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鳥のヒナは卵の中からお互いにコミュニケーションをとっていることが判明(スペイン研究)

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(著) (編集)

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kosmos111/iStock
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 まだ孵化していない卵の中のヒナたちは、親鳥からの警告だけでなく、同じ巣のきょうだいたちとも卵の中からお互いに情報を伝えあっていることが判明したそうだ。

 胎盤で母親とつながっている哺乳類とは違い、ヒナの場合は母鳥とは切り離されており母体の変化の影響を受けない。

 それでもきちんと孵化前に環境への適応を促す仕組みがあったということだ。ヒナでも胎教ができそうな、そんな新事実だ。

卵の中のヒナに危険サインを与えると?

 今回調査の対象となったのは、スペイン、サルボラ島にある野生のカモメの営巣地から集められた、アシセグロカモメ(学名 Larus michahellis)のヒナたちだ。

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Alvesgaspar/wikimedia commons

 実験では、卵3個をひとまとめにして孵卵器に設置。そのうち2個(常に同じもの)は1日に4回孵卵器から取り出し、防音の箱の中に入れて、そこで捕食者が巣に近づいてきたときに親鳥が発する警戒音を聞かせてみた。

 一方、孵卵器にそのまま残されている卵には、そうした警戒音を一切聞かせない。箱は防音になっているので、警戒音が漏れて聞こえてくるということもない。そのため、危険が迫っていることなど何も知らないままだ。

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黄色は実験群(実験されるグループ)、青は対照群(なにもしないグループ)を示す。濃い色の卵は、取り除かれて警戒音を聞かされるもの。

Noguera&Velando、Nature Ecology&Evolution、2019

知らないはずのヒナまで危険に反応

 取り出した2個の卵を孵卵器に戻すと面白いことが観察された。何もされなかった卵に比べて振動することが多かったのだ。

 そのせいだろうか? 何も知らないはずの卵は、対照群に比べて孵化するまでに長く時間がかかった。

 それだけではない。孵化してからの実験群のヒナは、警戒音を聞かされた2羽だけでなく、何も知らないはずのヒナまでもあまり音を立てず、じっとしゃがんでいる傾向にあった。これは親鳥からの警戒の鳴き声を聞いたときの反応だ。

 さらに3羽とも、対照群のヒナにはない生理学的な特徴が見られた。ストレスホルモンが多く、各細胞のミトコンドリアDNAが少なく、足が短かったのだ。

 研究チームによると、こうした特徴はある種のトレードオフの結果であるらしい。ヒナたちは危険に対して敏感に反応した。しかしその代償として、細胞がエネルギーを作り出し、成長する力がいくぶん低下してしまった。

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fabiomangani/iStock

振動でコミュニケーション

統計的な分析からは、こうした生理学的な違いは孵化するまでの長さだけに起因するものではないことがわかっている。

 卵同士の扱いの違いは、警戒音を聞かせたか聞かせなかったかだけであり、卵の振る舞いで観察された違いは、振動の頻度だけであった。

 そのために、どうやら卵の中にいるヒナは振動を使ってきょうだいに危険を知らせていたようだと考えられるのだ。

 なんだかヒナにも胎教が有効そうな結果だ。少なくとも卵を孵化させて、元気なヒナが生まれてほしいと考えている人がいれば、あまり怖がらせるような環境だけは避けた方がいいみたいだ。

孵化前に環境への適応を促す非遺伝的メカニズム

 「これらの結果は、カモメのヒナがきょうだいから自分も関係する環境情報を受け取っていることを強く示唆している」と研究論文では述べられている。

 発達の可塑性を促す非遺伝的メカニズムとして、孵化前に仲間から伝えられた情報が重要であることを示しているのだという。

 なお、こうしたきょうだいからの情報が、他の状況における適応表現系の可塑性を有利にするものなのかどうかは、今後の研究が明らかにしてくれるだろう。

 この研究は『Nature Ecology & Evolution』に掲載された。

References:We Just Learned Baby Birds Communicate With Each Other From Inside Unhatched Eggs/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 鳥さんのきょうだいってタマゴから出たじゅん?

    • +3
  2. つまり鳥のヒナも人間の子供も、ストレスがかかるとすごく身体に悪いってことね(メンタルも心配)

    • +6
    1. ※2
      「悪い」とは一概に言い切れないんじゃないかな?

      物音を立てずにじっとしゃがみ、足が短いのは
      外敵に見つかりにくくする為に有利な性質だろう。
      一方で、外敵がいない環境なら
      のびのびと行動して背が高い方が
      餌取りや繁殖など何かと有利だろう。

      人間も、物騒な環境で育てば、子供だてらに
      早熟で危機対処力が高く立ち回りが巧い。
      天真爛漫にのほほんと過ごせる時期は無いか短いが、
      逆にそんなのほほんと育ったボンボンだと
      ひとたび危険な環境に放り込まれたら生存能力が低い。

      記事にもある通り、状況によって一長一短に働く
      「トレードオフ」関係なのだろう。

      • +2
  3. 同時孵化する鳥の雛は、
    卵の中で肺呼吸を始めた時点で鳴き声の早さでお互いの発育段階を知り、
    短時間に一斉に孵化するようにするってネットで読んだことがある
    生き物の能力って底知れないなあ

    • +8
  4. 人間の双子の胎児も子宮内で会話(非言語)してるとか

    • +2
  5. 同じ孵卵器で一緒に孵ったうずらは血縁がなくても仲良し

    • +6
  6. 自分以外の雛が食われることによる自分の生存率向上と、一匹が下手こいたせいで自分も巻き込まれる確率のトレードオフでこの辺の行動が決まりそうやね

    • +1

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