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飢えのあまりに石を食べていたピットブルが保護されてた。だが真の家族が見つかるまでの道のりは長く険しかった(アメリカ)

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(著) (編集)

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 人間に虐待され、捨てられ、あるいは野良だった母親を失ってさまよう。そんな子犬や子猫を救おうと多くの保護団体が活動している。

 しかし、ひとたび保護すればそれで万事が解決するという訳ではない。新しい暮らしにすぐに馴染む子もいれば、なかなか相性のよい家庭とめぐりあえない子もいる。

 このピットブルの場合もそうだ。ロッキーと名付けられたその犬は、今は新しい家庭で幸せに暮らしている。しかし、保護されてから新しい家庭に受け入れられるまでには時間と忍耐が必要だったのだ。

石を食べて空腹を紛らわそうとした犬

 4歳だったロッキーは、2年前、2016年2月にカリフォルニア州のサン・ジャッキント砂漠で保護された。保護されたときには骨と皮ばかりだったが、奇妙なことに、腹部だけが膨らんでいたのだ。

 当初は妊娠していると思われたのだが、レントゲン検査を行った結果、真相が判明した。胃の中に石が大量に入っていたのだ。ロッキーは、飢えのあまりに石を食べていたのである。

 このことは “Rocky” という名の由来にもなった。

 胃から石を取り除く手術は成功し、ロッキーは健康を回復した。

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image credit: Luvable Dog Rescue

落ち着き先を探して

 続く数ヶ月の間、ロッキーはあちらこちらの施設と一時的に預かってくれる家庭を転々として過ごした。長期間に渡ってロッキーを受け入れられる施設がなかったのだ。

 しまいに、オレゴン州ユージーンにある「ラバブル・ドッグレスキュー(LDR: Luvable Dog Rescue)」という施設が、空きができ次第、受け入れてくれることになった。

 7月にロッキーはLDRに移った。55エーカー、東京ドーム約4.8個分の広さの森を敷地に持つ保護施設だ。保護動物の輸送専門のボランティア団体が、1,200kmの距離を運んでくれたのだ。

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施設でのロッキー

 LDRに到着したロッキーは、たちまち人気者になった。LDRの創設者でもある、理事のリーズル・ウィルハートさんはこう語っている。

 「ロッキーはゲームが好きです、おもちゃで遊ぶのも散歩に行くのも好き、だけど、抱っこされるのも大好きでした。筋肉がつき、体重も増えて、運動選手のような引き締まった体つきになりました」

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生涯の家族に巡り合うまでの長く険しい道のり

 喜びに満ちた性格の、幸せな犬になったロッキーだったが、しかし、終の棲家となる家庭はなかなか見つからなかった。人間にはよく馴染んだロッキーだが、他の犬たちと馴染むのに問題を抱えていたためだ。

 カリフォルニアで預けられた先では他の犬ともそれなりに上手くやっていたのだが、LDRに来てからは、他の犬に対して強く出すぎる傾向が見られたのである。

 ロッキーには刺激が強すぎ、興奮して自制が聞かなくなったようだとウィルハートさんは分析していた。しかし、中には怯える犬もいた。

 また、人間に対しては、「この犬の責任は持てない」という不安を感じさせることになってしまったのである。そのため、ほとんどの時間はいい犬であったにもかかわらず、引取りを申し出る家はなかったのだ。

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やっと相性のいい家にめぐり合ったはずが…

 LDRに来て1年以上経った2017年の8月、ついにロッキーを引き取ろうという申し出があった。夫、リッチと妻、ダイアンのケアリー夫妻である。

 ケアリー夫妻は、その前年にもLDRから、6歳のフレンチ・ブルドッグとピットブルのミックス犬、ハンクを引き取っていたのである。そして、ハンクと一緒に飼われていた犬が病気で亡くなったのだ。ロッキーはハンクのよい相棒となると夫妻は考えたのである。

 そこで、LDRの職員2人がロッキーを連れて、ケアリーさん宅を訪ねた。ロッキーとハンクは共に積極的な性格で、ダイアンさんは少しばかり不安を覚えたという。「ロッキーに一目惚れしていたので、ハンクとは相性が悪いといわれたらどうしようかと思ったのです」

 職員2人はこの組み合わせは上手くいくと判断した。ロッキーはケアリー家に引き取られることになった。ロッキーは懐っこく、ハンクは夫妻がロッキーを可愛がっても気にしないようだった。

 全て上手くいくかに見えた。が、すぐその晩にロッキーとハンクは大喧嘩をし、ロッキーはLDRに戻されてしまったのである。

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もう一度ロッキーにチャンスを!

