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世界各地で人間の移動は制限されているのに、二酸化炭素の排出量があまり低下しないのはなぜ?

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(著) (編集)

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人間の活動制限とCO2の関係 / Pixabay
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 コロナパンデミックより、世界各国の道路からは車が消え、空からは飛行機が消えた。こうしてここ数十年で初めて、世界の二酸化炭素排出量が5.5%も低下するという、ある意味快挙が成し遂げられた。

 しかし、何かがおかしい。人間の活動はこんなに制限されているのに、それでも94.5%もの二酸化炭素が排出されているのだ。

 5.5%の減少は、2008年の金融危機や第二次世界大戦のときをも上回る大きな出来事ではある。だが、それでも残りの二酸化炭素がどこからやってくるのか考えてみる価値はあるだろう。

 今回のように世界規模の移動制限は活動自粛をしても、十分に温暖化を食い止められないというのなら、どうしろというのだろうか?

二酸化炭素排出源は移動が2割

 「主な問題は、人々の移動にばかり目を向けていることでしょう。車や飛行機に乗るかどうかという話ではなく、二酸化炭素を蓄積させている構造的な部分が無視されているのです」と、NASAゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット氏は説明する。

 国際エネルギー機関によれば、輸送から排出される二酸化炭素は、世界全体の排出量の2割を占める。これは大きな割合であるが、仮に輸送手段のすべてでゼロエミッションを達成したとしても、まだ8割が大気へ向けて放出されているということだ。

 たとえば、電気と熱需要は排出量全体の4割を占める。世界では大勢の人たちが部屋を温めたり、調理をしたりするために、木材・石炭・天然ガスを利用している。また電気が使われていたとしても、発電自体がそれほどエコではない。

 世界が在宅ワークにシフトしたとしても、照明やネットを使うために電気は必要だ。オフィスから自宅へ移動したからといって、電力が消費されなくなるわけではない。

 「電気のかなりの部分が化石燃料によって発電されています」と、シュミット氏は言う。

 製造業や建設業などからの排出はおよそ2割だ。鉄鋼やアルミを溶かす産業ならば、大量の化石燃料が必要となる。パンデミックの最中とはいえ、これまでのところ、これらの生産量はほとんど変わっていない。

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Pixabay

温暖化を止めるには毎年7.6%の削減が必要

 国連環境計画の分析によれば、仮に気温の上昇を産業革命以前比で1.5度以内(危険な気候変動を回避できるとされる上限)に抑えるのならば、二酸化炭素排出量を”毎年”7.6%ずつ削減しなくてはならない。

 たとえ今年、7.6%の削減を実現できたとしても、翌年さらには翌々年とそれだけの削減を続けていくのは難しいだろう。

 世界各地からは、最近の都市封鎖によって大気や水質が改善されたというニュースが伝えられているが、これが人間が気候に影響を与えられることを示す証拠だという議論がある。どちらも深刻な環境問題だが、大気汚染や水質汚染を地球温暖化と混同してしまっている。

 温暖化の原因となる二酸化炭素は目に見えないが、今も発電所や石油精製所から大気に放出され続けている。天然ガス企業や牧畜業からのメタン(牛のゲップ)だって相変わらずだ。

 「車よりも自転車を、飛行機よりも電車を利用するべきだとは思います。でもそれらは小さなもので、本当に大きな構造的問題は変わらないままです」と、シュミット氏は話す。

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iStock

二酸化炭素の排出が多少抑制されたところで、温暖化に変化はなし

 二酸化炭素の排出が多少減じたところで、地球の温暖化傾向にはなんらの変化もないのが現実だ。

 温暖化は、少しずつ水が抜けるバスタブに喩えられることがある。バスタブに注がれる水道の水が、排水口から流れ出る量よりも少なくならなければ、水位は上がっていく。

 地球の温暖化もそれと同じで、大気に排出される温室効果ガスの量とそこから流出する量の差し引きがゼロにならい限り、止まらない。

2020年は記録史上もっとも暑い年との予測されている

 コロナ禍で気が回らなかったかもしれないが、日本でも5月上旬、30度を超える真夏日となった地域があった。東京都心で3日連続真夏日となり、5月としては観測史上初のことである。

 NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると2020年はすでに記録史上もっとも暑い年へ向かっているそうだ。

 しかも皮肉なことに、大気汚染の改善が温暖化を悪化させているという。

 カリフォルニア大学サンディエゴ校の気候学者ヴィーラバドラン・ラマナサン教授によると、汚染粒子は日光を反射するために、温暖化を抑制する効果があるという。ところが都市封鎖によってそれが減ってしまったために、いっそうの温暖化が予測されるという。

References:The world is on lockdown. So where are all the carbon emissions coming from? | Grist/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 51件

コメントを書く

  1. 自然界への炭酸ガス排出は、殆どが
    自然界からの排出だからな。
    温暖化ガスって見方なら、実は
    水蒸気が量と質で強かったりするんだが、計算が面倒なんだとかで
    シミュレーションに入れない場合が多いんだそうな。

    • +9
    1. ※4
      地球上のバイオマスの量が一定なら、自然界で出たCO2は自然界に吸収されるのでは?でも石油や石炭を燃やして発生した分は元々そのサイクルに含まれてないから蓄積していく。

      • +2
  2. 欧州で万年雪が溶けて下から500年以上前の街道が発見された事から分かるように、現実的には寒冷化する以前の正常な気温に戻りつつあるだけという。

    • +21
    1. >>5
      正常というかただの周期だよね
      病気になるような水や土、大気の汚染はNGだと思うけど、気温は地球の長い歴史を考えれば大したことないと思う

      • +11
      1. >>28
        何万年かに1回の火山噴火でそれくらい全部ひっくり返しちゃうからね。
        人間のしてる事なんて地球が寝起きに屁こいたより小さいもんさ。

        • +5
        1. ※34
          歴史上火山噴火で異常気象が続いたとかも普通にあるしね
          自然保護やめろとは言わないけどヒステリーチックにやるべきことじゃないよね

          • +2
  3. 何でもかんでも異常気象って言う人が多い
    自分たちの予測と異なる事象は全て異常気象、「人類は滅亡する!」以下略

    • +14
  4. いかに今の環境問題とやらが、いい加減な話かという所だろうな。

    • +19
  5. 今日とか5月にしては寒いのに酷暑なのかい

    • +4
  6. つまり電気も捨てて産業革命以前の暮らしに戻れと?

    • 評価
  7. 結局そうしたら何をしても無駄なん?なるようになっていけと言うこと?

    5.5%ってこれが増加の方向に行ってたら割とシャレにならない変化量で、例えば2019年4月に出された2018年の二酸化炭素排出量が2017年比+1.7%で「めっちゃやべえ」って言われてたんやぞ(2014-2016が横ばい、2017と2018が連続して微増)
    それが-5.5%なら、寧ろこれまでの平衡反応、大体これくらいの二酸化炭素が出るよ、って言うの前提でまわり始めていた地球環境をぶち壊しそうな急激な変化率に思えるけど

    後空気自体が澄むなら太陽光は昼間の地球をこれまで以上に焼くかも知れないけど夜はすっきり熱を放出しそうな気もするけどな

    • +12
    1. ※13
      なんらかの技術的ブレイクスルーが起きないかぎり、もはや何をしようが引き返せない加速するだけ。ってことかもね。割と絶望的で目を背けたいんだけどね。

      • +1
  8. 酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す呼吸システムを変えないと無理じゃね

    • +10
    1. ※14
      だから、緑化促進ってことなんだろ?
      ぶっちゃけこの程度のCO2排出量増加は緑化促進が一番かんたんな解決方法だと思うわ。

      肥料はあるが水のない砂漠に水撒くんじゃなくて、水はあるが肥料のない外洋に肥料まいたらええんや。ソッチのほうが遥かに簡単。

      • -2
      1. ※35
        緑化促進って植物を植えるって事か?
        植物って二酸化炭素も出すから、余り変わらないんじゃなかったっけ

