メインコンテンツにスキップ

デスメタルを聴いても暴力性が呼び覚まされることはない(オーストラリア研究)

記事の本文にスキップ

77件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
photo by istock
Advertisement

 デスメタルバンドの歌詞は、暴力的で冒涜的、猟奇的で苦しみに怒り狂う描写が多くみられる。

 だが、ある研究によると、こうした内容の歌詞を耳にしても実際にそうした暴力的欲望を喚起することはないという。

 デスメタルのダークな歌を聴こうが、ポップでハッピーな歌を聴こうが、その人の暴力性が左右されることはなかった。

 オーストラリア・マッコーリー大学のビル・トンプソン教授の研究が明らかにしたのは、デスメタルを聴いたからといって、暴力に対して鈍感になったりはしないということだ。

この画像を大きなサイズで見る
photo by istock

暴力と中立のイメージのどちらに意識が向くか?

 研究では、80名(デスメタルのファン32名、非ファン48名)を対象に、無意識の反応を確かめる昔からある心理実験が行われた。

 それは、ペアの画像を見てもらいながら、音楽を聴いてもらうというものだ。

 聴いてもらう音楽はブラッドバスが人肉食について歌った『Eaten(喰われる)』とデスメタル(Eaten)か、それとは正反対のジャンルと思われるポップ音楽(ファレル・ウィリアムスの『Happy』)である。

 画像は通りで人が襲われている場面を描いた暴力的なものと、同じ通りを人がただ歩いているだけといった差し障りのないもので、それぞれが片目ずつに見えるよう配置された。

 被験者はどちらかの音楽を聴きながら、片目ずつで2枚の画像を同時に見ることになる。

暴力に対する鈍さは確認されなかった

 これは「両眼視野闘争」という現象を利用した実験だ。

 両眼視野闘争とは、それぞれの目に異なる画像を見せると、それらが交互に見えるという現象である。

 これが中立な画像と暴力的な画像だったりすると、暴力的な画像のほうが多く見える。そちらのほうが脅威であるからだ。

 しかしもし、親たちが懸念しているように、デスメタルによって暴力に鈍感になっていたとすれば、目に見える画像の割合は違うものになる。普通の人と同じ割合では見えないだろう。

 ところが実験の結果では、デスメタルファンが目にする画像の割合は、そうでない人たちのものとまったく変わりなかった。

この画像を大きなサイズで見る
Image by Reimund Bertrams from Pixabay

デスメタルは喜びと自信を喚起する

 トンプソン教授は、この結果は、暴力的な歌詞を歌う音楽に懸念する親たちを安心させるだろうと話す。それどころか、デスメタルによって喚起されるのは喜びと自信なのだそうだ。

 「この音楽に対する主要な感情反応は喜びと自信です。この音楽を聴いて、そこから力強く美しい経験を味わうというのは、とても素晴らしいことだと思いますよ。」

 この論文は『Royal Society Open Science』で発表された。

 2016年の研究によると、ヘヴィーメタルは死と向き合う勇気を与えてくれる可能性があるとのことだった。

・ヘヴィメタル音楽は、死と向き合う勇気を与えてくれる可能性(米研究) : カラパイア

 音楽に限らず、どんなジャンルでもそうだが、多くの人はただの「娯楽」として前向きに受け入れられるが、一部問題を起こしてしまう人もいる。

 そういったケースと関連付けられた結果、悪いイメージがつきまとってしまうこともあるようだ。

References:sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 77件

コメントを書く

  1. デスメタルに限らず、ノイズとかハードコアだとかの「過激」とされる音楽で名を馳せている表現者は、寧ろポップス畑よりも常識人が多い印象。極端なものを作品として成立させるのには鋭敏なバランス感覚が必要なのかもしれん。聴き手にしたって似たような事では無かろうか。

    • +36
  2. ハッピーなリア充音楽を聴いたり、その話題で盛り上がってるリア充共を見ると逆にイライラして暴力性が湧き上がってくるよな

    • -5
    1. ※6
      落ち着いて、深呼吸してみて。
      甘いものは好き?
      最近美味しいもの食べた?
      あたたかい飲み物淹れようか?コーヒーがいい?紅茶がいい?日本茶もあるよ。
      ぐっすり眠れてる?
      大丈夫だよ。

