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パイロットは2度同じクマを救う。彼らがかつて保護した子グマを永遠に面倒を見ると決意するまでの物語(ロシア)

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 ロシアの空軍基地近くの森の中を、子グマがひとりでさまよっていたところを基地のパイロットたちに発見された。

 パイロットたちはマンスールを引き取り、しばらく基地で面倒を見ることに。

 すっかり人なれしてしまったので野生に返すことはできないが、もっと自然に近い場所で暮らした方がマンスールの為に良いと考えたパイロットたちは、地元の職員にお願いし、自然保護区にクマを放してもらうことに。

 ところがこの職員が曲者だった。

 マンスールのその後の様子を全く教えてくれないことを不審に思ったパイロットたちは、独自に調査をする。すると予想外の事実が発覚する。

 なんとマンスールは見世物小屋で働かされていたのだ。

 そうしてまたパイロットたちはまたこのクマを救うこととなる。そして永遠に面倒を見ることを誓ったのだ。

母を失った子グマを基地に引き取ったパイロット

 マンスールが初めて、パイロットたちと出会ったのは子グマのとき。

 2016年、ロシア・アムール州オーブラスチにあるオルロフカ空軍基地近くの森をひとりでさまよっているところをパイロットのアンドレイ・イヴァノフ(39)さんらに発見され、基地に引き取られた。

 通常なら常に母親に守られているのはずなのだが、彼の母親は撃ち殺されてしまったそうだ。

 愛くるしいマンスールは基地で人気者となり、パイロットたちから愛されながらすくすくと成長していった。

The sweetest aircraft enthusiast ever : Baby Bear Mansur

その様子は以前カラパイアでもお伝えしたかと思う。
・一方ロシアでは・・・飛行場にクマの子が迷い込んできたのでここで飼うことに。なんかすごく懐いているけどさ。 : カラパイア

マンスールを自然保護区に放すことにしたのだが…

 しばらく、この基地で飼われていたが、パイロットたちはもっとふさわしい場所で暮らす方がマンスールのためにいいと思い始めた。

 マンスールは人になれすぎてしまったため、野生に戻すという選択肢はなかったが、自然保護区なら、ハンターや密猟者から守れるし、監視してくれる職員もいる。

 そこでイヴァノフさんらパイロットたちは、地元の然資源・生態環境局の職員にお願いして、セリガー自然保護区に連れて行ってもらうことにした。

 ところが…

 マンスールの様子が一向に伝わってこない。職員にたずねても、うまくはぐらかすばかりで、今彼はどうしているかなどをまったく教えてくれなかった。

クマの仲間のマンスールはロシアの飛行場を本拠地とした – Daily Mail

マンスールは見世物小屋に送られていた

 そこでパイロットらは、独自にマンスールのことを調査してみた。

 すると衝撃の事実が発覚する。

 マンスールは保護区には連れて行ってもらえなかった。そのまま、カルガ地区にある悪名高い「クマ狩り」の本拠地に送られてしまっていたのだ。

 ここは、訓練された猟犬が、つながれたクマに襲いかかるのを見世物にする「クマ狩り」の場で、マンスールがとても劣悪な環境にいることがわかった。

パイロットたちによるマンスール救出作戦

 マンスールが鎖につながれ、獰猛なイヌに攻撃されているのがわかると、パイロットたちはすぐにレスキュー隊を結成してマンスールを救い出し、空軍基地に連れて帰った。

 マンスールはすぐにイヴァノフさんたちの顔がわかったようだった。抱きついてきて、父親代わりのアンドレイの膝で甘えたという。

 かわいそうにマンスールは、体は傷だらけでフンまみれのひどい状態だったが、歯やツメはまだ切られていなかったのは幸いだった。

 クマ狩り用のクマは、攻撃するイヌを守るために歯やツメを切って丸腰にされてしまうのだ。

Siberian Bear wants to wear cap

基地にシェルターを建て、冬眠の準備を

 基地に戻ってきたマンスールのために、パイロットたちはシェルターを建てた。そして万が一のときに備えて、人間を守るために電気柵を設置した。

 そして今、イヴァノフさんはマンスールに添い寝して冬ごもりの準備をさせようとしている。

マンスールを救い出した瞬間から、あの子をほかの誰かに渡すなど考えられなくなりました。みんなで力を合わせて、マンスールを守るための池つきの家を建てようと決めました。