 先住犬ハンクを優先し、ロッキーを施設に戻したケアリー夫妻だったが、ロッキーのことが頭から離れなかった。そこで、夫妻は数日後に再びLDRを訪れ、もう一度試してみることはできるかとたずねたのである。

 そこで、新しい方法を提案したのがウィルハートさんだ。費用はLDR持ちで、両方の犬をプロのトレーナーに訓練してもらおうというのである。

 「熟練した専門家に、安全な環境で2頭同時に見てもらえば、問題の原因が分かり、2頭がお互いを信頼して平和に暮らす手助けをしてもらえるのではないかと考えたのです」とウィルハートさん。

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 そしてこのアイディアは功を奏した。

 ロッキーとハンクは、3週間の集中トレーニングを受けるべく預けられたが、4日目には既に一緒に上手くやっていく術を身につけたのである。ケアリー夫妻もまたトレーナーに学び、2頭を衝突させないよう制御する方法を教わった。そして11月には再びケアリー家に引き取られたのである。

 「善意はあれど、攻撃的に、あるいは支配的にふるまう犬への対処の方法を知らない飼い主さんというのはいるのです」とウィルハートさんはいう。

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やっとつかんだ幸せな日々

 現在、ロッキーはロクシーと名を変え、ケアリー家で幸せに暮らしている。大喧嘩をしたハンクとも分かちがたい親友となった。

 2頭は常に一緒で、嵐のように遊びまわっている。広い庭で綱引きをし、スプリンクラーの水を追いかけるのだ。

 ケアリー夫妻は、2頭を連れて外出するために新しいバンを買った。

 「ここに来るまではロクシーには長い旅でしたが、LDRの素晴らしい皆さんのおかげでやり遂げることができました」とケアリーさん。「ロクシーは特別な子です。私たちはロクシーを愛してます!」

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References:Facebook など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. 最後の画像の笑顔で涙出た
    もっと幸せになってくれ

    • +43
  2. ドッグトレーナーって凄いんだなぁ。。。

    • +48
    1. ※3
      素人だと経験が足りなくて何が問題かを見つけにくいんだよ。問題さえ見つかれば、対処法は見つかるからアドバイスだけで飼い主に戻せる。
      彼らの間にある問題が、犬同士の相性なのか、嫉妬なのか、それともささいな(おもちゃをとったとか、餌を食べたとか)問題なのか、群れのリーダーを決めるための戦いだったのかは多分いろんなケースを見てきた人じゃないとよく分からない。
      しつけだといってただ人間が上から押さえ込む方法を教えるトレーナーは付け焼き刃であんまり意味がないと言うね。

      • +14
  3. 優しさだけでは本当の意味では決して救えない、ってことやな
    最後の、いい笑顔だ

    • +32
  4. 人間もそうであるように、犬も心に深く傷を負うとなかなか。人間関係・犬関係も身につかないし。
    でも当犬当人が一番苦しいんだとわかって欲しい。この引き取り先の親と支えた施設は素晴らしいですね。(=^ェ^=)

    • +22
  5. ケアリー夫妻がもう一度、と動いた事にとてもあたたかいものを感じる。

    • +60
  6. 3週間のプロの専属トレーナーなんて費用が莫大すぎる

    費用はLDR持ちで、プロのトレーナーに訓練してもらえることが全米に広がったら
    LDRは存続できなくなると思うが、まさか税金じゃないよな

    当事者の責任として費用は自己負担にするべき

    • -36
    1. ※8
      すぐそういう風に公平さを強調する人が出てくるけど
      欧米の隣人を愛す倫理観や習慣を知らないせい
      現地で肌で理解する機会が無ければ新約聖書でも読めばいい
      彼らが聖書に洗脳されてるというより
      中東以西の倫理観や習慣を纏めたのがキリスト教

