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犬みたいだし猫みたいでもある。小さい子どもたちと仲良く暮らす保護キツネ (イギリス)

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(著) (編集)

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 西洋において、キツネの印象はあまり良いものではない。昔話に出てくるキツネは大体悪役だ。キツネの生態が人間の生活と相容れなかった結果だろう。

 しかし、カラパイアの読者なら、キツネという生き物の持つ魅力を十分に理解しているはずだ。野生のキツネに接触するのは危険であり、飼いならすのも難しいということまで。

 そういった危険性を熟知しつつ、飼うのは大変であるということを理解した上で海外ではキツネをペットとして飼っている家がある。キツネにはどんな苦労にも代えられないほどの魅力があるのだろう。

 イギリス、ハートフォードシャーに住むナタリー・レイノルズさんは4人の子どもの母親だが、同時に1匹のキツネの母親でもある。

 ごく幼いころに棄てられた子ギツネを、その手で育て上げた。

子どもたちと一緒に遊びたがるキツネ

 8ヶ月になった現在、輝く瞳とフカフカの尻尾を持ったキツネに成長したジャスパーは、ナタリーさんの家族と仲良く暮らしている。

 ナタリーさんは、野生動物であるキツネに危険性があることを知っている。だがジャスパーは分別があるようで、ナタリーさんの3歳の息子と5歳の娘に噛みついたりはしない。

 ジャスパーは子どもたちと一緒にトランポリンで遊ぶのが大好きなのだ。

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 「キツネは色々と悪く言われますけど、ジャスパーはうちの子たちと仲良く遊んでいます。私たちとの間には特別な絆があるようです。夫とはそれほどでもありませんね」とナタリーさんはいう。

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犬みたいで猫みたいなキツネのジャスパー

 ナタリーさんによると、ジャスパーは「犬と猫の混ざったような感じ」なのだそうだ。キツネという種の特性なのか、あるいはジャスパーに限ったことなのかは分からない。

 レイノルズ家には、人間とジャスパーのほかに、犬が3匹、猫が1匹いるのだが、ジャスパーは犬たちも猫のことも大好きだ。

 犬たちはジャスパーを仲間と認めているようで一緒に追いかけっこをして遊ぶ。だが猫の方は、特にジャスパーを気に入っているという訳ではないらしい。だが拒絶はしない。

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ジャスパーを散歩に連れていくと辛いことも

 ナタリーさんによく馴れたジャスパーは、リードをつけて散歩に出ることもある。「私たちを見下してくる人もいます」とナタリーさん。「時には、露骨に嫌な態度を取る人もいます。たいていの人はそんなことはありませんが」

 「キツネは気まぐれなのだから、野に放してやる方がいい、とも何度も言われました。けれども、野生のキツネの平均寿命はわずか18ヶ月しかありません。害獣として撃たれたり、毒を盛られたり、罠にかけられたり、ハンティングの的にされたりするのです」

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犬に間違えられた赤ちゃんギツネを保護。ハードな子育て

 ではなぜ、ナタリーさんはジャスパーを飼うようになったのか?

 実は、ジャスパーは生後わずか2日で母親に棄てられたのだ。発見者はジャスパーを子犬だと思い、動物病院に連れて行った。そこから紆余曲折の末に、ナタリーさんが里親となったのである。

 最初の1~2週間は、夜中でも2時間おきにエサを与えなければならなかった。「子どもたちを母乳で育てていたころのようでした」とナタリーさんは言う。「育ってきたら、子犬と同じように、箱に入れて階下で寝かせました」

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 現在では、ジャスパーは昼の間は自由に庭を駆け回り、子どもや犬と遊び、または家族と散歩に出かける。夜間はガレージにつくった囲いの中だ。ジャスパー自身の安全のためである。

The Mum Who Lets Her Children Play With a Fox | This Morning

野生生物であるキツネを飼育するという責任

 しかし、幼いころに保護されたジャスパーは特殊な例で、一般的にキツネはペットに適さない。

 動物保護団体は、キツネをペットとして飼うことに対する懸念を表明している。ヴェイル・ワイルドライフ・ホスピタルの動物看護師であるリディア・パリー氏は、キツネが子どもを咬むということは、よく知られているという。