ぼくたちは彼にとって本当に快適な場所を作ってあげたいのです。彼はぼくたちのチームの一員ですから

ロシア中のパイロットが支援

 最初に発見した時、マンスールはまだ小さく、イエネコくらいの大きさだった。だが今は、体重199キロ、立ち上がると180センチ、一日に20キロのエサを食べるという。

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image credit:Andrey Ivanov

 最近、オルロフカ基地の囲いが手狭になったので、マンスールはもっと大きな基地の新居に一時的に引っ越した。

 ロシアじゅうのパイロットたちの支援のおかげで、イヴァノフさんは今、マンスールがずっと棲むことができる新たな囲いを建設中だ。

 必要に応じてマンスールを移動させることができる貨物専用コンテナも導入している。

クマの寿命は30~40年だけど、彼を見捨てるつもりはありません。この5年以内に基地でなにが起こるかはわかりませんが。

でもコンテナがあれば、マンスールをどこでも新たな場所に移動させることが可能です。彼にとって一番いい快適な場所を提供できるでしょう

 クマのマンスールとイヴァノフさんたちの様子はインスタグラムのアカウント「mansur.medved」で公開中だ。

References:The incredible story of the little orphan bear that was saved by the Russian pilot as a puppy/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 67件

コメントを書く

  1. 救出作戦素晴らしいが、残されたほかのクマも気になる。

    • +76
  2. そういうとこだとその職員は何のお咎めもなくまた別のクマを見世物小屋に放り込んでるんだろうな。
    天罰が下って欲しい。

    • +99
  3. 生態環境局の職員がどうなったのか気になる

    • +64
  4. ポーランドのヴォイテクを思い出した、
    あっちは本当に砲弾入りの箱を運んだりしてたけど

    • +22
  5. 素晴らしいお話だが
    >この5年以内に基地でなにが起こるかはわかりませんが。
    が、何気に怖いわ…
    マンスールとパイロット達に幸多かれと願うばかり。

    • +67
    1. ※6
      ロシアも情勢が不安定だからね。
      ただ危機感をきっちり持っている人たちだから対処してくれると期待したい。

      • +3
  6. 救出作戦の詳細が気になる

    ロシア中のパイロットがサポートっていいね

    • +40
  7. て言うかその見世物小屋つぶせないの!?ありえない

    • +67
  8. こいつは俺が面倒見るッ!
    母親代わりになるんだあ!

    • +12
  9. 理不尽にすぐさま立ち向かえるスキルのある人たちだったのも幸いだった
    どうかできるだけ末永く彼らに幸多かれ

    • +35
  10. >レスキュー隊を結成してマンスールを救い出し
    AK持ってヘリで乗り付けてそうなイメージ

    • +34
    1. ※15
      いや、むしろ「波乱バラライカ」でないかと、ロシアだけに。
      けど、意味不明になるのが難点だね。

      • +3
  11. 救出作戦が格好良すぎる!作戦名とか何だったんだろうな
    日本じゃ有り得ない事だらけだ。恐ろしあ…

    • +8
  12. クマを人の元で保護(飼育?)するって想像しただけで大変
    空軍だからこそできたのかもしれない
    マンスールの最期まで継続できるといいけど
    保護区の職員は万死に値する

    • +39
  13. ひどい。世界中に動物を金を稼ぐための道具にしか思ってないようなヤツの作った見世物小屋たくさんありそう

    • +27
    1. ※18
      見世物小屋どころかスポーツハンティングしてるやつらもいるよ
      オリにいれたライオンとかが標的になる
      本当に畜生な人間どもは滅んでほしい

      • +33
      1. ※32
        保護区で暮らしていた個体を保護区の外におびき出してハンティングで殺し、世界中の非難を浴びた事例もありましたね。

        なぜそんな真似ができる。なぜそんなことが楽しいんだ。

        • +9
        1. ※58
          歯科医の男ね。
          報道後雲隠れしたらしいけど、今はどうなってんだろ。

          隣家の飼い猫をボーガンであやめて得意げにインスタだかにアップしてた女もいたし、そこらへんのリストアップそろそろしてみようかと思ってる。

          • +1
      2. ※32
        幼いころから人間に馴れさせて育て、成体になったら、ハンティング=撃ち殺すために檻の外に放つ。
        ライオンたちは、育ててくれた人間を信頼しきっているから、遠くまで逃げないし、自分たちが殺されるなど、夢にも思っていない。だからへぼハンターでも狙いやすい。
        クソとかゲスとか、極力使わないで生きてきたけれど、こういうことに関わっている輩には最適な呼称だと思う。
        そんなに狩りたいなら、素手で戦うか、人間同士で撃ち合えばよい。いや、そうすべき。
        ドッグファイティング、日本で言う闘犬もね。人間同士で殺し合え、と心から思う。