      • 評価
  3. インディーズのライブで客同士の喧嘩で警察沙汰を2回見た事あるんだけど、他のジャンルだと警察沙汰は無いもんなんか?
    多分聴いても問題なけど

    • +1
    1. ※8
      両方バイトで働いてた経験からすると
      ライブで客同士の喧嘩より、居酒屋で客同士の喧嘩の方が圧倒的に多い

      • +27
  4. これに限らず、ゲーム脳など根拠のないステレオタイプを生み出そうとする勢力ってなんなのだろうな?いやまあ某リケジョの様に「ありまぁーす!」なのだろうけども。

    ちなみに音霊、言霊の研究上ではデスメタルに限らず激しい音楽は発散性の高い音楽なので、力(鬱憤)が有り余っている人は聞くべきジャンルとなる。ライブに行くと燃え尽きるのはこの為。聞いてスッキリする人は誰に何を言われようと自分の為に聞くべき。

    • +15
    1. ※9
      この記事には無いけど他のサイトで翻訳を見た時は「非デスメタファンはポップを高評価、デスメタを低評価して、デスメタファンはどちらの曲も高評価した」って記述があった。
      ハナから高尚やら低俗やら決めつけて自分の下を作らないと死んじゃう人種がいると思う。

      • +23
      1. >>24
        デスメタルファンってメロディアスな音楽も好きなんだよ。ハバネロチキンも喰えば、イチゴショートケーキも喰うみたいな。

        だからメロディックデスメタルとかシンフォニックデスメタルなんかのジャンルが誕生したわけでね。

        • 評価
    2. ※9
      ゲーム脳や電磁波有害論など、直観的に(なんとなく)因果がありそうに思える現象を論じた主張は、一般受けしやすいので、「商売になりやすい」んでしょうね。怪しげな裏付けを基に、危機感をあおる言説には注意が必要。

      今回の論文はそれを否定する内容ですな。

      • +12
  5. よしクラウザーさんのライブ行くぜ(デトロイト・メタル・シティ脳)

    • +4
  6. デスメタルはどちらかと言うと慰めに近い発散をするモンじゃないかな

    • +18
  7. メタルを聞くと赤ん坊が熟睡するという話が有ったよね。

    • +4
    1. >>14
      ズン…ズン…ってちょうどいいテンポで重いのが響くのが、まとめでよく見るおむつスパンスパンしたら寝付きがいいってやつと似てるのかもしれない。

      • +2
      1. ※44 バスドラがおかーさんのお腹の中で聴いてる
        心臓の音みたいだからじゃなかったの???

        • 評価
  8. 大人しく研究に参加する人達にそういう傾向がないだけだったりして

    • +4
  9. 失敗したな
    負の側面だけ書いたのなら信じたかもしれないものを

    >「この音楽に対する主要な感情反応は喜びと自信です。この音楽を聴いて、そこから力強く美しい経験を味わうというのは、とても素晴らしいことだと思いますよ。」

    明らかに矛盾している
    負の側面がないのなら正の側面もない

    音楽業界に媚びてるだけの提灯論文と断定する

    • -12
    1. >>18
      そこの部分は論文じゃないだろ。既にネガティブな認識のある物へ話しているからそうなるわけで

      • +2
    2. ※18
      え?なにも影響がないって書いてるわけじゃないよ?
      デスメタルを聴いた影響が暴力ではなく喜びと自信を喚起するって書いてあるだけ
      負の側面とか正の側面とかどっからでてきてるの?

      • +2
  10. 悪い物事は自分が興味ないもの、嫌いなものから発生する
    という考え方を当たり前にする人ほど危険よな

    • +17
  11. その点トッポってすげぇよな、最後までチョコたっぷりだもん

    • +11
  12. 理性的な人はそう簡単に他人に感化されないからねぇ

    • +8
  13. そう言う意味では、クラシックの方が実は危険かもね、A/ドボルザークの#9新世界より:第4楽章なんか超危険!

