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あらゆる作物を喰らい尽くすバッタの大群は、フェロモンに誘導されていた(※バッタ出演中)

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(著) (編集)

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バッタの巨大な群れはフェロモンに誘発されていた/iStock
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 今年人類を襲ったのはコロナだけではない。

 東アフリカ、インドやパキスタンなどの中央アジアでは、バッタの大群が飛来し、農作物を手当たり次第に食い荒らすという深刻な事態が発生。国連食糧農業機関によると、こうした被害により、今年東アフリカでは2500万人以上の食料が不足すると懸念されている。

 日本政府は8月中にも中央アジアなど6カ国へバッタ駆除の殺虫剤や噴霧器、発生場所のデータを収集・共有するための全地球測位システム(GPS)の受信機を提供する支援を始めるという。

 古来から人類を悩ませてきた「蝗害(こうがい」だが、なぜバッタは大量発生し群生化してしまうのだろう?

古来から人類を苦しめてきたバッタによる蝗害

 バッタの大群による「蝗害(こうがい)」は、古来より人類を苦しめてきており、さまざまな文献にその記録が見られる。

 たとえば紀元前13世紀ごろの記録とされる『出エジプト記』には、「イナゴが全地をおおい、太陽の光がさえぎられ薄暗くなった――エジプト中の木や草が食い尽くされ、緑は何一つ残らなかった」と記されている。

 また、アッカドに伝わる風と熱風の悪霊パズスや、『ヨハネの黙示録』に記されるバッタの大群を率いる奈落の王アバドンなど、ときに神格化されることもあった。

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ブレーム動物事典(第二版)挿絵 image by:public domain/wikimedia

バッタを惹きつけ大群化させるフェロモンが特定される

「トノサマバッタ」は、地球上でもっとも広く分布するバッタだ。一般的には成長すると単独で生きる(孤独相)が、中には大群で移動(群生相)し蝗害を引き起こす仲間もいる。

 これまでトノサマバッタが大群を組むようになるきっかけは、仲間が出すフェロモンだと推測されてきたが、それがどの化学物質なのか具体的には分かっていなかった。

 しかし、このほど中国科学院の研究グループによって、そのフェロモンが「4-ビニルアニソール(4VA)」であることが特定され、『Nature』(8月12日付)で発表された。トノサマバッタはこの集合フェロモンに反応して、孤独相から群生相へと行動パターンを変化させるのだという。

Fighting a locust plague amid Covid-19 in east Africa

 4VAは、オスもメスも、若い個体も成虫も同じように惹きつける。こうしてバッタが集まるほどに空気中の4VAはいっそう濃くなる。だからこそ、一度群れが形成される際限なく拡大していってしまうと考えられる。

 また孤独相のトノサマバッタが4、5匹集まると、4VAを分泌し出すことも突き止められたという。ちなみに人間にも4VAの甘いニオイが感じられるそうだ。

フェロモンを利用したバッタの駆除方法

 これまで蝗害の対策としては、広範囲に大量の殺虫剤をまくしかなかった。そうした殺虫剤は、無関係な動植物や、場合によっては人間にとっても有害なものだ。

 だが、今回の発見により、4VAに惹きつけられるバッタの習性を逆手に取ることができるようになった。4VAを合成し、大群を一か所におびき寄せて駆除すればいいのだ。

 研究グループが、4VAを塗布したネバネバの捕虫器でこれを実験してみたところ、十数匹のバッタを捕獲することができたという。

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iStock

 もう1つの方法として、バッタの嗅覚を破壊してしまうやり方が考えられる。バッタはフェロモンを触角で感知しているので、遺伝的に改変して触覚の嗅覚受容体を消してしまうのだ。これを野生に放てば、フェロモンを感じにくい個体が広まる。

 あるいは抗フェロモン物質のようなものを開発して、それを散布することでバッタがフェロモンを嗅ぎにくくすることもできるかもしれない。

 なお、今年東アフリカを襲ったバッタは「サバクトビバッタ」という種で、トノサマバッタとは別種だが、おそらくは今回明らかになったことを応用できるだろうとのこと。

 仮に4VAがサバクトビバッタを惹きつけなかったとしても、別の集合フェロモンを発見する手がかりにはなるそうだ。

4-Vinylanisole is an aggregation pheromone in locusts | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2610-4