      日本で1億あったら1億人に1円ずつ配るのが正義
      或いは論理的に絶対的弱者を選び出し
      細く長く自立できる支援をしないと揚げ足取りが暴れる
      理性的すぎるし欠点探しに重点を置くネガティブな発想
      多くの国では直接関わる身近な人や自分を愛する人の為なら
      問題が深刻でなくとも短期的にしか効果がなくても
      施しをしたりその行為を褒めるのが正義
      そういう自然な働きかけのために
      赤の他人に冷たくする事になろうが罪にはならないし
      遠くの人がこういう話を聞いたからってさほどたかりに行かない

      反対に日本の考えをつきつめると目の前で人が倒れてても
      「お前より苦しんでる人を救う為にお前を助ける訳にいかない」
      とかいう社会になるけどそれで納得すんの?

      • +10
  7. しかしアメリカみたいに家と家が離れてんならいいけど
    近所に気の荒い前科のある闘犬が居るのは
    自分の家の敷地から外には出さないけど屋外にでる
    小型犬と猫飼ってる側からすると勘弁願いたい

    • -7
  8. 愛玩犬じゃないし、厳しい所あるよな。

    • +11
  9. なんで外国ではそんなにピットブル人気なの
    飼いにくいし扱いも楽じゃないのに
    飼ってすぐ幻滅して捨てるのやめてや(;ω;`)

    • +21
  10. よかった。本当によかった。どうかずっと幸せに暮らしてね。

    • +9
  11. 熱血コーチの指導を受けて暴れん坊が大喧嘩からの親友に、という少年漫画感w
    そして芝の上を全力で駆け回る二人!
    めざせワールドカップ!(違)

    • +7
  12. アメリカだとピットブルの捨て犬率高いんだっけ

    • +5
  13. この善意はあれど支配的な犬の対処法知りたい。リーダータイプなんだろうな。うちに来た子も、二度とも気の強いタイプ。今いる子はこちらのことをリーダーとして見ているみたいだけど。

    • +4
  14. ピットブルは、おいそれと飼える犬じゃないしね
    そりゃあ飼い主も中々見つからんわ

    • +10
  15. ピットブルは危険だからね…、自分は無理かな。海外でたまに死亡事故が起きてるみたいだから子供いるなら無理だ。日本では飼うの禁止じゃないかな?

    • 評価
  16. Rocky → Roxy(roxieかも)と名前変わってもきっと呼びかけはロックとかで変わんないのかも

    • 評価
  17. スプリンクラー壊してて草
    幸せになれてよかったなぁ

    • +10
  18. 話自体は良い話なんだけどやっぱりピットブルとか日本の土佐犬だとかは事故事件はやはりあるわけで最後まで責任取れる保証がない犬種はペットとすべきではないと思うんだよなぁ。近くに飼ってる人いるとやはり恐怖や不安を感じる

    ああいう犬種はきっちり資格とかID登録とかで責任を持たせてから飼う許可出すべき。捨てて野良にするとか犬に対しても周りに対しても無責任すぎる

    • +2
  19. やっぱりペットを飼うのも免許制にならないもんかなあ
    登録制みたいなのになるだけでも違うと思うんだけれども

    • +5
  20. ピットブルはなぁ…やはり相当大変だよな…

    • +2
  21. ストーリーはいいから、その犬のトレーニング方法の方を紹介してよって思った

    • +8
  22. 長い旅でしたね
    やっとたどり着いた
    どうかずっと幸せに

    • 評価
  23. もちろん合わないので返すってのは仕方のないことだとは思うんだよ
    でももしそれが自分の子供ならそうはいかないんだよな、その問題と向き合って付き合っていくやな、って思った
    全ての飼い主さんがそんな風になるのは難しいけど、なれるといいな

    • +1
  24. 不幸なんだか幸運なんだかわからない犬だな
    人間だったらそこまでしてくれる人に出会えることはまずなかったろうな

    • 評価

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