    • +5
  14. もう30年以上昔の話なんだけど、歌番組でデーモン閣下(当時デーモン小暮)が白い奇跡を歌う前に
    「メタルはな、ミュージックである前にまずアートでなければならんのだ」と質問に答えていた。
    よく解らんかったがとりあえず格好良く思えたのは覚えている。

    • +17
  15. むしろ、暴力的な音楽を聴くと怒りが鎮まるような感覚がある。

    • +17
  16. ポップなんかきいたら逆にイライラしてくるんだよ、デスメタル=スピリチュアルヒーリング

    • +6
  17. 子供の暴力性を育ててるのは、親や周辺の”教育者”。
    「教育だ」と正当化して暴力的/威圧的/支配的に接するのを、子供側がモデリングした結果だから。
    これを応用したのが、サツジンスキーなサイコ兵士に育成するスパルタ狂育だしね。

    それを認めず保身に走る連中が、「デスメタガー」とか「ゲームガー」ってモノのせいにしてるだけだよ。

    • +16
  18. カニコーサイコー!(カンニバルコープスを好きすぎてとりあえず言いたかっただけ)

    • +2
  19. 記事はデスメタルについてだけど、
    メタルといっても色んなジャンルがあるだろうに。

    • -5
    1. ※34
      メタルのサブジャンルについて触れるのはそれこそ戦争になるからやめるんだ!

      • +16
  20. 当たり前やがな
    もともと暴力的傾向を持ってる人はポップスよりデスメタルを好むだろうけど、デスメタルを聞いたら暴力的になるってのは「卵が鶏を産む」くらいの暴論

    • +4
  21. 死と向き合う事に関しては
    直接的なお経に近いであれ
    お経は抽象的だけどよ

    • +1
  22. 起爆剤にはならないけど燃焼促進剤にはなると思う。接敵した瞬間メタル流れたらトリガーハッピーやむ無しですわ。

    • 評価
  23. デスメタルで暴力性がないように、アニメで性犯罪犯すわけでなく、この手を非難する者は自身の思いの固執により非難の声を上げる

    くだらないなあ…としか思わない

    • +2
  24. そらそうだ。自分だってスピード違反、右折禁止以外の罪を犯したことがない。
    ただ一定数そっち側に惹かれやすい人間の中には深いトラウマと憎悪を抱えてる人がいるってだけ。ピアスだって多くの人がしてるけどその中に、それを自傷行為の代替としてやってる人がいるのと同じ。

    • +4
  25. 私はデスメタルが大好きだけど人とは極力争わずに済むように考えて生活している。キャッチーな万人受けする曲を好む弟の方が昔から口も悪く暴力的。好きな曲調なんて関係ないその人その人が持って生まれた性格だと思う。

    • +8
  26. デスメタルではないけどマリリン・マンソンの話。
    コロンバイン高校の銃乱射事件で、犯人の男子生徒ふたりが犯行前にマンソンを聞いていたっていう報道が出て、やはり悪影響だ純粋な子供を洗脳したんだと物凄く叩かれた。
    というかその前からずっと叩かれてたんだけどw今度こそ決定的!とばかりに叩かれた。
    (実際にはネタとしてCDを持っていただけで、本当に聞いていたのはドイツのKMFDM、こっちも叩かれ解散に追い込まれた。すぐ復活したけど)

    そのときのことについて当時のメンバーがインタビューでこう答えてる。
    「物事が人に影響を与えることはできるけど、実際どうするか判断を下すのは本人の意思であり、それは影響とはまったく別の話だ。何か感じたってその通り行動に移す事はないだろ。音楽にそこまでの影響力はないよ、残念ながらね」

    • +19
    1. >>43
      まさにその事を思い出した。大学時代にそれを題材に論文書いたなぁ。マンソンはメンバー全員か有名殺人犯の名前からステージネーム取ってるからある種センセーショナルな事件だったわけだけど、「こんないちゃもんつけるとか、アメリカ社会も歪みまくってるなー。出羽守(当時は無かった言葉だけど)ってもしかして頭悪い?」って思ったわ。

      • +1
  27. むしろ発散するから攻撃性は低下するでしょ。

    • +16
  28. 英語が得意じゃないし、デスボイスにされるとさらに何言ってるかわからん。
    タモリ倶楽部の空耳アワーの影響でギャグに変換されてしまう

    • +2
  29. ガンに効くようになる日がだいぶ近づいたな

    • +3
  30. やっぱベートーヴェンだな 歌詞がいいもんな

    • +1
  31. というか、音楽を含む芸術に現実的に効く何かを求めすぎなんだよ、よくもわるくも、われわれ。湿布じゃないんだからさ。

    • +4
    1. ※52
      分っかりやすい!
      その時の気分に作用する程度ですもんね

      • -1
  32. デスメタルで暴力性が増すなんて考えたことないけど
    一部の暴力的な人間が好む印象はあるかもしれない
    そしてハイになりたいとき(悪さするって意味で)ノリのいい曲をかける
    まあ暴れる時に落ち着くような曲はかけんわな

