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宇宙には黄金がどっさりある。それはどこからやってきたのか?調べれば調べるほど謎は深まるばかり(英研究)

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(著) (編集)

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宇宙にある大量の黄金 / Pixabay
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 地球上で金は、その美しさばかりでなく、希少であるがゆえに高い価値を認められてきた。この前テレビで叶姉妹がいってたけど、現在金の相場が上がっているらしい。

 だが、実のところ宇宙には、金が潤沢にある。だがそれらの金はどこから来たのか?

 最新の研究によると、調べれば調べるほど謎は深まるばかりなのだという。

宇宙に散りばめられた金の謎は深まるばかり

 金は元素だ。だから、かつて錬金術師が試みては失敗してきたように、普通の化学反応によっては作ることができない。

 それを生成しようとするなら、79個の陽子と118個の中性子を結合させて、1つの原子核にしなければならない――核融合反応を起こさねばならないのだ。

 しかし宇宙を見渡しても、地球や太陽系に存在する金を作り出せるほど、そのような核融合反応が頻繁に起きている気配はない。

 現時点でもっとも一般的な仮説は、「中性子星の衝突」によって金が作られたというものだ。またもう1つの可能性として、「超新星の爆発」が起源であるという説もある。

 だが、『The Astrophysical Journal』(9月15日付)に掲載された最新の研究では、そのいずれでも宇宙にある金の豊富さを説明できないのだという。つまり、謎がいっそう深まったということだ。

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Pixabay

中性子星の衝突は滅多に起きない

 中性子星が衝突すると、陽子と中性子が融合して原子核となり、金が形成される。そして、そうした金が宇宙全体にまき散らされる。

 しかし、これを指摘した過去の研究は、実際に中性子星が衝突することが非常に稀であることを考慮していないという。

 その頻度を正確に推定するのは難しいにしても、それほど一般的な現象でないことは確かだろう。というのも、衝突が実際に観測されたのは、これまでたったの1度だけだからだ。

 英ハートフォードシャー大学の小林千晶博士らによる大まかな推定では、太陽系に存在する金を作り出すだけでもまるで足りないという。

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iStock

金をまき散らす超新星も稀

 一方、宇宙にある金の起源が超新星である可能性も指摘されている。

 しかし核融合によって金が生成されるほどの質量を持つ星が超新星爆発を引き起こした場合、普通ならブラックホールになってしまう。すると、せっかく作られた金はブラックホールに飲み込まれて消えてしまう。

 そこで考えられるのが、高速で回転する星が爆発することで起きる「磁気回転超新星爆発」という非常に珍しいタイプの超新星だ。

 このタイプでは、星は強力な磁場によって破壊されて、爆発するときに内側と外側が裏返る。そのとき金の原子核がたっぷり含まれた白く熱い物質のジェットを放出し、金を宇宙に散りばめてくれる。

 しかし金を生成する星はきわめて稀である。生成したうえでそれを宇宙にまき散らす星となるとさらに輪をかけて稀だ。

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iStock

宇宙にちりばめられた金の謎解きはまだまだ続く

 第三者である米ミシガン大学のイアン・ロデレール氏によると、これまでも中性子星の衝突だけでは足りないという説を提唱した科学者はいたが、小林博士らの研究は、膨大なデータから銀河の進化や化学物質の生成に関するモデルを構築している点が優れているのだそうだ。

 それが対象とする範囲は徹底しており、軽いもの(炭素12:陽子6個、中性子6個)から重いもの(ウラン238:陽子92個、中性子146個)まで、普通なら無視されてしまう原子をも含んでいる。

 しかし、そのおかげで宇宙に豊富な金が存在する理由は、ますます分からなくなってしまった。

 金の生成について、まだ知られていない秘密があるのか? それとも中性子星の衝突は既存のモデルで予測された以上の金を作り出すのか?

