メインコンテンツにスキップ

15世紀のイタリアの植物手稿「ハーバリウム」の挿絵がヴォイニッチ手稿っぽくて癖になる

記事の本文にスキップ

27件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
イタリアの植物手稿「ハーバリウム」image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN
Advertisement

 あのヴォイニッチ手稿っぽい?ってタッチのファンタジーな植物のイラスト。

 これはイタリアで15世紀に作られたと推測されているハーバリウム(植物標本集)の一部で、当時イタリアで使用されていたハーブなどを描いたものだ。

 およそ200点もの種を載せたこの本は完成まで50年もかかり、15世紀前半に描かれたイラストと後半の世代のイラストで構成されている。

 異なるタッチで描かれた興味深いイラスト本。その中身をのぞいてみよう。

人面もあり?15世紀のイタリアの植物イラスト

 羊皮紙の表紙の中に植物のイラストがおさめられているこの本は、イタリア北東部のヴェネト州で15世紀に作られたと考えられている。

 タイトルはイタリア語でハーバリウム(植物標本集)を意味するErbario(エルバリオ)とあり、当時の人々が使っていたハーブなどの有用植物が色付きで描かれている。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 本の前半部分の植物は大まかなタッチで、その薬効に関する説明が筆記体で添えられている。

 その中にはなぜか人間めいた植物の絵まであり、インディゴ染料の原料で知られるホソバタイセイの根は目鼻がある青白い頭に葉が生えた感じになっている。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 古くから薬効がある植物として用いられていたマンドレイクの根は毛深い女性とみなされているようだ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 人の頭が連なってるような根など、解剖学的にはだいぶおかしい奇妙なイラスト。だがこれはその時代を反映する描きかただったそうだ。

いろんな要素が混じってる?異なるタッチが散見

 この本はほとんどがこうした慣例的な手法と様式で描かれている。

 しかし一部に異なる様式がみられるため、数世代にわたって描かれた手稿を1冊にまとめた合作本とみなされている。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 たとえば前半70ページのイラストは上のようにざっくりしたものが多い。このような植物の描写は15世紀初頭の様式にみられるものだ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 また、あちこちにちりばめられている人間の顔や幻想的な要素は中世の慣習を示すものだという。

 ところが後半は全く違うタッチでリアルな植物のイラストがおさめられている。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 こうした痕跡から研究者は、15世紀後半とみられる製本時に何者かが手を加えたとみているのだ。

表紙や見開きなど、以前白紙だった場所にさらに多くの植物の水彩画が描かれてます。と同時にイタリア語の文字がセピアインクで加えられました。その技法や細かな描写、色合いは元の時代のイラストと全く対照的なものです

仕上げたのはこの人?本物の葉っぱをスタンプにした跡も

 追加された植物のイラストは前半に比べるととても写実的な優れた絵で、本の最後のページには本物の葉の転写跡とサルビアという植物の名を添えた紙が綴じてある。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF PENNSYLVANIA LIBRARY / PUBLIC DOMAIN

 研究者は、これを残した人物がこの手稿に詳細な加筆をした人物とみている。

 植物に詳しいその人物は、先人の作品に敬意を示しつつ正確な知識を後世に広めたかったアーティストだったのかもしれない。

 てか、前半のイラストで同じくイタリアで発見された謎の古文書、ヴォイニッチ手稿が頭をよぎったのは私だけだろうか?

 複数のアーティストが関わったこのイラスト集は、ペンシルバニア大学図書館のウエブサイトで閲覧できる。興味がある人は Penn Libraries siteのErbarioをチェックだ。

References: publicdomainreviewなど /written by D/ edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. サムネ画像にも採用されてしまったホソバタイセイの絵のインパクトが強すぎる…!

    • +11
  2. >ホソバタイセイ
    足が生えて「ナゾナゾ~」とか鳴きながら歩き出しそう

    • +3
  3. 擬人化する手法がこの時代のトレンドの1つで、それに特化し謎ぽっく書いたのがヴォイニッチ手稿、ヴォイニッチ手稿の文字列は同じのが多様されてて言語的に成り立たん

    • +1
  4. やはりみんな思ったことは一緒だった
    ナゾノクサだわ

    • +4
  5. ヴィオニッチは当時の流行の書き方なのかー。
    擬人化されて浮かない表情なのが逆にイイ(笑)ちょっとさくらももこ先生感もない?

    • +4
  6. フィボナッチ曲線とヴォイニッチ手稿ってまちがえるよね(個人の感想です)

    • +6
  7. 昔のナゾノクサこわすぎるよー
    ˚‧o・(˚ ˃̣̣̥᷄⌓˂̣̣̥᷅ )‧o・˚

    • +2
  8. マンドレイクは毛深い女性・・・
    ちょっと魔改造すればその手の性癖に刺さるかも

    • +4
  9. 絶対あとから顔の落書きしたよねこれ

    • +1
  10. 遊び過ぎてて本の趣旨がもう判らない

    • +3
  11. ホソバタイセイの絵を見て、私も描けると思ってしまった。

    • 評価
  12. 絵柄がなんかファンから嫌がらせでカラーコーン送られて業者からカラーコーンレンタルの依頼来てるWEB漫画家の人に似てる

    • +1
  13. 佐久間一行「そうだ根」を思い出した

    • 評価
  14. ナゾノクサやんと思ってきたら、皆んな書いてて安心した

    • +1
  15. 何かに似てると思ったら、教科書の落書きだ!笑

    • +2
  16. 禁煙してても 吸いたいぞ♪ 吸いたいぞ♪のCM、思い出した…
    タバコの顔、怖かった。

    人間やめても 吸いたいぞ♪ って替え歌もあったかなw

    • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サブカル・アート

サブカル・アートについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

画像

画像についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。