        • +2
        1. ※38
          樹木が最も酸素をより多く生成するタイミングは成長期のごく限られた期間のみで
          安定期になってしまうとCo2と酸素の排出量がほぼ0になるっていう結果だよね
          じゃぁ、伐採してとなると伐採によるエネルギーの消費で結局どうなんだという話

          適度な植林、樹木を極端に減らさないよう努力するくらいでいいんじゃないかと個人的には思う

          • +4
  9. 人間が発生させてる熱エネルギーなんて
    自然界のエネルギーから比べると微々たるもの
    だとわかってるけどビジネスのためにエコとか
    二酸化炭素をうるさく言ってるだけ。
    人間のフルパワーより火山の垂れ流しマグマの方が
    遥かに大きなエネルギーが動いてる。
    マグマから出るガスの数値は見て見ぬふりしてるのな。

    • +4
  10. あれだろ、
    どっかの国のでっかい穴に火がついてて
    ずーっと燃え続けてるヤツのせいだろ

    • +5
  11. 最近の学説では、科学的には地球温暖化とCO2排出とは無関係とされて来たが、それが実証された。

    • -3
  12. 地球温暖化と言うが今よりも酸素の多かった恐竜時代の地球の方が気温は高かったし、二酸化炭素が主成分の火星はどうなんの?って感じ
    それを無視して二酸化炭素ガーってもはやペテンでしかない
    最近の研究だと温暖化には地球の地熱活動と水蒸気が影響を圧倒的に与えていると言われているし人間が影響を与える程度なんてたかが知れてんだよ
    それなのになぜ二酸化炭素削減があれだけ叫ばれたか日本やこれから成長してくる途上国の成長を邪魔するため
    二酸化炭素を削減しようと思ったら経済や工業力を抑えざるを得なくなるからな
    それにまんまと騙され続ける日本人は滑稽だねぇとしか言えない

    • +5
    1. ※20
      ・ジュラ紀から白亜紀にかけて気温が高かった原因は、現在より高かったCO2濃度によるもの。酸素は温室効果ガスにあたらない。

      ・火星の大気の主成分がCO2であることは正しいが、その大気が希薄すぎるので温室効果が現れない。

      ・地球大気において水蒸気が最も温暖化に寄与するのは正しい。大気に含まれる割合が水蒸気1~4%に対し、CO2は0.032%。そして赤外線吸収による温暖化寄与率がそれぞれ48%、21%。わかりますか?割合にして極微量のCO2が、水蒸気の半分近くの量の赤外線を吸収しているのです。たかが知れた量が大きく気温を左右するのはこのためです。

      詳しくはこちら
      国立環境研究所 地球環境研究センター
      「水蒸気の温室効果」
      ttps://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/11/11-2/qa_11-2-j.html

      先進国の経済成長が鈍化して高成長が見込めない現在、投資先が発展著しい途上国にシフトしていく流れは、良かれ悪しかれ止められないのに、その成長を邪魔したら世界的に経済が停滞するのは目に見えてますが?

      ・・・私も騙されているのかもしれないね。

      • +4
      1. ※41
        それを言うなら三畳紀末期から白亜紀の気温の高さ
        これは世界中の海底火山の噴火とメタンハイドレートの連鎖崩壊によって
        本当の温暖化物質であるメタンが多かったために気温が高かった
        これによって酸素濃度が下がり酸素を多く取り込むための気嚢を持つ恐竜の時代となった
        後に酸素濃度が増えメタン濃度が下がり寒冷化して恐竜は絶滅した

        ちなみにほんの7000年前には海面が2~3m高かったわけだが
        それについて二酸化炭素を用いて説明できる温暖化説を唱えてる学者はいない
        さらにその前は氷河期であり決して温度と二酸化炭素は比例していないが
        それについて説明できる専門家もいない