 「野生の動物であるということが、リスクを高めています」とパリー氏。「野生動物の本能であり、だからこそ予測不可能なのです」

 キツネをペットとして飼うことは全く推奨しない、というのがパリー氏の結論だ。「ペットとしては不向きです。臭いが強いし、世話も難しい。また、動物の視点から見たときに、野生動物を捕らえておくのが倫理にかなっているとは思いません」

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 英国王立動物虐待防止協会によると、イングランドとウェールズでは、キツネをペットとして飼うことに法的な制限はない。

 とはいえ、協会の広報担当者も、野生動物であるキツネはペットに相応しくないとの見解を示す。「キツネには独特なニーズがあり、最も熟練した専門家でも、成長したキツネを上手に飼育することには困難を覚えるのです」

 「動物虐待防止協会は、キツネをペットとして飼うことを推奨、容認はしません」

 2013年には、生後5週間の男児が、家に侵入したキツネに手の指を咬み切られるという事件が起こっている。外科手術によって指をつけなおし、頬の傷を縫う必要があったそうだ。

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 その愛くるしさがインスタグラムで大人気のジュニパーちゃんや、アイルランドのおじいさんに保護された3匹のキツネのように、キツネと共に生活して上手くいっているというニュースは時々耳にする。

 しかし、キツネは野生動物だ。何千年も前から人間と生活している犬とは違う。キツネを飼って上手くいっているということがニュースになるのは、それだけ珍しい事例だからなのである。果てしない忍耐と、スキルと、かなりな幸運が必要なのだ。

 キツネの生態を良く知り、リスクを知った上でそれでも家族に迎え入れるという覚悟がない限り、キツネがどんなにかわいくても安易にペットとして飼うのはやめた方がいいだろう。

References: Mirror.co.uk

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この記事へのコメント 23件

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  1. 北海道旅行でキタキツネがカワイイからと言ってエサをあげたり、川の水を飲んではいけない。キタキツネはエキノコックスという寄生虫に汚染されているので大変危険です。

    • -4
    1. ※2
      エキノコックスは潜伏期間が10年以上あるから余計にヤバいですよね
      北海道の山で見たキタキツネはやせ細り荒れた毛並みでも眼光は鋭かったけど、キャンプ場に現れるヤツはふっくらとして毛並みも良くって何だか哀しくなりました

      ※3
      キタキツネより一回り大きいアカギツネが日本の山の中にいますよ
      野生動物の寿命は極端に短くて、例えばスズメは生まれて半年で半分が死亡してしまいます。平均寿命は1.5年とも3年とも言われていますが飼育下では10年近く生きるらしいです。ネコも飼育下では10年以上生きますが、野良だと数年です
      野生の環境下では身体的な寿命を全うする事は稀です

      • +3
    2. ※2
      正確に言うならキツネじゃなくて、イヌ科や猫とかの肉食動物が持っている可能性がある
      キツネが持っているなら他の生き物(対策をしていなければ飼い犬や猫)も持っている可能性があるから、キツネだけに注意すればいいわけではない

      • +6
      1. ※17
        幼虫を肝臓に持った中間宿主(野ネズミや草食動物)を食べたら終宿主(肉食獣)感染
        その肉食獣の腸内で成虫が卵を産みフンに汚染された物から中間宿主(人類含む)感染
        …というのがエキノコックスの一生のサイクルだから、野生の小動物やその死骸を
        犬や猫にも食べさせないように気を付けないとダメなんだよね
        逆に、飼育下で人間の与える衛生的な餌しか食べていなければキツネも安全なのです
        (幼虫のまま肝臓で何年も生きるエキノコックスも成虫の寿命は数か月なので)

        • +3
  2. キツネの寿命がそんなに短いとは知らなかったな
    北海道では見たけど本州にもキツネっているんだろうか?