        • +5
  14. いやもう日本人と感覚が違うわ
    熊を犬だと思えばいいのか何なのかわからないがビビったら負けなのだろうか

    • +8
  15. 昔、子供向けの本で”子ぐま物語”(題、忘れた)みたいなのを読んだ事がある。
    たまにあるのかな? そういうの…

    • +1
  16. そして2020年、世界初のクマの空軍パイロットが誕生するのであった

    • +24
  17. サイト
    mansur.il-14.ru
    インスタ
    instagram.com/mansur.medved/

    • +2
  18. その「クマ狩り」という見世物小屋を、悪名高き(?)動物愛護団体はちゃんと攻撃しているのかな。こういう場所こそ彼らの本領発揮する場所だと思う。

    • +48
    1. ※24
      どうでしょうねえ。見世物小屋というか、料金を払って狩りで使役するわんこたちに生きた動物の匂いと噛みつき方を体験させることができる施設はロシア国内に200以上もあるのだとか。
      もちろん残酷であるとしてメディアに紹介されたりロシア国内の動物保護団体も動こうとしているようですが規制法案については上院とおらなかったような記事もありますし、道は遠いのかもしれませんね。
      マンスールの救出にしても相手は違法なことしているわけでないので荒事や無茶するわけにもいかなかったでしょうし、現地に行って買い戻したんでないかと想像します。以下参考記事ですが紹介されている写真や動画はキツイものですのでご承知ください。いやあ連れ戻せてよかったですよ。

      「野生動物を鎖でつなぎ、猟犬にかませる訓練サービスがロシアで横行 「虐待だ」動物愛護団体が反発」ハフポストJP

      「Inside Russia’s brutal ‘baiting stations’: Horrific footage shows chained up bears, muzzled foxes and badgers viciously attacked by hunting dogs」 dailymail.co.uk/news/article-5253625

      • +10
  19. マンスールの代わりにその職員を見世物小屋にinすればいいんじゃない?(名案)

    • +28
  20. ディズニーアニメのネタになりそうな話だ…

    • +1
  21. 19.追加です。^^;
    野生の熊が主人公の映画とは別の、です。
    人間の男性が主人公。熊(雄)は準主役。子ぐまの頃は、雌の兄弟(兄妹? 姉弟?)がもう一頭いたんだけど、雌の方は途中で射殺されてしまう。

    • 評価
    1. ※27
      シートンのタラク山の熊王かな?。
      猟師のペットのオスの小熊が、売り渡された先で妹熊と死別、脱走後悪名高い牛殺しの熊となり元飼い主の猟師と相見えるという話。

      • +2
      1. ※34
        それをアニメ化したのが「くまの子ジャッキー」かな?
        改変されて妹のジルも生きてるけど

        • 評価
  22. ロシアのパディントンになるのかな?

    • 評価
  23. 見なきゃ良かった。途中にキツい事書いてある場合は胸糞注意って乗っけてくれマジで

    • -21
  24. こういう記事を読むと、この子は助かってよかったと思うと同時に、生き物を助けて野生に返す難しさを再確認する

    • +21
  25. 悪事がばれたんだから国に言ったはず。
    その職員は処分されたんだろ?
    ならば熊のために今度こそ自然保護区に行かせるべきだとおもうな。

    • -3
  26. 人なれした熊を見世物小屋に売られるのは胸がつまる

    • +10
    1. >>33
      26です。
      それです! それです! ありがとうございます。

      読んだ本では、クライマックス?で雄熊は檻に入れられてしまうのですが、檻を壊すので、鋼鉄?の頑丈な檻に移されました。中で雄熊がどんなに暴れても、檻はビクともしない。
      ある日、まあ色々あって、主人公が雄熊と再会。雄熊は主人公を覚えていて、主人公もかつて自分が飼ってた雄熊だと気付き、檻越しに雄熊と主人公はハグして、主人公は号泣、雄熊も嬉しそう。みたいな場面でメデタシメデタシ。

      出版社が、子供向け用にメデタシメデタシな終わり方に代えてしまったのかもしれませんが。
      原作?はどうなんでしょう。やっぱりメデタシメデタシでお開きになってほしいな。
      (^ω^)

