メインコンテンツにスキップ

ヒゲワシにサンキュー!動物の死骸を跡形もなく処理、その骨も砕いて食べる「地球の清掃係」 ヒゲワシはリサイクルの達人

記事の本文にスキップ

35件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit:commons.wikimedia
Advertisement

 母なる地球の大地には多種多様な生き物が暮らしている。どの種も自然を維持していく上で何らかの役割を持っているのだ。

 中でも地球の清掃係として知られるヒゲワシは「リサイクル上手」でもある。

 ヒゲワシは動物の死骸などを主な食料とするのだが、ヒゲワシがその死骸を処理してくれなかったら、恐ろしい伝染病が世界にはびこっていただろう。

巨大な猛禽類、ヒゲワシ

 ヒゲワシは、タカ科ヒゲワシ属に分類される巨大なワシである。全長115センチメートルくらいだが、翼を広げると3メートル近くになる。

 喉部から、ヒゲのようにふさふさとした黒い羽毛が生えていることから「ヒゲワシ」と呼ばれている。

 ヨーロッパ南部、コーカサス、 アフリカ、インド亜大陸、チベットの高い岩山に生息している。

 英語では「ラマールガイル」と呼ばれているが、これはドイツ語で「ヒツジワシ」を意味する。昔の人ははヒゲワシが羊を狩っていたと考えていたからだ。

 アラビアンナイトに登場する怪鳥ロックは、この鳥がモデルという説もある。

この画像を大きなサイズで見る

死骸の肉だけでなく骨すらも食べて消化する

 人気の無い道路に動物の死骸を見つけたとしよう。だが一夜あけると跡形もなくなくなっているころがある。それはヒゲワシが死骸を処理してくれているからに他ならない。

 ヒゲワシはタカ科の中でも特異な性質を持っている。彼らは主に動物の死骸の腐肉や、栄養価の高い骨髄を食べる。

 彼らは動物の骨も栄養分に変えて処理することが出来るのだ。

 小さい骨は丸呑みして、強力な胃酸で骨もろとも骨髄を消化する。一度に飲み込めないほどの大きな骨や亀の甲羅などの硬い獲物は、上空から岩の上などに落として割り、飲み込みやすいサイズにしてから食べる。

この画像を大きなサイズで見る

なぜヒゲワシは死骸の骨を栄養に変えることができるのか?

 成熟したヒゲワシの約80%が、動物の肉を食べずとも、骨だけ食べて、それを栄養に変えて消化吸収できるという。

 これは他の猛禽類との生存競争の中で獲得した彼ら特有の能力である。

 この特有の能力はどのようにして身に着けていったのか?

 大昔、ヒゲワシの祖先が偶然獲物を地面に落とした時、獲物の骨が真っ二つに割れ骨髄が露わになった。賢いヒゲワシの先祖はそこから栄養分が補えることを学び、遺伝子に刻み込んでいったのではないかと言われている。

 大自然によって引き起こされる進化というのは偶然の連続によって発生するものだ。

Wild African vulture birds scavage bones of dead animals – BBC wildlife

ヒゲワシの高度な知能と驚くべき消化能力

 またヒゲワシが素晴らしいのはその頭脳である。

 一度に口に入れることのできない大きな獲物は上空50~80メートルの高さからから落として岩に叩きつけて砕くのだが、彼らは岩に叩きつける角度や風向きやスピードをきっちりと計算しているのだ。

 更にヒゲワシの胃の中には強力な酸が存在する。これはヒゲワシの食事である骨を溶かすための進化であり、一度に4キロほどの食料を消化できるという。

真の知性とは、知識ではなく創造力である

ー アルベルト・アインシュタイン

 天才物理学者アインシュタインが正しいとするならば、我々人類も、動物たちの発想と機転を理解し、自らの創造力を鍛える必要があるだろう。

References:everwideningcircles/ written by riki7119 / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. ワシは日本語にするとハゲだかヒゲだか散々なネーミングだな

    • +6
  2. 全然関係ないけどハゲヒゲワシとかいるのかな

    • +5
  3. その能力や生態から出で立ちまでなにもかもが美しい
    信仰の対象になりそう

    • +4
  4. ハゲワシの間違いだろ?と思いながら開いたらヒゲワシで合ってた
    しかしこの記事、ヒゲワシの性質は詳しく解説してるけどどこに住んでるのか全く触れてないね
    道路が引き合いに出されるということは市街地にもいるのかな