 科学者は今日もその謎を追い求めている。

The Origin of Elements from Carbon to Uranium – IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/abae65

References:livescience/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 53件

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  1. 実は宇宙の年齢は150億歳じゃない説。数千億歳とかなら金の生成事象が稀であっても説明が付く。ビッグバン説も実は定説じゃない罠。

    • +7
    1. ※3
      ペンローズが、ビッグバンの前にも何度も別のビッグバンがあったって言ってたよ。

      • +1
      1. >>26
        …と言う事は、ビッグバンをくり返し、最終的にはもっとも重い元素だけの宇宙になるとか…?

        • 評価
      2. ※26
        宇宙って、膨張の後収縮に向かうというから、収縮が極まったらまた一点に凝縮して新たにビッグバンを起こすんじゃないかな
        収縮→凝縮過程で、超新星爆発どころじゃない反応が起こっても不思議じゃないよね
        で、生成された物質は消滅しないわけだから、新たなビッグバンと同時に放出されるので、宇宙に散らばっていく…

        • -1
    2. >>3
      そしてビッグバン論者が「ありとあらゆる観測的事実と理論によって既に確証された理論」と憚ってビッグバン説以外の話をしたがらない、という二重の罠もある。

      • -2
  2. ブラックホールで作られた物質がホワイトホールから噴き出してくるんじゃないの(てきとう)

    • +2
  3. 昭和のSFマンガで、純金がただの岩コロの星、ダイヤモンドの塊の星がネタでチラホラあったけど、本当にあるとわかってからは面白味が減ってしまったなぁ。
    他方のロマンが増した分、コッチのロマンは減った気がします。

    • +1
  4. 太陽の様な標準的な星でも水素をヘリウムにしたりといった事は出来る。何十億年も掛ければ水素を結構な量さらに重い元素に変えられるだろう。

    が、金の様に重い元素に変えるとなるとそう簡単にはいかない、太陽どころか宇宙で一番熱く重い星の中心部をさらに超える温度と圧力が必要。超巨大な星が寿命を迎える時にほんの一瞬とてつもなく内部の圧力と温度が上がりごく少量、金やそれ以上に重い元素が出来るが、当然ながらその『巨大恒星が寿命を迎えた時の爆発』だけでは宇宙に山ほどある重い元素の存在比の説明は出来ない。

    • +1
  5. 惑星生成時にしか出来ない金属…とか考えると何だか滅茶苦茶凄い気がして来る

    • +2
  6. 大変興味深い記事でしたが、金だけではなく、他の重たい元素についてはどうなのでしょう?
    例えば水銀の原子番号は金よりも一つ多い80であり、金と同様に宇宙における生成は極めて困難であると考えられます。
    ですが、地球上で水銀は金よりおはるかに多く存在しています。
    ありふれた金属である鉛に至っては、原子番号82ですしね。

    いずれにせよ、恒星内における核融合反応では、鉄(原子番号26)までの元素しか生成されませんから(太陽レベルでの大きさの恒星では酸素くらいまで)、鉄よりも原子番号が大きい元素がこれだけ大量に宇宙に存在することには、まだまだ深い謎が隠されていると思われます。

    原子番号27(コバルト)以上の元素の誕生には超新星爆発が必要ですが、極めて希な現象である超新星爆発が、過去の宇宙においてはそれほど頻繁に起こったのでしょうか?

    しかも金は、通常の超新星爆発では生成できない。
    ううむ…..

    • +6
    1. ※8
      私が得ている知識では、現在の太陽系や地球は過去の超新星爆発の残骸を再利用しているわけで、第三世代とのこと。現代の錬金術では中性子が飛び出してくる原子炉に水銀をツッコむことで放射性水銀を作り、崩壊を待って金にするという方法がありますが、少ししか作れません。

      • +1
  7. 案外もっと簡単な方法で生成されてたりするのかな

    • +4
  8. 地球上に腐るほどある液体の水のおかげで金が
    地球生成時に追い出されちゃったなんてねえか

    • -1
  9. あ、でもビッグバンが打ち上げ花火だとして、終わりのない拡張で星や銀河の残差はだんだん散り散りになるけど、何度も何度も似たような場所に花火を打ち上げれば、燃えカスも積もり積もって増えていくのかも?その場合は物質的に安定な重金属が燃えカスとして残りやすいだろうね。そうなると金とかは大部分がこれまでの宇宙の残りカス?