    • 評価
  3. アライグマも可愛い外見から
    一時期は珍しいペットとして流通したけど
    飼育の難しさから捨てる飼い主が多くて
    野生化してペットや家畜を襲ったりして
    巷で問題になってたね。

    • +11
  4. もちろんこんな風に自分がキツネと暮らせるとは思わない。
    我々は記事を拝見してほっこりして、幸せのおすそわけにあずかる
    だけにしよう。

    • +39
  5. いろいろと意見はあるのだろうけど、少なくともこの子はこの家族の一員として生きていくのに適した性格のようだし、縁あってここで生き延びたのだろうから幸せに天寿を全うしてほしいな。

    • +22
  6. キツネ=イヌ科のネコ
    タヌキ=ネコ科のイヌ
    だぜ。

    • +4
    1. ※7
      狸は哺乳綱ネコ目イヌ科タヌキ属だからネコ科ではないよ
      イヌ科だよ

      • +7
  7. 先代を亡くし、2匹目のシェパを飼い始めた。
    自分は決して訓練好きではなく、向いてもない。
    でも最低限のルールを覚えさせないと、
    家でも外でも困ったことになる。
    犬のしつけで苦労しているので、キツネやウルフドッグ
    なんてとんでもない、という気持ちだ。

    • +4
  8. 英国王立動物虐待防止協会「イギリス上流階級に忖度しました」

    • -3
  9. そもそも此の子の場合は今から野生の暮らしに馴染めるのか?
    ここ迄この環境で育てて今から放っぽりだすのも逆に無責任だろうしなぁ
    一般的にペットにするかは兎も角、保護したこの子はもうしょうがないんじゃないか?

    • +11
  10. この子に関しては何というか野生の狐というカテゴリでくくるものなのか?って問題もありそう

    • +4
  11. 生後2日で拾われて以降人間に育てられたんじゃ、ほぼほぼ野生とは言えないねぇ
    気性も優しいみたいだし、レアケースとして幸せに暮らして欲しいな

    …こういう、人懐こい個体を掛け合わせていったら、イエネコならぬイエキツネみたいのが産まれたりするのかしら?

    • +9
    1. ※16 たくさんのキツネを個別の小屋で飼育して、
      「人に懐く」キツネを研究した女性学者がいるよ。
      なんと接し方等とは関係なく、懐っこい子は
      生まれながらに懐っこいことが判明。
      そして人と接しているうちに、どんどん被毛が
      白っぽくなるそうだ。
      (でもどのキツネも狭い小屋で一匹で過ごすので、
      可哀想だった。研究が終わったら彼らはどうなったのかな?)

      • 評価
  12. 家の近くにキツネの親子が居た。
    外で焼肉してると茂みの影から顔を覗かせたり、犬の散歩で遭遇したり、時々見かけた。
    適度な距離感で見守っていたのだが、秋に一匹が車に轢かれていた。
    あの親子なのか解らない。
    でも、あれから親子の姿を見かけない。
    人里近くで暮らすのは危険が多過ぎる。
    人間はもっとゆっくり車を走らせた方がイイ。(自分も含めて)

    • +4
  13. 目が開く前に養育を始めたのか
    素晴らしい!

    • 評価
  14. 何でもかんでも野生動物だから野生に戻しても、人に馴れた動物は人に近づいて駆除されるか、エサ欲しさに人を襲う。人側の精神的な満足の為に利用される保護活動よりも、ペットとして飼うことの方がよい事もある。予算を多額に費やし、野生に返した挙句、他の野生動物のテリトリーに侵入し、エサとして食われる動物を繁殖させる活動をするよりは、最後までペットとして飼いつづけてあげられる環境の方が飼われる側にはいいと思う。

    • +14
  15. このキツネは可愛いけど、去勢はしたほうがいいと思うね
    もし発情期が来たら攻撃的になったり異性を求めて脱走したりするかもよ
    野生に戻すのは難しそうだから、温和なペットとして一生大事に責任持って飼ってあげてほしい

    • +1
  16. まあ縁ってのもあるからさ。
    それがこの子の縁だったのでしょう。

    • +1
  17. キツネって日本では人気なのに飼っている人なんていないから不思議に思っていたのはそういうことだったのね。
    法律で禁止はされているのか気になる

    • 評価

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