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量子力学の謎に挑む、光を37次元で測定し、常識を超えた世界を証明

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(著) (編集)

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image credit:unsplash
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 ポストを開けるまで、中に手紙があるかどうかは決まっていない」そんな量子の不思議な世界を、物理学者たちが前代未聞の方法で証明した。

 量子の世界では、観測するまで事象が確定せず、複数の可能性が同時に存在することが知られている。そんな不思議な現象が本当に起こるのか?

 中国科学技術大学の研究チームは、この「グリーンバーガー=ホーン=ツァイリンガー・パラドックス(GHZパラドックス)」と呼ばれる量子力学の理論を厳密に検証するため、光の状態を37の異なる次元で考慮して測定する実験を行った。

この研究は、量子の不思議な性質がどこまで常識を超えているのかを探るものだ。

局所実在論―「普通の世界」の当たり前のルール

 今あなたは自宅のポストに郵便物が入っているかどうか知りたいとしよう。知る方法は簡単。ただポストを覗き込めばいいだけの話だ。

 うれしいことに、中には友達からの誕生日カードが入っていた。あなたが確認したのはたったそれだけのことだが、そこからもろもろの流れを推測することができる。

 友達があなたの誕生日を覚えていてくれて、郵便局のポストに誕生日カードを投函し、配達の人が大きなトラブルなくあなたの家にまで届けてくれたのだ。

 こうしたわかりやすい世界の理解の仕方を「局所実在論」という。局所実在論の世界では、あなたがポストを覗こうが覗くまいが、そこに誕生日カードが届けられたのなら、誕生日カードはそこにある。

 この世界観の持ち主なら、友達の家からあなたの家に誕生日カードが届いた一連の出来事をすぐに想像できるだろう。そして科学の多くの分野では、局所実在論がこの世界の前提であり、それで十分事足りる。

 ところが量子物理学はそんな世界観をぶち壊してしまった。この世界はあなたがすんなり理解できる仕組みでは成り立っていなかったのだ。

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Image by Maria Saunders from Pixabay

量子の世界と局所実在論との矛盾

 量子の世界の特に奇妙なところは、それが局所実在論の常識に反することだ。

 局所実在論の世界では、ポストの中身はあなたの観察とはまったく関係がない。

 だが量子の世界では、あなたが自宅のポストを覗いてみるまでは、誕生日カードが入っているかどうか決まっていない。

 友達が誕生日カードを送り、それを配達の人が家のポストまで届けてくれたかどうかは、あなたが実際にポストを確かめたとき初めて決まる。

 さらに難解なことに、郵便局の配達人がカードをあなたの家に届けていないのに、自宅のポストにカードがあるような状況すらあり得る。

 こうした量子の世界と局所実在論との矛盾を示したのが「グリーンバーガー=ホーン=ツァイリンガー・パラドックス(GHZパラドックス)」である。

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Image by ninita_7 from Pixabay

光子の振る舞いを37次元で計測

 こうした量子の世界と局所実在論との矛盾を示したのが「グリーンバーガー=ホーン=ツァイリンガー・パラドックス(GHZパラドックス)」である。

 今回、中国科学技術大学チームは、光子を使った実験でGHZパラドックスを検証した。その実験では、誕生日カードの代わりに光子が、郵便局とポストの代わりに、光ファイバーシステムと干渉計測装置が使用された。

 しかし、この量子のふるまいを正しく解析するには、通常の3次元空間や時間の枠組みだけでは足りなかった。

 そこで研究チームは、光子の量子状態を記述するために、数学的に37次元の構造を導入し、解析する実験を設計した。

 ここでいう「37次元」とは、光子の量子状態を数学的に記述するための次元数であり、私たちが暮らす空間的な次元(上下・前後・左右)+時間とは異なる。

  量子のもつれや相関を正確に表すには、通常の3次元空間では不十分であり、より高次の数学的構造が必要だったのだ。

 この実験では、「3つの要素」として、光子の偏光や位相など異なる性質を測定し、それらの関係(量子もつれ)を詳しく分析した。

 観測された相関関係を逆算すると、わずか3つの要素だけでも、局所実在論の常識が通用しないことが示されたのだ。

この実験では、光子の量子状態が37次元の数学的な構造として記述されたが、それが物理的にどのような意味を持つのかはまだわかっていない。

未来の通信システムとして実用化が期待される量子テレポーテーションも、こうした高次元の量子状態のおかげで可能なのだろうか?

 37次元という設定は、単なる数学的な道具なのか、それとも物理的な意味を持つのか?

 もしこの数学的な高次元構造が物理的に意味を持つのなら、なぜ私たちはこの世界を「3次元 + 時間の1次元」としてしか認識できないのだろうか?

この研究結果は、より高速で堅牢な量子回路の開発に役立つ可能性があるというが、凡人には困惑しか残らない。この世界の真実は、ちっぽけな人間の脳の理解も想像も超えているのだと、ただただ戸惑うばかりだ。

 映画「マトリックス」ですら途中からこんがらがってしまう私には量子の世界は深すぎる。

 この研究は『Science Advances』(2025年1月29日付)に掲載された。

References: Quantum Experiment Reveals Light Existing in Dozens of Dimensions : ScienceAlert

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この記事へのコメント 28件

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  1. ふむ、なるほど……興味深いですね(メガネクイッ)

    • +3
  2. 「ある時は、ヒッっ!」 多羅尾伴内かw

    • -3
  3. よくわからんけど、38次元ではないということが証明されたわけじゃないんじゃないの
    そうなると、光が37次元の存在だと明らかになった は正しくないんじゃないの

    • -6
    1. 37次元を仮定した時、最も説明力が高くなったと推定されたということだと思う。

      • +5
      1. 37次元を仮定したとして、その説明も根拠も無いから話半分だわな

        • -4
  4. すごい……何言ってるのかまったくわからない!