    • +1
  10. 宇宙黎明期のファーストスター群はいずれも桁外れに巨大な恒星であり寿命も極端に短い
    当然爆発は超新星の前に超弩級がいっぱい付く想像を超える規模であると思われる
    これらのファーストスターからセカンド~サードスターが膨大な重い金属系元素を立て続けに生み出したと思う
    セカンド~サードがファーストスターの生み出した重元素を包含すればファーストスターほど巨大でなくても恒星としてより質量が小さくてもモリモリ誕生することができる

    ファーストスターがなぜ桁外れの質量・大きさになるのか
    それは初期宇宙は水素~ヘリウムという軽元素がほとんどだからそれらが生み出す超巨大な塊ができないとファーストスターが誕生しないから必然の条件になる

    宇宙にある軽元素以降の元素は星によって続々と生み出された賜物である

    • +2
    1. >>13
      でも記事中にあるように、そういう巨大な星はブラックホールになってしまうんじゃないだろうか?

      • +1
    2. ※13
      確かに「宇宙にある軽元素以降の元素は星によって続々と生み出された賜物である」わけですが、たとえファーストスターであっても、超新星爆発程度では金のような重い元素を生成することは無理なのですよ。
      そして記事にあるとおりに
      「しかし核融合によって金が生成されるほどの質量を持つ星が超新星爆発を引き起こした場合、普通ならブラックホールになってしまう。すると、せっかく作られた金はブラックホールに飲み込まれて消えてしまう。」
      わけです。
      そこで、金のように重い元素は中性子同士の衝突ではないかという説が浮上してきたわけですが、そのようにまず通常では起こりえないごく稀な現象では、宇宙に存在する金の量が説明できない、というのがこの記事の内容です。

      • +2
      1. >>24
        超新星爆発で宇宙のあちこちに吹き飛ばされるから、『残りカス』で出来た固い芯がブラックホールや中性子性になるだけで、一定量はばら蒔かれます。

        • 評価
  11. 偶々中性子星で生まれた金が過去の太陽系に飛来したのでは?
    確率は低いだろうが、そもそも生命さえ偶然生まれたものだし

    • 評価
    1. ※14
      地球や太陽系にある金の量の話ではなく、観測できる宇宙の星々に存在する金の量の話ですよ。(恒星が発する光の分析で、含まれている元素の量が推定できますから)

      • +1
  12. 宇宙で貴重な資源は石油だと思っている

    • 評価
  13. レンジでチンされてできるんじゃね
    強力なガンマ線バーストで重力じゃ思いもよらないような高温高圧が与えられ
    星丸ごと金に変わるとか

    • +2
  14. ブラックホールもあるわけだし
    普通に重力による核融合とかじゃないの?

    • 評価
  15. 核融合で金を作るのが大変そうなので、核分裂で金を作ろう
    というのはだめなのか

    • 評価
  16. これまで存在した全ての宇宙のエントロピーの累積。
    強くてニューゲーム的なやつね。

    • +2
  17. 金でできた惑星、それはなぁ~んだっ?

    • 評価
  18. 先代の太陽系の知的生命体が大量に金を作ってた。

    • 評価
  19. 太陽の130倍以上の極めて重い恒星の超新星爆発は中性子星もブラックホールすらも残さず爆散すると聞いたが、それなら生成された重い元素も大量に撒き散らされるのでないかな?

    他に考えられるのは、いまだ謎が多い常温核融合(元素変換)とか?
    鉄より重い元素を更に重い元素に変換したとの話も聞くし。

    • 評価
  20. 宇宙が始まった頃は物理法則が違うだろ

    • 評価
    1. ※32 一次元だったもんねぇ。 今は7次元くらいか?