    • 評価
  5. 生態系の頂点にいるはずなのにスカベンジャーとか、狩の危険を避けた選択なのかな?
    ヒゲクジラにも似てる(向こうはショーカットだけど)、多様性とかニッチの利用とかで様々な生き物がいて、だから自然は面白いし、

    • +3
    1. ※9
      今処理してくれるワシの個体数が減って鳥葬しようとしても時間がかかって腐敗して大変らしい
      葬儀も大変だよ

      • +8
      1. ※20
        鳥葬って鳥側からすればエサもらってるわけでしょ?ということはエサが有り余ってても減っちゃってるってことだから、何かヤバそうだね。

        • +4
      2. ※20
        あと薬物の摂取(抗生物質とか)のせいで鳥に悪影響も出て問題になってるとか

        • +2
  6. ハゲワシ
    ヒゲワシ
    フゲワシ
    ヘゲワシ
    ホゲワシ

    • +2
  7. 蠅の王ベルゼブブは、「腐敗による浄化」だと言うことを思い出した。

    「腐敗→分解→消滅」の工程が無ければ、地球上は遺骸が増えるばかり

    • +11
  8. 夢枕獏の[鳥葬の山]はかなり前に読んだ記憶あるがなかなか雰囲気あって良かった

    • +1
  9. アナコンダやパイソンの類も獲物を骨ごと食べるけど消化には何週間かかかる。一般的に鳥類は消化が早いけれども、このワシが骨を消化するのに何時間くらいかかるんだろうか。それとも消化液である程度柔らかくしたら胃石で砕いて硬い部分はペリットとして吐き出すのかな。

    • +7
  10. みんなが思い描いていたのは十中八九ハゲタカ。

    • +1
  11. 他のコメントにあるが、死んだら鳥葬がいいな。死んでまで焼かれるなんて嫌だ!

    • 評価
    1. ※17
      鳥葬って、骨から何からミンチにして見晴らしの良い岩の上に置いておくんだぜ。
      グリルとミンチどっちを選ぶ?

      • +2
  12. あれ、骨を食べるのは骨髄が目当てで、骨自体を栄養としてるわけではなかったような

    • -1
    1. ※18
      骨はたんぱく質にリン酸カルシウムを定着させたものだから、肉と変わらないカロリーが有るとか無いとか。

      • +5
  13. カラスやフクロウも頭良いの有名だし鳥類が頭悪いイメージあんまり無いな
    鳥頭って言葉はあるけど

    • +1
  14. チベットの鳥葬は理にかなった弔い方だったんだな。

    • 評価
  15. 岩に落ちるように計算してるってことは家や洗濯物の上に腐骨が落ちる
    地獄絵は避けられるのか。ナイスな鳥だ

    • +4
  16. そういえば前に、3トンのイノシシの死骸を放置する実験で、ワシだかタカだかが食べてくれる方が、死肉が早く消える→ハエやウジの発生が抑えられる→感染症リスク軽減てのがあった気がする

    • +5
  17. ふっさふさで可愛い
    なぜこいつは死肉食いなのにハゲてないんだろう

    • +3
    1. ※27
      ハゲワシ→大型動物の死骸が原型を留めているうちに胴体に頭を突っ込むから羽毛が邪魔
      ヒゲワシ→他の生き物が肉や内臓を食べいい感じに骨が露出した頃合いで登場
      この差かな??

      • +2
  18. 一度に4キロも食べちゃって飛べるんですかね

    • +1
  19. 食べものが骨くらいしか無い時代から生存した個体の生き残り

    • 評価
  20. 俺が死ぬまでに鳥葬日本で合法化しないかなぁ、海外じゃ値段が高すぎるよ。
    ふつう死んだらただのゴミなのに死んでも何かの役に立つなんてすごくね?

    • 評価
  21. 古代ギリシャの悲劇詩人アイスキュロスの最期が確か「ハゲ頭を岩と見間違えたヒゲワシに亀を落とされて死亡」だったような
    どうせ伝説だろうと思ってたけどヒゲワシの生態を考えるとありうる事故だったんだろうか

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。