    • -3
  33. モッシュピットの中はそうでもないような気がするんですよ

    • +1
  34. デスメタルが単体で問題、っていうよりもインディーズのライブでドラッグとかが出回ることのほうがヤバイんだろうなあ。
    パンクロックのシド・ヴィシャスなんて観客としてもアーティストとしても暴力に明け暮れた人間だしね。
    純粋にアートとして聞くならまだしも、アングラなライブ会場がチンピラのたまり場になりやすいってのが、問題なような気がするけどどうなんだろうね?

    • +1
    1. ※57
      アングラな場で流される音楽とか演劇を作る側が、そういう場をうっとうしいと思うと、だいたいクリーンで、えらい人に評価されるような方向にいくわけよ。で、昔からのファンに「気どってる」とか「変わってしまった」と非難される。踏んだり蹴ったり。
      結局、作品に罪はなくて、作ったり聞いたりする人間の問題。

      • +2
  35. ゲームでも音楽でも、結局責任を押し付けたいだけ。

    • 評価
  36. 気合入ったバンドほど何歌ってるか分からんようになるし

    • 評価
  37. 個人的にデスメタル聞いてると淋しさが伝わってくるけどね

    でも総論で語り出すと面倒くさい
    歌う側、聴く側に依存した話かなぁと思うよ

    • 評価
  38. デスメタルの歌詞・・・?
    聞き取れるわけ無いじゃん、って歌ってる本人でさえ言ってるんですけどw

    • 評価
  39. 暴力的な歌を聴いたら暴力的な性格になるって?なるわけないでしょ

    じゃあ勤労の尊さを謳った歌を聴いたらニートが働くようになるか?
    世界の平和を謳った歌を聴いたらテロリストが世界平和に貢献するようになるか?

    なるわけないよね、いくら人間でもさすがにそこまで単純じゃない

    • +5
  40. 関連性があると因縁つけてる側がそれを証明しないまま話を進めようとするからおかしなことになる

    • +1
  41. 当たり前だろ

    デスメタルなんてギャグ漫画みたいなもんだぞ

    • -4
  42. その人の暴力性は上がらなくても、目の前の現実は暗くなる、そんな感じよ

    • +2
  43. ロバートランザという科学者によると宇宙とは生命自身が作り上げたものらしい
    つまり、観測者自身が作り上げたもの
    二重スリット実験だとか、量子力学にも似たような理論あったかな
    なにが言いたいかと言うと現実を作ってるのは我々自身ってこっただ。
    つまり、起こったらどうしようと予め考える、準備する常識、顕在意識も大事だけど
    そういった物事を引き寄せないようにする潜在意識、思考も変えるのも大事ってなことよ、うん。

    • 評価
  44. クラウザー二世はポピュラーソングを歌いたかったんだもんな。

    • 評価
  45. 人間卒業式ドラムだなーとか、人間ってこんな声出るんだすげーってなって、感心はあっても、暴力とかにはつながらない。

    • 評価
  46. 凶暴性とか残虐性って、それこそ環境や酷いストレスによって育つものだから、普通の生活を送っていればデスメタルを聴いたり戦う系のゲームをやっていても犯罪行為に走るわけないんだよね。

    というか、ほとんどの人が「創作物」として楽しんでいるわけで、ついでにそういうのが好みだからと言って「自分がそうしたい」わけじゃない。
    普通の人は、現実と現実以外の物語を分けて楽しんでる。

    むしろ、デスメタル聴いたりゲームやったりアニメやったりすると犯罪者になるって騒いでる人は、現実と虚構を混同してるアレな人って印象。
    鏡の法則と言うか、自分が現実と創作の区別つかないから他人もそうだと思い込んでるんじゃないかと。

    • +4
  47. 排斥しようとする側の暴力性の方が、半端無いんだけどな
    執拗に粘着して批判を繰り返す確信犯なんだから

    • +2
  48. クラウザーさんも参考資料にしていただかないとw

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。