        • +5
      2. ※41
        補足です。

        ・酸素は温室効果をもたらさない物質なので、現在と比較して多かろうが少なかろうが、気温の上昇や低下に直接影響しないという意味です。

        ・「地球ほどの」という文が抜けました。火星にも実際には温室効果はあります。CO2の量が地球に比較して少ないのでその効果が低い。

        • 評価
    2. >>20
      日本や途上国の成長なんてどうでもよくて、それでもうかる人がいるから環境保護ってシステムを作ったんだよ
      金が集まる上に高尚なことだと持ち上げられるから笑いが止まらんよ

      民主主義ならではの新しいビジネスモデルだ

      • +2
  13. ていうか今は間氷期だから地球が寒冷化しているだけで
    もっと暑い時期だって長くあったんだからさ

    • +4
  14. 植物も夜は二酸化炭素出してるんじゃなかったっけ?

    • +5
  15. どうせ暑さは毎年更新してくでしょ
    それこそ本気で経済活動弱めるなり止めるなりしない限り

    • +2
  16. 期せずして極大規模な社会実験が行われてしまっているな
    他にも色々なデータが蓄積されているんだろう

    • +1
  17. 結局、人類を大幅に減らさない限り無理ということだな
    それなのに毎日21万人もの人間が新たに誕生している

    新型コロナで死んでる人数なんて増加分の2日分にも満たない

    • +1
  18. きっとあれだよ。アレシボ天文台辺りを舞台にした映画(タイトルは失念しました)で、暖かい気候が好きなET共がテラフォーミングよろしく温室効果ガスを撒き散らして地球侵略を目論んでいたけど、それが現実に起こっているんじゃないのw

    • 評価
  19. 地球船号
    生命、その他を乗せているだけ

    • +1
  20. CO2利権の肥やしでしかない自然愛誤家

    • -2
  21. インドや中国の深刻な大気汚染が大幅に改善されたニュースがあったけど
    それくらい大規模な経済活動停止しても温暖化が止まらないなら
    グレタ式の環境対策って無意味なんじゃ?

    • +7
  22. 人間の活動程度でそんなに変化するとは到底思えんがな

    • +2
  23. CO2削減の究極は自給自足生活になるのか。

    • +1
  24. 酸素を作るのは植物だけと思い込まされるようだが
    地球の酸素の80%を作っているのは海中の植物プランクトン
    ぶっちゃけ地球上の植物を全て焼き払い石油を全て使っても酸素が尽きる事はない
    どれだけ二酸化炭素が増えようと海で酸素に変わるだけだから

    • +4
  25. こんだけ減らしても意味ないなら政策程度じゃ効果ないんじゃない?
    やるだけ無駄な気がしてきた

    • +1
  26. それだけ人間は宇宙で暮らすようにしていかないと詰みになりつつあるというわけだな

    • 評価
  27. 先進国が現状の生活環境を自主的に中世並みに戻せるわけがないから、
    化石燃料と完全に代替えできてクリーンなエネルギーを見つけるか、
    温室効果ガスだけを効率的に回収処分できる方法が見つからない限り
    温暖化は止められないという現実
    未来の影は暗いな

    • 評価
  28. 二酸化炭素の削減ちょっぴりって、ショックだ。それでも、
    温暖化と関係なくても、環境保護は個人的には続いてほしい。
    それはカラパ記事でも時々取り上げられるように、
    自然の中で短時間でも過ごすと、ストレスが緩和されるから。
    技術が進んで便利になって、昔のストレスから解放されても
    新しいストレスが人間を苦しめるから。
    みんながゆとりを持てて幸せになるはずだったのに、
    そうなってないのがフシギだ。

    • 評価
  29. そりゃねエコとか自然保護は商売ですからね、やめられないわけ
    実際には地球環境の事を考えているわけではなくて自分たちのお仕事が無くならない様に活動しているだけなのですよ

    • +5
  30. 温暖化論者はある意味人間万能説だよな
    太陽の影響とか全く考慮せずに全てをコントロールするって事だからね

    • 評価

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