      • 評価
  27. クマを一生面倒見るって、なかなか決断出来るもんじゃない
    ロシアの情勢に振り回されず、幸せに生きて欲しい

    • +15
  28. ガンシップがワルキューレの騎行を爆音で流しながら見世物小屋に
    集中砲火を浴びせている所が目に浮かぶ

    • +2
    1. >>36
      きっとありそうですね。^^;
      プーチン大統領がどんな名前を付けてくれるか楽しみ(⌒▽⌒)

      • +1
  29. >この5年以内に基地でなにが起こるかはわかりませんが。
    たぶん、ある日突然にプーチンがやってきて熊と遊んでると思う

    • +8
  30. マンスールという名前がいきなり出てくるのでもっと文章を推敲した方がいいと思います

    • -8
  31. 基地では犬と仲良くしてる感じなのに引き取られた先では犬に襲われてたってのが悲しすぎる

    • +15
  32. 大きなお手手!
    じゃれ合いのつもりで軽くタッチされても痛そう

    • +3
  33. その売り渡した職員を熊が食い殺す見世物小屋なら見るのに

    • +3
  34. 見世物小屋送りに関わった連中はちゃんと蜂の巣にしておけよ?
    他の動物で繰り返されないように、落とし前と後始末はキッチリやらんとな

    • +4
  35. 自然に帰さなくちゃいけないんだから
    子熊時代にいくら可愛いくても
    そんなに猫っ可愛いがりして
    人に懐かせたらダメだよぉおお~…と思うけど
    そこはロシア🇷🇺なので
    大きくなっても猫っ可愛いがりなのだ

    • 評価
  36. 第二次大戦中にポーランド軍にヴォイテク伍長という熊が弾薬補給任務に就いていたし
    普通に軍人にしてあげりゃ良いんじゃね

    • +2
  37. 軍人とクマって相性良い気がする。クマを飼うには軍人くらいパワーがあって軍みたいな特殊な環境が無いと駄目って事なのかな
    もし万が一があっても自分たちで解決できるだろうし

    関連記事の動画見たけどあんなに人に対して友好的な生き物に対して残虐な行為ができるのが信じられない

    • +3
  38. すでにヴィオテクコメが数件上がってる
    そだよね、軍+熊っていうとヴィオテク上がっちゃうよねー

    • +2
  39. とりあえず職員は裸で檻に入れて
    犬に襲わせて見世物にして処分したらいいんじゃないかな

    • +4
  40. ロシアのクマ好きだけは認めざるを得ない

    • +3
  41. 人間の愛を受けた後で人間からひどい仕打ちを受ける。この落差は最初からひどい仕打ちを受けるよりつらいものだ

    • +9
  42. 道民からするとロシア人の感覚の違いに驚くばかりだわ
    どんなに小さくて可愛くても熊は熊だからな…
    あんな風に共生できる気がしない

    • +3
  43. 動物愛護とか抜きにしても、依頼者を裏切って業者に横流しするって普通に人として最低な行為でしょ。

    • +7
  44. まだそんなものがあるのか…
    ロシア怖いなぁ…

    • 評価
  45. 貧しさと無知がこうさせる…
    本当に辛いことだ。
    全ての生き物に心があることを、全ての人間が理解したら、きっと理想的な地球になるよ。

    タコだって人を認識するわけで、真珠だって核入れの痛みで死ぬわけで、まして人同士を殺し合いさせようという輩がどれだけいることか…

    けしかけられてるのは私たち人間も同じ。

    国境を作ることで儲かる奴ら、違う場所に住んでるってだけで殺害命令を出し、何も考えずに従う兵隊たち。

    他者への思いやりだけで、どれだけ豊かな社会が実現するだろう?

    • +1
  46. この記事見てインスタ見に行った。ロシア語読めないので詳細は分からないけど今も熊元気そうだし、記事内の空軍の人もいて、良かった。

    • +3
  47. ロシア人は熊を大切にすると聞いていたのに、
    熊を犬に殺させて、それを見て楽しむ見世物小屋があることにショックを受けた。
    さらに、環境局の職員がこの見世物小屋とグルだったという事実に愕然。

    その職員と見世物小屋が、それこそ“見せしめ”として重い懲罰を受けていますように。

    • +2
  48. インスタ開いたら1週間前の動画があったよ。
    マンスールはのびのびプールで泳いでたよ。

    • +2
    1. >>71
      ありがとう
      その後も知れて嬉しい!

      今も変わらず幸せが続いてることを願う

      • 評価

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