References:sci-news / sciencenews/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 23件

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  1. 運用的にショッカーって本当は仮面ライダーを5000人くらい作る予定なんだったりして
    死神博士こえー

    • -3
  2. 殺虫剤や農薬のせいでバッタを食用にできない という話だったから、フェロモン捕獲法で安全な食用バッタが捕獲できるかもしれんな。

    • +6
    1. ※2
      群生相のサバクトビバッタやトノサマバッタやイナゴは外骨格と羽根ばかり発達していて中身はスッカスカ (勿論内蔵も筋肉もあるけど) で、どんなに料理してもとても食えたモンじゃないって聞いたことありますよ。

      • +7
      1. ※11
        そうなんだ(´・ω・`)・・・
        イナゴの佃煮のようにはいかないんですね

        • +2
      2. ※11
        一番の問題は何でも食べるせいで化学物質や毒草の成分がたっぷり溜めっていること

        • +4
      3. >>11
        実際には食料として昔から利用はされてます。
        昔の書物ではカラカラに乾燥させたあと石臼で挽いて粉にし、
        それを粥にかけたりといった利用がされたと書かれてます。

        • +1
        1. ※22
          普段はね。
          群生相の時はバッタ体質が変化して※11の説明の通り食べられなくなるのよ。

          • +2
        2. >>22
          粉末やったら使いやすかろうなー
          大量消費ものぞめるかも

          • 評価
    2. ※2
      おっしゃる通りです
      生態系を壊さない程度にイナゴで食糧難を回避するってのはどうかしら(´・ω・`)?
      加工場が増えれば職を得られる人も増えるし
      ほっといても増殖するなら養殖もできるだろうしそれもまた仕事場を提供できるだろうし
      地元では普通にイナゴの佃煮食べてるよ

      • +3
  3. フェロモン モンモン フェロモン モンモン~♪

    • -3
  4. つまりそのホルモンを兵器として運用できる可能性も出てきたと

    • +2
  5. ラッコ鍋じゃなくてバッタのフェロモンが原因だったのか?!

    • +1
  6. 中国には届かない言われてたからアフリカで撒いたんやろなあ

    • +1
  7. バッタ博士は今頃何をやってるんだろうな

    • 評価
  8. 遺伝子改変のバタフライエフェクトがなんなのか
    植物を食い尽くすことで何らかのメリットを
    食い尽くされる以上に発生させているのか

    ただ二度と群れなくさせるだけに留まるのか
    分からない以上は安易に遺伝子改変とかするべきではない

    ……って一応思っておくけれど
    こいつら別に群れなくさせてもいんじゃね?
    と思う自分もいる

    • +1
  9. サバクトビバッタは硬いだかなんだかで食用には適さないって聞いたけど、イナゴ以外にも食用バッタっているのかな?
    フェロモンで誘導出来るなら大きな湖とか海とかに…って思ったけど、近隣の人からしたら生物兵器だよね

    • 評価
  10. フェロモンを雨に混じらせて降らせたら特定地域に蝗害起こせそうですね

    • 評価
  11. バッタたちを一か所に集めて、まとめて駆除することが出来るかもしれないね

    • 評価
  12. ダイソンのお化け掃除機みたいなの作って全部吸い込んでしまいたい!
    農作物の肥料や養殖魚の餌とかできないかな~

    • +2
  13. トノサマバッタを四五匹集めて虫かごに入れて
    空港や高速道路の芝生に放置すれば良いのか

    • -1
  14. いろんな生態系のありようはあるけど、蝗害だけは明らかに生態系の暴走だとしか思えない。
    あるいは人間の耕作という自然に反する行為に対するガイア理論的な自然のカウンターなのか。
    いずれにせよ百害あって一利なしだと思うので、撲滅を目指すべき。

    • -1

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