      • 評価
  21. つまり宇宙には錬金術師の星があるってことだな

    • 評価
  22. ビッグバン時には水素やヘリウムが生成され、鉄までの元素は恒星内で生成される。
    スーパーコンピューターの計算では、中性子爆発では原子番号40~50の元素が全く生成されず、中性子星合体の場合は原子番号40~92のほぼ全てにわたって太陽系の重元素分布と同じ割合で生成されることが分かったとのこと。
    中性子星合体は、「KAGRA(かぐら)」で1年に数回程度の割合で観測されると予想しているらしい。

    • +3
  23. そういえば、『チンプイ』で
    ある時ふと あっちの星ではアルミが貴重な金属と知り
    1円玉を掻き集めて一儲けを企んでいたら、
    アルミが豊富な星が発見されて鉱山開発で価値が暴落していた
    みたいなエピソードの回があった気がする。

    • +1
  24. 宇宙では、現在の人類が想定しているよりも、多くの化学反応を経ている…という事だろ?人類なんかの手に負えないくらい、宇宙は広くて深淵なんだよ。もう宇宙の謎は全て解き明かした…なんて考えるのは、浅はかだ…って事だな。

    • 評価
  25. ブラックホール周辺の高温高圧リングで生成されてその一部がプラズマジェットで飛んでいくんじゃないかな。なにせどの銀河にも存在するし銀河生成期にはかなりの原子を吸い寄せていたはずだから銀河全体に行き届くはず。

    • 評価
  26. 遠い宇宙の彼方で、
    誰かが金にバイバインを一滴。

    • +1
  27. ま、そのうち分かりますから気長に待ちましょう。

    • 評価
  28. 人類が生まれるよりはるかに昔にあった宇宙文明が宇宙全体に都市を築いていて、その文明が崩壊し、風化した結果、多様な元素が宇宙全体にばら撒かれたとか?
    そういう妄想でも無いと説明できないってこと?

    • 評価
  29. 宇宙誕生の初期段階で生成された可能性ってないのかな?
    最初は高温・高圧の状態だったんでしょ?
    そこから原子が形成できるほどまで緩くなったところで水素だけじゃなく様々な原子が生まれたとしてもおかしくない気がする。

    • 評価
  30. ビッグバンの前の点だった状態で既に金があったんじゃない?

    • 評価
  31. かつてシュメールでアヌンナキという神/宇宙人が金を取りに地球に来たといっていたらしいが、確かに電子機器には欠かせない金が宇宙的に希少ならば、宇宙人が来る理由になってるのかもしれない・・・

    • -2
  32. 信仰心が有ればインスピレーションも得られるだろうに。
    何故赤ちゃん出来るの?って聞いてくる子供みたいなもんだ。

    • -3
  33. 本物の金塊は金属を削って
    金に塗っていれば作れないこともない
    てかそうじゃないと純真な金なんて
    人間では作れない

    • -4
  34. >>しかし核融合によって金が生成されるほどの質量を持つ星が超新星爆発を引き起こした場合、普通ならブラックホールになってしまう。すると、せっかく作られた金はブラックホールに飲み込まれて消えてしまう。

    そこで疑問が湧く。その続きは?

    つまりジェットを吐き出すブラックホール(BH)も発見されてるよね。そのジェットに金は含まれていないの?そういうBHも過去にあったのではないの?

    • 評価
  35. >衝突が実際に観測されたのは、これまでたったの1度だけだからだ。

    中性子星の衝突が観測できるレベルの天体観測技術なんて、ここ数十年くらいの話だろ?
    そのたった数十年で、しかもこの地球から見える範囲だけでも一度は観測できてるなら、宇宙全体で言えばそれこそそこらじゅうで起きてるんではないのかい?

    • 評価
  36. 仮に10年で本当に1回しか起きないのだとしても
    10000000000年くらいあるわけだしなぁ

    • 評価
  37. 今の希薄化した宇宙では合成されない元素って言うんなら、もっと昔の濃厚な宇宙で
    合成されたんじゃないの?
    なんでずーっと今現在の密度だったって前提で考えているのかわからない。

    • 評価

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