    • +21
  5. 量子の世界ではポストを観測するまで手紙が届いた状態と届いて無い状態が存在して、ポストを観測して手紙が届いてたら、その瞬間に時間も空間も超越して友達は昨日手紙を書いた事になって、郵便屋さんは手紙を数キロ運んだ事になるみたいな解釈でOK?

    • +5
    1. 未来が決まってから過去が発生する??

      • 評価
      1. 発生する訳じゃなくて、どちらもパターンも存在してる。観測した瞬間に手紙があったら友達が昨日書いた事になるし、手紙が無ければ友達は昨日書いて無い事になるみたいな。
        よくわからんけど、量子の世界では時間も一つの次元と捉えて、過去→未来みたいな一方通行じゃなくて未来→過去みたいな干渉も出来るのかなと? まぁ理解出来てる訳じゃ無いけど。

        • +3
    2. 誤解を恐れず考えるならば、手紙が「贈りて→郵送→受けて」で渡るのは単純明快だが、実際には何時に到着するかはわからない
      「○時指定」でも○時の「○時□分△秒」に到達するかは贈りても受けてもわからない
      さらに状況を考慮していけば、途中で何らかの事故・あるいは天候による配達の遅延・停止、誤送に遭ったりすれば受けてに届かない事がある
      なので実はリアルの郵便物も「ポストを開けるまでは届いているかはわからない」とも言える
      ただ、それは全て”観測可能な同じ次元”で起きているから、配送ミスや遅延は郵便局に問い合わせたりすれば判断できる

      しかしながら、現状の科学常識では低次元の存在はより高次元を観測できないという縛りがある
      よって、実際には何からの事情や理由があってそこに到達していたとしても、”ポストを観測して手紙が届いている”ようにしかみない
      …と言う話にも思える

      • 評価
  6. 33次元の設定自体が説明不足でわけわからん。
    この記事を読む限りにおいては100次元でも1000次元でも成り立つ可能性がある、というふうに解釈できると思うのだが・・・

    • +2
  7. よくわからないけど、データを保存するスペースは無限にある感じ?

    • -1
  8. オッカムの剃刀てきには37次元ってことじゃないのか?

    • +1
  9. ここで言ってる次元がいまいちというか、正直わかりません。

    ヤギさんが途中でお手紙食べた。

    • +3
  10. 次元は人間の都合が生み出した仮想プラットフォーム。

    • 評価
  11. 他の世界線が存在するということだな

    • 評価
  12. 物質世界とは、我々意識体が行った選択によって光子が振動した事象を我々自身が観測したもの
    我々の意識もそのプロセスの一部なので、我々目線ではその全貌を捉えるのは難しい
    データは最初から膨大に存在し、それらを量子が繋ぎ、光子が現す
    人がそれを把握しようとするのは、アニメの登場キャラたちが「我々のこの世界は現実なのか?」と考察するようなものかも

    • 評価
  13. 検索してみた
    次元数とは「一つの点の位置を決めるのに要な独立な座標の数」だとか…
    3次元では通常「縦横高さの3つの次元座標」の位置をわかれば特定できるわけだけど
    量子力学では「電子など微粒子は運動量を測るとその位置は分からず、位置がわかるとその運動量は分からない」
    これを『不確定性原理』と呼ぶ(ここまでは理解してる)

    で、この『原理』に基づき(?)光子(フォトン)を使った実験をしたところ
    「光は古典物理の想像をはるかに超える37もの次元にまたがって存在している」という結果を得た
    ということらしい
    光子の状態を決めるには37の座標が必要という言いかたもできるけど…
    宇宙の歴史や構造にかかわる実験らしい
    つづく

    • +3
  14. で考察
    もう一度、3次元で見ると「光は空間を真っ直ぐ飛ぶ」これはある意味正しい
    レーザー測量などがそうで、今では当たり前のように使ってる
    でも、これニュートン力学なんだ(余談だが彼は虹の研究もしている)

    実際は3次元のゆがみの中「光は空間に沿って最短時間の道を走る」相対性理論なんだ
    つまり運動や質量で空間は曲がっているけど、その中で一番早く抜けられるコースを光は選んでるわけ
    これは普段意識しないけどね(それを測る物差しも空間に沿って歪んでいるから 関連:重力レンズで検索)
    それでも近年、宇宙開発とか観測には相対論で見ることが必要になったんだ

    そうなると今回の実験は、また新しい見方を教えてくれてるのかもしれない

    • +4
  15. 37次元とかいうと混乱するけど,言ってる事は計測要素が37個にわたっていると言うだけの話でしょ。ひも理論では11次元だと言うし、日本の理論物理学者のかたは空間は25次元で構成されていると証明したとか。次元ってややこしいね。

    • 評価

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