれわれは考えている」。

この画像を大きなサイズで見る
1996年8月7日に時の米クリントン大統領は南極で発見された隕石(1.8 Kg)の中に火星における古い生命の痕跡が発見されたと発表した。

 NASAの次の火星ミッションとなるマーズ・サイエンス・ラボラトリ、愛称「キュリオシティ(Curiosity)」は、2012年中に火星に到達する見込みだ。ミラー氏は、この火星探査車が自分たちの説を裏付ける証拠を見つけてくれると期待している。

「(火星の生命に関する)仮説を直接検証することはないだろうが、メタンを検出することは可能なはずだ。大気中に放出されるメタンに概日リズムが認められれば、われわれの研究結果と十分に一致する」とミラー氏は述べている。

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 42件

コメントを書く

  1. 地球は地下数キロの岩盤でも生物、微生物が棲んでいる地下生物圏があるから
    火星でも生物が地下深く細々と存在してる気がする・・・

    • +1
  2. つうか、なんか誘拐して地球に持ってきてね?
    頻繁い宇宙人くるのそのせいでね?

    • -9
  3. いたとしても昆虫型だろうね、きもいなあ

    • -6
  4. グレンラガンみたいに地下生活あるのか胸熱

    • -1
  5. 現地でそんな実験する力があるなら土壌を掬ってきて地球で調べたらええやん・・・

    • -1
  6. そんな事より月面基地はやくつくろうずw

    • +3
  7. 半年だっけ?
    火星までの移動時間
    マクロスみたいに艦内に町がないと辛いね。

    • +8
  8. 分かったからお前が行って確かめて来いよ

    • -9
  9. 今調べている段階で曖昧な痕跡だけならもういないで良いじゃない。
    本当に生物がいたらもっと鮮明に何か痕跡あるはずだよ。

    • -3
  10. 強力な宇宙線の影響で地表には生命の存在を期待できない俺に掘らせろ
    米国はキュリオシティ以降の全ての火星探査の予算打ち切ったから残念やね
    有人火星探査構想も撤回しちゃったし

    • -4
  11. 火星人子供「カアチャン、天井の上でカリカリ音が聞こえるよ。」
    火星人母「あれはね地球人が何かやってるんだよ。」
    火星人子供「ねえ見に行ってもいい?」
    火星人母「ダメだよ。見つかったら地球人がいっぱいやって来て
         この星をメチャクチャにしてしまうよ。分かったね。」
    火星人子供「ハーイ。」
    火星人母「さあ早くご飯を食べてしまいなさい。」

    • +16
  12. で、コレがロケット打ち上げなどで地球から送り込んじゃった奴だって証明できるの?

    • +6
  13. 火星中を耕して芋とか米とか作りたいお(´・ω・`)

    • +1
  14. 人間も体内時計が火星の一日と完全に一致する
    我々も、太古の昔、火星からやってきたのだろう

    • +5
  15. やはり地球人の先祖は火星と月から来てたんや・・・

    • +2
  16. 移住計画の失敗で火星に取り残され過酷な生活を強いられた人々は、新国家ヴェイガンを興し武力制圧による地球帰還計画を遂行した(以下打ち切り)

    • 評価
  17. サムネにつられてやってきましたよ。
    他の米でも言われているように、もっと奥深く探索した方が良い結果出ると思うんだけどなあ。表面なんて見るからに何もいなさそうなのに。

    • +2
  18. アメリカって何でも隠そうとするよな

    • +4
  19. はっきり見せないとダメだなw
    信用できんなw

    • -2
  20. あのガイコツはゴッドマンに出てたよね

    • 評価
  21. あのガイコツ映像・・・
    どう見たって合成だろww
    矢追純一を思い出してしまった(-_-;)

    • 評価
  22. 地球にもいくらでもキモイ生物いますからなぁ

    • +5
  23. 地球にいる大津のくそガキやそうかとかの気味悪いぜ
    何人だってやつたくさんいるし
    火星のは昔は、ビルぐらい長い巨大芋虫とかいただろうね
    きもいww

    • -6
  24. デフォルメキャラみたいな骸骨が可愛かった

    • +4
  25. 体内時計が火星と同じってのはもうそういう事でしょうな

    • +1
  26. 偽もに写真混ぜることで、この手の真実を隠すことが可能だ。
    月や火星、フォボスなど人類が驚愕することは多いだろう。。しかNASAが全て真実を公表すれば世界中でパニックが起きてしまう。。。
    恐怖心と株価下落を招くので、NASAは発表したくとも出来ないだろう。
    そして、誰もきちんと説明できないのが問題だ。

    • +1
  27. 一枚目が合成とか、わざわざ突っ込むところが可愛いw

    • +2
  28. 宇宙人は普通にいるだろうな
    人間の立場でここには住めないとか決めつけてるけど
    それは間違いだ
    水が無いと生き物はいないって考えも愚かだ
    水が無いと生きれないのは地球の生き物の話

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。